磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
あまり見ないタイプの万年筆だ。
キャップが嵌められるような形状に見えないのだ。
……ひょっとしたら、マキシマムプリズナーのスタンドとしてのヴィジョンは、万年筆なのかもしれない。
だとすると「本にした相手の頁に文字を書き込むことで、相手に絶対服従の命令を与える能力」があるはずだ。
岸部露伴の能力で一番恐ろしい能力。
三郎とノリスケもそれにやられたんだろう。
(どうしよう……?)
文字を書き込まれたら終わりだ。
例えば「
精神力は関係ない。これはそういう能力なのだ。
「さて。まずは
カツオは「終わった」と思った。
今、もう反逆の一手を打つことは不可能になった。
絶望するカツオ。
「これでもう安心だ」
次に
「じゃあ、人格に歪みが出るかもしれない命令を書き込む前に、カツオくんの人生を見せてもらうとするかね」
そんなことを言い出したのだ。
カツオは
「……人格的な歪み……?」
そんな言葉を絞り出す。
「
そんな恐ろしいことを口にした。
思えば……
三郎さんも、ノリスケおじさんも。
人を襲うような人間では無かった。
全て、
そして今、その2人は納屋で縛り上げられて口を噤み続けている。
(僕もああなってしまうのか)
この作家先生のために、親しい人を裏切り、襲うことを躊躇わない人間に。
悔しかった。
だけどカツオには何もすることができない。
「さてと。現役小学生の人間性とはどんなものだろうね……?」
そんなカツオの心をガン無視し、
「……何々? 自分は大器晩成型。学校の勉強は思わしくないけど、世の中には中学校しか出て無くても偉くなった人もいる……? ハッハッハ、それはまあ完璧には間違いでは無いねぇ」
「思った通りカツオ君には面白いことが書かれているね。こういうのが個性的で面白いんだ。尖った人間性でないと、面白い話は書くことが出来ない……とまでは言わないが、難しくなる」
自分が本にした人間の人生に集中している。
カツオはそれが恐ろしいと思った。
この人物の前では、全ての人間が資料なのか……!
こんな、こんな人間が近所に居たなんて……!