映画公開が延期になるそうなので妄想で補完しときました
「ほむら、ここまでよ」
あたしの剣がほむらの首筋にあたる。激しい戦いだった。ほむらは何度も同じ時間を繰り返して戦った経験が、あたしには円環としてその軌跡の記憶がある。経験だけの話でいうのならあたしの方が圧倒的にうえだけど、ほむらには悪魔の力がある。これがやっかいだった。
「年貢の納め時だよ。ほむらさんよ」
「・・・」
杏子には本当に感謝している。あたしと違って杏子はほむらの記憶改変をもろに受けてしまう、だからそもそもあたしの話を信じてくれない可能性だってあったのに
「さやかがそういうんだったら信じるよ」
本当に得難い友人を得たと思う。
「さやか、ここからどうするんだ。一応こいつは捕まえたけど・・・」
なんとかほむらを結界に封じた。あいつは不気味なくらい静かだった。
「とりあえずこれで新たに世界が改変されることはもうないはずだよ。あたしの力と記憶も少しずつ戻ってくるはず。そしたらまどかを迎えに行かないと」
早くこんな夢を終わらせなくてはいけない。
「美樹さやか」
さっきまで沈黙を貫いていたほむらがやっと口を開いた。
「あなたは自分が何をしているか、本当に理解しているの?」
「理解してるよ」
それはあんたもよくわかってるはずだ。
「佐倉杏子、あなたは?」
「あたしはさやかを信じるよ。あんたが本当の世界を歪ませているっていうのなら、ちゃんと正すべきだ」
「・・・わかっていないのね」
「はあ?私が何を分かってないってんだい」
ほむらが怪しく笑う。
あたしはまずいと思った。
「杏子、こいつの話を聞くべきじゃないよ」
「さやか・・・」
「いえ、佐倉杏子。あなたは私の話を聞くべきよ。でなければ必ず後悔することになる」
「なんだってんだ」
「ほむら!」
あたしが強く非難するようにほむらに言うが、ほむらは結界の向こうで怪しく笑うだけだ。
「佐倉杏子、私をここから出してくれないかしら」
「何言ってんだあんた?そんなことするわけないだろ」
「そうかしら?」
「なんであたしがあんたを出すと思うんだよ」
「杏子、もういいよ」
あたしは杏子の二の腕をつかんで離れようとするが、杏子はほむらの方を見つめたまま動かない。
「美樹さやか、それは少しフェアじゃないわ」
「・・・何がよ」
本当はわかっている。きっとあのことだ
「佐倉杏子、あなたはなんで美樹さやかに協力しているのかしら?」
「あぁん?そんなの大事なダチだからに決まってるだろ」
「そんな大事な友達との生活は幸せかしら」
「おま!な、何言いだすんだ!別に、さやかといても幸せとかねーし!」
杏子が赤い顔でほむらの方へ詰め寄る
「そうかしら?あなたにとって今の生活は幸せなはずよ。私がそうしたんだもの」
「そうしたって・・・どういうことだよ」
「杏子、聞かなくていい!」
「さやか、さっきからどうしたんだ」
杏子を強く引くあたしに、ほむらはまた怪しく笑った。
「美樹さやかは、私を倒すことで何が起こるか、あなたに教えてくれなかったの?」
「ほむら、いい加減にして!」
「いい加減にするのはあなたよさやか。何も言わずに事が済めば何も知らずに終われると思ったのかもしれないけど、佐倉杏子にも選択する権利があるわ」
「いや違うね、これはあたしが決めてあたしがやったこと、だから杏子には関係ない」
「あなたはいつもそうね、何も言わずそのまま抱えていずれ消える」
「消えるってなんだよ!」
杏子が今度はあたしを見る
「さやか、消えるってなんだ。あいつが言ってることは事実なのかよ」
「杏子落ち着いて、あとでちゃんと説明するから」
「後では手遅れになるわよ」
「ほむら!」
「ちゃんと教えてあげた方がいいわよ」
やめて杏子、聞かないで
「あなたはもう死んでるって」
「・・・」
場に沈黙が降りた。
「・・・なんだよそれ」
「今あなたが過ごしている美樹さやかとの時間はね、私が現実を捻じ曲げているからこそ過ごせる時間ってことよ」
「ほんとなのかよさやか!」
「・・・」
「その沈黙が答えよ」
ぐっと首を持たれる。
「っ!」
「さやかぁ!!」
杏子が怒り狂ってる・・・それもそうか、これはあたしが悪い
「説明しろ!あいつが言ってることは嘘なんだよな!あたしをだましてあそこから出るためのでたらめなんだろ!」
「・・・っ」
あたしは何も言えない。嘘をつけばいいのかもしれない、だけど杏子に嘘をつくのは嫌だった。
「嘘ではないわ、私を封印したまま美樹さやかとまどかが接触したら最後。美樹さやかは円環に帰るわ」
「円環?」
「難しく考えなくていいわ。つまりは、もう生きてる美樹さやかに会えないってことだもの」
あたしの首をつかむ杏子の手から動揺が伝わってくる。
やがてゆっくりとあたしを下した杏子はあたしの腕をつかみ顔を伏せた。
「さやか・・・本当なのか?」
「・・・ごめん」
「ごめんじゃわかんないだろうが!」
杏子があたしを引き寄せる。杏子の顔が目の前にあった。
「さやかおまえ、こうなるとわかっててあたしに黙ってたんだな」
「うん、そうだよ」
「なんでだ!なんでそんな大事なこと言わなかった!」
「知らないで済むなら、それが一番幸せだと思った」
「この!」
杏子はあたしをつかんでいない方の手を上げると振り下ろそうとしてこぶしを握る。そのままその手の甲をあたしの胸にあてた。
「そんなにあたしが信じられなかったか?」
「それは違う!あたしはあんたを傷つけたくなくて!」
「それが余計なおせっかいだってなんでわからねえ!」
「じゃなきゃあんたはあたしを助けようとするでしょ!」
「当たり前だろうが!」
こうなるとわかっていた。杏子はあたしをあきらめてくれない。どんなになったって見捨ててくれない。
「だから嫌なのよ!」
あたしの声に今度は杏子がひるんだ
「あんたはあたしを絶対にあきらめてくれない!それがわかってるからっ!だからいやだったのっ!」
「さやか・・・」
お互いに強くつかんだ手をゆっくりとほどく、さっきまで密着していた体を離すとお互いの顔がよく見えた。
だからわかってしまった。
「杏子・・・」
「ごめんさやか」
次の瞬間けたたましい音が鳴り、地面から杏子の槍の先が見えた。
「あたしにはあんたを失うなんて考えられない。」
「っ!」
いつの間にか体に鎖が巻き付いていた
「しまった!」
膝をつくあたし、そして・・・
「感謝するわ、佐倉杏子」
「礼なんていらねえ、さっさとどこへでもいきな」
ほむらに逃げられた
「杏子!あんた自分が何してるかわかってるの!?」
「わかってるさ」
膝をついたままのあたしの前にひざまずいた杏子があたしの両顎を両手で優しく包むと、キスをしそうな距離に杏子の顔があった
「あたしはさやかを絶対にはなしたりしない」
ああ、なんてことだ。きっとあたしはもうこの鎖から逃れることはできない。
あああああ
ぎもじいいいいい
妄想ってのは
誰にも邪魔されず、自由でなんというか、救われてなきゃあ、ダメなんだ。独りで静かで豊かで…
でもみんなに共有しちゃう!!