「パチモノではあるけど性能そのまま据え置き!?冗談じゃないあの時どれだけ苦労したと思ってるの!?」
「落ち着いてディアナ、まだ量産型投下して来ないだけマシ!後今回は普通に殴れる!」
「
私が剣を支えに休んでいるすぐ目の前でディアナ達が目の前のエキドナさん擬きと戦っている。早くこの脱力感を治して急行したいけど……どうにもすぐ戻る物じゃない。
「ネプトゥーンが最初からこれを……?」
ネプトゥーンが何か用意してそうな素振りは確かにあったけど自分が負けそうになったら即投入、ってしなかったのはだいぶ違和感がある。寧ろこういうことをするのは……
「……まさか」
でもバッカスはあの時弍乃さんが……最後の置き土産?
「動く弾薬庫なのは相変わらずですね……!」
「この人数でってのもだいぶきついよ、前は12人でかかってようやくだったし!」
「泣き言言ってんじゃねえ!あいつらが帰ってくるのを期待するより私たちで何とか押し返す方がまだ現実的だ!」
「それはそうだけどやっぱり物量差が……!」
巨体に見合わぬ速度でディアナとテトラの射撃を避け、ウェヌスのビームを相殺し、ケレスの
「いか、ないと……!」
ともかくこのまま回復に専念してたって全滅してちゃ何の意味もない、多少動けない程度で休んでられるか、早く!
「そのザマで行く気?勇気と無謀は違う」
「……え」
どうにか身体を動かして向かおうとしたのを誰かに咎められた。ただよく知ってる声でもなければ初めて聞く声でもないし……そもそもどこから?
「頼まれて先に来たってのに肝心のキーマンがこれじゃ先が思いやられる……本当にこの子に託して大丈夫なのエンネア?」
「心配ない!まあちょっと直情的過ぎるところはあるがレムスさんと私が認めた子だ、だからこそこうして来たというもの!」
「エンネア!?いつ帰って、というか……」
「あんたが認めたって言うのはさして重要じゃ無いでしょセクハラ女。ま……使えるようになるまで加勢してくるか」
声のした方向に顔を向ければそこに居たのはいつ帰って来たのか何一つ変わりない様子のエンネア、そして……
「マルス……!?」
「心配する事はないぞ三葉、確かに彼女はマルスではあるが……今は頼れる味方だ」
「色々あった、とだけ言っておく。届け物はしっかり渡しなよエンネア」
「いやその色々が気になるんだけど……」
……雰囲気こそ違うけど私達が相手にもならなかったマルスその人。エンネアが戻って来てるって事はオリンピアであれこれあったんだろうけど……話してくれる雰囲気じゃなさそうだ、というかそんな余裕は今ないか。
「後で幾らでも話せる、今はこの場を切り抜けるのが先決だ。頼んだぞゼクス!」
「ったく……ミネルヴァ、じゃなかった。三葉」
「は、はい!?」
「この場で今1番強いのは私だろうけど……弍乃が切り札として選んだのは貴方。力の使い時を間違えないように」
「弍乃さんが……?」
一体弍乃さんは私に何を期待しているのだろう……なんて考えている暇はない。
「んじゃ……行くよ。
「頼んだ……よし三葉、こっちはこっちでやるべきことをやってしまおう」
「やるべき事……」
「レムスさんから君に。
「これ……え、これって……!?」
マルスが変身して我先にとエキドナに突っ込んで行く中エンネアから手渡されたのはどう見てもクロノデバイス。まさか弍乃さんに何か……!?
「ああレムスさんが心配か?安心してくれこれは彼女のオリジナルをベースにしたレプリカ品。本人は今ジャミングを解除するのに苦戦しててね、一瞬できた綻びの隙を突いて先に来た次第だ」
「よかった……でも、これを、私が?本当に?」
クロノデバイスの力はその恐ろしさも頼もしさもこの身を持って知っている。燃費が悪いとか弍乃さんはぼやいていたけど使えさえすれば全てを一瞬で終わらせてしまう事さえできる最強のデバイス……私に、扱えるのだろうか?
「君なら使えるというお墨付きだ。レムスさんがそう信じたのだから……いや、元々私は君を信じている。だから、君に託す」
……なんて迷っていたけどクロノデバイスを手にしたエンネアの目は真剣で迷いなく私を見据えている。伊達でも酔狂でも贔屓でもなく、私がこれを扱えると信じて手を伸ばしている。
「……分かった。使い方教えて、エンネア」
「使い方は身につければ自動でラーニングされる。私の役目は君を回復させる事……さ、やろう」
「うん……急いでよ!」
だったらそれに応えないのは彼女を、そしてこれを託してくれた弍乃さんを裏切る事になる。やるやらない、できるできないじゃない。私はこれを扱える、そしてあいつに立ち向かう事ができる。そう確信して……
「ラーニング、開始!」
差し出されたクロノデバイスを手に取り、左腕に巻きつけた。
「パターン解析完了、中和術式構築……約2分」
「完成次第即起動して飛び込んでくる。全部終わったらロムルスもちゃんと来てもらうからそのつもりで」
「分かってるとも……今は信じよう。君の信じた仲間達を」
案の定奇襲でジャミングをぶち込んできやがったティフォンにあんちくしょうと悪態を吐きながらロムルスと作業する事約7分。漸く部分的に解除できた穴からエンエアちゃんとゼクスを送り込んだまではいいが丸パクリではなく微妙に改竄してるせいで想定より解除に時間を割かれてしまっている。とっとと乗り込みたいってのに妙な知恵を回しやがって……
「……やるべきことは全てやった。後は奇跡を、ミネルヴァがクロノデバイスを扱える事を祈るしかない」
「レムス、奇跡っていうのは祈る物じゃないよ」
「随分と詩的な事を言うようになったな君も」
とはいえ解除に割かれるのは時間だけで思考のリソースは大して必要なじゃない。逸る気持ちをロムルスとの会話で紛らわしすぐ突入できるようクロノデバイスの最終チェックに入る。
「奇跡は最後まで諦めず足掻き続ける者に訪れる必然。掴むべくして掴む物」
「なら君の言うその子は掴める子、ということでいいのかな」
「当然。早々諦める子なら私はこんなに苦労してないし最高傑作を託す程信頼もしてない……何その顔。15年前のはともかく今のクロノデバイスは最高傑作って言っていいでしょ」
「いや、他人に尽く興味のなかった君がそこまで誰かを信じてるって事に驚いただけさ。随分と成長したなって」
「だまらっしゃい、肉体的には若返ってるけどとか言うつもりでしょどうせ」
「当たりだ、緊張は少しでも解しておきたい」
……柄でもない事を言ったらすぐにこれだ、昔こうしてよく弄られたのを覚えている。思い返せば思い返す程何でこいつと結婚したんだろうという疑念に駆られるが娘が可愛いので問題なしという事にしておく。
「突入まで後30秒……ロムルス、逃げないでよ。逃げたら文字通り時空の果てまで追いかけるから」
「それは困るな、君がまた記憶を失ってしまいかねない。ま、そんな気はさらさらないけど」
「私の心配より自分の心配をしておいた方が良いと思う……よし」
延長線だと思われたのか結構真面目な釘を刺したつもりの発言を揶揄われてしまった。やっぱこういう真面目と冗談の環境がイマイチ掴めないというか、なんというか……難しいな、コミュニケーションって。
「それじゃ……行ってくるよロムルス。ちゃんと迎えにくるから」
「ああ、待ってるとも」
そうこう言ってる内にジャミング解除まであと十何秒とか。今一度息を整えてデバイスを構え突入準備、変身して即座に開けるよう段取りを組む。
「
パチモンとはいえエキドナ相手に出し惜しみはしてられないので最初から
「……やってるな、それじゃっ!」
そのまま潜り抜けてあの子達とエキドナ擬きがドンパチやってる戦場へ降下。戦況は……よし、ちゃんとゼクスが加勢してくれてるな。ただゼクス以外の皆の攻撃はまるで通用していない、完全に適応されたと考えるべきだろう。
「
「この声……!」
「お母さん!?」
「真打気取りのつもり?予定より遅いんだけど!」
挨拶代わりに槍の雨を投下してみるが初撃の十数発が命中しただけで後は
「少しイレギュラーが発生して遅れた、そしてよく耐えてくれたね皆!」
「一宮さん、ご無事で……!」
「ったくおせぇんだよ。そっちはどうにかなったらしくて何よりだが!」
「唐突にマルスが加勢してきた時は何が起きたかと思ったけどね!」
「この状況じゃ説明する暇もないでしょ?」
「それはそうだけどさ……」
どうも
「
「……よし、何とか行けそう。ありがとエンネア」
「ならよかった……丁度あの人も来たようだしな」
「あ……弍乃さん!」
どうやら回復中だったらしい。すぐ横でネプトゥーンが崩れ落ちてるのを見るに倒そうとして無茶をしたんだろう、相変わらず初頭猛進な子である。こんな状況だってのに私に手を振る余裕まであるし元気はだいぶ有り余ってるようだ。
「どうやら賭けは成功したみたいだね」
「この通りばっちりです!弍乃さんの期待に……いや、弍乃さんの信じる私に、応えてみます!」
「そんな大層な期待はしてないけど……っと」
動けないのをいい事に槍の雨を降らせまくって遅延をしていたが適応されてしまったらしい、槍が装甲に弾かれて散っていく。もう少し話せるかと思ったけど……流石にそんな余裕はないか。
「幾ら何でも適応速度が速すぎない!?エキドナさんこんな速くなかったよ!?」
「恐らくは今まで私達と交戦した時のデータを全て注ぎ込んでいるものかと。それならパターンを照合するだけで簡単に適応が完了します」
「だから一宮さんが三葉にあれを託したんでしょーが!そうだよね!?」
「その通り……だから、決着を付けにいくよ」
私がデバイスを再び構えるのと同じタイミングで三葉もクロノデバイスを構え、息を整える。このまま長期戦になればなるほど手が付けられなくなる、そのためのクロノデバイスで、そのための2人先行投入だ。最短決着となると攻撃規模が確実にネプトゥーンを巻き込んでしまうがまあそのあたりはメルクリウスがなんとかしてくれるだろう、あいつなんだかんだ地味だけど的確な支援係だったし。
「行きましょう弍乃さん!」
「うん、やろう」
実証試験なんてまるでしていない、正常に動く保証は動作確認しかない。文字通りのぶっつけ本番。
だけどこの子に……いや、私達にとってはおあつらえ向きの状況だ。だって
必ず成功する勝利フラグだと。
知っている。
「よし……私も行くとしよう。
「介護の時間は楽しかったかこの女好き!」
「最高だった!」
「正直だね!?」
おまけと言わんばかりにエンネアちゃんも
「……よし」
修正したプログラムによるエラーや誤作動はなし、私のクロノデバイスは問題ない。後は三葉ちゃんのだけど……
「……凄い、これが……」
やっぱり心配無用だったようだ。プログラムは正常に動作して形成されたアーマーが彼女の全身を覆って行く。エラーもなければ想定外の挙動もしない、暴走でもなければ禁断の力でもない。
「弍乃さんの……いや」
正真正銘。
「私の、全身全霊だっ!」
貴方の変身ヒロインは何処から?
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セーラームーン
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リリなの
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プリキュア
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まどマギ
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シンフォギア
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その他