磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第39話 スタンドの謎

「エコーズアクト3!」

 

 マスオさんは自身のスタンド「エコーズアクト3」を出現させる。

 小柄な4頭身くらいの人影。

 

 アクト1、アクト2と比較して人型に近く、より戦闘に向いているスタンドだ。

 

 アナゴさんはそれを見てニヤリとする。

 

「ほほう。フグ田君はやる気だね。アクト3で来るなんて」

 

「当然さ。サザエの夫として、僕も本気を出して戦う以外無い」

 

 マスオさんは厳しい表情で油断なくアナゴさんを睨み据えていた。

 風が吹く。

 

 それが未舗装の道の土埃を巻き上げた。

 土埃の風の中、アナゴさんは口を開く。

 

「エコーズアクト3の射程は5メートル……つまりそこまで近づかなければ問題ないわけだ」

 

 アナゴさんの分析。

 それは正しい。

 

 エコーズはアクト3になると一気に戦闘に使いやすい能力になるが、そのせいで射程が極端に短くなる。

 アクト1、アクト2は50メートルもの射程があるのにだ。

 

「僕のスタンド『デビル・ザ・ビジター』はその射程外から攻撃できる……フグ田君、本当に大丈夫かい?」

 

「やってみせるさ……ところでアナゴ君、キミのスタンドの能力は一体何なんだい?」

 

 さりげなく会話にそんな言葉を混ぜるマスオさん。

 アナゴさんは嗤った。

 

「……言うわけないじゃないか。自分で考えるんだね」

 

「ダメか。……流れで訊けるかなと思ったんだけどな」

 

 そして不敵に笑い返すマスオさん。

 

 サザエさんは夫のそんな男らしい態度にゾクゾクしていたが、ここは悶える場面では無い。

 

「あなた」

 

 彼女はその隣に立った。

 

「あたしもついてるわ」

 

「心強いよサザエ」

 

「マスオ義兄さん、僕も戦うから」

 

 団結する3人。

 アナゴさんはそれを前にして

 

「僕のスタンド『デビル・ザ・ビジター』の能力はまさしく神の能力……! その勢いがいつまで持つか……見せて貰おうじゃないか!」

 

 その言葉を発し。

 その姿を透明化させた。

 

 

 

「消えた……!」

 

 アナゴさんの消失に対するマスオさんのそんな言葉に

 

「マスオ義兄さん、アナゴさんは攻撃して来る瞬間は透明化を解除しなきゃいけないみたいなんだよ」

 

 カツオが、自身が掴んだことを伝える。

 マスオさんは頷いて

 

「ありがとうカツオ君。それは重要な情報だよ」

 

 見えない敵を前にして、マスオさんは油断なく神経を尖らせながらそう返す。

 

 攻撃をするときは透明化を解除する。

 それは一体何故なのか……?

 

 いや、そもそも

 

(透明化はどういう理屈なんだろう?)

 

 マスオさんは大人の男としてそこに疑問を持つ。

 モノが透明になる仕組みはおそらく3つある。

 

 1つは保護色。

 2つは本物の透明化。

 3つめが認識阻害だ。

 

 保護色はカメレオンが分かりやすい。

 身体の色を変えることで、透明なように見せかける。

 

 透明化はそのまんま。

 本当に透明になる。

 

 そして3つ目が一番厄介。

 保護色も使わず、本当に透明にもならずに、敵の精神に干渉して自分の存在を認識できなくすることで透明な存在になる。

 

 これはジェイル・ハウス・ロックで記憶の容量オーバーを引き起こした場合が一番分かりやすいか。

 本当は見えているはずなのに、脳がその存在を認識できないから結果的に透明になってしまうという理屈だ。

 

 これだった場合、その理屈が分からない場合は対処ができない。

 どういう理屈で認識の外に行ってるのかが分からないとどうしようもないからだ。

 

(アナゴ君はこの3つのうち、どれに該当するのか……?)

 

 マスオさんは必死で考える。

 注意を張り巡らせながら。

 

 自分の思考に、妻と義弟の安全が掛かっている……!

 

 

 そのとき

 

 

「ジャイアントスター!」

 

 

 カツオが自身のスタンドを発動させ、飛来物を打ち返す。

 それは射出者に打ち返され、直撃するが……

 

「同じ手が通用すると思うかい?」

 

 打ち返した羽根弾は、アナゴさんには通じなかった。

 ……甲殻類のような赤いプロテクターを纏っていたのだ。

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