name:豊川初祢(とがわはつね)
age:16
gender:male
そもそも、俺の名前に謎があったんだ。
「初祢」と書いて「はつね」と読むなんて、まず初見じゃ無理だ。
母さんがこう書くのよと文字を書いてくれた時はさすがに目を見開いたよ。
だからこそ、こう書かざるを得ないんじゃないか、という考えにたどり着くのは一般的なIQを持った人間なら普通だ。
問題は、どうしてこんな難解な漢字を使ってまで、俺の名前を「はつね」にしたかったか、だ。
仮説は3つ。
1つ。俺の父さんが中二病末期で、ちょうど「祢」の字がキてた。
2つ。同時期に「はつね」と読む人間が生まれ、そちらに「初音」を使った。
3つ。どうしても「はつね」と名付けたかったが、字画占い等でこっちがいいとなった。
有力なのは3、次点は2。
というか、3であると信じたい。
ぶっちゃけ1はほぼない、「祢」なんていう字は常用じゃない。
...いや、あり得るか?
父さんがハマってたドラマ、確か「祢」の字を使ったキャラクターがいたはずだ。
確か...祢音といったか?
正体が本物のクローン、判別をつけるために人工の明かり「ネオン」がモチーフだったとか、確かそんな設定のはずだ。
1の説も有力味を帯びてきた。
だとするならば、俺を
ならば、俺の他に「はつね」がいる。
「初音」の名を冠した、シャバで俺を身代わりにしなければ動けないほど、でかいのが。
会いに行く必要がある。
俺の名を自由に使う、
「待ってろ、「初音」。会いに行くからな」
豊川姓である俺の特権は、本家に怪しまれることなく堂々と侵入できること。
定治の爺さんに会って、諸々を聞き出せばいい。
「爺さん、いるか」
「...初祢」
「まだ死んでなかったんだな。まぁいいや、単刀直入に聞く。「初音」はどこだ」
「...初祢は、お前だろう」
「ちげーよ。初に音の話だ」
定治爺さんはポーカーフェイスがうまい。
情報を聞き出せるとは思えない。
「なんのことだ」と言われても、まぁ打つ手はある。
しかし。
「...どこで知った?」
「あ?」
「その名を、どこで知った」
「...俺が初祢である時点で、俺がおかしいと思うと、あんたは思わなかったのか」
やはり初音は存在する。
豊川の息がかかった範囲内に。
「初音は、いない」
「は?」
「いない」
「...爺さん、あんた無表情はうまいけど、手とか足とかプルプルだぞ。いるんだろ、グループの息がかかった場所のどっかに」
「...いない」
まぁ、どっかで爺さんがしらばっくれるのはわかってた。
だから調べた。現代にはインターネットがある。
「...こいつ、そうなんだろ」
「...なに?」
「あんたのとこ直下の事務所じゃん。何がいないだよ」
「...それは初音ではない。初華という」
「ほ~ぉ?2枚着込むか、初音とやら」
どうやら、相当正体を隠したいらしい。
まぁ、打てる手はすべて打っとくか。
「俺、次の総裁選出ないよ」
「何をバカな!?そんなことをすれば、豊川は」
「いいじゃん、他に継いでもらえよ。かわいい自慢の孫娘とかさ」
「あれは...だめだ。力が大きすぎる」
「...じゃあ教えろ。初音のことを」
爺さんは大きくため息をつくと、ぽつぽつと話し始めた。
「お前は...初祢は、豊川にいなければならなかった。初音が、被害を被らずにいるように。「はつね」という呼び名の子供がいると、感づかれてはいけなかった。そうしなければ、私の地位が危うかったのだ。だからお前を利用した...いや、今も利用している」
っていうね
続かない
だってこの後アニムジ11話と同じようなあれだし