「ここもここで露骨だな」
7つ目のジムがあるセキチクジムにやって来た。
ハナダジムやヤマブキジムはジムな施設でタマムシジムは内装が植物園、トキワジムは何故か古代ヨーロッパ風、ニビジムとクチバジムは自分が使うタイプを教えている外装だ。じゃあ、セキチクジムはと言えば日本人がイメージする日本のお城の見た目をしている。
セキチクジムのジムリーダーはキョウ、どくタイプのエキスパートで忍者だ。
忍者って絶滅したんじゃねえのか?と思うが、意外と生きているものだ。ただ忍者っていう独自の文化を残す為で皆がイメージしている諜報員としての忍者は絶滅している……と思う。
警察の公安委員会とか麻薬捜査班とかそういうのは普通ならば違法であることもテロリストとかヤバい組織を逮捕する為なのを理由に本来違法であることを勝手にやって見逃している。
マジレスすれば、忍者は諜報員だ。だから有名になるのはいけねえことだ。
歴史の教科書に名を残したりするレベルの偉業を成し遂げた忍者も居れば、諜報員として仕事を成し遂げたが歴史に名を残さない忍者も普通に居る。ハニートラップ担当や噂話を広める為に普通の人として一般社会に馴染んでる諜報員も普通に居る。
「まぁ、とりあえず挑むか」
忍者って結局なんなんだと言われれば日本の高度な諜報員。そういう風に認識をした。
セキチクジムに挑む準備はしてきたとセキチクジムに挑むべくセキチクジムのドアを開いた。
「っ……おぃ、そりゃねえだろう」
如何にもな見た目をしているからその可能性が0とは言わねえよ。だが、正真正銘の忍者屋敷かよ!
日本風の城の入り口を開いてみれば岩の壁があった。忍者がジムリーダーを務めているジムだから忍者屋敷ですか?
ゲームの方でもそうだが、あの辺のギミック必要か?
ゲーム的な要素としては必要なのかもしれねえがここ現実だぞ?
『ファッファッファ!セキチクジムに挑みに来たトレーナーか!予想通りと言うべきか、早速罠にかかったな!』
「くそ、近代的かよ」
『拙者はセキチクジムジムリーダーのキョウ!拙者と戦いたいのであれば、忍者屋敷であるセキチクジムの入口を見つけてみよ!』
「ジム要素関係ねえだろう……」
何処からかマイクの音声が入りセキチクジムは忍者屋敷だから攻略してみろと言う。
完全にジム要素は関係無い……普通に忍者屋敷のアトラクションとして楽しむ時は楽しむが、今回はジム戦に来てる……いや、違うか。
「焦らそうって腹か」
忍者屋敷だからめんどくせえ構成になっているセキチクジム。
突破するのが割と苦労をするのが目に見えている。1個1個の謎を解いたり時にはフィジカルを要求する試練を挑ませる。
本来はジム戦に挑みに来たのに、他のことをしねえといけねえ。
それでストレスが溜まってピリピリしている中でのポケモンバトル……流石は忍者、汚い。
「コレが岩であることは変わりは無い……となると何処か別の入り口があるか」
コンコンと岩の壁を叩く。
物理的な力技で突破をしてもいいが、それじゃダメなのは分かっている。下手に施設ぶっ壊しても怒られるだけだからな。
岩の壁は文字通り岩の壁、こういうのは何処かが回転する扉ってのが定番だ。
だが、何処にも見当たらない……流石にガチの忍者の謎解きは無いだろう……ん?
「コイツは追跡サインか」
Y字の木の枝が地面に刺さっている。そのY字の木の枝の間にY字の木の枝が置かれている。コイツは確かボーイスカウトなんかが使う追跡サイン、Y字の木の枝が不自然に地面に突き刺さっていて更にその上にY字の木の枝が置かれているという事は木の枝の先に何かがあるというサインだろう。
視線をY字の木の枝の枝分かれしていない方の部分を見れば井戸があった。
忍者屋敷と見せかけて機械仕掛けがあるから井戸水を使う理由は無い。そうなると何かがあるなと思えば井戸に梯子がかかっていた。
厄介な作りになっているなと思いながらも梯子を降りていけば道があった。
方角的にセキチクジムに繋がる方角だなと思い道を歩けば梯子があり、登ればセキチクジムに出た。
ったく、不便な作りしやがって……ジム戦に来たんだぞ。
心の中でジム戦に来たのになんで謎解きをしないといけねえんだと思っていれば突風が吹きキョウが現れた。
「ファーファッファファ!見事!よくぞセキチクジムに入れたな!井戸こそがセキチクジムの入口よ!」
「…………」
「では、本来の目的であるジム戦を!身分証明証と使用するポケモンを!」
絶対にこのくだりは要らねえだろう。
そう思ったが、文句を言いまくればジム戦そのものを拒否される可能性がある。余計な事は言わないでおく。
何時もの様に身分証明証の提示と使用するポケモンの登録をする。
セキチクジムの使用ポケモンは3体、俺の持っているジムバッジの数は6つ……
「ほぉ、ここまで中々に勝ち抜いてきたか……停滞する者ならば停滞するのだがな」
ジムバッジが6つである事を知ればキョウは褒めてきた。
ポケモンリーグに出場する条件である8個のジムバッジ、このジムバッジ集めを出来る奴と出来ない奴がいる。
ジムリーダーは手加減をしている。
最初は弱点を突いたりしてそこから段々とポケモンバトルを学んでいくものだが、確実に何処かで停滞をする。
レベル1からレベル2になるまでの経験値はほんの僅かだ。だが、レベル50からレベル51になる為には膨大な経験値が必要になる。
スポーツの世界で筋トレなどをして鍛えれば最初はパワーやスピードが伸びていくが徐々にその成長が停滞していく。ポケモンの育成も当然、その壁がある。
ポケモンバトルは陸上や水泳の様に記録を競う競技の様に最適な筋肉量を手に入れフォーム等の効率を良くする以外にやれることはないものじゃない。
相手と戦って倒すものだ。そうなると純粋な足の速さやパワーだけが全てじゃなくなる。ポケモン自身の伸び悩んでいるから、トレーナーが技術の方面を伸ばす特訓をする。
進化という物はメガシンカを除けば二段階まで、リザードンはどう頑張ってもなみのりを覚えない。出来ることと出来ないことを理解してなにが出来る様になりたいかの答えを出す。
進化も終えてポケモンの育成に伸び悩む時期が来る。
それがバッジ5個目ぐらいからでそれに対してなにかしらの答えを出す。そこがトレーナーの仕事だろう。
「これよりセキチクジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」
「ゆけ!モルフォン!」
「フォゥ!」
「……」
「ファファファ、どくタイプ対策の対策はバッチリだ!」
「いけ、リザードン」
「グォウ!」
セキチクジムはどくタイプのジムだからと挑んでのむしタイプのモルフォンが出る。
コレは予想外……んなわけねえだろう。むしタイプとどくタイプの複合タイプはそれなりに居るから予測ぐらい簡単に付いてんだよ。
「む、リザードンか……」
「試合開始!」
「リザードン、かえんほうしゃだ!」
「モルフォン、避けろ!」
タマムシジムの時と同じでリザードンにとって有利な盤面だ。
まずはメインウェポンであるかえんほうしゃを使うがモルフォンは軽々と回避する。
羽根を持っていて空を飛べるポケモンは立体的な回避が出来る。
かえんほうしゃみたいな特殊攻撃を放っても何処から飛んでくるのかが読めるから回避は可能……となると、接近する。結局は物理も特殊も全距離な試合になる。
「リザードン、フィールドの端に行け」
「ならば、ヘドロばくだん!」
「かえんほうしゃで焼き尽くせ」
そういう相手に対する対処方法はある。
リザードンにフィールドの端に行くように言えばモルフォンはヘドロばくだんを放つ。リザードンはかえんほうしゃを当てればヘドロばくだんが爆発し、爆風と爆煙でフィールドが見えなくなるがリザードンは何処に行けばいいのかが分かっており移動した。
「リザードン、エアスラッシュだ」
フィールドの端に居るリザードンにエアスラッシュを指示した。
リザードンは翼を輝かせ無数の風の刃を生み出しフィールドのそこかしこに放つ。モルフォンは回避しようと試みるが、数が多く1つ1つの回避に意識を割かないといけない。
法則性があるわけでもなんでもない適当なエアスラッシュ、それに合わせて常時最大速度で動かないといけないモルフォンは回避にのみ意識を割いている。
「リザードン、エアスラッシュを出したまま突っ込め」
「なに!?」
エアスラッシュを出したままリザードンはモルフォンに向かって突撃をした。
モルフォンはエアスラッシュを回避するのがやっとでリザードンにまで意識を割けない。エアスラッシュを出しながらの最高速度は出せないものの、リザードンはモルフォンの前にまで来ることが出来てエアスラッシュを止めた。
「かえんほうしゃだ」
「グォオオウ!!」
リザードンはモルフォンにかえんほうしゃを浴びせた。
至近距離で回避することが出来ないかえんほうしゃを受けたモルフォンは地面に落ちた。
「フォゥ……」
「モルフォン、戦闘不能!リザードンの勝ち!」
「グォウ!」
「戻れ……動きを力技で封じたか。ならばコイツはどうだ!ゆけ、ドククラゲ!」
「ドゥル!」
1体目のモルフォンを無事に倒し喜ぶリザードン。
キョウはどういう事をしたのか解析をした後に2体目のポケモン、ドククラゲを出した。モルフォンに対してのいわタイプやほのおタイプに対するカウンターか。
「ドククラゲ、ハイドロポンプ!」
「リザードン、回避しろ!」
ドククラゲはハイドロポンプを撃ってきた。
曲がるわけでもないので回避するのは簡単だった。だが下手に近付けない……
「リザードン、おにびだ!」
残りのポケモンがなんなのかは分からねえが、ここで使うのはおにびだ。
ハイドロポンプを回避しながら紫色の火の玉を幾つも作りボンボンボンとドククラゲに当てた。ドククラゲは苦しそうな顔をして炎を身に纏ったからやけど状態にすることに成功したとモンスターボールを取り出す。
「いけ、フシギバナ」
「バナバーナ!」
「っむ!!拙者に対してフシギバナか!」
「これならどっちも通じないでしょう」
「笑止!フシギバナはどくタイプではあるがくさタイプのポケモンでもある!ドククラゲのみずタイプの技が通じぬともどくタイプは等倍だ!ヘドロウェーブ!」
「フハッ、読み通りだ!そいつなら耐えれるだろう。フシギバナ、じしんだ!」
フシギソウからフシギバナに進化したことで今まで使えなかったじめんタイプの大技、じしんが使えるようになった。ドククラゲと言えば特殊耐久が高いから物理技のじしんで攻める。
ヘドロウェーブを受けたフシギバナだが一撃では倒れないしどく状態にはならない。
フシギバナはじしんの衝撃波を放てばドククラゲに命中しドククラゲは弾き飛ばされた。
「さっきあんたはフシギバナに対してどくタイプは等倍って言ったな。だが、これも等倍なのは分かるだろう?ハードプラントだ!」
「バナァ!!」
じしんによって大きなダメージを受けて隙が生まれたドククラゲ。
まだ攻撃は終わっていないとフシギバナの最強技、ハードプラントを使えば地面から巨大な茨が出現してドククラゲを殴打した。
「ドゥル……」
「ドククラゲ、戦闘不能!フシギバナの勝ち!」
「戻れ……最初のポケモンのみが使える究極奥義を既に会得しているとは……ならば最後はお主だ!ゆけ、ニドキング!」
「ニド!」
「ニドキング、つのドリル」
最後に出てきたのはニドキング。
ハードプラントを使った為にフシギバナは身動きが取れない。そこをつのドリルで攻撃し、フシギバナは倒れ込む。
「フシギバナ、戦闘不能!ニドキングの勝ち!」
「戻れ……ニドキングか……」
ベトベトン、マタドガス、アーボックのどれかが出てくるかと思ったが読みが外れた。
さっきから出てくるポケモンはどくタイプも持っているとかそういう感じのポケモン、どくタイプが複合しているポケモンは意外と多い。その上でニドキングならば色々と教えているだろうな。
「いけ、リザードン」
「グォウ!」
「ゆくぞ!ニドキング、なみのりだ!」
「リザードン、飛べ」
安定の弱点を突いた攻撃を選んだ。
ニドキングは津波を起こした。普通のポケモンならば飲み込まれるが、攻撃が来ると分かって予測しリザードンに移動させて回避させるのを最初から目的にして行動したからかリザードンは回避した。
「リザードン、かえんほうしゃ」
「なみのり!津波で防げ!」
かえんほうしゃを放てばなみのりで防がれる。
「ファファファ、お主の考えている事などお見通しよ!」
「俺がなにを考えていると?」
「ニドキングは技のデパートの異名を持つほど豊富な技を覚える。故にリザードンで粘り技の枠を使わせる。3番手に控えているポケモンが戦いやすい様に」
まぁ、ここまで露骨ならば流石に気付くか。
俺の狙いはリザードンで勝つことじゃない。ニドキングの技の4つを決めさせることだ。
モルフォンとドククラゲのせいで出せなかったがフーディンを登録している。
ニドキングはメガホーンを覚える。物理耐久の低いフーディンが受ければ一撃で負ける。だから、リザードンにはニドキングの技を使わせる。
リザードンは既にかえんほうしゃ、おにび、エアスラッシュの3つを使っている。
ニドキングに対して相性の良いねっさのだいちを覚えさせてはいるがフーディンが後ろに控えている。最後の技の枠をねっさのだいちで埋める……いや
「リザードン、空を飛んだ状態でこわいかおだ」
「っ!」
「グォオオウ!」
なみのりを回避出来る位置でこわいかおを使う。
ここまで攻め手の技ばかりでここに来ての相手を弱体化させる技を受けてキョウは戸惑った。
リザードンのこわいかおは見事に成功した。ニドキングが下向きに移動する青色のオーラを纏った。
「ニドキング、10まんボルト!」
「ニド!」
「リザードン、こわいかお!」
「グォオオウ!!!」
なみのりじゃ届かないと判断したので10まんボルトに技を切り替えた。
こわいかおをニドキングは再び受けるがリザードンに10まんボルトを当てた。リザードンは地面に撃墜したが起き上がる。
「リザードン、かえんほうしゃ」
「ニドキング、なみのり……っく!」
リザードンはかえんほうしゃを撃つ。ニドキングになみのりを指示するが先に動いたのはニドキングでなくリザードンでリザードンのかえんほうしゃが当たった。
それに遅れてなみのりが発動し津波に乗ったニドキングが突撃してリザードンを飲み込み津波が引けばリザードンは倒れていた。
「リザードン、戦闘不能!ニドキングの勝ち!」
「戻れ……追い詰めたな。いけ、フーディン」
「ディン!」
「やはりエスパータイプのポケモンが出てきたか!……」
「……」
こわいかおを2回受けたニドキング、当然フーディンの方が早い。
メガホーンを使えばフーディンの方が先に動く。既にかえんほうしゃを一発受けているから偶然にもサイコキネシスを耐えるなんて事は無い。
一見、フーディンの方が圧倒的に有利に見えるがまだニドキングには逆転の手がある……なわけねえだろう。
「フーディン」
「ニドキング、ふいうち」
「みがわり」
「っ!」
俺がフーディンに対して指示を出そうとした瞬間、キョウは動く。
相手が攻撃技を選んだ時のみ先制攻撃として攻撃が成立するふいうちを指示したが失敗に終わる。
フーディンは4つの技を好きに選べるんだよ。
欲の皮を突っ張ってサイコキネシスでいきなり攻めるわけねえだろう。
「フーディン、サイコキネシス」
「っ!」
ふいうちを使ってもみがわりを倒すことしか出来ない。
フーディンのサイコキネシスはニドキングがなにかをする前に命中しニドキングは弾き飛ばされた。
「ニド……」
「ニドキング、戦闘不能!フーディンの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!」
完全にどうしようもない盤面を生み出してのサイコキネシス。
ニドキングが奇跡的に耐えるわけもなく普通に戦闘不能となりフーディンが勝ち、セキチクジムを俺が勝利をした。7つ目のジムバッジ、ピンクバッジを手に入れた。