「酷いケガ!どうしてこうなったの!」
「すみません……でもっ」
「大丈夫よ、直ぐに治療するわ」
アニメのポケットモンスターの主人公、サトシ。
その主人公の相棒でありポケモン界の顔であるピカチュウ。1人と1匹がボロボロの姿で現れた。
ジュンサーさんがピカチュウを見せるように言えばジョーイさんは酷い怪我と言い緊急治療の用意を。ピカチュウは連れて行かれてサトシは大丈夫かを聞いたがジョーイさんは大丈夫と言いボロボロの格好をどうにかしろと言われたのでサトシは更衣室で着替えた。
「…………」
俺と言う異物が存在している以上は0とは言えねえ。
俺が公式設定で存在しているであろうフシギダネかヒトカゲを貰ったトレーナーになったなら、サトシになった可能性も普通にある。
ピカチュウをボロボロにしてポケモンセンターにジュンサーさんに連れてこられた。
コレは白か?と思ったがピカチュウは最初は言うことを聞かずオニスズメのイベントが起きることでピカチュウは心を開いて言うことを聞くようになる。
そのイベント無しでピカチュウの心を開くことが出来るかどうか……
「ピカチュウ、ボロボロだったけどバトルでもしたのか?ポケモンを貰って嬉しいのは分かるが限度はしろよ」
「違うよ……オレのせいでピカチュウが……」
一先ずは探りを入れてみる。
ピカチュウがボロボロになって入ってきたのを心配するトレーナーの素振りを見せてサトシに話しかけるが自分がピカチュウを傷つけたと苦しそうにしている。
ハッ、自業自得過ぎてなにも言えねえな。
取り敢えずは白ってところだがそういう風に演技してる可能性もある。
ただまぁ、可能性があるだけで割合だけで言えば物凄く低い。俺の見た目が別のアニメのキャラにそっくりだからそれを見て反応らしい反応はしていないがもしかしたらそれを知らねえって可能性もある。
「なぁ、週刊少年ジャンプって知ってるか?」
「え、なんだよ急に?」
「いや、知らねえなら知らねえで構わねえ」
日本人ならば誰でも一度は耳にするもの、週刊少年ジャンプだ。
週刊少年ジャンプと言うキーワードを出しても特に反応する事は無い、全く聞いたことが無い雑誌だと知らない顔をしているので白なのが確定だ。
「あ、電話が鳴ってる。もしもし」
おい、それポケモンセンターの電話だぞ。
ポケモンセンターの電話が鳴っているので取り敢えずサトシは出た。
するとファイヤー、フリーザー、サンダー、ホウオウの彫刻画がつけられている壁がウィーンと動き出してどデカいモニターが出てきた。
『……』
「オーキド博士、それインスタントラーメン?」
『!?』
電話の相手はオーキド博士、テレビ電話とは豪勢だがこの世界では当たり前だ。
オーキド博士はビーカーをアルコールランプで熱しておりインスタントラーメンを入れている。なんでそんな事が分かるのかとオーキド博士は驚きカメラが変な風に映っていると気付いて画面を寄せた。
『サトシ、ジュンサーさんから連絡があったがもうトキワシティに着いたそうじゃの』
「あ、うん!」
『それで道中、何体ポケモンを捕まえたかの?』
「えっと…………」
『……期待したワシがバカじゃったか』
オーキド博士はサトシがトキワシティに入った情報を手に入れてトキワシティのポケモンセンターに連絡を入れた。オーキド博士は早速ポケモンをゲットしてくれたかと嬉しそうに聞くがサトシが何体ゲットしたかを答えなかったので0体だと察したオーキド博士は目に見えて落ち込んだ。
『ん、おぉ!ハナミヤではないか!お前さんもトキワシティにおったのか』
「オーキド博士、こいつ知ってるの?」
『知ってるもなにも今日、ポケモンを一番最初に貰いに来た子じゃよ……その様子だとシゲル以外は気にしとらんかったの』
巻き込まれたか。
俺が映像に入っていたのでオーキド博士は俺の存在に気付いた。サトシが知り合いかどうかを聞けばオーキド博士は簡単に教えてくれる。そして予想通りと言うべきか、シゲル以外、俺ともう1人のトレーナーに対して意識をしていなかった。
『ハナミヤよ、お前さんは?』
「申し訳ありません0体です……ゲットしても扱いきれないので、流石にそれは可哀想だと思いまして。自分が使うポケモンだけをゲットしていこうかなと」
『そうか……2人とも、期待しておるぞ」
オーキド博士はそう言うと電話を切った。
コレで終わりかと思えば再び電話が鳴って今度はサトシのママさんが出た。トキワシティのジュンサーさんから連絡が入ったから電話をした。
知りたいことは知れたし、このままここにいる理由は無い。
いや、むしろこのままここに居ると厄介だ。ポケモンセンターの宿泊施設部分の部屋に入った。内装は宿屋の一人部屋ってところか。
「ったく、気持ち悪いな」
10歳のガキを相手に嫌悪感を剥き出しにしている俺は最低な人間だが直ぐに分かる。
サトシとは合わない。青春をしているクソガキに合わない……だからこそと笑みを浮かび上げた。
「あいつをボコボコにする、最高だね」
俺がフシギダネを選んだのにはちゃんとした理由がある。
純粋にフシギダネが好きとかじゃなくてちゃんと計算をしている……一部は運に頼らないといけない内容だが、俺がこういう立ち位置の人間に誰かがしたってならばそれがやってくる可能性が高い。
その結果、マサラタウンのサトシをボコボコにすることが出来る。
頑張ればとか諦めなければとかそういう感情論だけで動いていてなんも考えていない典型的な王道な主人公、そんな主人公をボコボコにすることが出来る。
マサラタウンのサトシは世界最強のトレーナーになった。
だがそれは色々とサトシにとって都合の良い展開になったからだ。メガシンカ、Zワザ、ダイマックス、ダイマックスの4連コンボ。
メガシンカとZワザが無ければ、2回目のダイマックスが無ければ何処かの段階で歯車が狂っていた。
チャンピオンや四天王は文字通り別格の強さを秘めている。
アニメでは特にその描写が強く、圧倒的な力で四天王でもチャンピオンでもないモブトレーナーを圧倒している。サトシはそんな奴等を倒した筈なのにどうでもいい試合で普通に負けている。
ご都合主義で安定した実力を持っていない。ここぞという時以外は負けている……あいつの場合はそうなる色々な原因があるがな。
「フハッ……ポケモンの力、恐ろしいな」
色々と警報音が鳴り響いている中を無視した。
ロケット団がやって来ているがガン無視、ムサコジニャはサトシに押し付けた翌日、トキワシティのポケモンセンターが大破していた。
ピカチュウが他のピカチュウから電気を貰いサトシの自家発電で更に電気を貰った。
その結果、通常よりも遥かに優れたパワーを出して……ポケモンセンターの天井を大破させた。ポケモンってのが超常的な力を持っている生物なのは理解しているが、コレを複数の助力があったとは言え出来たのは恐ろしいな。
「さて……探すか」
最初のジムがあるニビジムを目指してトキワの森でなくセキエイ高原方面に足を運ぶ。この世界はアニメ世界だからな、ジム戦は使用していいポケモンの数が決まっていて満たしていないとジム戦そのものを受けてくれねえ。
ゲームだったらフシギダネのつるのムチ辺りのゴリ押しでどうにかすることが出来るがそう上手くはいかねえ。
「フシギダネは……ねむりごなは覚えてねえか」
ポケモン図鑑を取り出してフシギダネが覚えている技を確認する。
たいあたり、なきごえ、つるのムチ、やどりぎのタネ……ホントに初歩も初歩な技を覚えている。だがそれ以外になにも覚えていない。相手を眠らせるねむりごなを覚えていないか期待はしていたがそこまで都合良くはいかねえ。
「いけ、モンスターボール」
目当てのポケモンを見つけた。複数居るから厳選が出来るとモンスターボールを複数投げる。
ニドラン♂ 特性 どくのトゲ
つつく どくばり にらみつける
ニドラン♂ 特性 どくのトゲ
つつく どくばり にらみつける きあいだめ
ニドラン♂ 特性 はりきり
つつく たいあたり つのでつく にらみつける
ニドラン♂ 特性 とうそうしん
つのでつく にどげり にらみつける きあいだめ
「流石に4体も居れば1体ぐらいは当たりは居るか」
当然と言えば当然だが厳選出来るのならば厳選はする。
特性や性格、個体値を確実に変える方法を知らない以上は厳選する事が出来そうなポケモンは厳選をする。
ニドラン♂及び♀、初代ポケモンをやった奴は高確率でお世話になっているポケモンだ。最終進化系のニドキング及びニドクインは技のデパートの異名を持ち、豊富な技を覚える。そしてピカチュウ版ではにどげりを直ぐに覚えるからタケシをどうにかするのに使え、便利過ぎるが故にピカチュウ全く育てない問題はピカチュウ版をプレイした奴は経験するだろう。
ニドラン♂と♀、最終進化系のニドキングとニドクインは覚える技がほんの少し違うだけで似たりよったりの性能をしており一般的に言えばニドキングの方が優れていると言われている。普通のニドキングでも構わねえが、ちからずくニドキングになる個体が欲しい。
ちからずくが夢特性だからドリームワールドでしかゲット出来ない可能性もあるんじゃねえかと思っていたが、はりきり個体のニドラン♂が見つかった。他のニドラン♂は要らねえから逃がしてはりきり個体のニドラン♂を出した。
「最終的にニドキングに進化するつもりはあるか?」
バトルをするかどうか、ニドキングにするかどうか、その辺りの確認だ。
知能が高いある程度育ったポケモンや種族として気性が荒いポケモンはゲットをしても言うことが聞かない。幸いにもまだニドラン♂だから刷り込む事が出来るとニドラン♂にポケモン図鑑を出してニドキングの画像を見せれば喜んでおり頷いた。
ニドラン♂がニドキングになる絶対の条件、それはつきのいしに触れることだ。そうすることでニドキングになれるが逆を言えばそうしないとニドキングになれない。
この辺りにはニドキングになる為に必要なつきのいしが無いから頑張ってもニドリーノが限界だろう。
「……もう1体か。流石にニドラン♀系統は要らねえな」
ニドラン♂を無事にゲットすることに成功したがもう1体ポケモンが必要だ。
ニビジムと言えば使用ポケモン2体じゃないのか?と聞かれればその通りだが俺の狙いはそこじゃねえ。ニビジムじゃなくてトキワジムに挑むつもりだ。
トキワジムの使用ポケモンは3体のシングルバトルだ。だからもう1体ポケモンが必要になる。このセキエイ高原付近に居るポケモンの中でなにかいいポケモンはいないか?
空を飛ぶことが出来るポケモンが欲しいがそれに関してはあるポケモンを確実にゲットする事が出来るので省いている。ポッポやオニドリルに指は動かない。
『イーブイ しんかポケモン 様々なタイプの進化先がある不思議なポケモン。現在8種の進化先が判明している』
「なんだと!?」
図鑑を片手にポケモンを探しているとイーブイが出てきた。
ポケモン図鑑はレーダー代わりになる物だから出していてイーブイを急に出したと言う事はイーブイがこの近くに居る。
ゲームじゃ生息地が不明だったりしている。他の地方では比較的に野生で見ることが多いがそれでも稀少なポケモン、ゲットするしかねえ。
「フシギダネ、つるのムチを伸ばして移動しろ」
フシギダネにつるのムチを伸ばしてもらう。
その状態で一歩、また一歩とゆっくりと歩いていれば右に出していたつるのムチが揺れた。
「ィブイ!」
「フシャ!」
誰かが居ると反応をすればイーブイが出てきた。
フシギダネは戦うつもり満々でイーブイは逃げる様な真似はしない。だったらバトルは成立だとフシギダネはイーブイと睨み合う。
「ブイ!」
『たいあたり ノーマルタイプの基本的な技』
「フシギダネ、やどりぎのタネだ」
相手がイーブイである以上はなにが飛び出してくるか分からねえ。
ポケモン図鑑で出来るだけ情報を引き出してやると構えていればたいあたりを使ってくる。見たまんまの技でコレはチャンスだとやどりぎのタネを使う。
フシギダネは背中の種からやどりぎのタネを発射し、イーブイにくっつけると種は発芽して蔓がイーブイに絡んだ。
「ブ、ブイ!?」
「いけ、モンスターボール」
やどりぎのタネは攻撃技じゃねえが相手を拘束する事が出来た。
イーブイみたいに比較的に小柄なポケモンだからどうなっている。ニドキングみたいな大きなポケモンだったら変なところに蔓が絡んでくるということぐらいだろう。
「儲けものだな」
俺が投げたモンスターボールはイーブイに当たりイーブイはゲットされた。
ポケモン図鑑を取り出す前にイーブイを出した。俺のポケモンとしてやっていくつもりがあるかの確認……そして
「お前以外にイーブイは居ないか?」
他にイーブイが居ないかの確認だ。
イーブイは進化先が8種類もあるポケモンだ。サンダース、シャワーズ、ブースター、エーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシア、ニンフィア……優劣の差はあれどもどれも優秀なポケモンである事には変わりは無い。
俺がゲットしたイーブイ以外の個体が居ないかを聞けばイーブイは首を横に振る……元々は生息地が不明なポケモンで8種類の進化先を持つポケモン、余程変な環境じゃねえ限りは馴染んで住み着くことが出来るってところか。
『稀少なポケモンで環境の変化に追いつく為に特定の生息地を持たない』
ものは試しとポケモン図鑑でイーブイがどういうところに生息しているかの確認をしてみる。8個の進化先があるので変な環境でない限りは基本的には生きていける。元々イーブイと言う種族自体が稀少で野生の個体はあまり見ない。だからこういう感じの環境に生息していると図鑑は教えてくれない。
どうやら具体的に何処に行けば確実にポケモンに会えると言う意味合いでの生息地はポケモン図鑑には搭載されていない。ゲームじゃこの地域にはコレしか出ないと言っているが、この世界のポケモンはホントに野生生物で鳥系のポケモンに関しては飛行して移動したりする。だから、主にどういう環境で生態系を作るかのみを記載している。
本気でそのポケモンが欲しいのならば情報をリサーチするしかない。
アニメで稀に出てくる伝説のポケモンをゲットする為に伝説のポケモンの過去の出現情報を集めてそこから次は何処に目当ての伝説のポケモンが出てくるか分かるのはかなりの博識だ。とは言えその労力のせいで肝心のポケモン育成を怠って伝説のポケモンにボコられてるクソ雑魚しかいねえがな。
「……メタモンを何処かでゲットするか?」
イーブイが出てきたのは完全に予想外だ。嬉しい予想外だが予想外である事には変わりは無い。進化は後々考えれば良いなんて言うが、進化先によっては覚えさせてはいけない技やスタイルがある。仮にエーフィかブラッキーに進化させる場合はイーブイの段階で絶対にフェアリータイプの技を覚えちゃいけねえ。フェアリータイプの技を覚えた時点でイーブイはブラッキーとエーフィの道が閉ざされる。
基本的にはイーブイの進化系は優秀だ。
冒険をする上で持っていないタイプなんかを考えて進化先を選ぶのが普通だが、ちゃんとした対戦環境ならば8個の進化先を全て揃えている。だったら何処かでメタモンを調達し、タマゴを作ってイーブイの進化系をコンプリートするっていう手もありだ。
「……長期計画な物だから、それは頭の隅に置いておくか」
稀少なポケモンだが戦力としてもマスコットとしても人気があるイーブイ。
それを大量に増やすことに成功すればこの上ない戦力になるが、メタモンを用意しタマゴから孵化させて、そこから基礎を鍛え上げる。石を触れさせればその時点で進化するサンダース、シャワーズ、ブースター、グレイシア、リーフィアならば簡単だが、なつき度と時間により進化するエーフィとブラッキーが手間がかかる。ニンフィアも手間がかかる。
イーブイ一式を揃えるのには手間がかかる。
居てくれたら痒いところに手が届くが用意するのに時間が掛かる……ゲームはストーリークリア後は対人戦を想定したポケモンバトルしかやることがねえから、その為だけのポケモン育成が可能だが俺はそれが出来ない。
ゲームみたいにわざマシンがあればポンッと技を覚えるわけじゃない。何度も何度も練習しないと覚えないし、なにかがキッカケで使えなくなることは普通にある。
現にサトシのジュカインはイップスみたいな形でジュプトルからジュカインになってから技が使えなかった。
「コレで終わりにしておくか」
イーブイに自分以外にイーブイが居るのかを聞いたが居ないと言った。
はりきり個体のニドラン♂をゲットする事が出来て予想外のイーブイをゲット……トキワジムに挑むのに必要な使用ポケモン、3体はこれで揃った。