アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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ダメなのはお前だろ

 

『間もなく、イッシュ便が参ります』

 

 アローラポケモンリーグ開催の為の起爆剤になる仕事をしつつ各々が地方リーグの特訓をした。

 開催の話を持ちかけたロケットコンツェルンは上手く行った。俺の目的であるZワザの会得も上手く行った。キヨシ達の存在については0じゃないが0だと心の何処かで否定していた。多少は話が通じる相手が見つかった事だから良しとする。

 

「ゲェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜プゥ」

 

「ネブヤ、なにそれ?」

 

「深呼吸ゲップだよ……どうも飛行機ってのは慣れてなくてな……まぁ、限界までロコモコを食ったから眠くなってあっという間にイッシュに帰れんだろ」

 

「だからって堂々とゲップするんじゃないわよ。ぶん殴るわよ?」

 

 そろそろ地方リーグの開催が迫っている。

 アローラでの修業を終えてそれぞれの地方リーグに出場しにいかないといけねえ。開催する時期は全員一緒だ。だから同じ日にアローラの空港から旅立つ。

 

 アローラ地方にやって来た際には俺が一番最初に来たが今度は逆、俺が一番最後に出ていく。

 先ずは最初にネブヤとタロが出ていくのだが、ネブヤがついさっきまで死ぬほどロコモコを食ってたからかデカいゲップをしハヤマが戸惑い、ミブチが額に青筋を立てる。

 

「もう、ネブヤったら下品なんだから……イッシュリーグか……」

 

「お前ん所来てくれんのか?」

 

「う〜ん、どうかな?」

 

 イッシュリーグだが、タロもイッシュリーグに出場をする。

 ネブヤはタロの親が応援に来てくれるのかを聞いたけれども……親父であるヤーコンは応援に来てガンガン親バカを見せるタイプの人間じゃねえからな。ツンデレ親父とかリアルに居たら気持ち悪いこの上ない奴だからな。アレでかかあ天下なら笑えるが。

 因みにタロもZワザを会得している。

 

「まぁ、なんだ……無冠の五将なんて嫌な異名は無くそうぜ」

 

 一応は気になったので来年にオーキド博士からポケモンを貰う奴について聞いてみた。

 頭高親殺系の赤色の天才が1つ下の代に居たらクソ迷惑なことこの上ない。結果としては居なかった。

 

 キヨシの次の年にウツギ博士からポケモンを貰うトレーナーに紫色のお菓子好きはいなかった。

 ミブチの次の年にオダマキ博士からポケモンを貰うトレーナーに緑色の電波野郎はいなかった。

 ハヤマの次の年にナナカマド博士からポケモンを貰うトレーナーに黄色の物真似はいなかった。

 ネブヤの次の年にアララギ博士からポケモンを貰うトレーナーに青色のガングロはいなかった。

 

 色々と化け物すぎる5人も幻の6人目も居ない。

 植物由来の名前の俺達しか居ない……男だけで良かったとは思う。コレで女が1人でも居れば肩身は狭えからな。

 

「無冠の五将よりも二つ名の方が難しいんじゃね?ネブヤはマジで『剛力』な感じだから余裕だけど、オレ等めっちゃムズいじゃん!」

 

「あら、ハヤマの異名は簡単そうじゃない」

 

 無冠の五将は名誉じゃない汚点だからその名で呼ばれないようにしたいとネブヤは言う。

 だが、ハヤマは無冠の五将よりも二つ名の方が難しいと言っている。ハヤマの異名は『雷獣』……レンタルポケモン大会で出さなかったポケモンやバトルスタイルを考えたら『雷獣』の異名はあっさりと取れそうだろう。

 

「んじゃ、また……トウキョシティのマクハリスタジアムで会おうぜ」

 

「またね、皆」

 

 ネブヤとタロはイッシュ便の搭乗のチェックインを行いに行った。

 アローラでZワザを会得したが鍛え上げることが出来たかは微妙だが……ネブヤは強い。バカにしか見えねえが『剛力』の名に相応しい育成をしている。

 

「いや〜……やっとって感じだな」

 

「うん!今まで気合い入れて特訓をしてきて、その成果を発揮する時が来たよ!」

 

「ああ!……でもさぁ、心残りはあんだよね……結局、オレ等マジのバトルしてねえんだよな」

 

 特訓の日々に不満はなく、シンオウリーグ・スズラン大会という晴れ舞台が遂に来るとハヤマは喜んでいる。

 スズナが今の今まで特訓に付き合っていたしキツい練習を見ていたから発揮する時が楽しみだとウキウキしている。

 

 そんな中でハヤマは今回の事で1つだけ心残りがあった。

 結局、俺達5人は誰ともぶつからなかった事だ。アローラに来た一応の目的は将来的にアローラポケモンリーグを行う為にアローラの人達にポケモンバトルについて知ってもらうこと。既にポケモンバトルが何なのかを知っていて地方リーグに出る権利を持っている俺達がぶつかり合っても何一つ利益が生まれねえ。ポケモン同士の戦いはあったが、トレーナーが違うだけで大分強さが異なっていた。

 

「んじゃ、ちょっと優勝目指してくるわ」

 

「レッツゴー!」

 

 シンオウ便の飛行機が来たのでハヤマとスズナがチェックインに向かった。

 コレで残すところはオレとキヨシとミブチの3人になる。

 

「……彼が何処まで成長したかしらね」

 

「彼って、シンジの事ですか?」

 

「ええ。必死になって強くなろうとしてて、これだけの期間でどれだけ成長出来たかが気になっちゃうわ」

 

 ミブチはポケモン廃人ことシンジがホウエンリーグに挑戦している事を思い出す。

 サイトウも知ってるって事は直接会ったことがある関係で……シンジがどれだけ強くなったのかが気になっている。

 

 サトシと違って舐めプはしねえシンジ。なにかをアドバイスしているかと思ったがそんな事はしない、する理由も特に無いからな。

 俺達が言うのもなんだがこれから先出てくる原作キャラ達は不遇だな。俺達が居る時点で巨大な壁として立ち塞がりご都合主義なんかで乗り切れねえところがあるからな。

 

 ホウエン地方行きの便が来たのでミブチとサイトウはチェックインをしに行った。

 

「……ハナミヤ」

 

「なんだ?」

 

「ホントに困ったらさ、アルフの遺跡に行った方がいい……あそこにはシント遺跡にワープする石板があるんだ」

 

「フハッ……呑気なテメエ等見て吹っ切れてんだ」

 

 残りは俺とキヨシになった。

 キヨシも俺も記憶を無くしていて色々と疑問を抱いていた。本来のこの体とかそういうのとか、もしかしたらまた何処かに転生させられるかもしれないとか。キヨシは悩みに悩んだ末にシント遺跡に行ってアルセウスに色々と聞いて振り切った。

 

「アルセウスに出会って割り切れた。でも、正直さ、お前等に会うことが出来て心の何処かで良かったって思ってるよ」

 

「傷の舐め合いや慰め合いなんざしたくねえよ、バーカ…………言っとくが俺はお前等を蹴落とす気満々だ。お前等だけじゃねえ、サトシ達もだ」

 

 ハヤマとネブヤは純粋にポケモンバトルが面白くて楽しいからやっている。

 ミブチの奴はそういう流れだからやっただけで、コーディネーターも面白そうだと興味を抱いてる。

 キヨシは最初はこの体の本来の持ち主を一番にしてやりたいとかそういう思いを持っていたが、今は文字通り一番を目指したいと思っている。

 

 だけど俺は違うな。必死になっているサトシ達をボコボコにすることを楽しみにしている。

 原作じゃ既にサトシは負けることに馴れてしまったがこれから先、俺にずっと負け続けるのならば?周りからはおめでとうだなんだと言われているが常に俺に負け続けるのならば?その俺ですら勝てない上澄みの化け物が居るのならば?

 ポキっと心が折れて自暴自棄になって情けねえ姿を見せてくれるならばそれに越した事はないね。

 

「ハハッ……お前は花宮真みたいだけど花宮真じゃないな」

 

「なにを今更な事を言ってやがる?」

 

 ハナミヤは花宮真じゃない。

 キヨシは木吉鉄平じゃない。

 ミブチは実渕玲央じゃない。

 ハヤマは葉山小太郎じゃない。

 ネブヤは根布谷永吉じゃない。

 

 あくまでも似ているだけで違うところが幾つもある。

 

「『悪童』かもしれないけど、お前が死ぬ気で強くなろうとしてんのは皆知ってるからな……主人公補正になんか負けるなよ」

 

「っち……」

 

 鬱陶しいぐらいの爽やかぶりだ。ホントに木吉鉄平に似ているが木吉鉄平じゃない。キヨシと言う人間なだけだ。

 ジョウト便の飛行機がやって来たのでキヨシとルチアはチェックインをしに行った。

 

「いやはや、未来は明るいノクタス、スバメ、メタグロス!」

 

「オーキド校長、何時から?」

 

「いや、ついさっきじゃよ。ネブヤ達4人に別れの挨拶をしたかったんじゃがの……ハナミヤよ、ユキナリの奴は誰が優勝しても嬉しいと思っているがワシはお前さんを応援しているヨーギラス!」

 

 4人がそれぞれ飛行機に乗ったりしてからオーキド校長がやって来た。

 さっきの厄介な会話について聞かれていたかと思ったが特にそんな事は無く、オーキド校長はオーキド博士と違って誰が優勝しても我が事の様に嬉しいのでなく、俺が優勝することを期待して応援してくれている。

 

「じゃあ、ちょっと優勝を狙いに行ってきますね……アローラにはまた来ます」

 

 まだまだアローラで稼げそうだからやれることはやっておかなきゃならねえ。

 キヨシ達はZワザを手に入れてもまだメガシンカとかもある。絆とかが必要じゃねえダイマックスとテラスタルもだ……何れはゼンブイリングを作らなきゃならねえか……ダイマックスバンドは割と簡単に手に入るな。

 

「結局、サトシの話は聞かなかったな」

 

 ポケモンの交換を定期的に行っていてオーキド博士に連絡を取っている。

 オーキド博士と軽く談笑したりしてサトシの事をチラッと話題に出したりはするが、サトシに対して特になにかを言ってこない。

 

 今のサトシは修行だなんだと言っても具体的になにをすればいいのかが分かってない。

 運に恵まれすぎたせいで実戦での特訓以外の特訓や自分に足りない物をどういう風に補うか等の考えを一切していない。

 

 チラッと聞いたが特訓すると言っていたが上手く出来なかった。

 なにかいい修行がないのかとかオーキド博士に聞いたり、ママさんが家に居るなら家事を手伝いなさいとか言っている……完全にポケモンリーグで戦う環境が出来ていない。

 

 タケシっていう一流のジムリーダー兼ブリーダーが居るって言うのに、それを上手く利用していない。

 ただタケシやカスミとバトルをするだけで経験値になる……カンフー映画でよくあるよく分からない行動の正体は実は修行だったんだ!でも考えてんのか?あんなのは基本的にはフィクションだから成立するんだぞ……いや、ここは元はフィクションの世界か。

 

「まぁ……パワーアップしてるならそれはそれで構わねえ」

 

 サトシやシゲルは才能があるトレーナーだ。それをボコボコにすることを楽しみに俺は今日まで頑張った。

 ポケモンリーグっていう大舞台で徹底的にボコられる……俺ならば勝てるとかそういう事を思ったりして情けない姿を見せる。インタビュアーの前で優勝を目指しますと言いそれなりに期待させてからの圧倒的な大敗をする。

 

 ライバル達は常に前に進み続けている。サトシはシゲルを、シゲルはサトシをライバル視しているが俺は特にしていない。

 もしあいつらがライバル視してるとか言ったらハッキリとお前なんて眼中に無いって言って大差をつけて勝利をしてやる。

 

 サトシと戦う上での一番の楽しみはリザードンだ。

 言うことは聞かないがいざとなればリザードンが頑張ってくれると思っている。実際、サトシのリザードンは強いがトレーナーが悪い。

 

 こっちにはクロスが捨てたヒトカゲがいる。そいつはリザードンになった。

 サトシのリザードンと似たような境遇で似たような育ちをした。その結果が圧倒的な力の差を手に入れた。

 

 原作知識に間違いが無ければサトシのリザードンは言うことを聞かない。

 ただそれだけじゃなく、人を乗せて空を飛ぶことすら出来ない。怒りのパワーを進化エネルギーに変えたのはいいが、ブーバー以外にまともにポケモンバトルしてねえ。

 

 大抵のポケモンは進化がゴールじゃない。進化してからがスタートだ。

 サトシのリザードンはリザードンになった事で強くなったと思っているが、ただサトシの周りのポケモンが全体的に力が低くて弱いだけで実はそこまで強くねえ。リザフィックバレーで揉まれてはじめて強いリザードンになれる。

 

 アローラでZワザを求めてたクロスの事だ、セキエイ大会の出場権を手にしてんだろ。

 あいつにも見せつけてやらなきゃならねえな。自分が不要と切り捨てた奴に負けるって屈辱を。ポケモンじゃなくて自分がダメなトレーナーだってのを。

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