アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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他の誰も伸ばさなかった

 

「なんか今までの街とは違うね」

 

「コガネシティがジョウト随一の大都市から余計にそう感じるし、そういう政策をとってる」

 

 エンジュシティに辿り着いた。

 エンジュジムに立ち寄ることはせずにポケモンセンターでポケモンを回復させた後にエンジュシティをグルリと回る。

 

 ここ最近立ち寄った街で一番デカかったのは言うまでもなくコガネシティ、そのコガネシティとは方向性は違うがスゴいと言うのをヒリメオは感じ取っている。その辺のフレンドインショップ1つとっても外装とかそういうのを意識している……エンジュシティは現実で言うところの京都でそういうのが沢山ある。だからここもそういう政策を取っている。

 

「普通、こういうところの立ち入りは禁止なんだがな」

 

 エンジュシティの名所であるやけたとうにやってきた。

 やけたとうの伝説云々に関しては知っている……ゲームじゃここに来なきゃジョウトの3犬と出会うことは出来ねえが、ここには居ない。ただまぁ、帰巣本能なのか定期的にスイクン、エンテイ、ライコウの3体を見かけていると言う情報は手に入る。

 

 エンジュシティの名所であるやけたとうは立入禁止区域じゃない……貴重な文化遺産だが入っていいという中々に見ないものだ。

 入ってみた感想は……単純に焼け焦げただけのボロい塔だ。江戸時代とか戦国時代に作られた城みたいなのならばまだ飲み込める、ピラミッドみたいに色々と計算しても現代の技術じゃ作るのが不可能なオーパーツがある的なのならより飲み込める。

 

 だがやけたとうにはそういう要素が無い。一応は貴重な文化遺産ってところだ。

 

「何百年も前に燃えたのにこうして綺麗に残ってるって、スゴいね」

 

「人の手が入ってなくてコレは確かにスゲえわ……コイツだけはピンポイントで傷1つついてねえのはな」

 

 色々と貴重な文化遺産だと感じ取っている中でヒリメオと俺は1つの壁画に辿り着く。

 ホウオウの壁画だ……やけたとうに入る前にホウオウに関する逸話は頭に入れているので説明はしない。ホウオウの壁画だけは全くと言って汚れてない傷ついていない。色々と運命を感じていると物凄い熱を感じた

 

「熱っ……ほのおタイプのポケモンか?」

 

 やけたとうと言えばブーバーが出てくる便利な場所でもある。

 急な熱を感じたと思えばメラメラとやけたとうが燃え出した……クソ熱いと思ったが、それは錯覚だった。

 

「も〜ダメだよ。面白くても人を困らせちゃ……出てきて、ヨルノズク。みやぶるだよ!」

 

「ホー!」

 

 ヒリメオは熱いとか寒いとかそういう事を気にせずに注意をした後にヨルノズクを出した。

 この状況でミロカロスじゃなくてヨルノズクを出してなんの迷いもなくみやぶるを使わせれば、ゴース達が見えるようになって周りの炎が消えた。ゴース達が見せていた幻だった。

 

「ゴスゴス」

 

「まぁ、とりあえず軽く一発な」

 

 俺達を意図的に驚かせようとしていて驚かせる事に快楽を得ている。

 人が開拓して住処を作っている場所のポケモンによくある一般人や冒険者を驚かせようとしていて驚きのリアクションを見て笑っているゴーストタイプのポケモン。割と居るタイプだ。

 

 こういう時に使うのはE・シューターだ。E・シューターを撃てば荒ぶるゴースは静かになった。

 

「驚いたな……手助けをしようと思ったが即座に対処するだなんて」

 

 静かになったしどうしたもんかと思えばエンジュジムのジムリーダーのマツバが姿を見せた。

 手にはモンスターボールが握られていて俺達に対して助っ人をしようと考えていたみたいだが俺達が自力で解決して感心していた。

 

「貴方は?」

 

「オレはエンジュジムのジムリーダーのマツバだ……見たところ旅のトレーナーの様だね」

 

「はい……明日にエンジュジム戦に挑みますが大丈夫ですか?」

 

「ああ、挑戦を待っているよ…………しかし、よく驚かなかったね。ここに居るゴース達はやけたとうを観光に来た人達に対してイタズラをして……突然の出来事で慌てるとトレーナーはかなりいるが」

 

「ハナミヤくんが慌ててないから問題は無いって」

 

「おっと、惚気られてしまったな」

 

「そういうマツバさんはどうしてここに?」

 

 ゴース達に対して驚かない事を見てマツバは感心する。ヒリメオは俺が居るからと言えば惚気られたと軽く笑う。

 ヒリメオはマツバがどうしてここに居るのかについて聞けばホウオウに憧れており、ホウオウに相応しいトレーナーになる為に色々と鍛えていて定期的にここに訪れている事を教え、俺とヒリメオがジム戦を求めているのでならばとやけたとうを去っていく。

 

「…………ねぇ、ハナミヤくん」

 

「なんだ?」

 

「聞かないの?」

 

 マツバがやけたとうから去っていき、ゴース達も気持ちが落ち着いたのでイタズラをしなくなった。

 他にも野生のポケモンがいるがトレーナーである俺達を襲うような真似はしてこない。そんな中でヒリメオは聞いてきた。聞かないのと。

 

「聞いてほしいのか?」

 

「うん」

 

「大凡の見当はついているし、俺にとって害は無いから特に気にしねえが……ライコウの時に言ったから一応は。普通の人には無いなにかを持ってんだろ?」

 

 ヒリメオが聞いてほしい事がなんなのか、それについての詳しい詳細はなんとなく読めている。

 ロケットコンツェルン傘下の孤児院から優秀なトレーナー候補を選んでクリスタルのイワークを預ける関係でヒリメオが一番だった。ヒリメオのプロフィールについて一応は見ている……。

 

「うん……ここってさ、正真正銘の場所でしょ。物凄いポケモンが実際に物凄い力を振る舞ったって場所で……普通の人ならボロくて歴史を感じるとかだけど私には感じるよ。そのポケモンの力の余波を」

 

 この世界はポケモンと言う超常的な力を持った存在がいる。

 そいつらとどういう風に生きていくかなんかの研究がオーキド博士の研究テーマだ……ただ、ポケモン以外にも不思議な力を持っている物がある。ポケモンの体液とかそういうのじゃなくて人間に不思議な力を持っている人間が居る。

 

 エスパータイプのジムリーダーことナツメは超能力者だった。

 この世界じゃモブトレーナーで超能力者とか言うトンチキなジャンルが居る……後、初代だけだけど祈祷師的なのが居る。

 人の能力の延長線上にある能力じゃなくて、それ以上の不思議な能力を持っている人間は居る……そしてそれらの大半は先天性の様な物だ。

 

「私、昔からなんだ……他の人には感じれないものとか普通の人には見えないものとか出来ない事が出来るって……」

 

 ヒリメオは具体的にはどういう能力かは知らねえが、俺には分からないものが分かる。

 感性とかそういうのじゃないものでありヒリメオは震えていた……その手の物は完全に先天性の世界、人工的に素質を伸ばす事は可能だがその素質そのものを作ることは不可能だ。そして最悪な事にその手の物を独占している奴等が居る。

 

 アルトマーレに隠されているシステムの存在を知っていて隠しているだけで特に何もしていない奴等

 海の皇子であるマナフィ関係の一族ではあるが、それについて色々と独占している奴等

 時空関係を管理しているが実は既にそいつらとは無関係なところでタイムマシンの発明成功とか異世界の存在を感知されているのに特に何もしてねえアホな奴等

 世界が滅亡する隕石の情報を独占している割には大した事をしてねえ流星の民

 

 他にも超常的な力を持っていたりするが色々な理由をつけて独占していたり研究していなかったりする割には自分達だけ行使している変な一族は普通に居る。

 

「最初は神様に愛されてるって言われていたけど……段々と見る目が変わっていって」

 

「……お前が気持ち悪いからで捨てられた云々は知っている。言いたくなけりゃ言わなきゃいい。お前のデータは一応はある程度は頭に入っている」

 

 ゆっくりと自分の口から語ろうとしているヒリメオは何時壊れてもおかしくはない。

 ヒリメオが孤児院に居るのは親が死んだからじゃなくて、親がやりすぎた教育の上で使えないとヒリメオが限界を迎えて捨てられた。

 

 超常的な力は持っていても使いこなせるかどうかに関しては伸ばさなきゃいけねえ。

 ガンダムのパイロットことアムロ・レイもマニュアル見ただけでガンダム動かせてはいるが戦いの中で才能を開花させていきニュータイプに目覚めた。それと同じ理屈で、そういう人間に対して色々としている。

 

「ハナミヤくんは……この力のことどう思うの?」

 

「フハッ……ウザいな」

 

 不思議な力を持っている、それに対して嫌悪しているわけでもそれは君の立派な長所だよと褒めるわけでもない。

 綺麗な言葉を纏めたりしてもヒリメオはそういう所に対しては割と敏感であり、今の自分に欲しい都合の良い言葉と見抜ける。

 

 じゃあ言うことはただ1つだ。嘘も何も無い本音を言ってやる。

 

「そんな力を持ってたら、後で色々と言ってくる奴等が確実に現れる。多分、俺だったら力をロクな使い方はしねえ。そしたらその力を正しく使わないかとか言ってきて正しさの奴隷になる様に勧誘してくる奴等が……俺はそういう奴等をボコったり苦しませるのが大好きだ」

 

 なんの迷いもなく俺は答えた。

 正しさの奴隷をボコボコにしたり苦しませたりするのが大好きだと……なにせ人の不幸は蜜の味だって言うからな。

 

「伝説のポケモン達は大抵は逸話を残していて長生きをしている……だからこういう存在は認められないとか悪人で力を貸したくないとかそういう思想みたいなのを経験を踏まえた上で持ってやがる。クロスや俺はそういうのに対して認められない側の住人だ……さっきあったマツバみてえに認められる様に努力する考えだってある。実際それは間違いじゃねえ。好きな奴に対して振り向いてほしいのであれば努力はするもんだ」

 

 俺の性格がそういう性格なぐらい理解はしている。クチナシさんは即座に俺を見抜いているし、オーキド博士も薄々感づいているがなにかを言ってくるような真似はしてこない。

 クロスはアホだろう。ホウオウに認められたい云々ならばホウオウに認められる要素を作らなきゃならねえ……もっとも、人工的にそうしているから天然なサトシやヒリメオには勝てない可能性が高いが。

 

「だからこそ、俺はそういうのが潰れる姿が見てえんだ」

 

 サトシみたいな頑張れば結果が出るとか夢は叶うとか心を1つにとかの精神論は認めてねえんじゃねえ、単純にウザいんだ。

 クロスみたいな力を求めて開花するのに時間がかかる奴の開花を待つことが出来ずに直ぐに芽を出してくれる新しい力を求めるのは間違いじゃねえから逆に勝ってほしいが、それを手にしても届かない世界を知って挫折する姿は見たい。

 スイクン達の様に長生きをして色々な経験をして、こういう人間こそ正しいとかそういうのを見ている奴等は居る。そういう奴にとって俺は眼中に無い。だからこそ、ボコボコにしてやりてえ。

 

「力を持っているお前は望んだわけでもないし望まれたわけでもねえ……その力に対して存在を秘匿したり独占している馬鹿野郎達がこの世界には多く存在していてお前みたいな力や素質だけな人間に対する救済措置、扱う場所も扱い方を覚える環境も持っている人間にしか分からない話し合いの場所、そういうのは一切無い」

 

「……この力がなんなのか分からないし何度も何度も憎んだことがあったよ……今でもきっと心の何処かで憎んでる」

 

「ならその憎しみは忘れるな……それとその力に対しての答えは俺は持っていたらロクな事に使わねえ。俺は持っていなくて持っている奴と関わる機会があるなら程良い飴と鞭を使った懐柔策に入る。ただそれだけだ」

 

 強い力を持っているのであればそういう存在に対しては懐柔策をとるのが一番だ。

 だがまぁ、誰彼構わず尻尾を振るほどに俺は間抜けな人間じゃねえよ。

 

「お前がその力で苦しんだ事については俺にとっては知らない事だし、それに対して無かった事には出来ない。お前に対して手を出した加害者が反省しても無かった事にもやり直すことも出来ない。ただし、これから先に歩く新しい一歩は何も無い状態から始まる一歩じゃなくて色々と学んだ上での一歩だ」

 

「……そっか」

 

「今の環境は最低か?最高か?」

 

「分かんない……でも、明日が来るのが楽しみになってるよ」

 

「それは他でもないお前が掴み取ったもんだ……で、満足か?」

 

「うん!」

 

 ヒリメオにとってかけてほしい言葉をかけようと思えばもっとかける事は出来たがしなかった。

 その手の力があればロクな事に使わねえし、持っている奴が居るのであれば懐柔策に入るし、それでウザいと思った奴等をボコボコにする。ただそれだけだ。

 

「怖くて怖くて仕方がなかった明日が来るのが楽しみになったのはポケモン達のおかげもあるけど、何よりもハナミヤくんのおかげだよ」

 

「フハッ……懐柔策に入られてるの分かってんのか?」

 

「うん……でも、それがどうしたって感じかな。少なくとも、ここに居るのは貴方のおかげ。他の誰も私には手を伸ばさなかったんだから」

 

 ヒリメオは決してバカじゃないどころか頭がいいのに、なんでまぁそういう選択をするんだろうか……まぁ、害が無いバカは好きだぜ。

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