磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第36話 独立した生き物で戻せないなら

「姉さん、どこから攻撃が来るかは分からないの?」

 

 カツオの言葉にサザエさんは首を左右に振った。

 クレイジーダイヤモンドの使い手であるサザエさんにも分からないというのか……!

 

「当然、ピラニアを打ち砕いた後に直してみたりはしたんだよね?」

 

「当たり前じゃない。すぐにやったわよ」

 

 敵の居場所が分からない場合、切り離された部位を直すことで居場所を特定する。

 それはクレイジーダイヤモンドの使い手として呼吸するより当たり前のやり方だ。

 

 だけどそれは

 

「……どうも、ピラニアになった時点で独立した生き物という扱いになるのかしらね……ピラニアが復活しただけで、攻撃してきた敵の場所に戻って行ったりしなかったのよ」

 

 そんなメチャクチャな。

 そう言いたいところではあるが……

 

 言われてみればクレイジーダイヤモンドが徹底的に直すスタンドであるなら、生物に対してその能力を使った場合に、最後はその生物を生み出した母親の胎内に戻って行かないのはおかしい気がする。

 

 電気に変えられてケーブルの中に引きずり込まれた億泰を、手を直すことで引っ張り出すような強引さがあるのにだ。

 

 つまりはそういうことなんだろう。

 生き物は母親の胎内から生み出された時点で独立した生き物で。

 親の従属物では無いということなのだ。

 

 だからクレイジーダイヤモンドの能力もそこまでは及ばない。

 元の状態に直す能力の対象外なのだ。

 

(なるほど……荒木先生が書きそうな内容だよね)

 

 ジョジョの人間賛歌という部分にも当てはまりそうな解釈である。

 

 だけど、それならどうすればいいのか?

 

 子供は親の持ち物でも無ければ、一部でも無い、独立した人間であると説教臭いワードを堪能するだけで事態が解決するなら誰も苦労はしない。

 

 敵の撃ち出して来たと思われるピラニアを直すことで居場所が特定できないなら……

 

 カツオには考えがあった。

 それは……

 

「姉さん」

 

「なぁにカツオ? 無駄話をしている場合じゃ無いわよ」

 

 油断のないサザエさんの声。

 カツオはそんな姉の言葉に

 

「敵スタンド使いが攻撃して来る瞬間は見たの?」

 

 その、どうしても訊いておかねばならないことを確認した。

 それについて、サザエさんは

 

「見て無いわ。死角から飛んで来たから」

 

 いきなりの死角からの攻撃。

 羽根が撃ち出される瞬間は見ていない。

 

「だったら……」

 

 姉の言葉にカツオは口角を上げる。

 そしてこう続ける。

 

「背中合わせで、背後を守り合おうよ」

 

 そうすれば、ほぼ360度をカバーできる。

 それがカツオの提案で

 

 サザエさんは

 

「……そうするしかないわね」

 

 ため息をつき。

 クレイジーダイヤモンドを出しながら互いの背中を守り合う態勢を取る。

 

 これで死角からやられることはおそらくなくなるはずだ。

 

 その態勢を取り、しばらく……

 

 沈黙が訪れ。そして……

 

 それは来た。

 

 視界の端に、何かが一瞬現れる。

 

(来た)

 

 それを認識したとき。

 カツオは

 

「ジャイアントスター!」

 

 自分のスタンドを出現させ

 

 飛来する羽根弾を打ち返す!

 直すのが無理なら、ピッチャー返しで打ち返せばいいんだ!

 

 打ち返された羽根は逆方向にカッ飛んで行き

 

 何かに命中し、ピラニアへと変わった。

 

「ぶるわあああああああ!」

 

 同時に野太い男の声が響き渡り、攻撃者はその姿を現した。

 明らかになった敵の姿。

 

 その姿に、サザエさんとカツオは大きな衝撃を受けた。

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