アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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気持ちの強さが実力には

 

 5回戦を無事に終えたのでセントラルのポケモンセンターに向かった。

 5回戦以降はトーナメント表が見えるので次の対戦相手を誰になるかの確認等をしなくていい。

 

「お預かりになったポケモンは元気になりました」

 

「ありがとうございます」

 

 ポケモンの回復を終えて試合に出していた3体のポケモンが入ったモンスターボールが返ってくる。

 ドクターストップの様なものがかかるかと思ったが特に無かった。ジバコイルはだいばくはつを使ったからと思ったが、普通に動けていた。

 

「ハナミヤ」

 

「なんだ、お前か……次に戦う相手に会いに来んじゃねえねえよ」

 

 モンスターボールのサイズを収縮して専用のホルダーにセットしていればサトシ一行がやってきた。

 準々決勝の相手が俺だと決まった……宣戦布告をしに来たかどうかは知らねえが、会いに来るなよ。

 

「いよいよ、お前とのバトルだ……お互い悔いが残らないようにしようぜ!」

 

「フハッ……バカかテメエ?悔いは残してなんぼだ」

 

「なんだと!?」

 

「お前……まだ自分がどういう立場に居るのか分かってねえな?」

 

 お互いに悔いが残らないベストなバトルをしようと言うのだが、ハッキリと言えばバカだろう。

 悔いが残らない?んなバトルなんてあるわけない。死ぬ気で頑張って死ぬ気で勝ちをもぎ取りに行く。相手を全滅させないとポケモンバトルの決着がつかない性質上、ミスを犯しても挽回する事は出来るが、それは序盤の方。

 

 既に大会は準々決勝にまで駒を進めていてホントに強いトレーナーしか残っていない。

 上澄みも上澄みの連中を相手に極限の集中力を持った上でなにかしらのミスを犯したりする……上澄みでもミスはする。

 

「どういう立場ってどういうこと?」

 

「次に俺かお前のどっちかが負けることが確定してんだ。俺が勝ってもお前は遺恨を残す。お前が勝っても俺は負けの憎悪の念を抱く」

 

「いやだから、そういうのが無いように悔いの無い試合を」

 

「だからバカか?……ここは1回で終わりの世界だぞ?今までならばやり直しが通じたが、ここじゃもう通じねえ。ホントに勝たねえといけねえ場面で負けを知る。それでも気持ちの良い負けだったらから反省する点が、悔いが無い?笑わせるなよ」

 

「なるほどな。確かに悔いは残さないといけないな」

 

 自分がどういう立場なのかをサトシは全くと言って理解していない。

 カスミが聞いてくるのでここで負けたと言う経験をどういう風に次に活かすのか、それが出来るか出来ないかは話が大きく異なる。

 

 負けたから悔しい。悔いが残るから次への糧になる。

 負けて遺恨が残ることはいいことなんだよ……

 

「負けたとしても全力を出し尽くしたから満足か?笑わせるなよ」

 

 敗北から経験するものとかがあるんだよ。

 とは言えまだ1年目、今は自分のやり方で好きなようにやる……トレーナーに正しい答えがないから好きにやって、そして壁にぶち当たる。

 

「次の試合に出すポケモンを教えてやる……エレブー、ニドキング、エーフィ、フシギバナ、カメックス、リザードンの6体だ」

 

「なっ!?」

 

「安心しろよ、コレは嘘じゃねえ」

 

 俺は次に出す6体のポケモンを教えた。

 俺の性格ならば宣言していたポケモンじゃないポケモンを選ぶのだと、心理戦をしてくるのだと思っただろうがそんな馬鹿みたいな真似はしねえ。

 

「なんなら今から登録をするのを見せてやろうか?」

 

 一度登録をしたポケモンは余程の理由が無いと変更出来ない。

 さっき言った6体でサトシに挑む……コレはカントー地方でサトシと当たった時にそういう風に戦おうと決めていたことだ。

 

 言っている事は嘘じゃないのだとポケモンの登録をするところを見せてやろうかと煽れば見ないとサトシは言う。

 見ないならば見ないで構わねえが、サトシにはハッキリとこの試合で出す6体のポケモンを宣言した。これに対してどういう風にするのか……つっても、もう答えは出ている。

 

 データベースから見れるサトシのポケモンはピカチュウ、ピジョン、フシギダネ、ゼニガメ、リザードン、キングラー、ベトベトン、オコリザル、ケンタロス。

 ポケモンリーグの公式ルールの都合上、同じポケモンの重複は出来ない。この中から6体出てくる……サトシの単純な思考パターンならば簡単に読める。

 

 ピカチュウ、フシギダネ、ゼニガメ、リザードンは確定だ。

 俺がエレブーを出すと言っているし空を飛ぶことが出来るポケモンはリザードンで充分だ。そしてオコリザルはPー1グランプリで俺のカイリキーに負けた。そこから考えられる5体目はオコリザル。

 

 ピカチュウ、フシギダネ、ゼニガメ、リザードン、オコリザル……残りの1体はキングラーだな。

 30体以上居るが使った事が無いケンタロスや、自分の戦闘スタイルと相性の悪いベトベトン。それに対して使えると分かれば積極的に試合に出しているキングラー。ピジョンは論外だ……選んだ6体はしっかりと進化しているからな。

 

 今の俺と同じぐらいの手持ちならば出してくるポケモンは読みやすい。

 サトシみたいなのならば簡単に6体の手持ちを読み切ることが出来る……まぁ、今回はあえて手札を見せた。

 

 相手の出すポケモンが読めなかったならば、こっちが出すポケモンをあえて教える。

 自分の持っている強みをどういう風に押し付けるかが重要なので、出すポケモンの判明によって手を変えないといけねえ。

 

 相手の戦術が読めないのならば自分が撒き餌になる。戦術としては極々普通の行いだ。

 

「グォウ」

 

「リザードン……サトシのリザードンと戦いたいか?」

 

 サトシとの試合に出す6体のポケモンを手持ちとして呼び寄せた。

 確認しないといけねえことがあるからと俺は俺のリザードンにサトシのリザードンと戦いたいかを聞いた。

 

 同じリザードン同士ならば闘争心はより燃えるってか?リザードンはサトシのリザードンと戦いたいと主張する。

 

「あのリザードンはよ……お前と同じなんだ」

 

「グォ?」

 

「ヒトカゲの頃に使えないと罵られ捨てられた……お前と同じでな」

 

「……」

 

「そしてお互いにリザードンになった。一緒に育ったわけでもなんでもない、ただ境遇がかなり似ている……なにが言いたいか分かるか?お前は勝たないといけねえ……でなきゃ、今までが無意味だ」

 

 お前を使えないと否定したクロスを倒した。クロス自身が謝罪の言葉を送ってくることはなかった。

 余計にトレーナーとしての道を迷い迷子になれと思っているからそれで構わねえ。だが、次の対戦相手は別だ。

 

「同じリザードンで同じ境遇で……ここで勝たなきゃお前は結局のところ使えないままだ」

 

「……」

 

「だから勝て。勝てばお前は本当は優秀なリザードンだったと証明する事が出来る……サトシの野郎は自分のリザードンの持つ強さに惚れ込んでるがありゃダメだ」

 

「グォウ?」

 

「リザードン自身が慢心しすぎていて大して育ってねえ」

 

 リザードンの持っている強さが他のポケモンと別格のせいでサトシは持て余していた。

 気分が乗らない限りは言うことを聞かずバトルすらしないという情けない姿を見せている。強くなったぞと粋がっていてその実態は井の中の蛙だ。サトシがヘボいトレーナーだからボロが出てないだけで、強いには強いが倒そうと思えば簡単に倒せるぐらいのリザードンだ。

 

「お前が強くなったのは証明できたがお前を捨てた奴に認められても嬉しくもなんともねえ。同じリザードン同士で潰しあいをしてもらわねえと」

 

 特にサトシはリザードンが居てくれたらとか色々と思っている。

 リザフィックバレーで挫折を味わってそして修行をするが……それまでは一種の敵無しだ。

 

「だから勝てよ」

 

「グォウ」

 

 自分は負けない、リザードンはそう言わんばかりに頷いた。

 フシギバナとカメックスも出す。この2体を選出した理由は当然、サトシを意識してだ……この2体が出てくるって言うならばサトシは嫌でも意識するだろう。

 

『さぁ、セキエイ大会もいよいよ終盤に差し掛かって参りました!準々決勝からは使用ポケモン6体!フルバトルでのバトルとなります!長い試合になる為に果たしてトレーナーやポケモン達は乗り切れるのか!』

 

 なんだかんだでフルバトルははじめてだな……。

 

 2日後にセキエイスタジアムに舞い戻る。実況者が準々決勝からはフルバトルである事を解説し長丁場の試合を乗り切る事が出来るかを問う。それに対する答えは今から見せる。

 

「これより準々決勝を行います!使用ポケモン6体のフルバトル!交代はありでメガシンカ、Zワザ、テラスタルは何れか1つのみ!」

 

『準々決勝の第1試合はサトシ選出vsハナミヤ選手!なんと今年ポケモントレーナーとなった同い年で同じマサラタウン出身のトレーナー!果たしてどんな試合になるのか!』

 

 サトシが赤コーナー、俺が緑コーナーで出てくる。

 サトシの奴は……眠れないって感じじゃない。俺が出すポケモンを先に宣言したからそれに合わせてアレをああだこうだと言う事をせずにポケモン達に託すと考える事を放棄している。

 

 ルーレットが回り出す。

 

「ああっ、サトシから!」

 

「ハナミヤがなにを出してくるのか分かっていても最初が分からないから……コイツは厳しいぞ」

 

 ルーレットが回り、赤色に止まった。

 サトシが先にポケモンを出す事が決まって観客席で見ているカスミは落ち込んだ。タケシと同じで俺が最初になにを出してくるか分からないから少しでも俺に有利になるように勝負を動かしてほしいと思っているがそう都合良くはいかなかった。

 

「相手はハナミヤだ。油断したらやられる!まずは先手必勝!ピカチュウ、君に決めた!」

 

「ピカ!」

 

「いけ、エレブー!」

 

「レブゥ!」

 

『サトシ選手はピカチュウ、対するハナミヤ選手はエレブー!でんきタイプ同士の対決!果たしてどちらが軍配を上げるか!』

 

 サトシは確実に1本を取るためにピカチュウを選んだ。俺はエレブーを出した。

 エレブーもピカチュウもでんきタイプのポケモン、同じタイプのポケモン同士でのバトルが見られると観客達は盛り上がっている。

 

「相手はエレブーか……ピカチュウ、でんこうせっかだ!」

 

「エレブー、でんこうせっかだ!」

 

 当たり前といえば当たり前だが、公式戦ではポケモン図鑑を開くことが出来ない。

 エレブーはカントーじゃメジャーなポケモンだから流石のサトシでも知っている、と言うか実況者がでんきタイプ同士と言っているので下手にでんきタイプの技で攻めない。

 

 ピカチュウがでんこうせっかを使ってくるのでエレブーもでんこうせっかを使う。

 でんこうせっか同士のぶつかり合いを制したのは……当然エレブーだ。純粋なパワーもスピードも体重も全てがエレブーの方が上だ。

 

「チャア!」

 

「ピカチュウ!……なんてパワーだ。接近戦は出来ない……こうかはいまひとつなだけで0じゃない!ピカチュウ、10まんボルトだ!」

 

「ピィ、カァ!!」

 

「エレブー、10まんボルトだ!」

 

「レェブゥ!!」

 

 でんこうせっかのぶつかり合いでエレブー相手に接近戦での戦闘は危険だとサトシは察した。

 普通ならばここでポケモンの入れ替えを視野に入れるだろうが、サトシはでんきタイプにでんきタイプは通りが悪いだけで効果は無いわけじゃないと10まんボルトを選んだ。ピカチュウは10まんボルトを撃ったが、エレブーもそれに合わせて10まんボルトを撃った。

 

 10まんボルト同士の押し合いになり勝負を制したのは俺のエレブーだった

 

「マジか」

 

 エレブーの10まんボルトとぶつかり合った瞬間に一方的に押されるどころか一瞬押し返したピカチュウの10まんボルト。

 潜在能力だけならば高いのは知っていたが基礎的なパワーの差が大きくあっても逆に押し返すとは……でんきだまを持ってんじゃねえのか?

 

 ピカチュウの10まんボルトはエレブーの10まんボルトに押し返された。

 ピカチュウもでんきタイプだからエレブーの10まんボルトを耐えることが出来た。

 

「だったら、でんこうせっかからのたたきつけるだ!」

 

「ピィ!」

 

「フハッ、出たな!」

 

 アニメのポケモンバトルだからこそ出来る技の使い方を使ってきた。

 エレブーに対してなす術が無いから八方塞がりの状態で多少の無茶はしないといけない。その無茶をするのはサトシが得意な事でピカチュウはでんこうせっかで激突するのでなく間合いを詰めるだけにしてそのまま勢いに乗せて尻尾でたたきつける攻撃をしてくる。

 

 これにはエレブーも腕を交差させて防ぐことしか出来ねえ……が、いける。

 

「エレブー、かわらわりだ」

 

「ピカチュウ、たたきつける!」

 

 エレブーにかわらわりを指示すればピカチュウは再びたたきつけるで攻めようとする。

 かわらわりの拳とたたきつけるの尻尾がぶつかり合い拮抗している……だが、もう勝負は決まりだ。

 

「かわらわり」

 

 ピカチュウの尻尾は1つ、エレブーは手は2つ。

 必死になって耐えているピカチュウのたたきつけるに対してエレブーはもう1つの手でかわらわりをした……ピカチュウは地面に叩きつけられて弾んだ。

 

「ピカ……」

 

「ピカチュウ、戦闘不能!エレブーの勝ち!」

 

『決まったぁ!まずはハナミヤ選手のエレブーの勝利!でんきタイプ同士の対決を制したぞ!』

 

 んなワケねえだろう……とは言え、これでサトシは燃えてきた。

 ピカチュウがやられた事で意識を改める事をする……俺は口が悪いが強いとかそういうのを思うのだろう。そしてそんな俺に負けないと理屈でなく感情を優先し動いて戦う……気持ちの強さが実力には変わらねえんだよ。

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