アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

43 / 118
だがしかし、まるで全然俺には届かないね!

 

「ピカチュウ、負けちゃった……」

 

「同じタイプ同士のバトルになれば、育て方やトレーナーとしての力量の差がハッキリと分かるものだ」

 

「タケシ、ハナミヤと戦ったことあるんでしょ?」

 

「ああ。ジム用のイワークとイシツブテで。あの時はまだ頭角を現していない少し上手いだけだったが……今じゃ一流のトレーナーだ」

 

 タケシとカスミがなにかを話している。

 大方ピカチュウが負けたことについてショックを受けたのとそこから考えられる事を考察している。

 同じタイプ同士の対決だから育ちの差やトレーナーのスキルがハッキリと分かれる、そんなところか。

 

「ハナミヤのエレブー、なんて強さだ……お前ならばいける!オコリザル、君に決めた!」

 

「ブギャ!」

 

「戻れ」

 

「なっ!?戻すのかよ!?」

 

 ピカチュウを回収し終えたサトシは2体目のポケモン、オコリザルを出した。

 オコリザルが出てきたのならばエレブーで拘る必要は無いとモンスターボールを取り出してエレブーを戻す。

 

「いけ、ニドキング!」

 

「ニド!」

 

『おっと!ハナミヤ選手、エレブーを入れ替えて出したのはニドキング!サトシ選手を意識してかパワーとスピードを掛け合わせたポケモンを選び抜いております!』

 

 俺の2体目は予告通りニドキング。

 エレブーを戻したことがサトシにとっては予想外だったみたいだが実況がオコリザルを意識して同じタイプのポケモンを出したと言っている。実際その通り。オコリザルとニドキングは睨み合いをする。

 

「オコリザル、メガトンパンチだ!」

 

「ニドキング、ヘドロウェーブ!」

 

 ニドキングにかくとうタイプは不利なのを知っているのか、それともそれ以上の技がないのか?

 どっちなのかはわからないがメガトンパンチを使うがニドキングは毒の津波を巻き起こしてオコリザルを飲み込んだ。

 

「あの見た目で特殊攻撃……だったらオコリザル、高く飛ぶんだ!」

 

「ブキャ!」

 

 ピカチュウと同じで二段階目の進化のポケモンだが、ピカチュウよりは能力に秀でているオコリザル。

 毒液の津波を見て上からの攻撃ならばいけると感じオコリザルは高くジャンプした……スピード重視の勢いに乗れば強い!なバトルスタイルをしているから、それと噛み合うスタイルのオコリザルは使いやすいし強い。

 

「メガトンキック!」

 

「どくづきだ!」

 

 俺のニドキングはちからずく個体で特殊も物理もなんでも出来るオールマイティなポケモンだ。

 ヘドロウェーブを警戒して高く飛んで上からのメガトンキックで迫ってきたのでニドキングはどくづきで対抗し……オコリザルを弾き飛ばした。

 

「嘘!?オコリザルのメガトンキックが」

 

「どくタイプのニドキングがどくづきを使えばより威力が出るが、これは……」

 

 オコリザルのメガトンキックが弾かれたので驚くカスミ。

 ニドキングのどくづきが想定以上の威力を秘めている事からタケシは考察しているがここでのポケモン図鑑の使用は禁止だ。

 

 メガトンキックもメガトンパンチも通じなかった。

 威力だけで言えばメガトンキックの方が上でそれでもニドキングのどくづきの方が上だった。素材としては悪くはないがパンチが効かないからキックで行く……技のレパートリーが豊富なニドキングに対して技が単調過ぎるオコリザル。

 

「どくづきだ!」

 

「避けろ!」

 

「一回転して尻尾を引っ掛けて転ばせろ!」

 

 パワー勝負は終えたとニドキングは両腕のどくづきで攻める。

 オコリザルはギリギリのところで回避していて完全に接近戦の間合いに入っている。何か出てくるかと思ったがなにも出てこない。だったらやらせてもらうとニドキングはクルリと横に一回転しその瞬間にオコリザルの足を尻尾に引っ掛けて転ばしそこから更にどくづきを叩き込んだ。

 

「ブギャア……」

 

「オコリザル、戦闘不能!ニドキングの勝ち!」

 

『決まったぁ!パワー自慢のポケモン同士の戦い!制したのはニドキング!』

 

「っく……戻れ……」

 

 ニドキングが勝利したことで歓声が鳴り響きサトシは悔しそうにし、モンスターボールにオコリザルを戻す。

 ニドキングに対して相性のいいポケモンは2体、ニドキングが接近戦も中距離戦も出来ると見せている。そしてサトシはまだ気付いていないが自然とそういう風に動いている。

 

「キングラー、君に決めた!」

 

「キコキコ!」

 

「戻れ。いけ、エーフィ」

 

「なっ!?また入れ替えるのか!?」

 

 パワー自慢にはパワー自慢のキングラーで勝負を挑む。

 キングラーが出てきたから残りの3体がなんなのかの予測をする事が出来る……俺の読みは見事に的中している。

 

 そしてこの世界ではポケモンの入れ替えがあまり考えられない……と言うよりはサトシの性格的に一時撤退が無い。

 キングラーでニドキングとパワー勝負をするんだ!となっている中で俺はニドキングを戻してエーフィを出した。事前にエーフィを出すと言っているから前もって情報を集める事が出来ていたが……

 

『おっと、ここで遂に毛色が違うポケモン同士のバトルとなった』

 

「悪いが、そいつは直ぐに終わらせる予定だ。審判!ベースはでんじほうだ!エーフィ、やるぞ!」

 

「フィ!」

 

「っ!キングラー、こうそくいどうだ!」

 

「フハッ!無駄なんだよ!」

 

 審判に何をベースにするか申告すればサトシは何をしてくるか分かった。

 キングラーに関しては最初からこの手段を用いて倒す、そう決めている。だから最初からZパワーリングにデンキZをつけている。

 

 クソダサいゼンリョクポーズを取りZパワーをエーフィに装填した。

 

「スパーキングギガボルト!」

 

 でんじほうをベースにしたスパーキングギガボルト。

 5回戦では使わなかったが4回戦までの4つの試合でZワザは使っている。サトシもZワザは何処かで出てくるとは思っていたが……Zワザをどうにかする術が無い。俺も色々と試したがZワザはZワザじゃないと相殺出来ない。でんこうせっかみたいな技で回避は不可能だった。

 

「キココ……」

 

「キングラー、戦闘不能!エーフィの勝ち!」

 

『き、決まったぁ!ここでのZワザ!勝負の流れは渡さないと言うかのようで今まで快進撃を繰り広げていたキングラーを一撃で倒した!ここでサトシ選手が3体ポケモンを撃破されたので5分間のインターバルに入ります!』

 

 エーフィが一撃でキングラーを倒した。

 この衝撃がとにかく強く、観客席では俺の勝利、俺が圧倒的に有利だと思っている。

 

「……これは……」

 

「どうしたの?」

 

「ハナミヤの奴、狙っている!狙ってここまで試合を動かしている!」

 

「どういうことよ?」

 

「ピカチュウに対して同じタイプのエレブー、パワーとスピードを併せ持つオコリザルには同じくパワーとスピードを併せ持つニドキング、そしてパワー自慢のキングラーにはより強いパワーのZワザ!サトシの持っているポケモンや戦術に合わせて真っ向から攻めてきている!」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!確かサトシの残りの3体とハナミヤの残りの3体って」

 

「ああ……このままだとまずい……くそ、アドバイスが出来ないのがここまで苦しいだなんて」

 

 タケシが俺の狙いについて気付いたか。

 と言うよりは周りがそういう空気を醸し出している。

 

 同じでんきタイプのエレブーとピカチュウでエレブーが勝った。

 パワーとスピードを併せ持つニドキングとオコリザルでニドキングが勝った。

 パワーが自慢のキングラーに対してZワザと言う圧倒的な火力でエーフィが勝った。

 

 キングラーに関しては割と適当に対処したが、ピカチュウとオコリザルは狙って勝負をした。

 同じタイプ同士ならば燃えると、似たような戦闘スタイルならば負けないと思っている。サトシならばそこで燃える。

 

 勝負は燃えるなとは言わねえ。だが、それが原因で周りが見えなくなるのが一番厄介だ。

 特にサトシはなにが出来てなにが出来ないかの境界線が曖昧で、ピンチになればそれを追い風に変えるタイプだ。だからこそ、特別ななにかをしない。極々普通な事をする。

 

 最終無印やサトシゲッコウガを持っているサトシならばともかく、今のサトシはトレーナーとしてあまりにも脆い。

 本当ならば敗北をすることで学習するところをお情けでジムバッジを貰っている。そのせいで普通ならば通る定石を学べていない。

 

 そしてサトシには才能がある。あるからこそ、基本を磨かずに色々と過程をすっ飛ばせてしまう。

 目標を立ててその目標に向かって何をどうすればいいのかについての思考が停止してしまっている。

 

「フハッ……主人公なんて、ちょっと真面目にやればこんなもんか」

 

 相手の傾向を学べば、なにかが飛び出してくるかと分かれば対策の1つや2つ出来る。

 俺等の中で一番の脳筋思考をしていたネブヤ……いや、ネブヤとサトシは相性は悪いか。ハヤマもある意味サトシの上位互換で、テクニックを売りにしているミブチは論外。キヨシはメンタル面を売りにしていて、俺は知識か……全員が売り文句があるか。

 

 とにかく俺等の誰がサトシにぶつかったとしても対策は可能だし特別な事をしなくても勝てる奴は勝てる。

 コレが脳筋思考なネブヤだったらもっと酷い結果になっていたな。

 

 主人公が特別って言うなら俺は定石をぶつける。特別って事は逆を言えば定石が出来ないってことだからな。

 

『さぁ、5分間のインターバルを終えた!サトシ選手、まだ1体もハナミヤ選手のポケモンを倒すことが出来ていないが一矢報いる事は出来るか!』

 

 フハッ……思わず本音が漏れちまってるぜ実況者さんよ。

 同じタイプや同じスタイルのポケモンをぶつけて3本とも勝利をした。そのせいでサトシの存在感が薄くなっている。快進撃を繰り広げていた有望なトレーナーに見えたがメッキがポロポロと剥がれてしまい、実は運だけで勝ち進んだ思ったよりも強くないじゃんという疑惑の念が出てきた。そしてそれは同じだ。

 

「サトシ、俺は言ったよな。リザードンは野生のヒトカゲから育てたと……俺の最初のポケモンはコイツだ!」

 

「バナァ!!」

 

「アレはフシギバナ!?」

 

「ああ。ハナミヤはフシギダネをオーキド博士から貰ったんだ……フシギソウの頃を見ていたが、あの頃と比べて何段階もレベルが違うな」

 

 5分間のインターバルを終えたのでフシギバナを出した。

 俺の最初のポケモンだと言って出せばサトシはモンスターボールを構えた。

 

「フシギダネ、君に決めた!」

 

「ダネ!」

 

『おっと!ハナミヤ選手のフシギバナに対してサトシ選手、フシギダネ!進化後と進化前の激闘だ!』

 

「ちょっとなにしてるのよ!こういうときのリザードンでしょ!」

 

「いや……サトシのリザードンはまだサトシの言うことを聞かない。5回戦でバトルをしたのも全てはハナミヤのリザードンと戦うためだけで決してサトシに心を開いているわけじゃないんだ。フシギバナ相手に出したとしても言うことは聞かない」

 

 フシギバナに対して対抗して出したのはフシギダネだった。

 カスミがリアクションをしているところからリザードンを!と言っているんだろうが、サトシのリザードンは俺のリザードンしか興味を抱いてねえ。フシギバナじゃ動かねえ。

 

「フシギダネ、たいあたり!」

 

「フシギバナ、ヘドロウェーブ!」

 

「なっ!?」

 

「ハッ、やっぱそういうオチか!」

 

 使える技がほぼ同じなので慎重になっている。

 たいあたりでまずはと濁そうとするが、こっちはお前と違ってガンガン攻める事が出来るんだ。フシギバナは毒液の津波を巻き起こして突撃してくるフシギダネを飲み込んだ。等倍だからかフシギダネは倒れていないが苦しそうにしている。

 

「だったら、つるのムチだ!」

 

「こっちもつるのムチ……フシギダネの倍だ!」

 

「なっ!?」

 

 たいあたりが使えないならば効果は薄くてもとつるのムチに切り替える。

 そっちがその気ならば考えがあるとフシギバナにフシギダネが出した2本のつるのムチの倍の数、4本のつるのムチを出して1つに対して2つのつるのムチを絡める。

 

「ダーネ!ダネフシャ!」

 

「バナ!」

 

 必死になってフシギダネはフシギバナのつるのムチを解こうとする。

 だがフシギバナのつるのムチはフシギダネのつるのムチをガッチリとホールドしており抜け出せない。

 

「そうだ!この状況なら!フシギダネ、ソーラービームだ!」

 

「ハードプラント!」

 

 この状況ならば逆にフシギバナは動かない。フシギダネが使える最高火力の必殺技のソーラービームをと考えたがそんな奇策とも言えない悪足掻きなんざ簡単に読めるんだよ。

 フシギダネは種に太陽のエネルギーを集めるが、地面からハードプラントの茨が出現して叩きつけられた。

 

「ダネ……」

 

「フシギダネ、戦闘不能!フシギバナの勝ち!」

 

『フシギバナ、最初のくさタイプの最終進化系のみが覚えることが出来ると言われているハードプラントを覚えていた!この技はとてつもない威力を秘めており相性最悪のフシギダネを倒した!流石はくさの究極奥義!』

 

「っ……」

 

 4体目のフシギダネも軽く圧倒された。

 ここまでくれば見えない、なにもないと思っていた壁をサトシは遂になにかしらの形で感じ取った。

 

 同じ日にポケモンを貰った。スタートラインは一緒の筈なのに、大きな差がついている。

 

「ゼニガメ、君に決めた!」

 

「戻れ、いけ、カメックス!」

 

「「ガメ!」」

 

 5体目に出てきたのはゼニガメ……リザードンは最後に取っておくつもりか。

 エースに最後を任せるのはいいことだが、エースだからって1から10まで全部捌ける程にポケモンバトルは甘くはねえんだよ。

 

「ゼニガメ、ロケットずつき!」

 

「カメックス、からをやぶる!」

 

 同じタイプ同士なので基本的には相性が最悪だ。少しでも工夫をしようと無い知恵を使って誤魔化そうとしているが、浅はかすぎる。

 ロケットずつきのパワーを溜め込んでいる間にからをやぶるを使いパワーを上げる。ロケットずつきをカメックスは受けたがそれでも耐え抜いた。

 

「どうした?ゼニガメはお前が一番欲しいポケモンじゃなかったのか?それを使いこなさなくてどうすんだ?」

 

「っ、こうそくスピンだ!」

 

「カメックス、ウェーブタックル!」

 

 軽く煽ればなにかをしないといけないと思っており、技の枠を無駄に使う。

 動きまではスムーズだが、それだけだ。ロケットずつきでカメックスを転がすことすら出来なかったお前はもう終わりだとウェーブタックルで激突しカメックスはゼニガメを飛ばした。

 

「ガメ……」

 

「ゼニガメ、戦闘不能!カメックスの勝ち!」

 

『サトシ選手5体目のゼニガメも戦闘不能!このまま一矢報いることすら出来ないのか!』

 

「まだだ……まだ終わってない。お前ならひっくり返せれる……リザードン!君に決めた!」

 

「グォオオオウ!!」

 

「来たか……」

 

 今回の試合、5体目までは予想通りの展開となっている。

 それは単純にトレーナーとしての格とポケモンのレベルの問題があるが、サトシが最後を任せたリザードンだけは話が違う。しっかりと育成が済んでいるとは言えないが一定のレベルはある。ひっくり返される事は無いが手痛いダメージは受ける。

 

「グォ?」

 

「サトシ、お前にいいこと教えてやるよ……今この状態でウェーブタックルをしたらお前のリザードンは一撃で倒されるぜ……戻れ」

 

「っ!?」

 

 サトシのリザードンが出番が来たと吠えるが相手が俺のリザードンでなくカメックスだと分かれば落胆していた。

 俺は既にカメックスを戻す準備をしていたがその前に言っておくことがあると言っておく。からをやぶるを1回積んだカメックスならばリザードンがなにかをする前にウェーブタックルをぶつけれるし、それを当てれば一撃で倒せた。

 

 それをあえて告げた後に俺はカメックスをボールに戻した。

 

「いけ、リザードン!」

 

『おおっと!!ハナミヤ選手もリザードン!サトシ選手もリザードン!同じポケモン対決となりました!ハナミヤ選手は既にZワザを使用しておりサトシ選手はZワザもメガシンカも使えない……ここでハッキリとするのはどちらがリザードンをしっかりと育てて使いこなせているか!トレーナーとしての腕の見せどころです!』

 

 6番手だとリザードンを出せばサトシのリザードンはやる気を出した。

 同じリザードンで同じ境遇同士、だから絶対に負けたくはない。5回戦を終えた後にリザードンに発破をかけた事もあってか俺のリザードンもやる気を出している。

 

「「リザードン、かえんほうしゃ!」」

 

 まずは開幕勝負だとリザードン同士はかえんほうしゃを放つ……っち……流石はサトシのエースの代表格か。

 リザフィックバレーで鍛えていない段階でもある程度の強さを持っている……こいつは慎重にいく……んなわけねえだろ!

 

「リザードン、かみなりパンチだ!」

 

 こっちはリザードンが負けたとしてもまだ5体もポケモンは残っている。

 多少派手に動いても後に居るポケモン達がフォローをしてくれる。俺のリザードンはかみなりパンチでサトシのリザードンを殴った。サトシのリザードンは苦しそうな顔をしている。

 

「リザードン、胴体を掴むんだ!」

 

「グゥ!オウ!!」

 

「この距離なら!かえんほうしゃ!」

 

 かみなりパンチを受けても倒れないサトシのリザードン。

 サトシは拳に触れなければ問題は無いと俺のリザードンの胴体を掴み動きを封じる様にし、この距離ならばとかえんほうしゃを放つ。

 

 俺のリザードンは真っ向からサトシのリザードンのかえんほうしゃを受ける。

 だが、俺のリザードンは耐えておりサトシのリザードンを見る。

 

「りゅうのはどう!」

 

「リザードン、ちきゅうなげで揺さぶれ!」

 

 っち!自分のリズムを作り始めたか!

 やっと拮抗する事が出来るポケモンでのポケモンバトルになった。ここからサトシの売りの定石を外した意外性のある戦いをする。

 

 俺のリザードンにりゅうのはどうを当てるように指示するがサトシのリザードンは胴体を掴んだままで急上昇。

 急な立体的な動きに俺のリザードンはついていくことが出来ずにりゅうのはどうを外した……が、ナメるな!

 

「お前のそれは熟知している!」

 

 リザードンの最強必殺技はブラストバーンだがサトシのリザードンに限っては違う。

 フィニッシュとしてはちきゅうなげを使うことを意識している傾向にある。それで高確率で勝っているから。

 

「リザードン、エアスラッシュ!」

 

「グォウ!」

 

「グォ!?」

 

 ぐるりぐるりと旋回しているリザードンに対してエアスラッシュを放つ。

 ゼロ距離と言ってもいい間合いであり翼から放たれるエアスラッシュはサトシのリザードンの翼に当たりサトシのリザードンはバランスを崩し俺のリザードンは力ずくで振り解く。

 

「かみなりパンチ!」

 

 俺のリザードンはサトシのリザードンにかみなりパンチを叩き込んだ。

 サトシのリザードンは地面に撃墜し砂埃が舞い上がりフィールドが見えなくなり……砂埃が風に飛ばされればそこに立っていたのは俺のリザードンでサトシのリザードンは倒れたままだった。

 

「サトシ選手のリザードン、戦闘不能!ハナミヤ選手のリザードンの勝ち!よって勝者、ハナミヤ選手!」

 

『試合終了!なんということでしょう!ハナミヤ選手、1体も倒されずに逆に全てのポケモンで1体ずつ倒した!!圧倒的な強さだ!!』

 

「…………」

 

 俺のリザードンに2回目のかみなりパンチが中々に効いたのかサトシのリザードンは立ち上がれなかった。

 かえんほうしゃが拮抗した時はサトシのエースになるだけはあるという印象はあったが他で攻めれば思っていたよりも弱かった。

 

 リザードン自身が弱いのでなく、サトシがリザードンを使いこなせていない。道を示すことが出来てねえ……そんなところか。

 言うことをしっかりと聞いてくれたら下手したらこっちが負けていた可能性も一応はあった……型にはまれば強いなんて言葉があるがハマった瞬間の強さは厄介だな。

 

「リザードン……」

 

「グゥ……」

 

 言うことが聞かなくて負けたことはあったかもしれねえがちゃんとしたバトルで負けたのは初なのかサトシは落ち込んでいる。

 サトシのリザードンはまだ負けていないと立ち上がろうとするがサトシのリザードンは俺のリザードンから受けたかみなりパンチが重くて立ち上がれない。

 

 俺はバトルフィールドの中に入り俺のリザードンに駆け寄る。

 

「証明できたな」

 

「グオウ!」

 

 同じリザードン同士の対決で俺のリザードンが勝った。

 自分はクロスのガオガエンにも勝った。同じ境遇のリザードンにも勝った。これでリザードンの自信に繋がった。

 

「ハナミヤ……負けたよ」

 

「……サトシ……お前は強いトレーナーだ。何処か間違えれば俺は手痛い目にあっていた」

 

「え?」

 

「お前がムキになってくれた!対策らしい対策をしなかった!真っ向から潰そうとした!!認めてやるよ!お前は運だけでここまで来たトレーナーじゃない!だがしかし、まるで全然俺に届いていない!真っ向から勝つ力すら持ってねえし引くことが出来ねえ無能だと今、証明してくれた!」

 

 エレブー相手にフシギダネに入れ替えたり出したり色々と出来た。

 だがそれでもオコリザルを出したりしていた。確かに一部は強い。運だけでここまで来たというのは失礼だろう。だがしかし、それでも全然足りないね!!

 

「そん、な……」

 

「お前のピカチュウに合わせてエレブーを出した。お前のオコリザルに合わせてニドキングを出した。お前のキングラーに合わせてエーフィにスパーキングギガボルトを使わせた。お前ならばムキになってフシギバナに対してフシギダネを出してくれる。進化だけが全てじゃないと考えてカメックスに対してゼニガメを出してくれる!そしてリザードン同士の対決を望む!」

 

 お前ごときの行動パターンなんて軽々と読めるんだよ。

 俺の今の試合が全てサトシに対して合わせたものだと言えばサトシは気付く。最初から弄ばれていたのを。俺の言っている通りサトシは俺に全然届いていない……言いたいことが言え周りは同じトレーナーで似たようなポケモンを使っているのに大差で負けたサトシってなんなんだよと期待して損したという視線や囁きを浴びせていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。