磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第16話 泥棒の正体

 一方的な暴力に酔い、磯野家の兄妹は勝利の美酒に溺れる。

 

 泥棒は2人のスタンドの殴る蹴るをまともに浴び、バイク型のスタンドを消滅させてしまう。

 再起不能(リタイア)だ。

 

 2人のラッシュはサングラスを破壊し、マスクを吹き飛ばしていた。

 その下にあった顔は……

 

 それにカツオは驚愕する。

 

「三河屋さん!?」

 

 そう。

 泥棒の正体はカツオの町の酒屋さんの御用聞きのサブちゃんこと、三郎だったのだ。

 

 その長い前髪。

 面長な顔。

 間違いない。

 

「ゆ……弓と矢をくれ」

 

 正体がバレたとき。

 三郎は再び声をあげた。

 

 声をほとんど出さなかったのは、声でその正体がバレることを恐れたせいなのか。

 

「何で弓と矢が欲しいんだよ!?」

 

 カツオは動揺を抑えて訊ねる。

 ハッキリさせておかないと。

 

 だけど

 

「弓と矢が欲しいんだ」

 

 返って来た言葉は、答えになっていなかった。

 弓と矢が欲しい理由を訊ねているのに、弓と矢が欲しいとしか言わない。

 

 これは一体……?

 

 少し困惑したが

 

(このことは、三河屋さんの意志じゃないのかもしれない)

 

 三河屋さんはスタンド攻撃を受け、誰かに操られているのだ。

 だからこそ、何故弓と矢が欲しいか言えないのか。 

 

 嘘の理由を告げて、弓と矢を破壊するしかないと判断されても困るし。

 例えば、どこかの誰かがスタンドをレクイエムに進化させようとしている、みたいな。

 そんなことを聞いたら、弓と矢の破壊を検討することになるかもしれない。

 だとしたら、下手な嘘は危険だ。

 

 あと嘘を吐くと、その嘘を補足するために別の嘘を吐く必要が出て来る。

 なので咄嗟に嘘を吐くという選択肢が出て来ないのかもしれない。

 

 カツオの記憶にある三河屋さんの三郎氏は、嘘吐きな男では無かったから。

 

「お兄ちゃんどうしよう?」

 

 ワカメもこの状況に戸惑っている。

 泥棒の正体が三郎だったこともだろうが、どうみても三郎が正気の状態じゃないこともあるのだろうか。

 

 カツオは妹のその言葉に。

 

「とりあえず釣り糸(テグス)で縛って、納屋に放り込んでおこう」

 

 子供だけで結論を出すには難し過ぎる問題だ。

 姉や母にも相談しないと。

 

 

 

 そしてその日の夕方。

 姉と母が帰って来た。

 

 無事、タラちゃんを海平の家に預けたらしい。

 しっかり反省してくれるといいのだが。

 

 彼女たちは帰って来て早々、カツオたちから話を聞く。

 留守の間何があったのか。

 

 そして

 

「えっ、サブちゃんが泥棒に入って来た? しかも弓と矢が目的で、洗脳されてるかもですって?」

 

 サザエは驚いた。

 続けて母親に

 

「母さんどうしよう? マスオさんにも相談しようかしら?」

 

 そう訊ねる。

 フネは頬に手を当てて

 

「そうだねぇ」

 

 サザエの言葉に同意して。

 返した。

 

 それはこういう内容だった。

 

「お父さんとマスオさんにも相談して、弓と矢をどうするかを決めようかねぇ」




サブちゃんのスタンド:EXサウンド
バイクの姿のスタンドヴィジョンのスタンド。
乗ることが出来る。
その能力は「スタンドに跨りエンジン音を立てたときに実行しようとした行為を音速で実行する」こと。
ただし、それは達成速度が音速になるだけであって、その他の結果には影響しない。
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