磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第12話 普通ラスボスだろ

 必死で泥棒から距離を取って

 

「やい泥棒! 何で肩ばかり殴るんだよ!?」

 

 カツオは肩を押さえながら声を絞り出す。

 実際、何度も殴られて肩がイカレている感覚がある。

 これは姉が帰ってきたらクレイジーダイヤモンドを使って貰わないといけないかもしれない。

 

 だがカツオの言葉に

 

 明らかに泥棒は動揺している雰囲気があった。

 カツオは困惑した。

 

 コイツ、ヒトの家に不法侵入した犯罪者なのに。

 何で今の言葉で心を乱すのか?

 

 不自然である。

 必要があれば、家の人間を殺害することも厭わない、鬼畜ではないのか?

 

 そういう覚悟を決めて来た人間のはずだ。

 

 だからこそ、カツオは己の暴力性を全開にして、自分のスタンドの力を試そうと思ったのだ。

 

 あなた『覚悟して来てる人』ですよね?

 人を『始末』しようとするって事は、逆に『始末』されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね?

 

 ボコりながらそう言ってやろうと思っていたのだ。

 

 コイツには人を始末しようという覚悟が無いということなのか?

 

 ……でもまあ

 

「ジャイアントスター!」

 

 カツオはスタンド能力を発動させて、泥棒に殴りかかる。

 不法侵入しただけで十分殴られる理由になる。

 

 骨折の1つや2つは覚悟しているべきだ。

 これは自衛行為だ!

 

 だが

 

 ジャイアントスターの唸りをあげて振るわれたバットは、泥棒を捉えずに空振りする。

 その直前にブオンという音がした。

 

 残り2回……!

 

 泥棒は全然別の場所に移動していた。

 そしてその動きは全然見えなかった。

 

 どうも、正面から殴りかかっても無駄のようだ。

 

 考えなければ……

 

 カツオは考える。

 

 泥棒の能力は瞬間移動なのか?

 それとも超スピードなのか?

 

 ……はたまた、時間停止なのか?

 

 

 

 まず、瞬間移動では無い気がする。

 

 根拠は、拳を振るうところも見えなかったからだ。

 気がつくと、思い切り殴られていた。

 

 ということは、瞬間移動では無いことになる。

 瞬間移動であるならば、拳まで見えないという事態にならない。

 

(だったら超スピードか時間停止だよな……)

 

 その2つのどちらかだとカツオは思った。

 

 超スピードであるなら、泥棒のサングラスやニット帽、マスクが吹っ飛んでいないのが気になる。

 自分でも視認できないほどの速度なら、そうなりそうな気がするから。

 新幹線をも上回る速度で動くとするなら、そうなるのが自然ではないだろうか?

 

 いやいや、それ以前に。

 

 カツオの肩は、大人の男に思い切り殴られた域を出ていない。

 それほどの超スピードで殴られたら、それでは済まないはずだ。

 

 握力×体重×スピード=破壊力

 

 花山さんもそう言ってた。

 スピードが上がるなら、カツオの肩は粉々になっていないとおかしい。

 

 そうすると、時間停止……?

 あるいは、なんらかの時間操作系のスタンド能力かもしれない。

 

 でもそれは

 

(おいおい待ってくれよ。最初から時間関係のスタンド使いがスタンドバトルの相手だなんて……)

 

 あまりにもハードモード過ぎる。

 普通、ラスボスに回って来るタイプだろ。

 

 カツオはその理不尽に心で文句を言った。

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