アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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上を目指せるのに勿体無い

 

 ▲月☆日 エースだけが強くても

 

 3回戦の対戦相手が決まった。相手はガラガラ使いのサイゾウ、ガラガラをエースにしている。

 過去の対戦データから見てガラガラを出している。ガラガラで決めるところはキッチリとしている。

 

 

 他に要注意なポケモンは居ないのかを確認する。ガラガラが危険だ……ただそれだけだ。他に特筆すべき事は無い。

 1回戦、2回戦もガラガラで勝ち進んでいる……コレはもしかしたらあのパターンか?……自分にとっての自慢すべきエースのポケモン、ここぞという時にエースを出す。それは戦術として極々普通の事だ。だが、コレは突き詰めれば短所というか悪いところになってしまう。

 

 エースを出してキッチリと勝つ、それをした場合、嫌でもエースのポケモンに経験値が偏る。

 手持ちは絶対に6体以上必要だ。18タイプのポケモンを揃える事を考慮してもそれなりにはポケモンをゲットしないといけない。

 どうもポケモンバトル学の研究者曰くトレーナーとポケモンには相性があるという理論が確立されている。それはそうだろうと俺はツッコミを入れたかった。

 

 ゲームならば選択すれば勝手に技を使ってくれるがこの世界では色々と違う。「かわせ!」と回避の概念がある。

 ポケモンにも足が早いポケモン、種族全体で足が遅いポケモンと色々と居る。自分の得意なスタイル、やり方は普通にある。

 

 サトシの場合は軽量級のポケモン、素早いポケモンが得意なポケモンだ。

 パワーがあって足が遅いタイプのポケモンは使いこなすことが出来ていない。

 ナエトルがハヤシガメに進化した時やメルタンがメルメタルに進化した時に特訓したり指摘されたりしないと上手く扱う事が出来なかったのがその代表例だ。

 

 トレーナーならば全てのポケモンを上手く扱えるように!とオーキド博士ならば言うだろう。

 それに関しては間違いではないが人間得意不得意が普通にある。短所を消して無理に長所にする必要は無い。何でもかんでも器用に出来たらこじんまりする。それが1番厄介……上に居る連中は絶対になにかがぶっ壊れている要素があるからな。

 

 とは言えポケモン1体に経験値を収束させるのは厄介な事だ。

 勿論、それに見合ったリターンがあるだろうが【みちづれ】や【ほろびのうた】の様に相手を問答無用で戦闘不能にさせるタイプの技や【だいばくはつ】みたいなのも普通にある。だから1体にだけ頑張らせるのは無理だ。俺も俺なりに色々と考えた結果、リザードン以外の【ほのお】タイプにリザードン以外のエースを作るという答えに至った。

 

 コレに関してはアトベも同じ考えを持っていた。

 何処かの段階でエース枠を2体ゲットする……600族か?と聞いたが600族は強いが偏りがある。バランスよく育てないといけないから何処かで野生の御三家が居ないのかを探してみるそうだ。一応はカメールの島が存在しているから、そこに行けばと思ったがあいつが最初に選んだポケモンはエンペルトなので【ほのお】タイプや【くさ】タイプのエースを用意しないといけないな。

 

 取り敢えずここまでガラガラで勝ち進んでいるので対策としてナッシーを入れる。

 2体目に関しては少し変則的にニンフィアを入れる。【フェアリー】タイプは対抗手段を用いるのが意外と難しい。弱点でもこうかはいまひとつでもないタイプの火力のごり押しゲーで大体は倒すからな。

 

 3体目は無難にカイリューだな。

 ガルーラでもいいが、カイリューにもそろそろ出番を与えておかないといけない……4回戦は相手が【フェアリー】タイプに偏ってなければラティオスを出そう。薄皮だけでいいが少しずつ少しずつ自分の手札を公開しておく。コレが後々に役立つ筈だろう。

 

 なにもわからないのならば、自分の旨味をぶつければいい。

 でも、中途半端な知識を得ていると言うのであればそれが余計な先入観を持たせてしまう。そういう先入観を無視した戦闘は時には大事だ。とは言え、それは時々大事になってくるのであって常に必要になっているわけではない。

 奇策を使うには王道を極めないといけない。必殺技の領域にまで高めた王道をフェイクに意外な手を打ってくる。それが出来てはじめて奇策が生きる。最初から最後まで奇策なバトルはただの不安定な奴だ。

 

 

 ▲月✡日 歯痒い思いだ

 

 3回戦の試合が行われる。「時間的にサトシの試合を見ることが出来るわよ?」とカレンが聞いてきたが断った。

 サトシの試合が興味が無いと言えば嘘になる。だけどサトシは5回戦まではシッカリと勝ち上がってくる、だから気にしない。

 ホントに気になるのは5回戦のヒロシとのバトル、ヒロシとのバトル以降が気になる。あの試合はリザードンが真面目にやっていたら勝つことが出来た。それだけサトシのリザードンがサトシの手持ちの中で強いと言う証拠だ。

 

 

 他の試合は気にしない……今は、だが。シゲルの試合、4回戦は特に気にしておかないといけない。

 俺というイレギュラー要素があるおかげでシゲルは既に原作よりも遥かに強くなっている。Zワザがその証だろう。

 そんなシゲルが負けた、と言うのならば世界の意思、抑止力の様なものが働いている。主人公補正は必ずしもいい方向に転ぶわけではない。普通の人が気付かない事を気付くがその逆、普通の人なら気付くことを気付かない。それは誰でも同じじゃないかと思うがそうじゃない。

 

 主人公補正って言うのは主人公に対して都合の良い展開が巻き起こる。

 読者視点で羨ましいだなんだはあるが、あくまでも読者視点だ。現実を生きている人間からしたらたまったもんじゃない。

 俺は1人の人間としてこの世界に命を根差している。俺なりにやりたいことなんかをやっている。それなのに世界の意思や抑止力が邪魔をしてくるというのならば俺はハッキリと言えばやる気は無くす。

 

 何処にでも居る人間から普通じゃない人間になろうとしているのだから所謂まともというやつから離れる覚悟は出来ている。

 でも、それを誰かが意図的に妨害してくる。その行いに関して俺は許せない。俺達の戦いはこれからだ!な打ち切りエンドをさせる気ならば俺は認めない。いや、そもそもで興味を失う。一番大事な好奇心等を失ってしまう。

 

 

 シゲル達は無事に3回戦を突破した。サトシの奴、クラブがキングラーになったから調子が良いと使い続けている。

 しかし今回、負けた。後にいるピカチュウが残りのポケモンを倒したが……サトシの奴は気付いていないみたいだな。そういうのをあまり考えない感じないタイプだから仕方ないが。たまたまモニターに映っていたサトシの試合を見て色々と考えさせられた。

 

 

 3回戦の試合、岩のバトルフィールドで戦う。

 

「これより3回戦を行います!使用ポケモン3体のシングルバトル!」

 

 審判が試合開始の宣言をする。ルーレットが回れば対戦相手のトレーナー、赤コーナーのサイゾウに止まった。

 なにが出てくるのか、今回のこちらはナッシー、ニンフィア、カイリューだ。出来れば相性の良いポケモンがと思えば1体目にはドードーが出てきた。事前の情報で知っていたから驚きはしない。

 

【ひこう】タイプが相手なのでナッシーは使わない。

 向こうの手札がどれくらいなのかを確認する為にニンフィアを出す。見たことがないポケモンだと騒がれる。サイゾウも見たことがなくて驚いている。まだまだニンフィアの知名度は低い……だが、コイツは強いぞ。

 

 実況達が慌ただしくなっているが、試合は普通に行われる。

 サイゾウはニンフィアを見てドードーから別のポケモンに入れ替える、と言う事はしない。このまま続行だとドードーでいく。試合開始だと審判が言えば「先手必勝【でんこうせっか】でござる!」となるので「ニンフィア、こっちも【でんこうせっか】だ」と【でんこうせっか】同士の対決を起こす。勝負の結果……ニンフィアが押し勝った。

 

 純粋な種族値から計算すれば【フェアリースキン】で威力が増加してもニンフィアの【でんこうせっか】の方が負けてもおかしくない。「ここで入りました情報によりますとあのポケモン、ニンフィアはイーブイの進化系の1つ!イーブイが【フェアリー】タイプに進化したポケモンとのことです!」と実況が教える。あのポケモンがイーブイ?となりそう言えば何処か面影があるなとニンフィアをまじまじと見る。

 

「ニンフィア【ハイパーボイス】だ」と指示を出す。ニンフィアの情報を知られても特に焦る要素は無い。負けたならばそこまでだったで受け入れる事が出来る。俺がやるべきことは突き進む事だ。ニンフィアは【ハイパーボイス】をドードーにぶつけた。

 ドードーは立ち上がろうとする……が、ドードーは途中で倒れた……【ハイパーボイス】一撃で倒れるか。【はかいこうせん】と【ラブリースターインパクト】を除けば一応は最高打点だが、拍子抜けだな。

 

 

 しかしこれで1体を倒した。

 順調だなと2体目に出てきたのはビリリダマだった……情報として頭に入っているが、ポケモンのパワーが根本的に足りないな。

 ビリリダマは【ソニックブーム】を使ってくる。【ハイパーボイス】で対抗する……技の威力がどっちが上なのか言うまでもない。だが、サイゾウにとってコレは想定内。ビリリダマの高い素早さを活かしてニンフィアの背後を取った。

 

「【でんじは】でござる!」と【でんじは】を使って【まひ】状態にした。

【まひ】は痛い……と言うと思ったか?こっちには相棒技の【きらきらストーム】がある。【きらきらストーム】を使えばイーブイは【まひ】状態を解除出来る……が、この1手の隙をサイゾウは狙っていた。【かみなり】をビリリダマに使わせてニンフィアに当てた。

 

「そんなバカな!」と声を上げたのはサイゾウだった。

 ニンフィアに【かみなり】は直撃した。だが、ニンフィアは何事も無かったかの様に耐えてから【きらきらストーム】を使った。【きらきらストーム】のおかげで状態異常は無くなった。【きらきらストーム】を受けビリリダマは大ダメージを負った。

 

 これ以上の欲張りはいけないことだ。

 ニンフィアに【でんこうせっか】を指示した。ニンフィアは【でんこうせっか】でビリリダマがなにかをしようとする前にビリリダマを倒す。【だいばくはつ】とかを使われたらその時点でニンフィアが負ける可能性がとても高い。相手が恐ろしい手を使うことが出来ると分かっている以上はなにかをするよりも前に先に潰す、それだけしかない。

 

 特性が【せいでんき】個体だった。運悪く【せいでんき】を引き当てた。

 今更ながら思うが【ぼうおん】個体じゃなくてよかった。【ぼうおん】個体ならば【ハイパーボイス】の無駄打ちになってしまう。

 ニンフィアはまだ戦える。【まひ】で痺れる体を我慢して立ち上がる……サイゾウはいよいよ追い詰められた。「お前で一気に逆転でござる!ゆけ、ガラガラ!」と原種のガラガラを出したのでニンフィアを戻す。

 

「なっ、逃げるとは卑怯な!」と言ってくるサイゾウ。「引き際を見極めることが出来ない奴は愚か者だ。熱い感情を持っているのは構わないが氷の精神も持っていないといけない。猪突猛進だけでポケモンバトルに勝てるほど甘くはない……いけ、ナッシー」とナッシーを出した。引いたら卑怯だなんだ言うのならばそれはハッキリと言って愚か者としか言えない。トレーナーがなんの為に居るのかが分からない。

 

「どうせ3体全てを倒さないと勝てないんだ。誰が相手でも構わない筈だ」と言えば直ぐに文句を言うのをやめた。

 全てを倒せばそれでいい、だから先ずはナッシーからだ。「ガラガラ【ボーンラッシュ】でござる!」とガラガラで攻めてくるので「ナッシー【リーフストーム】だ」と真正面から迎える。【リーフストーム】の葉っぱの嵐の前にガラガラは骨を振るうが葉っぱは全て捌ききれない。【リーフストーム】は命中した……が、ガラガラは立ち上がった。

 

 弱点のポケモンで最大火力で攻撃した。

 他のポケモンはあまり強くないがエース級のポケモンはエースに相応しいスペックを持っている。エースのポケモン同士で戦っても勝てるぐらいには。「【リーフストーム】を使えばパワーが下がる!今度こそ【ボーンラッシュ】でござる!」と追撃に出る。

【リーフストーム】で倒せない事は予想外だ。だが、【リーフストーム】で倒せなかった相手が居る時に対してどういう風に動くのか、それは既に決めている。

 

 

 そう、【だいばくはつ】だ

 

 

 突撃してくるガラガラの妨害はしない。むしろかかってこいと受け入れ……【だいばくはつ】を巻き起こす。

【リーフストーム】で倒すことが出来ない相手や手持ちに余裕がある相手ならば【だいばくはつ】は迷いなく使える。【だいばくはつ】の爆風がフィールドを歪ませる。黒色の煙が発生しており、煙が晴れればナッシーとガラガラが倒れていた。

 

 

「ガラガラ、戦闘不能!よって勝者、クニミツ選手!」

 

 

 審判が倒れている2体のポケモンを見て判定をくだす。

 中々に強いガラガラだった……仮にバチンキーだったら負けていた。バチンキーがゴリランダーだったら初手【グラススライダー】とかを使えたのだが、そういうたらればの話は今はしないでおこう。

 

 会場の空気が一瞬静まった……おそらくはこういう場所での最終盤面での【みちづれ】や【だいばくはつ】等は受け入れられないだろう。それをすれば塩試合になってしまうというのは俺でも分かる……だが、禁止なら禁止だとカウントすれば良い。俺は反則行為を一切行っていない。【だいばくはつ】が使用禁止ならば最初から使用禁止の技にすればいいだけの話だ。

 

 ナッシーをボールに戻して一礼をする。

 スタジアムを後にすればカレンと合流するのだが、シゲルとシンジも居た。「最後の【だいばくはつ】は中々に痺れたよ」と言ってくるシゲルと「【リーフストーム】で倒しきれないのは育てが甘い証拠だ」と言ってくるシンジ……結果として勝てたからそれでいいと言えるがシンジの言っている事は一理ある。ナッシーがもう少し強ければ【リーフストーム】で倒せた。

 

 アローラで必死になって鍛えたが、それでもまだまだだった。

「いや、入賞者のポケモンレベルに強いポケモンだったわよ?」とカレンはガラガラを褒める。確かにあのガラガラは強かった。それは否定しない。でも、優勝してもおかしくないレベルのトレーナーが持っているガラガラではない。上位に君臨であって1番ではない。

 優勝してもなんにもおかしくないレベルのトレーナーはそれなりにいる。過去に見てきたポケモンリーグ、まだ四天王になる前の猛者達が圧倒的な強さで優勝していた。強い奴は強く頭が1つも2つも抜き出ている。

 

 そういう強さを見せつけないといけない。本気で上を目指しているのならば何れはそういうのにぶち当たるのは理解しているから。

 

 

「なんで【だいばくはつ】なんか使うんだよ!」とサトシが文句を言ってきた。

 コレも立派な戦術だと言えばあんなのはポケモンの気持ちをと言ってくるのでジョーイさんに治療してもらい帰ってきたナッシーに言葉を聞いてもらう。「ナッシー、あんなの嫌だよな?」とサトシはナッシーに聞いたがナッシーは首を横に振った。

 

「なんでだよ!?まだまだ」とサトシはナッシーに詰めるので「お前のやり方だけが全て正しいとは限らない。俺はお前とは違うやり方を答えを導き出した。ナッシーはそれを分かった上で首を横に振った」と言えば納得が出来ないサトシ

 

「どうやらお前はこの2ヶ月を無駄に過ごしていたみたいだな」と俺が言えば「なんだと!?」と怒るサトシ。

「上まで上がって来い。お前にはお前のやり方があると言うのならばそれを貫けば良い……ただし、お前のやり方と言って適当な事をしているのならば永遠にお前は誰にも勝てない」と言い残し、カレンと一緒に選手村に戻った。

 

 

「ズバッと言ったわね」「……勿体無いと思っている自分が居るからな」

 サトシはライバルではないが対戦相手になる可能性は秘めている。それなのに時々塩を送っている事についてカレンは指摘する。

 俺だって人間だ、色々と割り切ろうとしても出来ない事は多い。特にサトシに関しては色々と勿体無いと思っている。成長やゲットするチャンスを多く作っているのに全くと言って動かない。普通の人ならばその機会が圧倒的に少ないのにサトシはかなりの回数で幸運に恵まれている。フシギダネ、ゼニガメ、リザードンがその象徴だろう。

 

 もっと上に行こうと思えばサトシは行くことが出来る。

 それなのにサトシ自身がその為の努力が出来ていない。ホントならばもっと上に行ける。俺が干渉した事で本来は言うことを聞かないリザードンが言うことを聞いてくれるようになっている。俺がアドバイスを送ればゼニガメに【れいとうビーム】を覚えさせたりも出来たが、それはただ単に俺が指導しただけでサトシがなにかを得たわけではない。1人立ち出来てはじめて一人前だからな。

 

 

 俺は指導者に向いていないだろう。

 答えの無い答えに対してこういう答えを出してほしいと思っている。サトシのように型に嵌まらないタイプを無理に型に嵌めては弱体化するのがオチだ……でも、それでも勿体無いと言う思いはある。なんとも言えない歯痒い思いだ

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