磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
カツオは驚愕した。
泥棒もスタンド使いだなんて!
明らかにあのバイクはスタンドだ。
何故なら急に出て来たからだ。
しかし
(そんな馬鹿な! 普通、泥棒は地元の家は狙わないって聞いたぞ!?)
人間心理として、近場の家に泥棒に入るのは自身に疑いが向くので泥棒の方も避ける。
そんな話をどこかで聞いた覚えがある。
だからカツオは泥棒がスタンド使いであるという可能性は全く考えていなかった。
一方的に
驚くしか無かった。
そんなカツオの前で、泥棒はバイクに跨り
ハンドルを握り。
ブオン、とエンジン音を立てた。
それと同時だった。
カツオは突如、激しくぶん殴られていた。
「うわああああ!」
肩だ。
頭ではない。
大人の男の力で、思い切り肩を殴られたのだ。
突如襲う激痛と衝撃でカツオは台所の床に投げ出される。
何が起こった……?
見えなかった。
カツオのジャイアントスターの目をもってしても。
あの
いつの間にか泥棒はカツオの死角に居たのだ。
テレポートしたように。
泥棒は何も言わない。
バイクに跨ったまま、じっとカツオを見下ろしている。
(泥棒め!)
だがカツオの心はまだ折れていなかった。
相手のスタンドの能力は良く分からない。
けれどもまだ自分のジャイアントスターは能力を1度も使用していない。
自分はまだ戦える!
カツオはゴロゴロと転がり、必死で起き上がる。
泥棒は追撃を掛けては来なかった。
何故だ……?
自分にとどめを刺すチャンスはあったはずなのに。
カツオは困惑しつつ、向き直る。
そして今度は背後を取られないように壁際に陣取った。
本当に見えなかったのだ。
飛来物を必ず打ち返すことができるジャイアントスターの動体視力でも。
その意味を必死で考える。
それはつまり、動体視力で捉えられる限界値を上回るスピードだったか。
それとも瞬間移動ということなのか。
どっちなのか……?
そこを確かめる方法……カツオは頭を回した。
敵の能力を見破らないと、対処のしようがない。
焦る。
そんなカツオの目の前で。
再び泥棒はブオンとエンジン音を立てて。
次の瞬間、カツオは再び壁に叩きつけられていた。
……目の前にワープして来た泥棒に再び肩を殴りつけられたのだ。
(また見えなかった……!)
カツオは衝撃を感じながら、動揺する。
この泥棒のスタンド能力が何なのか、それが分からない……!