「コォーン!」
「なんだハナミヤ。こおりのいしを持ってたのか」
アローラロコンを少し育ててこおりのいしを使った。
こおりのいしはストンタウンで購入した……アローラ地方でゆきふらし個体のアローラロコンをゲットしたいから。
ムーンフォースを覚えさせたからアローラロコンをアローラキュウコンに進化させる。
ポケモン図鑑を取り出せばれいとうビームやマジカルシャインなんかの教えてもいない強力な技を幾つも覚えていた。れいとうビームを覚えたって事は少し鍛えればふぶきも覚えんだろう。アローラキュウコンはパワーが足りねえが必中ふぶきは強い。
「なんか用事か?」
「いや、ハラ達と顔合わせをしてな……そろそろ停滞期が来ることだろうからなんか案を出せってよ」
クチナシさんがロコンをキュウコンにする現場に立ち会った。
なにをしに来たのかを聞いてみればクチナシさんは他の島のしまキング達と顔合わせをしていて……そろそろ停滞期が来ているから打破する方法を考えろと言ってきた。
アローラに来て2週間経過している。
最初は噂を聞きつけてポケモンバトルを挑みに来るトレーナー達が居たが、徐々に減っていった。理由としては1回挑めば満足もしくは勝てない相手だと力の差を思い知った。
アローラには強いポケモントレーナーが居ない。
他の地方じゃ四天王やチャンピオン、ジムリーダーなんかの資格や称号を持っているトレーナーが居る。だが、アローラには居ない。
アローラを代表する人間はしまキングとしまクイーンだが、それはあくまでも護り神のカプ達が決めたものでポケモンバトルの末に決めたもんじゃねえ。腕よりも人間性が重視されている。
クチナシさんはかなり強いトレーナーだが、外の世界にはクチナシさんレベルはそれなりに居る。
なんだったらミュウツー以外を使いじめんタイプのみで構成された全力のサカキの方が上だったりする。
「楽しいだけがポケモンバトルじゃねえ。辛いところや厳しいとこはあって当然だ。そいつを乗り越えなきゃそこまでのトレーナーだろ?」
「上を目指すのと楽しむのは交差しても完全に混じり合う事はしないか。ハナミヤの言ってることは確かかもしんねえ……だけど、最初の入門で挫くってのはどうかと思うぜ?」
俺達に勝つことが出来ない。
アローラと言う狭い地方の中で育ち強くなったと思ってもまだまだで上には上が居るのだと思い知らされた井の中の蛙状態なのを理解した。だからこそ、どうやって上を目指すのかを考えるのがトレーナーとしての仕事だ。
「バカ言ってんじゃねえよ。まずはトレーナーとして普通の道ってのを作るんだよ。そうじゃねえとなんも出来ねえ」
サトシみたいなイレギュラーじゃない、かと言ってシゲルみたいなサラブレッドでもない。
町のポケモン研究所からポケモンを貰う。そのポケモンと一緒に旅をして色々なポケモンと出会いゲットをする。
最初のポケモンを含めて最低6体のポケモンを揃える。
それを当たり前の如くこなす。それでやっとスタートラインに立てる
「越えられない壁にぶち当たるのは悪いどころかむしろいいことなんだよ。俺は特殊なケースで上に行ってしまった奴と才能ありまくりで壁にぶつからずに上に行った奴を見た。そういう奴ほど脆い。厳しい部分にぶち当たって、自分なりに考えて答えを出して一歩ずつ乗り越える」
普通にやって普通に越える。サトシみたいなイレギュラーは早々に居ない。シゲルみたいなサラブレッドも限られている。
そうなると必然的に皆が通る道を見せる。その道を見て自分も歩いて壁にぶち当たりどうするのかを考える。そうじゃねえと変なのしか生まれねえ。
「突拍子もない事をする奴はたまに居るけど大体は通じねえ。そもそもで突拍子もない事をしねえのはそれが通じねえからだ」
それを当たり前のごとく使いこなしているサトシの奴はイカれてやがる。
「ハナミヤ、お前性格悪いけどそういうとこ真面目だな」
「んなわけねえだろう。基本を押さえとかなきゃなにも出来ねえってのは当たり前……応用ばっか出来る変な奴は普通をぶつけられれば弱い。普通しか出来ねえ奴は応用をぶつけられれば弱い。バランス良くしねえと意味ねえだろ」
アニポケらしい戦闘とゲームの戦闘、この2つを上手く使い分けないといけねえ。
じゃねえと進化前のポケモンが全ての能力が劣っている筈なのに進化後のポケモンを倒せちまう。この世界じゃそれを当たり前の様に出来る奴等が地味に多い。
「とにかく、このままじゃポケモンバトルが過酷過ぎるって辛い一面ばっかを見せちまう。なんとかしてポケモンバトルが楽しいとかそういうのを伝える方法を考えてくれや」
「……そうだな……」
このままポケモンバトルが厳しいと思われたら今後に関わる。特にアローラポケモンリーグの話が流れるのが厄介だ。
調べてみたがポケモンリーグは莫大な利益を生み出す……スポンサーになれればロケットコンツェルンがアローラへの企業進出も可能だ。
とは言えどうするか?俺を含めた5人は接待のポケモンバトルをするつもりは無い。
ポケモンスクールにポケモンバトル学を作ってポケモンバトルに対して興味を抱かせるのが一番だろう。だが、常勤の講師が居ない。
「……優勝賞品をZクリスタルにしたポケモンバトルの大会を開くか」
色々と考えた結果、ポケモンバトルの大会を開くのが一番だとなった。
ポケモンバトルを見る。ポケモンバトルをする。この2つでポケモンバトルを盛り上げてポケモンリーグ開催を漕ぎ着ける。
「おいおい、ただでさえお前等5人が無双してんだぞ?Zワザを手に入れれるを景品にしても5人の誰かが勝っちまうだろうが……誰が勝つのか分からねえ。1人のトレーナー一強なポケモンバトルなんてつまんねえぞ?」
「フハッ、んなもん分かってんだよ……ただのポケモンバトルの大会を開いても意味は無いし、トレーナーの強弱の差はデカいのは理解してんだよ」
大会を開いても俺達の誰かが優勝してしまって全くと言って面白くない。
アローラの為にある大会じゃないのかと疑問をぶつけるが、そんな事を計算に入れてない俺じゃねえ。
バトルの大会をする事は決定で、俺はミブチ達を呼び寄せる。
ハラさんやライチさんから停滞していることに関しては聞かされていてなにかしらの案が無いのかを聞かれたりしている。
「アローラってマジで遊ぶには最適だけど、それ以外は微妙って感じだよな……腕自慢ってトレーナー達、思ったよりも大した事なかったし」
「ブルーベリー学園がポケモンバトルにしか興味無くてここはその逆でポケモンバトルに興味がねえ連中が多いんだろ」
ハヤマはポケモンバトルを多くこなせる事が出来て嬉しいが歯応えが無いことに不満を抱く。
ネブヤの奴がブルーベリー学園の逆を行っている……土地柄仕方がねえと受け入れている。
「どうするの?このままだとポケモンバトルの楽しさとかを伝えられないわよ?」
「俺達がポケモンバトル学の講師をずっと務めるって事も出来ないしな……」
「なに、簡単だ。ポケモンバトルの大会を開くんだよ」
このままだとまずいとミブチやキヨシも感じている。
それに対する答えはとっくに出ている。ポケモンバトルの大会を開くんだ。
「開くってオレ等が出たら誰かが勝つだろ?」
「んなもん計算済みだ……出ていいのはアローラの住人だ。俺達は出ねえ」
「ん?でもそれだとただのバトルの大会じゃん」
「ここからが違う……俺は現在ポケモンを15体ゲットしてる。お前等は?」
「俺も16体だ」
「アタシは17体よ」
「オレも17体。だけどすんげえのいるから!」
「オレも17体って、おい、まさか?」
俺の15体+キヨシの16体+ミブチの17体+ハヤマの17体+ネブヤの17体、合計82体だ。
ネブヤがまさかと気付いた。82体も居るならば成立はする筈だ。
「俺達のポケモンを使ってレンタルポケモン大会を開く」
82体もポケモンが居るのならば充分にレンタルポケモン大会を開ける。
感覚的に言えばアローラの人間はトレーナーとしての力量が低い。そしてポケモン自身もそこまで強くねえ。俺達が接待のポケモンバトルが出来ねえ以上は強いポケモンを使ってポケモンバトルは楽しいものだと快楽を与える。
「俺達のポケモン、82体の内にランダムで6体出てくる。その中から3体を選ぶ……そしてバトルをして倒した相手からポケモンを1体交換する」
「それってバトルファクトリーのルールよね?……82個だから割り切れないんじゃない?」
「あ、じゃあだったらオレの1体無しにして!悪いんだけどオレもまだ使いこなせてる自信無いから他の人に使いこなせないと思うし」
1体だけポケモンが余る計算になるとミブチが言えば、ハヤマが1体無しにして欲しいと頼む。
まだ使いこなせてる自信が無い……どんなやんちゃなポケモンを従えてるのか……まぁ、コレで81体になった。
「81だから3で割りゃ27組か……どういう組み合わせにするんだ?」
「32人のトーナメント制で足りない枠はシード制にする、26試合を行う計算でくじ引きで決める……で、俺達が今からやるのはパソコン使って各々のポケモンの技を4つ指定すること」
このアローラじゃ絶対に見かけないポケモンも中にはいる。
ポケモン図鑑を持ってなくて知識を持ってねえ奴の代わりに使える技を4つ事前に登録しておく。
使っていい技から色々と考察してポケモンを入れ替えたりする。
「アタシ達のポケモンを使ってのバトルね……アタシのポケモン達は不利ね」
「え、なんで?」
「これでも技術を重視して鍛えてるのよ。トレーナーのアタシが指示を出して調整してるの」
「それを言うならオレのポケモン達も……オレのポケモンバトルは素早さ重視だからさ」
ルールそのものに不満は無いが自分のポケモンが不利だとミブチは感じた。
技術重視の技巧派で技を4つ指定するだけで終わる以上は完璧にミブチのポケモンを使いこなせない。
ハヤマもスピード重視のポケモンバトルをしているから自分にしか使いこなせないと確信をしている。
「ハッ!お前等情けねえな。ポケモン達をしっかりと鍛えてりゃトレーナーがヘボでもどうにかなんだよ!オレのポケモンならお前等の指示が無いお前等のポケモンを倒せるぜ!」
「随分と自信があるな……なにか秘策でもあるのか?」
「秘策?んなもんねえよ。オレのポケモンはシンプルに強い!ただそれだけだ!」
トレーナーが異なるだけで強さが大幅に変わることについてネブヤは笑った。
自分のポケモンならば問題は無い!と自信満々でキヨシは断言している理由があるのかを聞けば自分のポケモンはシンプルに強いと言う何でもないオチだった。
「ハハッ!そうだな……トレーナーがどうこうじゃなくてポケモン達がシンプルに強い。それが一番だな」
「んなわけねえだろう……宇宙船をそこらのおっさんが操縦するのと宇宙飛行士が操縦するのと同じで大分違えよ」
キヨシはネブヤの答えに色々と考えるよりポケモン達がシンプルに強いが一番だという。
俺はアホかと呆れる。ハヤマとミブチが自分以外が使えば大分異なると自覚しているのに……
「まぁ、いい。とにかくレンタルポケモンバトル大会だ。各々準備しろよ」
色々とあったがレンタルポケモン大会を行うことが決まった。
流石に人数が集まり過ぎれば厄介だしトレーナーとしての技量が低すぎたら意味が無い。27人に絞れる様に、ルチア達がポケモントレーナーとして基礎がしっかりしているかどうかの確認をした。
酷いやつは居たが、一応は27名にまで絞れた。
最初はバトルファクトリーみたいに6体から選んで選出するシステムにしようとしたがポケモンの数とかが上手く噛み合わない。
結果的にはロケット団が使っているガチャガチャみたいなのを使ってポケモンを引くことが決まった。幸いと言うべきか誰かがオシャレボールを使っているわけでもなくて見分けがつかない。
ガチャガチャによって各々が3体ずつポケモンを手にした。
結果としてはそれは大成功だった。ポケモンバトルをすることについての喜びや楽しむ気持ちについて理解をすることが出来た…………。
「お前等、どのルートで手に入れたんだよ?」
キヨシはメガニウム、バクフーン、オーダイル
ミブチはジュカイン、バシャーモ、ラグラージ
ハヤマはドダイトス、ゴウカザル、エンペルト
ネブヤはジャローダ、エンブオー、ヒスイダイケンキ
それぞれが出身の地方の御三家をしっかりと揃えていた。
俺もフシギバナ、リザードン、カメックスの3体をキッチリと揃えているとは言え他の4人は原作知識を引っ張り出しても見つかりづらいだろう。特にネブヤのヒスイダイケンキはどのルートだ。まぁ、キヨシの奴がヒスイヌメルゴンを持ってたりするし……謎だな。
「まぁ、皆色々とあったんだよ……にしても、お前等のポケモン全員強いな」
「アタシのはアタシが指示しないと本領発揮出来ないわ」
「オレも、皆遅いってば」
「だから言っただろう。オレが一番だって」
優勝した奴は途中でポケモンを入れ替えして最終的にはネブヤが育成したポケモン3体構成になった。
キヨシの奴はネブヤのポケモンの強さの仕組みに気付いた上でミブチとハヤマのポケモンが強いことを見抜いている。
トレーナーに依存している要素が強いのはミブチとハヤマ、シンプルに強いのがネブヤ。
俺の場合は嫌がらせの小細工があるから強えが、キヨシは……仕組みが分からねえがそれでもポケモンは強いのは確かで決勝の相手がキヨシのポケモンで構成されていたな。多分、キヨシはトレーナーとしてのメンタルが強えんだろう……ウゼえな。