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空港を経由しポケモンリーグ・セキエイ大会が行われるセキエイ高原に辿り着いた。
ちょっと(2時間)歩いてセキエイ大会が行われる場所に辿り着いた……今までテレビかパソコンでしか見たことが無いポケモンリーグ、そこに来た。熱いバトルを見るためでなく1人のポケモントレーナーとしてやって来た。ここまで来ることが出来たのだな……と改めて実感する。
毎年恒例というか野球の全国大会こと甲子園、アレに出ている奴等は非常に老けて見える。
歳上になった時でもしっかりしてる、と言うかなんと言うべきか……まぁ、それを言い出せば俺の見た目は中1の手塚国光だから何とも言えない。とにかくほんの少しの好奇心、やってみたい面白そうという思いが段々と成長していきここまで来れた。
「感動してどうするの!」とカレンに怒られた。怒られて直ぐにハッとなる。「ありがとう」とカレンにお礼を言う。俺は思い出を作る為にここに来たんじゃない。優勝する為にここに来た。その為の努力もそれなりに積んできた。優勝と言うゴールを目指し頑張る。
でも、新しい特別ななにかはもうしない。特別ななにかでなくコツコツと同じ1を積み上げる。
いきなり3とか5を渡されても俺には重すぎる。人間何事も程良いというのが大事で限界ギリギリを常時だとぶっ壊れる。この日記には書いていなかったが、俺がテニスに集中したり一ヶ月の休暇を与えるとなったがそれが無かったら詰んでいたと思う。
反復練習は大事。基礎も大事。応用も大事……でも、1番大事なのは休みだ。
スポーツがクソ強い部活には基本的には休みの概念が無い。朝は6時ぐらい学校に来て練習、授業終わってから9時ぐらいまでで寮生活がある場合はそこから特別なメニュー等を与えられるとか言うのだけでなくご飯を1kg毎日食べないといけないというノルマとかもある。結果的にそれで全国行けたりプロを出したり世界大会に選抜されたりする選手を作り出す。
でも、休みの概念がホントに無さすぎるところが問題視されている。
先輩後輩の上下関係という理不尽を押し付けすぎるところもある。だからブラック部活動なんて言葉がある。教育委員会とかPTAが部活動を強制的に週に5日だけにしてとするが休みの間にこのドリル(トレーニングメニュー)をやっとけと言われたりする。
そう考えるとスポーツは敷居が高いところが多いな。
カレンが純粋に運動したいとか健康的な汗がかきたいとかそういうのがあり、それでスポーツをする。そこに勝ち負け云々や徹底した食事管理云々は不要、ただ楽しいか楽しくないかの差だが、学校の部活動は勝利を押し付ける。ホントに強い学校とかはシンプルに金があるとかそういうのだし、ちゃんと勝ちたいなら部活じゃなくて外のクラブに入るのがベスト……ストレス発散や勉強を効率よくする等のスポーツは何処でやればいいのかが分からない。
エンジョイ勢の遊び場はさておいて、ここに来ているのは全員ガチ勢だ。
遊び感覚でやっていた。楽しいとか面白いとかそういうのを感じない。そんな理由でここまで来た奴が居たのならばそれはそれで見てみたい。俺も前世と今生を含めれば三十路はとっくの昔に過ぎているから言えるが努力を一切せずに頂点に立った奴は居ない。
努力らしい努力を一切せずに頂点を極める……めっちゃ見たい。
セキエイ高原は常になにかの大会が行われている。カントー1もしくは世界一を決める大会も行われている。
どうやら数日前に大食いの世界大会があったみたいだ……出来れば見たかったなとは思う。録画じゃない生の大食いは早々に見れないからな。ポケモンリーグが開催されるので選手とそうじゃない観客達が沢山来ている。やはり凄まじいのと早目に来て良かったと思う。テニヌが出来るようになってからだが大事な場面の大事なところでのミス云々をどうにか出来るようになった。だが、どうにか出来るであり簡単に対応出来るではない。セキエイ高原の空気を吸うが濃い、重い……「クニミツ!」とカレンが叫ぶまでは周りの景色云々を理解せずに意識がトランス状態になっていた。空気に飲み込まれるとはこういう事かと実感した。
先ずはセントラルのポケモンセンターに向かう。
早い奴は早い奴で既にセキエイ大会の出場登録をしている。俺もどちらかと言えば早い方だ。バッジケースを開いて受付のジョーイさんに見せる。グリーンバッジ、グレーバッジ、ブルーバッジ、オレンジバッジ、レインボーバッジ、ゴールドバッジ、ピンクバッジ、クリムゾンバッジをバーコードリーダー的なのでスキャン、ポケモン図鑑を読み込んで登録する。
コレで後は大会に出ればいいだけだ。
ジョーイさんがポケモンリーグ・セキエイ大会の大会のルールが書かれているガイドブックと選手村の鍵を渡してくれる。
出来れば真っ先にガイドブックを読みたかったが選手村に行ってからじゃないとダメ、ルール確認で絶対に没頭するからとカレンに取り上げられた。やはり俺のことを理解してくれているのはカレンだなと思いながらも選手村に向かった。
原作だとペンション的な感じだったが俺達はホテルの2人用の部屋だった。
部屋にはパソコン、無料のルームサービス、冷蔵庫、テレビ、ベッド、トイレ……以上!テレビゲームとかは無い!風呂はホテルの大浴場がある。なんというかストイックな感じの部屋だ。コレは嬉しかった。現実を受け入れるのも逃避するのも最適な環境だ。
どっちのベッドで寝るのかとかを話し合っているとカレンが風水と言い出した。
実力=結果で殴り合いの勝負だ。誰かに失敗したがコレが良かったから◯、無事に解決したけどトラブルを起こしたから✕ではなく、些細なミスはあったがゲームオーバーにならずなんだかんだで最終的にゴールに辿り着けば問題は無い。
この大会に出れる最低の条件がジムバッジ8個、ジムバッジ8個と同格……ここからは普段相手にしている奴等よりも格上を相手にしていると想定してのバトルをしないといけない。故に大事なんだ……運が。
サトシの様にバトルの腕が不安定だったりそもそもの基礎的な能力が足りない奴は普通にいる。
逆にこのセキエイ大会を優勝してもなにもおかしくもなんともない実力者も居る。最初から最後まで実力者に当たり続ける……ハッキリと言えば何処かで俺に限界が来て負ける。今の段階では将来的にチャンピオンクラスしかいないマスターズエイトのトーナメント戦を勝ち抜けるかと言われれば無理だ。ポケモンの育成不足でなく俺の心のスタミナが切れる。俺は見た目は手塚国光だがメンタルまでは手塚国光じゃない。チャンピオンクラス相手に3試合、その内の2試合はフルバトルをしないといけない。
場数もなにも踏まずにいきなりそのレベルにまで飛び級とか普通に無理だ。
勿論、俺自身も成長しているが……過酷な環境下で発生する経験が無いと成長する事が出来ない物もある。そういう危機的状況等をなんらかの手段を用いて自力で乗り越える。そうすることで結果にプラスになる力が付いてくる。
ポケモンに関しては道を示すトレーナーになれる。俺が色々とやってそれで失敗したのならばそれは俺の情けない実力だ。でも、俺は俺の道の示し方は分からない。テニヌはなんとか出来るがポケモントレーナーに対する答えは数年間勉強したが出なかった。
言い方は色々とある。スタイル、スキル、個性、色と……とにかく自分らしさと言うのを見つけないといけない。
与えられた課題を素早く答えれる、与えられた課題に対して斜め上の答えを出す、与えられた課題を適切に答える、どれも似ているが違う。素早く答えれるは何処かロジックが間違っている。斜め上の答えは出題者の想定を上回る。適切に答えるは出題者が出して欲しいと思っている答えを出す。
シゲルは与えられた課題を適切に答える。サトシは与えられた課題を斜め上の答えを出す。アトベは与えられた課題を素早く適切で尚且つ欠点を補う斜め上の答えを出す。アトベの奴は器用で万能だが言い方を変えれば突出したなにかが無い。突出した武器が無い奴は総合力を高める。総合力を高めるには地道な基礎練習……。
グーはチョキには勝てるがパーには勝てない。パーはグーには勝てるがチョキには勝てない。チョキはパーには勝てるがグーには勝てない。この相性ゲーは普通にある……ただまぁ、中にはサトシみたいにグーでパーを倒そうとする奴が居てサトシはグーで倒すことが出来てしまう。そうなるとパーも倒せる可能性があるグーの誕生だ……その可能性があるのを知ってしまった。それが良いのか悪いのか、それは人による。勝てる割合が50%を超えているのならば使える。逆に30%ぐらいならば博打として使うぜ!……俺はアトベ達とトレーナーのグー、チョキ、パーについて話したがパーも倒せる可能性があるグーは適切な処理をしなければ猛毒になる物と結論した。
そのせいで自分の成長方法が分からなくなった。
パーに勝てるグーは強いから生み出そう。パーに勝てる可能性を上げることが努力、それがホントに正しい事なのか?
グーは何処まで行ってもグーである、と言う固定概念に捕まっては殻を破れない。かと言って無理にパーに勝てるグーを作るのか?確かにそれは革新的で強いが、それをすれば根本的な部分が偏る……とまぁ、迷走してしまう。
オーキド博士にオススメの本を貸してもらいカイドウと意見を交流したりもした。
ポケモントレーナーになるぞと決めた後に必死になって勉強したが、今の俺はトレーナーとしての一番最初の壁、自分の個性ってどんな個性?と言う壁にぶち当たっている。この壁は他の人の成功例を参考する事は出来ても真似してはいけない。かと言って特別ななにかが何処かにある筈だと探すのもダメだ……地道な基礎練習+α、なにかしらのイベントが起きないとなにも掴めないと思う。
ポケモンリーグ・セキエイ大会がそのなにかしらのイベントだ。
このイベントの何処かで何かに気付く可能性があるかもしれない……無いならないで今まで通りだ。特に何か仕掛けがない皆がイメージする王道が自分の強さならばそれはそれで嬉しい。パーに勝てるグーがあってもグーなんだからパーに勝てるわけねえだろ!で潰せるからな。
風水を見ると言ったカレンがパワーストーンを置いたり、特定の物を特定の方角に向けたり、どっちのベッドの方が良いのか、どっち向きで寝た方が運気が良くなるかを占った。占い終えればカレンが冷蔵庫に入っている缶コーヒーを出した。俺に渡してくれたので飲んだ。コレでしっかりと一息をついた。会場に来てから俺は焦っている。現にこの日課の日記もダラダラとなにが起きたのかの本筋を書かずグー・チョキ・パーの相性の迷走をしているという事を書いていると言う迷走をしている。カレンは俺に先ず何時も通りの俺になって欲しいとなった。不安定、普通、特別の3つの段階の普通の状態にカレンは戻そうと必死になってくれた。
コレは分かる。俺1人だと確実に倒れてる。スポーツの世界でコーチはコーチでもメンタルコーチと言う職業がある理由を。
演算処理能力が最強ならば無敵なチェスはともかくポケモンバトルはメンタルスポーツだ……タケシとカスミが居てその程度なのかと思っている自分が情けないと改めて感じる。アトベはこういう状況を想定してのマリーと一緒に冒険してるというのも……流石だ。
気持ちが落ち着く。よく分からないメーカーだが普段よりも美味しいので高いコーヒーだなと冷静になり気持ちが落ち着いた。
それを理解してくれたからカレンは大会のガイドブックを渡してくれる。「コレを読んだら迷走するかもしれないが」と少し不安な本音を言えば「誰も避けては通れない道よ」と言われる。何時までもぐだぐだと長引かせるのはいけないことだとガイドブックとノートを開く。
ポケモンリーグ・セキエイ大会のルールの要点
試合は全部で8回戦ある
4回戦までのバトルフィールドは岩・草・土・水の4つのフィールドのどれか
5回戦からは土のフィールドのセキエイスタジアムでバトルをする
5回戦までは使用ポケモンは3体 準々決勝から手持ち6体のフルバトル
手持ちの交代はあり。
ただし相手が交代したポケモンを見て交代して、それを見た相手が更に交代しようとした場合は一旦どっちもボールにポケモンを戻し、3,2,1でポケモンを出して戦う。出したポケモンはどっちかが戦闘不能になれば入れ替えは可能。この状況は試合中に1回しか許されない。
同種のポケモンの重複は禁止 試合中での進化の場合は認めるがその後の試合では重複出来ない。
メガシンカとZワザはどちらか1つ、試合中に1回のみ使用可能だがZワザのZクリスタルは試合前にセットしたものでないとダメ。試合中のZクリスタルの入れ替えは禁止
【だいばくはつ】等の自爆系の技で引き分けた場合は引き分け系の技を出した方が負け
決勝戦での攻撃技の撃ち合いの余波での引き分けの場合は翌日にその試合で使用していないポケモンを呼び寄せてバトルをする
と、大体これぐらいが要点だろう。
ここで滅多なことでは思い出さない原作知識を思い出す。ポケモンリーグ・セキエイ大会のルールが原作とはどういう風に違うか、メガシンカとZワザは絶対に無かったものだ。
原作のルール
四回戦までは岩・氷・水・草のフィールドで戦う
【ねむりごな】等で眠った場合やボールに戻した場合は戦闘不能になる
アドバイスを送ることが出来るアドバイザー用の座席がある
メガシンカやZワザは当時は無かったのでルール云々は一切無い。
原作とルールが違う……が、いい感じに調整されている。特に手持ちを交代してもいけないをしてもいいに変えたのは強い。
氷のフィールドはあまりオススメ出来ない。リザードンの【かえんほうしゃ】で溶かせばそれでいい。【かえんほうしゃ】が使える空を飛べるポケモンが強すぎる……極寒の水のフィールドが出来るからサトシのピカチュウみたいに水に対する苦手意識が無い【みず】タイプじゃないポケモンが入ったらその冷たさにダメージを受けるとかありえそうだな。
Zワザに関しては少しだけ思い通りにならないかとなった。
好きなタイミングで好きなZワザを使う……一撃必殺のZワザは武器になる。ホノオZ、アクZ、クサZ、ドラゴンZを瞬時に入れ替えれば強いと思ったがそう上手くはいかない。カプから貰ったカプZは使い道が無いに等しいしな。
ルールは見たし必要な要点は纏めた。次にやることは……エゴサーチだ。
俺は今回がポケモンリーグ初出場だ。だからデータが少ない、が、データは0ではない。相手目線では俺はどういう風にデータが取られているのかが気になるのだと自分自身のデータを見る。
集めたジムバッジの数、何処のジムのジムバッジ、なにかしらのエキスパートなジムリーダーか、どういう試合結果、今までにゲットしているポケモン……今までにゲットしているポケモン全てが見られた。出来ればフリーザーやラティオスを隠し通して終盤にと思っていたが流石にそこまで甘くはない。おそらくだがコレは原作と違う。原作通りなら持ってるポケモンのデータを全て見れない。もし見る事が出来るのならば伝説厨のタクトの手持ちがバレる……シンオウリーグ、サトシと同じタイミングで出たら手持ち全部見れるのか。普通に楽しみだな。でも、絶対に伝説で構築されてるからな。フリーザークラスが6体は洒落にならん。だが、それを倒してのトレーナーだろう。
フリーザーとラティオスが見られるのは痛いなと……だが、それはそれでありだ。
相手は常にフリーザーとラティオスの影に縛られる。フリーザーの弱点は【ほのお】【いわ】【はがね】【でんき】でラティオスの弱点は【ドラゴン】【ゴースト】【むし】【こおり】【フェアリー】【あく】……弱点のタイプ被りが無い。
この2体に対して有利にバトルが出来る伝説じゃないポケモンはそれなりに居るが、使用ポケモンは3体と言うところがミソだ。フリーザーとラティオスの影に気を取られる。どっちかの対策のポケモンを入れている。と言うか10タイプあるから必然的にどっちかの弱点のタイプのポケモンが手持ちに入っている。そのポケモンはどっちかが出てきたら出すとかを視野に入れさせて動きの制限をする。
フリーザーとラティオスが居るからそれで動きを少しでも制限出来る。
こっちは入れていなくても相手がその情報を知っているだけで勝手に自滅する。変なパーティ構築になる。
サトシの様に割り切る、自分のポケモン達を信じるぜ!だけで終わらせる奴は少ない。ここまで来たんだからと色々と考える。それが出来ない奴はセキエイ大会に出る条件を満たせていない奴等だ。
とは言え自滅する云々は自分にもある。
シゲルのエースはカメックス、サトシの要注意ポケモンはリザードンとピカチュウ……今のサトシは絶対にリザードンとピカチュウを出してくるがシゲルの奴は選択肢が多すぎる。カメックスをあえて出さないと言う事も出来る……シゲルの奴は全てのポケモンを満遍なく育てているがカメックスだけは頭1つ抜き出ている感じだ。それを大事な局面で外すなんてありえない……と思わせると思わせての思わせての無限ループなら……………コレで無理ならばそれで一緒に負けようと割り切る。多分、赤木しげるが言っていた死ねば楽なのにと言う言葉はこういう時に使うものだろう。
追記
サブタイトルをつけ忘れた。
しかしサブタイトルを忘れるほどに俺はパニック状態になっていたと言うのが分かっていたので戒めの為にサブタイトルはつけないでおこう。