磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第24話 カツオの罠

「マヌケは見つかったようだなって……」

 

 ノリスケは不機嫌な声を出す。

 その不機嫌さでカツオに圧力を掛ける意図もあるかもしれない。

 

「僕は言ったよね? ピースサインをしていると。現に君はピースサインをしているじゃないか」

 

 カツオの言葉がいかに的外れであるかを指摘していく。

 苛ついた声で

 

「それが見えたからといってどうだというんだい? おそらく、今キミのスタンドがピースサインをしているのかな? 言い分からそれくらい予想はつくよ!」

 

 カツオのピースサインは見えて当然で、それが見えたからといって何だというのか?

 何の証明にもならないではないか!

 

「そんなの僕は知らないよ! 何せ僕にはスタンドが見えないからね!」

 

 そのときカツオのスタンドがどんなポーズをとっていようと、視認できないノリスケには関係の無い話。

 だから

 

「残念だったね! とんだ見当違いだよ! このことはおじさんにも報告させて貰うよ!」

 

 一気に捲し立てるように言い切り

 

 その言葉を聞いたカツオは

 

 青褪める……

 

 いや、不敵に笑った。

 

 そして

 

「聞きたかったのはそれだよ。ノリスケおじさん」

 

 力強く言い放つ。

 

 それは

 

「……何でスタンドが見えないはずなのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? 人型でないスタンドなんてざらにあるよね? ハーミットパープルとか、エアロスミスとか、ビーチボーイとかザ・ロックとか」

 

 その瞬間、ノリスケの顔が「あっ」という顔になった。

 自分がミスをしたことを認めた顔だ。

 

 そう。

 スタンドは人型であるとは限らない。

 茨型、強化服型、魚型、銃型、釣り竿型……

 

 そんな、スタンドでピースサインが取れないスタンドなんてざらにあるのだ。

 なのにノリスケはカツオのスタンドは人型であることを前提で話していた。

 

 ということは……

 

「そ、そんなのは……」

 

「もう遅いよ。今の表情で十分だ」

 

 カツオは自分のスタンドを臨戦態勢にする。

 かなりギリギリだった。

 

 ギリギリのカマ掛け。

 

 自分のスタンドの詳細を教えた覚えが無いから、もしノリスケがスタンド使いであるなら引っ掛かるのではないかと思い、仕掛けた罠。

 

 ノリスケは観念したのか

 

「ムーンライト・レギュレーション!」

 

 とうとう、自分のスタンドを出して来た。

 ノリスケのスタンドは、やはりあの、UFOの形をしたスタンドであった。

 

 ノリスケのスタンドはそのまま、花沢さんの方向に飛んで行こうとして……

 

 だが、その前に

 

「ジャイアントスター!」

 

 カツオのスタンド「ジャイアントスター」が、ノリスケのスタンドをバットで打ち据えた。

 ちょうど飛来物として都合のいいコースだったのだ。

 

「ウボアアアアアア!」

 

 激しくバットで打ち据えられたノリスケのスタンドはぶっ飛び、本体であるノリスケも歯を撒き散らしながら壁に叩きつけられる。

 

 そこはゴミ捨て場で、不法投棄された燃えるゴミが積まれてあった。

 

 その姿はどこに出しても恥ずかしくない、完璧な再起不能(リタイア)であった。




波野ノリスケのスタンド:ムーンライト・レギュレーション
UFO型スタンド。
青い光で照らし、対象を強制的に他者と戦わせる。
この能力の標的になった者が戦う対象は、その時一番近くにいた者である。

この効果は任意で解除が可能。
そして解除された場合、標的の中にスタンド攻撃を受けた記憶は残らない。
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