ガンテツボールの件をロケットコンツェルンに報告し、機械で出来たガンテツボールが不良品なのが判明した。
読み通りと言うべきか、第二世代でのクソ仕様なガンテツボールと同じ効果を秘めていた……それをガンテツボールを量産する事に成功した!と謳っていた奴等はガンテツボールの模様を失敗した事になった。そのおかげでそれを作っているモンスターボール業者の株価が落ちたりした。
そこをどういう風に買収するかとかは俺には関係ねえ話だ。
とりあえずはガンテツさんはお礼に一通りのガンテツボールを作ると言っていたのでありがたく作ってもらう事になった。
「これより、ヒワダジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」
「いけ!華麗なる羽根を宿す未来を秘めた者!トランセル!」
「イヤン」
ガンテツボール関係は終わったからジム戦に入る。
ジムリーダーが帰ってきたのでジム戦を、前回と同じくヒリメオから……と言うかこれからはヒリメオからジム戦をすることになった。俺の背中を見て攻略法を見出すのはいけねえことだからな。自力で突破口を見つけねえと。
「むしタイプのポケモン……トランセルは確か……お願い!キリンリキ!」
むしタイプのポケモンの使い手であるツクシの1体目はトランセルだった。
むしタイプは基本的には進化して始めて役立つようになる。ジム戦は負けたり手加減をしたりしなきゃならねえから、ポケモンも調整しないといけねえ……だからってヒリメオ相手じゃバタフリーは使用禁止でトランセルで挑まなきゃならねえ。
ジムリーダーの手加減に関しては仕方がねえとはいえトランセルじゃ無理だろうな。
「トランセル、木に向かっていとをはくだ!」
「フハッ……まぁ、そうなるわな」
今回のバトルフィールドは何本かフィールド内に木がある。
むしタイプのポケモンにとって戦いやすいバトルフィールドで、トランセルと言えば硬い以外は取り柄がマジで無い。
攻撃技も限られているから技を応用した技術で応戦しなきゃならねえ。トランセルはフィールドの木にいとをはくで糸を絡めさせればブラブラと吊られる。
まともに移動することが出来ねえトランセルでも重さは存在しているし重心の移動も出来る振り子の様にプランプランと揺れる。
「キリンリキ、こうそくいどう!」
だがまぁ、それは無意味だろう。
振り子の特性を借りて機動力を手に入れてその機動力を乗せた、たいあたり、それがトランセルのバトルスタイルだ。
バタフリーに出来ねえ以上はトランセルのバトルスタイルとしてはそれが一番の最適解だろうが、ヒリメオにはポケモンの能力を上げるタイプの技は教えている。本人もそれの重要性について理解している。
「っ……」
「キリンリキ、わるだくみ!」
いとをはくを利用した高い機動性能もキリンリキのこうそくいどうの前に無力になる。
ヒリメオはここから攻めるのかと思ったが攻めることはせずにキリンリキにわるだくみを使わせた。
「トランセル……っく」
「その距離だと出来ないですよね?」
こうそくいどうで基本的な素早さの性能を上げたことで攻撃を回避しようと思えば軽々と回避することが出来る。
トランセルが攻撃をするベストなタイミングはわるだくみを使った時だが既にトランセルとキリンリキの間に大きな間合いがある。
トランセルは決して動けないわけじゃないが機動力が無い。
それをカバーする方法がバトルフィールドだがそれを潰すのもまたバトルフィールドの使い方だ。距離の概念をヒリメオは掴んだので間合いを開く。
「わるだくみ!」
「まだ使うのか!?」
「フハッ……まぁ、そうなるわな」
ヒリメオはひたすらに能力を上げることに集中している。そのやり方に関しては間違いじゃねえ……ただし、それを実戦でやる奴はこの世界じゃ殆ど見ない。なにせこの世界は使える技の回数の上限数が決まっていなくてドラゴンボールの気に近い。
攻撃に使えば体力が減る。自傷技でもなんでもないのにだ。HPを質量を持ったエネルギーに変換して使っているから当然と言えば当然だろう。
アニポケのポケモンバトルもそうだ。
大技を使いまくれば体力が減る。だから、この戦術はゲームじゃ決まれば止めるのが恐ろしく難しい戦術だがこの世界じゃその発想に至ることすらしねえ戦術だ。
「キリンリキ、こうそくいどう!」
「いとをはく!」
バタフリーになれば色々と出来るがトランセルじゃ出来ることが限られている。
いとをはくを使ってどうにかしようと試みているが、いとをはくをキリンリキは軽々と回避する。
「わるだくみからのバトンタッチ!」
「大技を狙っていない!?」
キリンリキと言えばエスパータイプのポケモン、むしタイプとは相性が悪い。
だが相性が悪いだけででんきタイプの攻撃をじめんタイプに当てた時と異なり効果が0ってわけじゃねえ。
ツクシの奴はヒリメオがキリンリキに大技を使わせる為に何度もこうそくいどうとわるだくみを使っていたと考察したがそれはハズレ。キリンリキはバトンを残してヒリメオのラブラブボールに戻っていきヒリメオはモンスターボールを取り出した。
「頼んだよ!マグマラシ!」
「マグ!」
マグマラシが出てきた。
マグマラシはバトンを受け取れば今まで溜め込んだキリンリキのパワーを受け継いだ……わるだくみ3回、こうそくいどう2回。
俺のリザードンやウインディと比べればまだまだレベルは低い。
だが、それでもなんとしてでも強くなろうと必死になっていてそれなりには育っている。そんなマグマラシが最大限にまでパワーが高められた。
「マグマラシ、やきつくす!」
使うのは当然、ほのおタイプの特殊攻撃。
俺のリザードンのかえんほうしゃと遜色無いレベルにまで高められている。それは受け止められないとトランセルは一撃で戦闘不能になった。
「ふー……こういう時、ジムリーダーは辛いね。いけ!全てを見通す虫ポケモン!コンパン!」
「コンパ!」
ポケモンを入れ替えすればどうにかなった。
ツクシもトランセルで出来ることには限度があるので、あの戦術を取られたのならばもう無理だと認めていた。だが気持ちを切り替える。次からは戦況を塗り替えるのだとコンパンを出した。
「マグマラシ、やきつくす!」
「なっ!?」
だが、無理だろう。マグマラシがやきつくす攻撃で攻撃をする。
なんの為にこうそくいどうを使ったのかを分かってねえ……こうそくいどうを使ったことでコンパンを余裕で上回る速度で行動をする事が出来る。マグマラシの業火を浴びせられればコンパンは一撃で戦闘不能になった。
「ならば!虫ポケモンの勇敢なる戦士!いけ!ストライク!」
コンパンが一撃で戦闘不能になる事は完全に予想外のツクシ。
ストライクを出したが焦りを持っている……こういう時こそ冷静になってなんて言えねえし……無理があるな。
「マグアラシ、やきつくす!」
「ストライク、つるぎのまいだ……っ!」
フハッ、情けねえな。マグマラシが再びやきつくす攻撃で攻めてきた。
それに対してストライクはつるぎのまいを舞い踊る。踊りの動きで炎を弾く、そのつもりだろうがマグマラシのパワーが完全にストライクが捌けないレベルになっているのを計算に入れていなかった。
今の状態のマグマラシはバッジ2個のポケモントレーナーが出してくるポケモンじゃない。
地方リーグに出る条件を満たしたトレーナーが出してきてもなんもおかしくないレベルのポケモンだ。
「ストライク、戦闘不能!マグマラシの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!」
「わーい!ハナミヤくん、見た?あっさりと勝てたよ!」
「アホ……接待だから勝てたんだよ」
マグマラシで完封をすればヒリメオは喜んだが、接待だから勝ててるんだ。
「接待でも勝ちは勝ちだと思うよ……ツクシさん」
「あ、ああ……コレがヒワダジムを制覇した証、インセクトバッジだ!」
「コレで2個目……順調だ……」
「まだまだ壁にぶつかってねえんだから浮かれるな……それにしても、大変ですね」
「え?」
「ほら、ジムリーダーって手加減しないといけないじゃないですか。トランセルはバタフリーになってからが本番のポケモンで、あの戦法を取られたら……相性的に最悪ですよ」
インセクトバッジを手に入れたヒリメオはスゴく喜んだがこんなもんは通過点なんだから浮かれるな。
俺はヒリメオに軽く注意をした後にツクシにジムリーダーは大変だとフォローを入れる……んな優しい人間なわけねえだろ?
「明日のジム戦、本気でお願いしますね……じゃないと汚名返上は出来ないんですから」
「あ、ああ!勿論だとも!使用ポケモンは3体のシングルバトルだ!次は本気で挑ませてもらう!」
ツクシを立て直せば明日は本気のポケモンバトルをすると言う。
それで構わないと俺は内心で笑みを浮かべる。理由?決まってんだろう。ここから更にへし折る為だ。
今回はジムリーダーの都合上、手加減をしないといけない。だからまともに戦えなかった。
負けたことに関してしっかりとした理由で逃げることが出来るが次の俺のバトルは話は別だ。真面目にやって大差をつけて敗北をする……虫ポケモンの華麗なる戦士だなんだと言ってもただの雑魚だったと思い知らされてやる事が出来る……楽しみだな。