タマムシジムがあるタマムシシティに辿り着いた。
タマムシシティと言えばゲームコーナーやタマムシデパートだ……だがまぁ、目ぼしい物は特に無い。
ゲームコーナーと言っているがあるのはルーレットやスロット等の世間一般で言うカジノで置いてそうなゲームだ。
別にそういうのに対して嫌悪感は向けねえよ。ポーカーやブラックジャックはゲームとして楽しい。ただしそれに金がかかるとなると話は別だ。
そういう物で勝てないから嫌じゃない。
のめり込んで手遅れなパチンカスになりたくねえ。ギャンブルで人生一発逆転なんて甘い考えはしねえ。
特殊景品交換所とかそういうのもあるし、のめり込んだらホントに痛い目に遭う。
ゲーム内はゲームの仮想通貨だから多少の損をしても楽しめればそれでいいって考えは出来るがリアルだと金を使う。負ければ生活費を失う。悪循環だ。
ゲームだと進化の石を売っているタマムシデパートはなんというか百貨店だ。高級品や初心者スタートセットとかあるが、特に欲しい物は無かった。
みずのいし、かみなりのいし、ほのおのいし、リーフのいし、こおりのいし、プロテクター、エレキブースター……ポケモンを進化させる為のアイテムを確保しないといけない。
進化の石はストンタウンに向かえば手に入る。
それ以外のアイテムが何処においてあるのかが分からねえ……サカキに交渉して入手してもらえないかを聞くのもありだ。
「すみません」
「あら、なにか御用でしょうか?」
「ジム戦に挑みに来ました」
「そうですか……では、図鑑と使用ポケモンを」
やることもねえしポケモンもこの前鍛えたところだ。
タマムシジムのデータは既に入っていてそれに合わせてポケモンを用意している。
ポケモン図鑑と使用するポケモンをセットした。
ここが6つ目のジムだと分かったのでそれに合わせてポケモンを用意する。
「1つ、お聞きしてよろしいですか?」
「なんですか?」
「香水はお好きかしら?」
「香水と言えば女性がつけるイメージがありまして……でも、気持ちが落ち着くので好きです」
完全に関係ねえ質問をしてくるのはジムリーダーのエリカ。
ここで香水なんてどうでもいいとか言えばジムリーダーなのにジム戦そのものを受けてくれない。無難な答えを出しておく……人間性に問題ありでジム戦を受けてくれないならまだ分かるが香水が嫌いなだけでジム戦を受けてくれないは職務放棄だろうとは言わない。
「これよりタマムシジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみ可能です!」
女性のジムなのか審判も女性だ。
「では、参ります。お行きなさい、ウツボット」
「ボット!」
「いけ、エーフィ!」
「フィ!」
「まぁ、可愛らしい」
ジム戦が開始し、ウツボットが出てきた。
この地方のくさタイプのポケモンはどくタイプも持っているからエーフィが意外と刺さる。
「試合開始!」
「ウツボット、つるのムチですわ」
「エーフィ、避けろ」
試合が開始すれば先に攻めてきたのはエリカのウツボットだ。
つるのムチを出してエーフィに向けて伸ばしてくるが、エーフィは動き出して回避する。
「その状態でなにが出来るでしょうか?」
「っち……」
パワーウィップでなくつるのムチで攻撃をしてきた。
大振りのパワーウィップでダメージを与えるんじゃなくてつるのムチを使いエーフィが頑張れば避けることが出来る攻撃をした。
流石はジムリーダー、一応はジョウトのポケモンであるエーフィに関する知識がある。
エーフィが使う技の殆どが特殊攻撃技で一旦止まって力を溜めないといけない。サイコキネシスを当てることが出来ればウツボットを倒せる自信はあるが、力を溜める隙が無くサイコキネシスを当てれない。
パワーウィップの大振りならば回避してからのサイコキネシスが使える。
つるのムチにすることでパワーを減らしているが正確性を上げてエーフィの攻撃を邪魔している。
「…………エーフィ、めいそうだ!」
「フィ!」
「ウツボット、つるのムチ……胴体に絡めなさい!」
まだ技を1つも使用していない状況での交代はしたくない。
エーフィにめいそうを使わせればウツボットはつるのムチをエーフィの胴体に巻きつけた。
パシンパシンと鞭として使わずに縛るのに使った。
どうするのかと思ったがその隙のおかげでめいそうを発動し、パワーを上げた。
「引き寄せなさい!」
「……」
「ウツボット、どくどく!」
エーフィの胴体に巻き付いたつるのムチを引っ張り目の前に連れてきたウツボット。
ここからなにが出てくるかと思ったらどくどくが出てきた。猛毒の液体をエーフィに浴びせられる。
「エーフィ、サイコキネシスだ」
「フィ!!」
「なっ!?効いていないのですか!?」
どくどくで猛毒を浴びせられたエーフィだがケロッとした表情でサイコキネシスを使う。この超至近距離ならばサイコキネシスは当てやすいとエーフィはウツボットをサイコキネシスで弾き飛ばした。
「ボット……」
「ウツボット、戦闘不能!エーフィの勝ち!」
「まさか……マジックガード?」
「ええ、マジックガードですよ」
俺のエーフィの特性はマジックガード、変化技を自動で跳ね返す。
どくどくは相手をもうどく状態にする技でウツボットはどくタイプだから効果は発揮されなかったがエーフィにその手の技は通じない。
この世界じゃ相手を弱体化させる追加効果を持った技は使っても、最初から相手を弱体化させる変化技を好んで使う奴は居ないし居てもトリッキーな戦術を取るトレーナーだ。
「マジックガードのエーフィだなんて……でしたらこれはいかがでしょうか?お行きなさい!ラフレシア!」
「シア!」
「エーフィ、めいそうだ!」
2体目のポケモンはラフレシアだ。
ウツボットと同じタイプでウツボットと違いつるのムチを使わない。こっちが有利だとめいそうを使った。
「ラフレシア、にほんばれ」
それに対してエリカはラフレシアに、にほんばれを指示した。
フィールドがはれ状態に切り替わった……
「ラフレシア、ソーラービーム!」
「エーフィ、めいそうだ!」
にほんばれではれ状態にフィールドを変えた。
自分にとってやりやすい盤面を生み出したがそこで終わりじゃねえ。はれ状態の恩恵であるソーラービームの溜める時間を0にしての速射。くさタイプを使っての戦術ならば極々普通の事で俺はそれに対してめいそうを三度使った。
「フィ!」
「まぁ!」
ラフレシアのソーラービームはエーフィに直撃した。
直撃したたエーフィは効いていないぞと言わんばかりにピンピンしておりエリカは驚いていた。くさタイプ最強のソーラービームならば倒せると思っていたみたいだが甘くはない。
「でしたら、ソーラービームの連発です」
「後2回めいそうを使え」
高火力のソーラービームでも倒れないがダメージになってないわけじゃない。
本来ならば撃つのに時間がかかるソーラービームを立て続けに連発することでエーフィに的確にダメージを与えていくがエーフィも負けじとめいそうを使った。
1発2発とソーラービームを浴びせるが徐々に徐々にソーラービームで受けるダメージ量が減っている。エーフィのめいそうで上がった特殊防御力がソーラービームを徐々に効かない様にしている。
「可憐な花びらと言えども山となれば時として」
「エーフィ、あさのひざし」
「なっ!?」
フハッ、ザマァねえな。
ソーラービームを何発か撃ち込んだ。徐々にエーフィに与えるダメージが減っているがそれまで蓄積してきたダメージがありそれを含めればエーフィは追い詰めれている。
まだソーラービームとにほんばれしか使ってねえから残り2つの技を物理技にして攻めようって腹だろうがエーフィはあさのひざしを使う。ただのあさのひざしじゃねえ、フィールドがはれ状態の時のあさのひざしだ。
今まで必死に与えてきたダメージが回復された。
エーフィがここであさのひざしを使うのは予想外で、更にはここでにほんばれのはれ状態が終わった。
今まで蓄積したダメージが0になった。
これだけでかなり痛い状況だがそれだけじゃなくエーフィは特殊攻撃力と特殊防御力が最高まで高められている。そしてラフレシアの弱点であるサイコキネシスを覚えている。
「ラフレシア、はなふぶき」
「エーフィ、バトンタッチだ!」
「この状況で!?」
フハッ、甘いんだよ。そこで攻めねえんだ。
予想通りと言うべきか物理技で攻めてくるエリカのラフレシア。
ここでサイコキネシスを使わずに今まで温存していた第4の技、バトンタッチを指示した。エーフィはバトンを残してモンスターボールに戻ったので俺は2体目のポケモンのモンスターボールを出す。
「いけ、リザード」
「リザッ!」
2体目のポケモンはリザードだ。
リザードはバトンに触れれば赤色のオーラを身に纏い吠える。パワーアップをしたと実感をして気分が高揚しているんだろう。
「っく……はなふぶき」
「リザード、ニトロチャージ!」
ここでの交代は痛いエリカ。
ラフレシアが使える技は、にほんばれ、ソーラービーム、はなふぶきと残り1つ。ソーラービームを使えば溜めるのに時間がかかる。にほんばれはほのおタイプのリザードを強くしてしまう。そうなるとはなふぶきか残り1つの技に頼るしかない。
はなふぶきに頼ることを決めて指示を出した。
リザードはニトロチャージで炎を身に纏いラフレシアに向かって激突するがラフレシアは倒れない。狙いはそこじゃないのを分かっているのでエリカは考える。
ニトロチャージは攻撃技だが威力よりも追加効果の確定で1段階素早さが上がるのが売りだ。リザードはエーフィから引き継いだ最大にまで高められた特殊攻撃力と特殊防御力がある。
ニトロチャージは物理技で、あまえるを使えば威力を落とせる。
だが、リザードは既にかえんほうしゃを覚えている。特別な特訓をしなくても育てていけば勝手に覚えるポケモンでリザードはカントーじゃメジャーなポケモンだ。
最初に使ったのはニトロチャージで狙いは攻撃じゃなくて素早さ上昇だ。
リザードはまだ3つも好きに技を使えて、特殊攻撃のほのおタイプの技を覚えているだろう。だから下手にあまえるを使って攻撃力を下げても無意味……かと言って、ラフレシアが使える技でリザードと相性の良い強力な物理技は無い。
「ラフレシア、あまえる」
「リザード、ニトロチャージ」
はなふぶきの花びらはリザードのニトロチャージで燃やされてリザードはラフレシアに激突した。苦肉の策か、それとも後続に繋げる為なのかエリカは4番目の技としてあまえるを使った。先にそれを使っていなかったからか、リザードのニトロチャージが先に当たりあまえるの効果は発揮しなかった。
「ラフレシア、戦闘不能!リザードの勝ち!」
「戻りなさい……見事なまでの戦術ですわ」
「まだまだ……最後の1体次第で試合は変わります」
「ならば、お行きなさい!フシギバナ!」
「バナ!」
エリカの3体目のポケモンはフシギバナ……っておい、ちょっと待て。
「それは!」
「安心してくださいまし。コレは本気の時のみです」
フシギバナにメガストーンが装備されていた。
メガフシギバナなんかになっちまったらリザードじゃ相性が悪くて負ける。メガフシギバナになるのかと思ったがメガフシギバナになるのは本気の時のみ……ここが6つ目のジムのジム戦だから手を抜いてくれる……っち。逆を言えばそれを使えば勝てますよか。
「上昇した素早さもこれならどうです?じしん!」
「リザード、ニトロチャージでフシギバナに乗っかれ!」
ほのおタイプ対策は当然しているとじしんを使ってくる。
ニトロチャージで移動してフシギバナに乗っかった。じしんで揺れ動き崩壊する地面を回避しフシギバナに詰め寄った。
「フシギバナ、花を閉じなさい」
「リザード、かえんほうしゃだ!」
「リザッ!」
「バ、バナッ……」
リザードの動きを封じようと自身の頭の上に乗っているのを利用し花を閉じるフシギバナ。コレで身動きは取れない状態になるだろうがここでかえんほうしゃを使う。リザードはフシギバナの上からかえんほうしゃを浴びせる。
「来たか」
それでもフシギバナは花びらを閉じようとした。
その瞬間、眩い光がリザードを包んだ。リザードの形は大きく変わり翼を会得する。
「グォオオウ!」
「ここに来てのリザードン……フシギバナ、つるのムチ!」
「リザードン、かえんほうしゃだ!」
ここに来てのリザードン。
リザードンになったことでひこうタイプが加わりじめんタイプのじしんが通じなくなった。リザードからリザードンになった事でフシギバナは花びらに包むことが出来ず更にはニトロチャージで上げた素早さがある。
リザードンは空中で間合いを取ってかえんほうしゃを浴びせた。
「バナ……」
「フシギバナ、戦闘不能!リザードンの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!」
リザードンの圧倒的な素早さと火力を用いてフシギバナを焼き切った。
何かをする前になにもさせず、リザードンがフシギバナを倒したので審判が俺の勝利宣言をした。
「コレがタマムシジムを制した証、レインボーバッジですわ」
「ありがとうございます……」
戦力や戦術のレパートリーが増えてきてジム戦をあっさりと攻略することが出来た。
3体目に用意していたポケモンに出番を与えずエーフィもリザードンも倒されることがなかった。
コレで俺も強いトレーナーなんてバカな考えはしない。
フシギバナにフシギバナナイトがついていた。メガシンカしてメガフシギバナになればあついしぼうと高い防御力でリザードのかえんほうしゃを耐えられてのじしんもありえた。
ジムリーダーが手加減をしている。
手加減をしていない本気のジムリーダーだったら今の俺じゃ一矢報いることは出来ても倒すことは出来ねえ……まぁ、一矢報いる事が出来るだけ及第点か。