魔法少女はニチアサ展開に付き合いたくないって話。   作:暁真

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ラスボス前の一大決戦って話。

 

「レムス、こっちの調整は終わった。後は其方で頼む」

「分かった、じゃあついでにこっちのクロノデバイス再メンテお願い。結構突貫工事だったでしょ」

「正解だ、調整できてない部分がそこそこあってな……やっぱりだ、時間凍結(クロノフリーズ)周りがエラー」

「だろうね……」

「寧ろそれで動かせる方がおかしいんですが……ゼクス、ディーデバイスは修理が終わった。受け取れ」

「ありがとう……ま、あまり期待はしないで。マルスだった時程戦いに飢えてないから」

 

 マルス……もといゼクスとの決着を付け元に戻して少し、さっさと作業を終わらせるべく3人がかりで作業を急ぐ。三葉用のクロノデバイスは完成、後は私の方の再調整とゼクスのカオスデバイスと……間に合うかこれ?

 

「エンネアちゃん、情報が確かなら……」

「はい、明日ネプトゥーンによる地球の魔道士(マギスター)掃討作戦が開始されると」

「やけにあいつが忙しなかったのはそれか」

 

 最悪エンネアちゃんとゼクスだけ先に行ってもらう手はある。タイミング的にメルクリウスも裏切ってくれるだろう、そうなればネプトゥーン自体は問題ない、ただ……

 

「此処で大人しく引き下がったって事はまあ……そういう事だろうね」

「私達からは尻尾を巻いて逃げた、と。ほんっと情けない奴ねあいつ、私をスカウトした時の狸面はどこに行ったのやら」

 

 決闘が終わった私達を追撃に来なかった時点であいつはターゲットをあの子達に切り替えたのだろう、大方私不在ならどうとでもなるとか思ってるはず。相変わらずふざけた奴だ、勝つために手段を選ばないと言えば聞こえはいいが実態はただの格下狩りだし被害が大きいと判断すればすぐ逃げる。そういう小賢しい知恵で今まで生き残ってきたんだろうな。

 

「絶対にさせるものか。そのためにオリンピアへ来たのだから」

「作業って後どれくらいで終わるの?」

「ゼクスのティタノデバイスは今日中に終わりそうだけど……私のクロノデバイスは明日までかかりそう。最悪先に2人だけで行ってもらう事になるわ」

「突貫で作業してるが……いかんせんまだ未熟だった時期の作品だからね。コードが随分とお粗末だ」

「そうですか……待てファウヌス、お前も戻る気なのか?」

「そりゃあオリンピアに残りたい気持ちもあるけど今はティフォンをどうにかしないと此処も地球もケイオスも危ないんだ、今更逃げる気ないよ」

「随分怠け者だったお前がよく此処まで成長した物だ」

「一言多いよキロン」

 

 正直このままオリンピアに篭ってて欲しい物だがなんだかんだムードメーカーとしてはあの子達に欠かせない存在だし居るに越したことはないだろう、後弄るの楽しいし。

 

「エンネアちゃん、当日の手筈は?」

「ネプトゥーンと機獣(ヘカトンケイル)だけなら問題ないだろうというのが彼女の見解です。ティフォンの介入を確認次第急行したい所ですが」

「ミネルヴァ達だけなら時間結界の心配はないでしょ。寧ろ嬉々として時空加速(クロノアクセル)を使ってくるはず、それも時間制限が来た後に」

「だったら手遅れの心配は考慮しなくていいわね」

 

 メルクリウス経由で情報を把握できるなら狙ったタイミングで介入できる、彼女がやられた時が心配だが此処までバレずに立ち回ってきたのなら上手くやるだろう。懸念事項は私達の介入がバレる事だが間髪入れずに仕掛けてくるって事は間に合わないって考えてると見ていい筈。

 

「最優先事項はあの子達に何かある前にティフォンをぶっ飛ばす事。直接倒してクロノデバイスを更に確保できるならそれが最良だけど安全第一、なら……」

 

 三葉用のクロノデバイスは既に完成している。使い方の説明さえどうにかなれば分体のティフォン程度ならどうにかできるだろう、となればエンネアちゃん達に先行して届けてもらった方がいいか。

 

「エンネアちゃん、貴方に預ける」

「……分かりました。必ず、届けます」

「時間がなかったら最悪転送(トランスポート)で。使い方のチュートリアルみたいなのを装着した瞬間発動するようにしてるから事前説明はいらない」

「正直それだけだと不安ではあるが……私もレムスとエンネアちゃんが信じたその子を信じてみようと思う。任せたよ」

「ええ。いい子ですよ彼女は」

「だからと言ってセクハラしていい訳じゃないけど」

「エンネアちゃん?」

「セクハラじゃないです!コミュニケーションです!」

「……」

「ゼクス!?」

 

 ああ、うん。ゼクスのゴミを見るような目から考察するにタルタロス時代もあんなだったのだろう、ほんとどうしてこうなってしまったのだろうか……それ以外はほぼ完璧超人と言って差し支えないのに。

 

「ともかく備えよう、現状バレていないとはいえ乱入対策をしてこないとも限らない。それこそさっき私の転移戦術をパクってきたようにあの時のゲートを阻害する術式とかね」

「……ティフォンに再現できるのですか?」

「多分ね。結構ガッチガチに組んじゃったからやってきたら突破する手段が現状ない」

「それ大丈夫なの!?自分で自分の首絞めてない!?」

「現状って言ったでしょ?」

 

 ひとまず今は……

 

「だから手段を作る。やったの私だから幾らでも抜け穴は探せるよ」

 

 最悪を回避するため、あるいは最善の結果を求めるため。今やれる事を全力でやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……報告通りならそろそろだな」

「本当にくるのテトラ?偽情報掴まされてたりしない?」

「そんときゃエンネアの奴を締め上げるだけだ。まんまと騙されやがってあの女たらし」

「エンネアの事だから寧ろご褒美になりそう……」

 

 弍乃さん達がオリンピアに向かってから6日経った、相変わらず連絡はない。大丈夫だとは思うけどここまで何もないと逆に不安になってしまう、便りがないのは良い便りって言葉は正直信じてないしもしまたなにかあったら……

 

「三葉、何考えこんでるの?一宮さんたちの事?」

「お母さんたちなら大丈夫と言いたいんですが無茶を、しますからね……」

「シルウィアさんもそう思うよね……」

「流石に考えすぎではないでしょうか……?」

 

 やっぱり私は考え事がすぐ顔に出るらしい、いつものように紗七達に見透かされてしまった。いい所だって言われるけどこういう時はちょっと恨めしい。というかわざわざこんな郊外まで来て話す事じゃ間違いなくない。

 

「にしてもネプトゥーンか……マルスの奴は英雄サマにご熱心だし納得ではあるが本当にこれで終わるのか?呆気なさすぎるだろいくら何でも」

「さらっとネプトゥーンの事舐めてない?」

「あいつは生真面目すぎんだよ、任務には忠実だが搦手に弱い」

「君もじゃん」

「昔の話だ昔の……お前人弄って楽しいか?」

「割と」

「上等だ後で覚えとけ」

 

 気づけば八雲とテトラのじゃれあいも見慣れてきた。あの時自己満足だのなんだの言ってた割に随分と今の生活楽しんでるじゃん、こういう所は見た目相応の女の子なんだから「おい三葉今小学女児を見るような目で見たな?」しっかりバレた。

 

「一応着身(マギアライズ)できるようにはしとけよ。ゲート開いて即攻撃……なんてのをやる性格じゃないが不意打ちくらいはしてくるからな」

「当然、早くあの人も元に戻して……全部終わらせるんだ」

「一応聞くけどその全部っていうのは?」

「私達の世界を平和にして、シルウィアさん達の世界のティフォンも倒す。憂いごとをキッパリ無くして、安心して帰れるように。そこまでやって本当に終わりだと思うから」

「……ありがとうございます、三葉さん」

 

 初めは成り行きで手にしたこの力だけど……色々知って、経験して、もう無理です降ります、なんて言ってられない。そうできるだけの力があるから、とかじゃなくて目の前の誰かを助けたいから、だから戦う。

 

「ま、放っておいたらいつこの世界に来るかわからないしね。侵略者を追い返してそれで終わりにならないのは世の常だよ」

「随分と哲学的な事を言いますね八雲さん……もちろん私も付き合いますよ三葉さん、多分これも運命ですから。きっと一宮さんに助けられたあの時から、こうなるって決まってたのかもしれません」

「ううん、運命なんかじゃないよ。私達は皆自分で選んでここに居る、未来を掴んで此処に居る。今までも、これからも」

 

 此処までの全部を運命と一言に纏めてしまえばシルウィアさん達に起こったことも、ファウヌス達の世界にタルタロスが侵攻したことも全て「運命だったから」なんて心無い言葉で切り捨てられてしまうから。それは絶対に違う、私達はどうするか、何ができるかを自分達で選んで此処まで来たはず。今までも、これからも、自分の意思で進む。それは決して運命なんかじゃない。

 

「ネプトゥーンをどうにかすればあとはマルスとメルクリウスだけ……頑張りましょう、皆さん」

「……そうだな、順当に行けば、の話だが」

「その間は何テトラ、何か知ってたりするの?」

「ノーコメントだ、下手に漏らすと色々面倒」

「むう……」

「んでまあ言ってたら、だ。来るぞ」

「……!」

 

 なんて話をしていたらタイミングを見計らったかのようにゲートが開いた。どうやらエンネア達が掴んだ情報は本物だったらしい、にしても諜報員っていったい誰なんだろう?

 

「……随分と都合よく集まっているな。何処ぞから情報が漏れたか」

「さあな、でも此処ならお前にとっても好都合だろ。なんせ周囲の被害を考えずに暴れ放題だ」

「やはり立場が変わってもその猪頭は変わらぬようだなアポロ、能無しが私を出し抜こうとよくやったものだ」

「煽ってるつもりか?悪いが前の私程愚かでも馬鹿でもねぇ、今日はきっちり決着付けに来たんだよ」

 

 ゲートから出てきたネプトゥーンが出てきて早々テトラと口喧嘩を始めた。元から仲が良さそうには見えなかったけどそんな罵倒し合うくらい互いに嫌いだったんだ……

 

「それはこちらも同じこと……正々堂々など当に捨てた。タルタロスのために、此処でお前達を……潰す!」

「ハッ!自分のやってる事から目を背けておいてよく吠える!準備はいいな!?」

「勿論です!」

「というか元から正々堂々なんてないでしょあんた達!」

「同感!民間人巻き込んだり人攫ったりね!」

 

 ネプトゥーンの指示で大量のゲートが開くのを合図に全員デバイスを展開。時間結界の兆候はない……だったら最初から行った方が良い!

 

「皆、装神(マキアライズ)で!」

「今日で一区切りにしましょう、ネプトゥーン!」

「ああ一区切りだ、お前達の敗北という結果でな!」

 

 覚悟を胸に、しっかりと相手を見据えて。

 

「「装(アー)神(ムド)詠(コー)唱(ル)!」」

 

「「「「装(アー)神(ムド)詠(コー)唱(ル)!」」」」

 

「変身詠唱(チェンジコール)!」

 

「ヒュペリオン!」

 

「オケアノス!」

 

「ユスティア!」

 

「ポイベー!」

 

「オプス!」

 

「テテュス!」

 

「ユピテル!」

 

 詠唱し、ドレスと鎧を身に纏って。

 

「んじゃあ行くぞ、ネプトゥーン!」

「弱い犬ほど、よく吠えるっ!」

 

 我先にとネプトゥーンに突っ込んで行ったテトラに彼女の相手を任せ、私達は空から降ってくる大量の機獣(ヘカトンケイル)達に向け駆け出した。

貴方の変身ヒロインは何処から?

  • セーラームーン
  • リリなの
  • プリキュア
  • まどマギ
  • シンフォギア
  • その他
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