磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第37話 ラスボス登場

「アナゴさんじゃないか!」

 

「アナゴさんだったの!?」

 

 カツオとサザエさんは驚愕のあまり悲鳴のような声をあげていた。

 まさかマスオの同僚であるアナゴさんが襲って来ていたなんて。

 

 アナゴさんは自身のスタンド……青い髪を逆立てた、三つ目の男性型怪人……を隣に立たせ。

 カツオに打ち返されて食いついているピラニアを1匹1匹、引き剥がしては握り潰して殺していく。

 

「やるじゃあないかカツオ君」

 

 アナゴさんは唇を震わせながら、凄まじい笑みでカツオに賛辞を贈ってくる。

 

「アナゴさん……」

 

 そこでカツオは思い出した。

 

 中島が言い残した言葉を。

 

 唇が特徴的で「ぶるわあああああ」という言葉が口癖の中年男……

 

 まさか

 

「まさかアナゴさん、あなたが中島のやつを」

 

 カツオが口走ったその言葉。

 アナゴさんはその言葉を聞き

 

「……中島? ああ、そういえば実験台(デク)の中にそんな名前の子供が居た気がするねェ」

 

 顎を触りながらそう呟く。

 まるで過去の細々としたつまらない思い出のひとつのように。

 

 カツオはその言葉に激昂する。

 

実験台(デク)だって!? 中島のヤツはあんたのせいで吸血鬼になり、今は公園で岩になってるんだぞ!?」

 

 親友をそんな結果に導いた男への本気の怒り。

 だが、アナゴさんは

 

「カツオ君。大人からの忠告だ。……他責はみっともない行為なんだ。よく覚えておくと良い」

 

 何故だか、優しい口調でそう、諭すように言った。

 

 他責。

 他責と言うのかこの男は。

 

 中島に起きたあの悲劇を

 

「中島が吸血鬼化したのは、アンタが石仮面を持って来たからだろう!?」

 

「被るのを選択したのは彼だ。僕じゃない。僕は誘っただけ」

 

 カツオの怒りに困惑したようにアナゴさんは返す。

 自らの責任など、露ほども感じていないようだ。

 

 彼は

 

「人は人であるだけで十分恵まれているというのに、人以上の存在になりたがる。柱の男になれるチャンスだと言えば、食いつく人間は非常に多い……これは自業自得だと思わないかねカツオ君?」

 

 アナゴさんのそんな無責任な他責論。

 それにカツオは揺るがなかった。

 

「アンタの言う通り、人は弱くて欲が深いと思うよ。……でもさ」

 

 怒りの涙と共にカツオは

 

「弱いことを罪にしてしまったら、それはもう動物と同じじゃないか!」

 

 その想いを吐き出して

 

「アナゴさん、あんたは最低の邪悪だ! 人の弱さに付け込んで、悲劇を撒き散らす害悪だ!」

 

「カツオ君、キミの言う通りだよ」

 

 そこに。

 

 加わって来る声があった。

 その場にいる3人の目が集中する。

 

 そこにいたのは……

 

「マスオさん!」

 

「マスオ義兄さん!」

 

 そこにいたのは、サザエさんの夫であり……

 カツオの義理の兄にあたる、眼鏡とオールバックの髪型が特徴の男。

 

 フグ田マスオであった。

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