「「「「「最初はグー!ジャンケンポン!」」」」」
互いに色々と腹の中を割った翌日、俺達5人はジャンケンをしていた。
このジャンケンは色々と大事なジャンケンで、俺のグーの1人勝ちだった。
「じゃあ、俺はウラウラ島を担当させてもらうぜ」
アローラ地方にポケモンリーグを作る、それがアローラに来た目的だ。
ホントの目的はZワザだが、先ずはポケモンリーグを作る為に色々としておかなきゃならねえことが多い。
別に無視してもアローラポケモンリーグは開催出来るがその場合だとエーテル財団がスポンサーになる。
キヨシ達他の4人はロケットコンツェルンがスポンサーになるとかそういう話に気付いていない。チョロいもんだ。
「「「「最初はグー!ジャンケンポン!」」」」
俺がウラウラ島担当が決まった。
次に担当を決めたのはキヨシでメレメレ島を担当することに。その次にミブチとネブヤがポニ島を担当することに。ハヤマはアーカラ島を担当する事になった。
アローラポケモンリーグを開催する為にはまず、アローラ地方の住人にポケモンバトルを知ってもらわないといけない。
スポーツには2パターンある、体力作りの為や健康を気にして楽しむ為のスポーツ。食事制限からなにまで徹底的に絞った勝つ為のスポーツ。アローラ地方の住人は健康的な運動みたいな感覚でポケモンバトルをしている連中が多い。
「失礼します」
「なんだ兄ちゃん、見ない顔だな?」
「ウラウラ島のしまキングのクチナシさんに会いに来まして」
「……ああ、島巡りか?しまキングは今、修行中でな……」
「なに言ってんだ……あんたがしまキングだろう?」
各々が島を担当することを決めたので先ずはその島で一番偉いしまキングに挨拶をしに行く。
ウラウラ島のしまキングはクチナシ、警察官を務めている。挨拶に行けば島巡りをしているトレーナーかと思われてしまキングは不在と言っている。
このおっさん、トレーナーとして優秀で人間性も申し分ないがしまキングとしてやる気が皆無なんだよな。
「あんちゃん、猫被ってんな」
「いや、目上の人にはちゃんと敬語を」
「こういう事を言うタイプじゃないけど、警察としての勘が言ってんだ。あんちゃん、腹黒いだろ?」
まだ出会って間もないってのに俺が腹の中が汚い人間だとクチナシさんに見抜かれる。
アローラの中でも変わった住人だがしっかりとしている人とククイ博士から聞いていたが、まさか一発で見抜かれるとは。
「……っち……」
「別に好青年みたいじゃなくてもいいぞ……それよかなんの用事だ?」
「ああ、アローラ地方にポケモンリーグを開催させたいんだが……先ずはアローラの強さってのを知りたい。観光地としてはアローラはこの上なく最高な場所かもしれねえが、ポケモントレーナーになって最強を目指す場所としては物足りない」
「ああ、ククイの奴が言ってたアレか……アローラ地方にポケモンリーグね……普通のポケモンバトルの大会じゃダメか?つーか、外の世界に行った方が良いだろ。ポケモンスクールには他所の地方の留学して地方リーグに出場するプランがあっただろ?」
アローラ地方にポケモンリーグを作り上げる。
その事についてククイ博士から話は通っていたらしくあっさりと理解しそして最もらしい事を述べる。
ポケモンスクールにポケモンリーグに出たいとか外の地方にしかないものに挑みたいとかそういう子を送り出す留学プランもある。
ノーマルタイプの使い手であるイリマはこのプランでカロス地方に留学をしていたりする。
「それだけじゃダメ……他の奴等にもポケモンバトルの楽しさを知って欲しい。この地方のテレビ局は勿論のこと他に見れる番組でもポケモンバトル関係が皆無だ。なんだったらポケモンバトルをしたことが無いと言う奴も普通に居る」
「ポケモン貰ったからポケモンバトルをしよう!ってのは少し違うだろう?色々なところを巡って冒険してみてえとかコーディネーターになりてえとか色々な道がある……」
「フハッ、それでもポケモンバトルが最も選ばれてるのが現実だろう?」
ポケモンブリーダーとかポケモンコーディネーターとか色々とあるが割合で最も多いのはポケモントレーナーだ。
皆、ハッキリと口にはしないがポケモンバトルこそが金を出してでも見たいと思える最高の娯楽。
「現にロイヤルドームとか言うところは連日満員……皆、ポケモンバトルを待ち望んでる」
「なるほどな……で、あんちゃん具体的になにすんだよ?」
「別に、特別な事はしねえよ。今回集められた5人は既に地方リーグに出場する権利を手に入れたポケモントレーナーだ。だからポケモンバトルをしたい奴は挑んでこいと言うだけだ。しまキングやしまクイーンになにか特別な仕事をしてくれとは言わねえ。今回ここに来たのもただの挨拶だ」
ポケモントレーナーとしてポケモンバトルをする。
別になにか変わったことはしない。そういうのはポケモンスクールでオーキド校長辺りに教えてもらえばいいだけだ。
先ずは外の地方の地方リーグに出れるトレーナーが具体的にはどれぐらいなのかを見せる。
アローラ地方はアローラ地方こそが最高と思っている。実際、住んでみればいいところだが外の地方の空気が少ししかない。
外の地方に行ってみて冒険をしてみたいとかそういう考えを持っている奴等は普通にいるが数が少ない。
たまたまやったポケモンバトルがしっくりと来て面白いと感じたからポケモンリーグなんかに出てみたいとかそういうのを考えてポケモンスクールの留学枠を使って留学する。
それ以外では特にポケモンバトルに対して熱心になってる奴らは少ない。
居てもロイヤルドームによるバトルロワイヤルだけで満足していてホントのポケモンバトルを知らない。
「そうかい。しょうもねえ悪さはするなよ」
「しねえよ」
とりあえずしまキングへの挨拶を終えた。
クチナシさんは特になにかを言ってこない。俺の好きにやっても構わないって意味だろうがおそらくはやりすぎればしまキングとして口出しをする。そういう風に上手い線引きをしている。悪に対してのらりくらりと交わしてやがるな。
SNSなんかで事前に告知しているわけでもない。アローラのポケモンセンターにポケモンバトルを申し込めるポスターを貼った。
初日は人が来ない。アローラでポケモンセンターに用事がある奴は大抵はポケモンの容体の確認をしに来るぐらいだろう。
「お前を進化させるぞ」
初日に来ないなら来ないで構わない。
ネブヤ達も同じ感じになってるだろう。俺は持ってきたリーフのいしをタマタマに使った。タマタマはナッシーに進化した。
ポケモン図鑑を取り出しナッシーのデータを確認する。ナッシーはアローラナッシーになっていて教えていないタネばくだんやドラゴンハンマーを勝手に覚えていた。
「フシギバナと力比べするぞ」
「ナシ!」
フシギバナとナッシーを使い分けないといけねえ。
ナッシーは物理草、フシギバナは特殊草のアタッカーとして育てる……覚える技的にもどっちも物理特殊行ける口だ。
フシギバナは俺の最初のポケモンだからレベルは当然高い。ナッシーも育成を怠っていないからレベルは高い……
「動かないバトルか……」
アローラナッシーはとんでもなくデカい。胴体から頭にかけて物凄く長いチンチクリなフォルムをしている。
通常のナッシーとは違う使い方をしなければならねえ。
「ナッシー、パワーウィップを……フシギバナ、コツを教えてやれ」
動かないでバトルする方法は当然知っている。
物理特殊両方行けるアローラナッシーの運用方法だが動かないで戦う。トリックルームって手はあるが、俺のポケモン達は鈍足のポケモンが少ない。ドサイドンとナッシー以外は特別に遅いというわけじゃない。平均的な速度やそれ以上があり、トリックルームは逆に足を引っ張る。
主にタネばくだんやパワーウィップで中距離以上の攻撃を主体にする。
近付いてきた相手に対してはドラゴンハンマーやアイアンヘッドなんかで対応をする。つるぎのまいやじしんなんかも解禁した。アローラナッシーらしさのバトルをする。
呼んでおいたフシギバナからパワーウィップを教わる。
同じくさタイプだからコツはあっさりと掴み一日でパワーウィップをものにする。
「ナッシー、タネばくだん!」
翌日、ポスターを見たトレーナー達が何人かやって来た。
ポケモンリーグは使用ポケモン3体か6体のどっちかなので使用ポケモン3体をメインにバトルをしたい……が、残念なことにアローラではポケモンを3体以上持っているトレーナーが少ない。
2体の奴が多い。出来れば3体以上のバトルをしたいんだが、出来ねえ。
アローラが田舎だから手持ちが3体以上のトレーナーが少なすぎる。そして……思ったよりも弱い。
ゲームじゃアローラのトレーナーが50レベル以上のポケモンを持っているが、この世界じゃそうじゃない。
アローラが平穏過ぎてバトルの大会はほぼ無いし外から腕自慢のトレーナーが来ることも無い。だからアローラのトレーナーのレベルがどうしても低くなる。
アローラで修行しても大した成果を得られないのは薄々分かっている。
アローラに来た理由は持っていて損が無いZワザの会得とロケットコンツェルンがスポンサーになってのアローラポケモンリーグの開催、そこから生まれる膨大な利益を手に入れることだ。
アローラナッシーの実戦経験を積み上げることが出来る。
他のポケモン達も状況に応じて使い分けをすることが出来る。同じタイプのポケモンが居るから使い分けをしっかりしないといけない。
「後ろを上手く取れるようにしろ!」
キヨシにはルチア、ミブチにはサイトウ、ハヤマにはスズナ、ネブヤにはタロが居る。
ポケモンバトルの練習相手には困らねえだろうが俺は1人でしないといけねえ。対人戦が出来ないとは言えある意味やりやすい。
今までひこうタイプが自分だけだった為に飛行能力の育成を上手く出来なかったリザードン。
自分よりも素早さが高いプテラの登場で高速で空を飛び回って相手の背後を奪いに行く……戦闘機での空中戦は如何にして相手の背後を奪うか。空を飛べるポケモン同士が激突した場合、真正面から殴り合うことが可能だがそれでカウンターを取られる可能性もある。
プテラとリザードンは空を自由自在に飛び回る。
技を使っての戦闘はしない。戦闘機なんかで上手く出来ない急降下や急上昇。プテラの方が必然と早いからリザードンがプテラを追いかける。ただ純粋にまっすぐに飛ぶだけじゃフィールド外に出てしまう。急降下、急上昇、急旋回、そういった技術を少しずつ学んでいく。
フシギバナとナッシー、リザードンとプテラ、エレブーとジバコイル、フーディンとエーフィ、パルシェンとギャラドスとカメックス、ニドキングとドサイドンとカイリキーとウインディで育成をする。
他の奴等がどういう風に育成をしているかが気になるが、俺はこれでいい。同じタイプ同士がぶつかったりすることで違いを見つけて使い分ける事が出来る。
「うぅ……寒いわね……」
毎日毎日バトル漬けじゃない。
ポケモンのゲットなんかも視野に入れている。
「ポニ島になんか居なかったのかよ?」
「いいポケモンはいないし、目当てのポケモンが居るのよ」
休みの日にミブチの奴と一緒にラナキラマウンテンにやって来た。
目当てはアローラで見かけられるポケモンのゲット。ポニ島になんか居なかったのかを聞けばいいポケモンがいなくて、目当てのポケモンがラナキラマウンテンに居ると言う。
「ここに来ないといけないのは分かってるけど、やっぱり嫌ね」
「なにがだよ?」
「アタシ、自然豊かな場所が苦手なのよ。観光地として開拓された場所での森林浴とかなら良いけれど山岳地帯とかで見れる絶景とか全然好きじゃないわ」
「フハッ、お前なんでアローラに来てんだよ?」
ポケモンの神秘が色濃く残っていて自然豊かな土地であるアローラ地方。
人工的に開拓された観光地から見る絶景は好きだけどもラナキラマウンテンみたいなところから見る景色は好きじゃないと言う。
確かにそういうのが好きじゃない人間はいるが、アローラと相性がクソ悪いだろ。
「コン!」
「……一応、聞いておく。お前の狙いはロコンか?」
「可愛らしいけど、違うわ」
ラナキラマウンテンを探索していればアローラロコンを見つけた。
目当てのポケモンだとモンスターボールを取り出したがミブチに聞いた。ポケモンゲットは早い者が勝つ勝負だ。ここで被ってたら色々とややこしい。ミブチがアローラのロコンを狙っているかの確認をすれば違うと否定した。
別のポケモンを狙ってるのか。
俺はウインディを出してロコンにダメージを与えてゲットした。ポケモン図鑑を取り出して特性を確認したら、ゆきふらし個体のロコン……そうじゃないなら価値が無いからこれでいい。
「ガニッ!」
「来たわね!」
俺が終わったから下山しようかと思ったらケケンカニが出てきた。
ミブチは出てきたと喜べばモンスターボールを取り出してケケンカニを一発でゲットした……ポケモン図鑑を取り出してデータを確認する。
「てつのこぶし個体で一先ずは問題なし……まだ聞かないといけない事があるわ」
てつのこぶし個体のケケンカニだと分かればミブチはケケンカニをボールから出した。
ケケンカニは既に進化しているしなにか確認する必要があるのか?と思っているとミブチの奴はミロカロスを出した。
「ミロカロス、しんぴのまもり」
ミブチはミロカロスにしんぴのまもりを指示した。
ミロカロスは神秘的な光を身に纏った……ミロカロスと言えばコンテストでも実戦でも使えるポケモンだが、コイツは中々だな。
ケケンカニはミロカロスが放った美しさを見て興奮するって……おい
「コンテストに出るつもりかよ」
「ええ。今シーズンはこの世界に馴れないといけないから見逃してるけどアタシ、コーディネーターとトレーナーの二刀流をしようと思ってるのよ。ゲットしたポケモン達にコンテストとジム戦の二刀流をする気はあるかの確認をしてるわ」
ポケモンコンテストに出るつもりのミブチ。
ケケンカニはさっき魅せられたミロカロスの様に技を用いて魅せる事をしてポケモンコンテストに出るつもりがないかの確認をされれば自分も出たい!とミブチの提案を受け入れた。
「はぁ、寒いわ……さっさと降りるわよ」
「ああ、これ以上ここに居てもなにも意味は無い」
俺はアローラロコンを、ミブチはケケンカニをゲットした。
これ以上はここに居る必要は無いとラナキラマウンテンを下山した。