アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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転生者の特権だろ?

 

「おや、ハナミヤじゃないか」

 

「シゲルか」

 

 ハナダシティに辿り着いたからとりあえずはポケモンセンターに向かった。

 ニドリーノを急遽ニドキングにして偶然にもエレキッドをゲットしたからジム戦はフシギソウとエレキッドで挑むかと考えていればシゲルと遭遇した。

 

 顔を合わせるのは初だが、シゲルは俺のことを知っている。

 一応は母親とオーキド博士に生存報告の意味合いを兼ねて定期的な報告な連絡を入れている。その際に母親もオーキド博士も俺がなんかおかしいとかそういう事を疑問に思わなかった。

 

 中の人が変わっちまってる人間を見ても特に変わらねえのはどうなのか。

 元の人間も俺と大して変わらねえ人間性だったら普通に笑えるわ。

 

「お祖父様まから聞いたよ。君が一番だって」

 

「フハッ……バッジの数で競ってどうすんだよ?ポケモンリーグに出て優勝する、バッジ集めはそこの通過点だろうが。どっかの誰かさんはバッジの数で自慢しそうだがな」

 

「ああ、まったく何処かのサートシくんはバッジの数で威張りそうだ」

 

 目上の人に接したりする時とは違う素の状態の俺で接しても特に違和感を感じない。

 バッジはあくまでも通過点と言えばシゲルはそれに納得しサトシを小馬鹿にする。

 

「ここに居るって事は」

 

「ふっ、さっき終えたところさ」

 

 ハナダシティのポケモンセンターに居るという事はハナダジムに挑んだってことかと聞けばシゲルは自慢げにブルーバッジを見せた。

 さっき試合を終えたと言っているから今日はジム戦が無理……と言うか、カスミがジムリーダーとして戻ってくるまではハナダジムはまともにジムとして機能してねえ。

 

「……………」

 

「どうした?」

 

 タイムリミットは着実に近づいている。

 ハナダジムはジムとしてまともに機能していないところがある。場合によっちゃプール掃除しただけでブルーバッジをもらえるジムとしてくっそ緩いとかそういうレベルじゃないぐらいに緩い。

 

 トレーナーとしてはジムリーダーに挑んで勝利してジムバッジは欲しい。だが、シゲルがここに居る事やポケモンの育成期間を考えればタイムリミットはもう無い。チャンスは一瞬しかなくてそれが出来るか出来ないかで後で大きく響く。

 

「……トキワジムに挑んで正解だったな」

 

 途中でルート変更を余儀なくされたが、ジムバッジは2個の状態だ。

 トキワジムでグリーンバッジを手に入れたのがここに来て役立っている。だが、今回ここでその貯金を切り崩す。失敗すればマジで時間を無駄にしちまってどうしようもねえが、成功すれば大きなアドバンテージを得れる。

 

「何処だ?」

 

 ハナダジムには挑まずに24番道路付近を歩く。

 この辺に居るのだけは確か……オーキド博士から最初の3体を選べと言われたあの日、俺はなにを選べばいいのかを考えた。

 

 カントーの御三家は基本性能が悪くなく、メガシンカとキョダイマックスを持っている。だからどれを選んでもそれなりの結果が返ってくる。

 

 周りの環境が悪すぎたせいで弱いジョウトのチコリータ。

 殆どと言うかむしろ上位互換を居るだろうのイッシュのポカブ

 決して弱くないが他2体ぶっ壊れ性能をしているガラルのメッソン

 

 他にも色々とあるが、御三家の中には不遇なのは確かにいる。

 カントーはどれも当たりであの時に好きなのを選べる権利があった。カントーの御三家だったらなにかと優遇をされているリザードンが一番だろう。

 

 メガシンカしたら性能がカスになるわけでもないしむしろ強くなる。キョダイマックスのキョダイゴクエンも強い。だが、カメックスもフシギバナも捨て難い。全部ゲットをすることが出来ればいいのにと考えた。そして分かった。

 

 全部ゲットをすることが可能じゃねえか?と。

 

 原作知識でグレンタウンがあるグレン島のすぐ近くにカメックスが長を務めているカメールが野生で生息しているカメックスの島がある。そこに向かって適当に1体捕まえればカメックスは問題は無い。

 

 この時点でゼニガメを選ぶ理由は無くなった。

 そうなるとフシギダネとヒトカゲのどちらかでフシギダネを何処かでゲットする事が出来る可能性は無くてヒトカゲはゲットする事が出来る可能性があった。だから俺はフシギダネを選んだ。

 

 フシギダネが野生に居ないとは言わねえ。

 サトシのフシギダネやサトシのフシギダネと一緒にフシギソウに進化したフシギダネ達が居る。御三家に関しても基本的には頑張れば見つかる。

 

 そして俺はあるものに目星をつけた。そう、サトシのヒトカゲだ。

 サトシのヒトカゲは捨てられたヒトカゲでサトシが心を開かせてゲットした野生の個体だ。だからサトシよりも先にヒトカゲに遭遇しゲットすればいい。

 そこ以外に確実にヒトカゲもといリザードンを手に入れるにはリザードンの聖地であるリザフィックバレーに行くしかねえ。ただしあそこは自然保護区だからゲット出来る可能性は皆無だ。

 

 だったらヒトカゲを選んで野生のフシギダネを探した方が良い……効率だけを言えば確かにそうだろう。フシギダネは複数居る。対して俺の狙っているヒトカゲは1体だけだ。可能性だけで言えばフシギダネの方が高い。

 

 だがな、俺からすればそれはどっちも大して変わらねえ。

 俺にとってここで重要なのはそのヒトカゲがサトシのヒトカゲってところだ。サトシのヒトカゲは進化しリザードンになる。ここぞと言う時は何時も勝負を決めてくれる。相性が良いとは言え単騎でフリーザーを倒せる奴で大事な場面での活躍が多い。

 

 フスベジム、vsシゲル、vsダツラ。

 

 リザードンがいなかったら勝敗が大きく変わっていた勝負だ。

 それだけのポテンシャルを秘めているリザードンは欲しいぜ!……と言う理由があるから欲しいんじゃない。勿論リザードンが優秀だから欲しいのは本音だ。だが、それはサトシのリザードンという個体じゃなくてリザードンと言う種族単位で優秀だから欲しいという意味だ。

 俺は嘲笑いてえんだ。ここぞという時に頼りになって勝負を決めてくれるエース様が不在でここぞという時に負けまくって上に上がることが出来ねえ無様なサトシを。だから俺はサトシのヒトカゲを求める。

 

 そんな事をしていいのかって罪悪感?そんなもんあるわけねえだろう。

 俺の中にある原作知識にはなんとなくこの話は実際に見ていたのもあれば全くと言って無い何故か知っている2パターンがある。

 

 ポケモンと言えば世界中で熱狂しているゲームで、子供ならば見ている時はあるが物心ついた時には既にポケモンのアニメは放送されていた。俺の中ではそういう認識になっている。カントー地方を旅していた頃の話は見た記憶、と言うよりは与えられた知識に近い。

 

 ゲームをしていれば自然と身に付く知識がある。

 それを世に言う転生特典って言うのならばなんで見た覚えが全くと言って無い原作知識まで入っているのか?ギンガ団みたいな悪の組織は原作を消化すれば勝手に潰れる。劇場版に出てくる悪人も劇場版での騒動が終われば逮捕される。じゃあ、なんの為に原作知識があるのか?……原作知識を利用して入手難易度が高いポケモンをゲットしろって話だろう。

 

 絶滅したと言われる化石ポケモンは野生個体で原作に普通に野生として出てくる。

 生息地不明で各地を巡っている準伝説のポケモンと遭遇出来る。

 野生だが群れとして生活している御三家も出てくる。サトシのキモリがそれで、群れからキモリをゲット出来る。

 

 じゃあ、サトシのリザードンになる予定のヒトカゲを先にゲットしてもなにも問題は無い。原作知識を利用して悲劇の過去がある故に悪人になったり悲劇のヒロインになったりする奴等を悲劇から救って悪人にさせない転生者は普通に居る。本来ならば悪役側の立ち位置になっているが原作と言う名の未来知識を利用して自分にとって都合の良い立ち位置に立たせる。それと大して変わらねえ。

 

 これが仮に選ばれし者しか使えない聖剣でその聖剣を手にした者が魔王を倒して世界を救うとかならば俺も少しは空気を読む。だが、ここはそういう世界じゃねえ。

 だったら未来の知識を利用しても問題は無い。未来の知識があるから悲劇のヒロインを絶対に救わねえといけねえ義務があるわけでもねえしな。

 

『ヒトカゲ とかげポケモン』

 

「っ!!」

 

 ポケモン図鑑を片手に粘ってみせる。

 リザードンを確実にゲットしサトシを弱体化させる。その方法があるならば努力を惜しむ理由はねえ。

 

 バッジ集めの旅が遅れたりする可能性もあるが、それを踏まえた上でもヒトカゲは欲しい。そうして数日間粘っていれば遂にポケモン図鑑のサーチにヒトカゲが反応した。

 どっちだと図鑑のレーダーを頼りに歩けばそこには岩の上に座っているヒトカゲが居たので俺は笑みを浮かべる。

 

「フハッ……悪いね、主人公」

 

 別に罪悪感らしい罪悪感は抱いていないが形だけでも謝りモンスターボールを取り出す。すると雨が降ってきたのでさっさと決着をつけねえといけねえなとフシギソウを出してヒトカゲにねむりごなを浴びせて眠らせてヒトカゲをゲットした。

 

「コレであいつは弱体化……下手したらグレンジムが突破出来なくてゲームオーバーだ」

 

 最高だな……ん?

 

「……ここにヒトカゲが居たが見なかったか?」

 

「ああ、ヒトカゲならさっき俺がゲットした……ヒトカゲは野生のポケモンだ。だったら基本的には早い者勝ちだ」

 

「……ハッ、使えないヒトカゲをゲットしたのか?」

 

 ヒトカゲをゲットして喜んでいれば1人のトレーナーが現れた。

 ヒトカゲについて知らないかを聞いてくるのでヒトカゲは俺がゲットした事を言えば、俺を見て笑った。

 

「使えない、ねぇ……」

 

「ああ、そうだ。あのヒトカゲは弱いヒトカゲだ……だから俺は逃がした」

 

「なんだ?今さら返せとでも言うつもりか?」

 

「それこそまさかだ……俺は強いポケモンにしか興味が無い」

 

「じゃあ、狙っている強いポケモンでもいるのか?」

 

「ああ、ホウオウだ」

 

 強いポケモンにしか興味無い発言をした男、そいつはクロス。

 劇場版ポケットモンスター ポケモン、キミに決めたに出てくるサトシがゲットしたヒトカゲの元トレーナーだ。サン・ムーン以降の劇場版は本編とは特に関わり合いが無い劇場版じゃなかったか?パラレルワールド的なんじゃねえのか?

 

「ホウオウか……そいつはにじいろのはねがねえと会うことすら難しいぞ」

 

「っ!」

 

 色々と分からないがコイツがクロスであることは確かだ。

 だったら少しおちょくってやるか。

 

「伝説のポケモンの中には優れたトレーナーを見極めようとするのもいる。トレーナーとして認められれば言うことをしっかりと聞いてくれる…………ホウオウなんかはにじいろのはねを落として試練を与えるんじゃ」

 

「黙れ!!」

 

「嫌だね……その様子だと、ホウオウを見たけどにじいろのはねを貰えなかった口か」

 

「だからどうした!」

 

「それこそどうしたって話だよ」

 

「なに?」

 

「ホウオウが自身に挑む権利を手に入れる事が出来るかもしれない才能豊かなトレーナーににじいろのはねを落とすとして、逆に選ばれなかった奴がホウオウを捕まえる。最高じゃねえか」

 

 伝説のポケモンは気品に満ちていたり鬱陶しい清廉潔白な正義の心を宿している。

 力よりも人間性、心を大事にしているところがある。じゃあ、人間性が良くないクロスみたいな奴は改心して心を大事にしろって抑えつける?なんで自分の性格や生き方を否定されて変えないといけねえんだ。折れることが出来る部分は中にはあるが、そうじゃない部分だって普通にある。そこを否定されたのならば逆に見返してやる。

 

「思い浮かべるだけで最高じゃねえか。お前をダメな奴と烙印を押したホウオウをお前が倒してゲットして従えるだなんて……自分を正しく評価する事が出来なかった奴に使われるなんて最高だろう」

 

「……お前……」

 

「にじいろのはねが無いならば無理にホウオウを追う必要は無い」

 

「おい!」

 

「まぁ、待て。話は最後まで聞けよ……ホウオウの下にスイクン、エンテイ、ライコウが居るのは知っているか?」

 

「エンジュのホウオウ伝説だろう?」

 

「ああ、そうだ。だからまずはスイクン、エンテイ、ライコウを捕まえる事を優先しろ。そして3体を捕まえたらエンジュシティのスズの塔にでも行けばホウオウも流石に現れねえとメンツが保てねえだろ?」

 

「…………その手があったか……」

 

「っと、雨脚が強くなったからな。雨宿りに行かせてもらう」

 

 互いに名を名乗ることをせずにアドバイスを送るだけ送って雨宿り出来る場所を探しに行った。

 

「あの様子だと3体探しを集中するか……フハッ、甘い夢見てんだな」

 

 スイクン、エンテイ、ライコウを従えればホウオウは出てくる。

 その可能性は非常に高いだろう。だが問題はどうやって従えるかだ。それが出来ない人間しか居ねえからホウオウはゲットされてねえんだ。

 仮に3犬をゲットして従えることに成功しても、人間性にまだ問題があるならばホウオウは突き放す。

 

 俺としては伝説のポケモンの中にいる清廉潔白で誇り高きポケモンってのがウザい。そういう奴こそクロスみてえな色々と手遅れな奴にゲットされてこき使われて欲しい。

 正しい=勝つじゃない、力を持っている=正しいと思えるように見える……情けねえツラは見てえが、まぁ、この世界でポケモンバトル云々の正規の手順を踏んでの伝説のポケモンゲットは難しいだろう。クロスが失敗に終わっても美味しいし3犬を従えられてもそれはそれで美味しい。

 

「カゲ……」

 

「捨てられた事を自覚してないのか?」

 

 雨宿りをする為にちょうどいい洞窟を見つけたので雨宿りをし、ヒトカゲを出した。

 ねむりごなで眠らされていたヒトカゲは目を覚ましたが自分が俺にゲットされたって事を理解し、自分がクロスに捨てられたと言う事実を理解した。

 

 なんで自分は捨てられたのか?少なくともそう思えるぐらいにはクロスとそれなりに付き合いがあったし感情移入出来るぐらいの関係性だった。

 

「あのトレーナーはお前を捨てた。俺がお前をゲットする事が出来たからそいつは紛れもない事実だ」

 

「……」

 

「コイツがお前をゲットしたモンスターボールだ……お前を捨てたのはお前が弱いかららしい」

 

「カゲ……」

 

 弱いから捨てられた、その事を言えば心当たりがあるのか悲しそうな顔をする。

 

「安心しろ。あいつはもうお前のトレーナーじゃない。俺がお前のトレーナーだ」

 

『リザードン かえんポケモン。地上1400メートルまで羽を使って飛ぶことができる。高熱の炎を吐く』

 

「カゲ!」

 

 ポケモン図鑑を取り出し、リザードンを見せる。

 ヒトカゲはそれを見れば嬉しそうな顔をしており自分もリザードンになれるぞアピールをする。

 

「なりてえんだろ?リザードンに……だったらなるぞ」

 

「……カゲ……」

 

「自分がなれるかとかじゃなくてなるんだ……でなきゃ、一生そのまま惨めな思いをするんだぜ?」

 

「……………」

 

「俺はお前を使う。使えるポケモンだと判断したから……お前も自分は弱くないとアピールしろ。最も弱くても俺は強くなるようにはしてやるがな」

 

 いきなりのトレーナーチェンジで色々と困惑したり俺がサトシみたいな性格をしていないから少しだけ疑っている。いきなり心の壁を破るなんて真似は出来ないし出来るようになる努力はしない。少しずつでいいからヒトカゲの心を開けばそれでいいんだ。

 

「……予想が外れたな」

 

 ヒトカゲを無事にゲットする事が出来たのは良かったが、俺が求めていたのはクロスのヒトカゲじゃない。ダイスケのヒトカゲだ。

 クロスがここにいるという事を全くと言って考えていない。そしてこの世界はきみに決めたでもキミに決めたでもない。元から俺と言うイレギュラーが居るからその時点で大分異なるのは分かっている。そこから考えて……サトシの奴はダイスケのヒトカゲをゲットする可能性が高い。

 

 ったく、結果的にはヒトカゲを手に入れてプラスになったがサトシの無様な姿を見れない……いや、待て。これはこれでありだろう。リザードン同士の対決を成立させて毎回ボコボコにする。ボコボコにされたサトシは一緒に頑張ろうとか言うが、サトシの努力が足りないから勝てない。

 互いに使えないから弱いからを理由に捨てられたヒトカゲ、そのヒトカゲを別のトレーナーがリザードンにまで育て上げてリザードン同士で対決をする。大差を付ければ負けたリザードンは無能だったと言えるし毎回勝てばトレーナーが無能だったと言える。悪くねえな。

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