磯野家の奇妙な冒険~ある日、家族全員スタンド使いになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

41 / 41
最終話 サザエさんは愉快だな

「ぶるわああああ……!」

 

 アナゴさんは地べたにうつ伏せに這いつくばって、動けなくなっていた。

 3フリーズはモノを重くする能力。

 今アナゴさんは頭部の重さを増加させられ、行動不能に陥っていた。

 

 頭部は人体で最も重い部位である。

 そのため3フリーズで能力の対象として指定した場合、結果がとんでもないことになってしまう。

 

 原作で康一君は1度も敵の頭部に3フリーズを使用することは無かった。

 それはおそらく、康一君が相手が悪鬼のような存在でも、殺害してしまえるどす黒さを持ち合わせていなかったためだろう。

 

 何故なら

 

 頭部を重くすればそれを支える首が耐えられず、折れてしまう可能性がある。

 それでなくても、頭が地面に叩きつけられ、スイカのように割れてしまう恐れすらある。

 そんな危険極まりない行動なのだ。

 

 だが、マスオさんは康一君が敢えて封印していたであろうその使用法を躊躇いなく実行したのだった。

 

「さあ、カツオ君、サザエ、今のうちにアナゴ君を頼む」

 

 マスオさんの家族への呼び掛け。

 3フリーズ使用中はマスオさんは動くことが出来ない。

 だからこうするのは自然だった。

 

「あなた!」

 

「分かったよマスオ義兄さん」

 

 呼び掛けに応え、駆け寄って来るマスオさんの妻と義弟。

 アナゴさんは自らの敗北と、己の運命を悟り

 

「ま、待つんだフグ田君! 僕はキミの隣のデスクで、ずっと一緒にやってきたじゃあないか!」

 

 もはやこれまでと思ったのか。

 マスオさんの慈悲を請うことを口にする。

 

 そこには「ずっと一緒に仕事をしてきた自分を殺すのか?」という、薄汚いドブネズミのような気持ちが溢れていた。

 だがマスオさんは

 

「いやあ、そうだけどさ。ぶっちゃけ会社ってのは家族を養うために行くもので。そこでの人間関係が、自分の家族に勝るのは僕の中では物理的にあり得ないかなぁ」

 

 ニッコリと微笑ながらアナゴさんの命乞いを却下した。

 

 そして

 

「オラァ!」

 

「ドララララアァ!」

 

 カツオのジャイアントスターと、サザエのクレイジーダイヤモンド。

 2体のスタンドの渾身の一撃と、怒涛のラッシュが叩き込まれ

 

「ぶるわあああああああああああ!」

 

 アナゴさんはその身体を石に変化させ。

 ボロボロに崩れ、石から砂に変じてこの世から消え去っていく……

 

 命を落とした岩人間は、その身を崩壊させ砂になる。

 

 岩人間の宿命……その最期であった。

 

 

 

「アナゴくん、キミがどうやって睡眠期を抑え込み、そこでどれだけ苦しんだのか知らないが……」

 

 マスオさんはアナゴさんだった砂の山を見つめていた。

 倒すことを決断したとはいえ、会社での辛いことを一緒に乗り越えて来た仲間ではあったのだ。

 

 平気ではなかった。

 その目には悲しみが含まれている。

 

 だが

 

「僕の家庭を脅かすなら悪いが排除させて貰う」

 

 全てはそれだった。

 彼が自分の家の脅威になった以上、倒すしかない。

 

 許すわけにはいかないのだ。

 

 マスオさんにとっては、一番大切なものが自分の家族なのだから。

 

「あなた」

 

 サザエさんが夫の隣に立つ。

 マスオさんはそんな彼女に微笑みかけ

 

「帰ろう。サザエ。カツオ君」

 

「うん」

 

「そうね」

 

 マスオさんの言葉に頷く2人。

 

 スーパーに買い物に行く予定を取りやめ。

 3人は1列に並んで我が家へと帰っていく。

 

 そして3人が家に入ったとき。

 

 磯野家が大きく揺れた。

 

<了>




なんとなく書いてみたかったから書いた。
全く後悔していない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

俺は生徒になるぞ!先生ーッ!(作者:カラメルカルメ)(原作:ブルーアーカイブ)

▼先生や生徒との違いに劣等感を抱いたモブ生徒君が自分に神秘を注入して化け物になっちゃった話


総合評価:644/評価:6.48/連載:7話/更新日時:2025年12月18日(木) 00:47 小説情報

モモンガさんのワノ国生活(作者:ペペック)(原作:ONE PIECE)

ゲーム終了したと思ったら、ワンピースのワノ国に単独転移してしまったモモンガさんと、光月おでんを初めとする愉快な仲間達との冒険物語。▼・この世界のリアルにワンピースという作品は存在しません。▼・ワノ国を初め、色々な救済ルート。▼・ナザリックの転移はだいぶ先▼・モモンガさんの精神救済▼以上が大丈夫という方はどうぞ▼11/12▼日間ランキング二次部門18位、総合部…


総合評価:1374/評価:8.24/連載:9話/更新日時:2026年02月27日(金) 00:00 小説情報

ソシャゲとかのストーリーで絡んでくる三人組っていいよね(作者:笹食え)(オリジナルSF/ノンジャンル)

タイトルが全てなので初投稿です。▼能力だのなんだのがある世界でどうにかして生きる三人組の一人の話


総合評価:177/評価:7.6/連載:19話/更新日時:2026年05月19日(火) 23:05 小説情報

ONE PIECEの世界にいろんなアニメのヒロインをぶっ混みハーレムを作る(引き継ぎ作品)(作者:シャト6)(原作:ONE PIECE)

※この小説は、イセリアルさんご本人とメールで話、許可を得て引き継ぎ、投稿してます。決して盗作作品ではありませんので、その辺はご理解下さいm(_ _)m▼本家の方を見たい方はコチラから→https://syosetu.org/novel/238576/▼ルフィとは別行動が多い▼最上大業物▼白刀"日輪"▼紅刀"桜吹雪"▼黒…


総合評価:316/評価:4.11/連載:25話/更新日時:2026年03月29日(日) 04:30 小説情報

折角ロボがあるので原作フルシカトしてロマンを追い求めます。(作者:ロマンチスト)(オリジナルSF/冒険・バトル)

▼ 度々宇宙怪獣に人類が襲われてるSFな鬱ロボゲーの世界で、ロマン(概念)大好き残念転生者が、原作シカトしながらロマンを追い求め続ける話。▼ 尚、原作の方が衝突してくる模様。▼


総合評価:189/評価:7.5/連載:3話/更新日時:2026年03月28日(土) 23:34 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>