アルピ交通事務局のアニポケネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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よりによってその名かよ

 

「何者だ?」

 

「身分証明証は確認したんだろ?」

 

 ポケモンセンターでポケモンの回復を終えれば再びトキワジムにやって来た。

 トキワジムでバトルをするんじゃなく、別室に連れてこられた。ここならばサカキの後光が差さず顔がハッキリと見える。

 

 サカキは俺が何者なのかを聞いてくるので身分証明証代わりのポケモン図鑑でデータを確認しているだろうと答えればそういう意味で質問をしているんじゃねえよと言いたげな睨みを効かせる。

 

「フハッ、あんたが想像している者じゃねえよ。この前、ポケモン取扱免許が降りて最初の3体の内から1体を選んでポケモントレーナーとして旅立った。ポケモンGメンや国際警察みたいなややこしい肩書はねえ」

 

 おちょくってもいいが、あまりやりすぎたら理不尽な力を使ってくる。

 

 こっちは既に多くの情報を持っている。腹の探り合いをしなければ出ない情報も幾つか握っているんだから多少は大胆に、腹に一物を抱えているのは分かるものの何を狙っているのかが分からない、そんな絶妙なまでの位置をキープする。

 

「ただのポケモントレーナーと?」

 

「調べてもそうとしか出てこない、あんたが興味を引く面白い要素は皆無だ……」

 

「なるほどな……ならば単刀直入に聞こう、なにが目的だ?」

 

 色々と腹の探り合い云々をしてくるかと思ったが、向こうがなにが目的かを聞いた。

 交渉の席でここをこうしてこうしたいとハッキリと言わせるのは大事だが、それをハッキリと言わせるまでに色々な腹の探り合いをするものだが……サカキから見れば俺は謎だらけ、ヒントもなにも無くて腹の探り合いをしようにもキーワードが無い。

 

 だったら単刀直入に聞く、そこから腹の探り合いを始める。

 

「めんどくせえことは言わねえよ。ロケット団に入れてくれ」

 

「……なに?」

 

 めんどくさいことは言わねえ……俺がこんな目をつけられるような真似をしたのはシンプルにロケット団に入りたいからだ。

 

 サカキにロケット団に入りたいことを言えば、何故だ?と言わ疑問を抱いた。

 それは正規の手順でロケット団に入るんじゃなくて、わざわざこんな回りくどい真似をした理由とかだろう。

 

「ロケット団に入るルートが不確定だからこんな回りくどい真似をしている」

 

 ロケット団に入る正規の手順が分からねえ。

 

 ロケット団の団員をスカウトするスカウトマンが普通に居るがどういう風に会えばいいのかが分からない。手っ取り早い方法はロケット団の表の顔であるロケットコンツェルンを経由して入るがそれが一番手間がかかる。

 

「なにが目的だ?」

 

「質問を質問で返すのは失礼だが……ロケット団は最終的なゴールはなんだ?」

 

「ゴールだと?」

 

「ロケット団以外にもなにかしらの目的を持った団体は存在している。宇宙開発をしているところとかは明確に宇宙に行って色々な事業に手を出している。じゃあ、ロケット団のゴールはなんだ?」

 

「……」

 

 ロケット団の組織としてのゴールについて聞いてみる。

 

 マグマ団とアクア団のゴールはグラードンとカイオーガで大地か海を増やすこと。

 

 ギンガ団のゴールはディアルガやパルキアを用いて新世界の創造

 

 プラズマ団のゴールはポケモンの解放を名目に自分達だけがポケモンを扱える人間となり世界征服

 

 フレア団のゴールは最終兵器を起動してフレア団以外の人類の抹殺

 

 スカル団以降の組織は特に不明、そもそもで悪の組織というジャンルじゃないただのガラの悪いヤンキーどもだ。

 

 サカキはロケット団はなにをゴールとしていると聞かれ、答えに悩んでいる。

 それは答えが無いから答えられないんじゃなくて答えがあってそれに賛同するからロケット団に入りたいんじゃねえのかって考えだ。

 

「世界征服だ」

 

「ポケモンを使った金儲けじゃなくてか?」

 

「それは世界征服活動資金の為にすることだ……なにが言いたい?」

 

「具体的には最終的にどういう風に世界征服をする?」

 

 悪の組織、漫画なんかの創作物では極々普通に存在している。

 

 その時代、その世界の政治を仕切る者達にとって不都合な事を起こす反政府勢力。

 今の世の中は平和過ぎてつまらないから戦乱の世の中を作る戦争推進勢力。

 違法薬物の密輸や密売等の世間一般的に悪行と言われる行いをしている普通の悪人集団。

 そして定番と言えば定番だが具体的に言えばなにを持ってして成し遂げたと言えるのかが不明な世界征服だ。

 

「強力なポケモン達の軍団を従える……勿論、その後の事も考えている。ロケットコンツェルンはその為にある」

 

「あんたはこの星で一番偉い王様になる為に武力を行使する。そして世界一偉い王様になったらその世界の情勢を維持する為の様々な事業に手を出していると?」

 

「当然だ。創作物等で世界征服を企む者は多くいるが世界征服を成し遂げた後のビジョンが無い。その後の社会情勢に関して全くと言って考えていないバカ共が多い」

 

「フハッ、ぐうの音も出ねえ正論だな」

 

 世界を支配するって言っているが、世界を支配する過程よりも支配した後の平和維持の方が難しい。でなきゃ、平安時代に色々な戦争が起きていない。戦国時代と呼ばれる時代が生まれていない。戦国時代の後の江戸時代から幕末までの常軌を逸脱している徳川幕府の時代、アレは恐ろしい。

 

「そういうお前こそ、世界征服に関してはなにを持って成し遂げたと言える?」

 

「2種類ある」

 

「2種類だと?」

 

「ポケモン研究者がしつけえぐらいに言ってくる人間とポケモンは共存している発言、コレは紛れもない事実だが少し認識が違う。共存している時代と離れている時代があり今は離れている時代だ」

 

「……続けろ」

 

「共存している時代は至ってシンプルな時代だ。神話と呼ばれる時代、それこそシンオウ地方がヒスイ地方と呼ばれていた頃の時代……その時代にまで遡ればさっき言った武力による支配からの統治が通じる。強力なポケモンを集めて従えて何処かと戦争を仕掛ける、それが当たり前の様にあった時代だ」

 

「離れている時代、今は?」

 

「共存している時代からポケモンの力を全く頼らない人間独自の技術や文明が発展し、司法等が作られている。そんな時代では下手に司法に喧嘩を売るよりも司法を利用したり内容を書き換える側の住人になる」

 

「理屈は分かるが、それだと世界一偉い王様になるのは不可能だろう?」

 

「ああ、不可能だ……神話の時代ならばポケモンの力による武力による圧政からの統治からの支配されている事を理解すらしていない世界征服は出来る。だが、ポケモンの力を全く借りなくてもある程度はどうにでもなる今の時代だと世界一偉い王様になるのは不可能だ」

 

「私の目的は世界征服だ、そこだけは譲れない……司法やポケモンGメン等の我々の敵に大しては何れはポケモンを用いた武力による戦争を仕掛けるつもりだ」

 

「フハッ、めでてえ頭だな」

 

「なに?」

 

 現代じゃ世界征服は難しい、それをしない方が良いとも考えて意見を述べたがサカキの世界征服の野望は消えない。何処かの段階で司法等とは武力による戦闘を仕掛けるつもりでその為に強力なポケモンを従えていると言うがめでてえ頭をしてやがる。

 

「あんたは頭良いんだろ?だったらこのクソ長い世界の歴史の中でこの世界で最も偉い人間になったと言う人間は居るか?それに近しい人間は居るか?」

 

「成し遂げた人間は居ない。それに近しい人間は何人かは居るが全て途中で失敗している……だが、それは当時の科学技術が足りないせいだ。昔ならばここからアローラ地方までは命懸けの冒険だが今ならば金さえ払えば簡単に行ける。世界のどこでも自由に行ける技術力を手に入れた!」

 

「ホントにそれだけか?」

 

「……なにか別の要素があると?」

 

「決まってんだろ。自分達と敵対する勢力が持っている力があまりにも巨大過ぎた、これ以外に答えは無い……性善説と性悪説は知ってるか?」

 

「生まれた時は善なる心を持ち環境により悪の心を宿す。生まれた時は悪の心を持ち環境により善なる心を宿す、か?」

 

「大まかに言えばそうだ。コレのどちらが正しいかと言われればどっちも正しい、性悪説の奴も居れば性善説の奴も居る……ポケモン達は悪の心よりも善の心を宿している」

 

「……スピアーやギャラドスの様に特になにもしなければ凶暴凶悪なポケモンも逆を言えばなにかをすれば正しく扱えるが……その逆も可能だ」

 

 ったく、めでてえ頭してやがんな。

 

「世間一般的に言われる伝説のポケモン、こいつらの殆どが善なる心を持っている。世界が平和で平穏であって欲しいと願っており、個体によっては人間と会話をする能力を持っていて既に自我を宿している……伝説のポケモンと普通のポケモンの間には大きな力の差がある。それは才能や努力で埋められない種族としての力の差だ」

 

「言っておくが数が少ないが伝説のポケモンは捕獲出来ている」

 

「なら、そいつを使う使い手は?」

 

「それは……」

 

 何体かは伝説のポケモンのゲットに成功していると言ってくれるがそれを使うことが出来るトレーナーが居るかどうか。答えとしては居ない、居るならばもっと有名になっているしサカキが即答出来る。

 

「ポケモンは拳銃と同じで兵器として使える。だが拳銃と違って心を持っている。そして人間が道具を用いないと出来ない様々な超常現象を巻き起こすことが出来る……平和と平穏を望む無駄に強え伝説のポケモンが今の世の中を無茶苦茶にして自分達が偉い人間になるから言うことを聞けって言われて聞く奴はいねえ。そしてその逆、平穏や平和を求めるから力を貸してくれと言えば力を貸すポケモンは多い」

 

「………………ポケモンを用いた武力による戦闘が難しいと?最強のポケモンが居ないと言うのであれば自力で生み出せばいいだけだ」

 

「フハッ……あんた、話聞いてたか?……心を持っていて自分には出来ない超常現象を巻き起こす生物を生み出すことが出来ても完璧に従えれているか?ポケモンである以上は心を宿している。それなのに変な拘束具を付けたり、コミュニケーションを全くと言って取らなかったりしてるか?」

 

 最強のポケモンを生み出せばいいだけだという理論に対して懐柔はちゃんと出来ているのかを聞けばサカキは黙った。

 

「ポケモンと人間じゃポケモンの方が力は上だ、こいつだけは変わりようがねえ事実だ。さっき俺がポケモンの回復に行かせてくれと頼んだ時、道具は手入れを怠れば厄介だと言っていた。なら懐柔は大事だ」

 

「……成る程……確かにそれはそうだ。しかし正義の心を持っていたり平穏を望む伝説のポケモンが多く居て世界征服を拒もうとする以上、最強のポケモンは生み出さないといけない。これは紛れもない事実だ。逆に問おう、どうすれば世界征服が出来る?」

 

「まず、触れちゃいけねえ世界を理解する」

 

「世界を征服するから世界征服だぞ?」

 

「そういう言葉遊びじゃねえよ……この世界には触れてはいけねえ領域がある。ポケモンの中には死後の世界の住人と会合させる事が出来たり、時間を操ったり、空間を操ったりするポケモンは何体か居る。何れは科学技術で干渉する事が出来るようになったとしても、理論や理屈なんかがあまりにも複雑過ぎて干渉すると厄介なのが何個かある。有名どころで言えば時間移動によるタイムパラドックスだ」

 

 時間を操り時間の世界にいるディアルガ、空間を操り空間の世界にいるパルキア、反転世界にいるギラティナ、死後の世界の住人に会わせてくれるカプ・レヒレ。

 他にも異世界のポケモンであるUB、そういう1つ1つを数えていたら厄介で干渉すると厄介なのが幾つか存在している。

 

「オレンジ諸島にアーシア島って島がある。その近くにファイヤー、フリーザー、サンダーが住んでいるがそいつらに下手に干渉すれば生態系が乱れる……じゃなくて自然環境が大幅に荒れる」

 

「……ポケモンの中には技以外にも超常的な力を持っている。その手の力はコントロール等を考えずに干渉そのものをしない、か」

 

「そうだ……タイムマシン辺りも何時かは作れるがタイムパラドックスとかそういうクソややこしい事もある。だから、複雑過ぎたり超常過ぎる物にはなるべく干渉をしない。過去の人間達はそれに干渉して痛い目に遭うか逆にそいつらを利用して悪人を倒したりしていた」

 

 世の中には触れちゃいけねえ世界はある。見るだけで理解するだけで発狂するものだってある。だから、変な事を考えずにそういう物なんだの認識程度で済ませて極力触れないようにする。

 

「触れていい世界を理解したら、その世界の情勢を理解する……神話の時代ならば武力による権力争いが出来たが今はそういう時代じゃねえ。下手に世界一偉い王様になれば反抗勢力が倒しに来る。だから世界一偉い王様になる以外で世界征服を成し遂げねえといけねえ。そうなると様々な業界でトップに君臨する」

 

 仮に世界一偉い王様になったのならば、何処ぞの始皇帝みたいな統治をしないといけねえ。アレは世界征服として成立はしているが、それ以上の発展が見られない。世界が停滞どころかストップしちまってる。

 

「……世界征服をしたという事実を、世界で一番偉い人間という称号を得ずに世界征服をしろか……」

 

「不服か?だが、少なくとも反対勢力は何時の時代にもいる。ロケット団と似たような考えを持った悪の組織がなにかしらのド派手なアクションを起こし、反対勢力に叩きのめされる歴史の繰り返しだ……だから、下手にルールを書き換えたり理不尽に行使するよりルールに則って世界征服をした方が良い。裏であくどい事をするだけでなく表で様々な業種の経済による支配を試みるんだ」

 

 世界征服なんてのは世界征服としてしない方がいいんだよ。

 実はそれが業界の殆どを牛耳る、勿論その業界を牛耳る裏工作は普通にする。違法な行いもする。

 

「その事業の一例はあるか?」

 

「……ああ。ポケモンリーグが無いアローラ地方にポケモンリーグを作りたいって言うアローラ地方を代表するポケモン研究家のククイ博士が居る。アローラにはポケモンリーグが無いからアローラの腕自慢達は外に出るが心の何処かでアローラポケモンリーグを求めている。だったら今の間にククイ博士に賛同し、スポンサーになる……そしてポケモンリーグが生み出す膨大な利益を獲得しポケモンリーグ協会にコネクションを生み出す」

 

 原作じゃエーテル財団がスポンサーを務めていたが、ロケットコンツェルンがしても問題は無い。そしてポケモンリーグは金になる。ガラル地方はそれが分かっていてガラルリーグをショービジネスとして使っている。

 アローラ地方はエーテル財団が牛耳っているも同然だが、アローラポケモンリーグの利権を手に入れてムサコジニャのドーナツ屋をベースにすればアローラに根付く商売が出来る。

 

「イッシュ地方にはポケモンコンテストが無い。だからポケモンコンテストみたいなのをする。カロス地方にはポケモンコンテストに似ているトライポカロンがあるが男が出る事が出来ねえ。ポケモンに関するアミューズメント産業は幾らでも出来る……それにだ」

 

「なんだ?」

 

「世界一偉い王様になれば全てを監視される。成功している人間に見えて成功をすることしか許されない人間になっちまうぞ?」

 

 世界一偉い王様になればそれはもう分刻みでスケジュールがビッシリだろう。

 下手な発言でSNSで炎上することもあるし、命を狙われることも多々ある。常に1つも間違えてはいけず、失敗による経験なんて物は論外。皆が納得出来る正しい成功をすることしか許されない。

 

「勿論、武力による戦いは避けられねえ。ロケット団以外にもポケモンを利用した悪の組織は普通に居る。その為に違法な研究、実験はどうぞご自由にだ」

 

「……意外だな。そういうのを否定する話をしていると感じるが」

 

「フハッ、それこそねえよ。ポケモンは生物だ、生物の研究の中で、その生物に対して薬剤投与をはじめとする実験は極々普通のことだ。そもそもその手の研究で違法と合法は色々と怪しいんだよ」

 

 犬が玉ねぎを食べられない、食べると死ぬとか言われている。

 だから品種改良しまくって犬でも食べることが出来る玉ねぎを作った。成分的に犬が食べても一切問題は無い。じゃあ、それを犬に食べさせよう。それは合法か?違法か?それは誰にも分からない。

 

「世界征服の方法は色々とあるか……それで、お前は何故ロケット団に?」

 

「別にあんたを蹴落としてトップに立つとかめんどうな真似はしねえよ。俺はただ単に世界征服をする為にあんたが行う事業から生み出す物の恩恵を受けてえ。勿論、俺も利益になる事はするさ」

 

 長々と世界征服について色々と言ったが、それそのものに俺は興味は無い。

 世界征服をした後に政治家になってその世界を維持するなんて真似はややこしい。だから、その世界で勝ち組の人間になりたい。

 

「ふん、野心があるのかないのか分からないな」

 

「入ったからには幹部に昇進や支部長への就任を目指して努力するだけが全てじゃねえよ」

 

「お前自身が利益を生み出すと言っているが?」

 

「既に言っただろ?アローラを代表するポケモン研究者であるククイ博士がアローラポケモンリーグを目指している情報を。ククイ博士自身はアローラで信用も信頼もされている人間でスポンサーになればポケモンリーグの利益を手に入れれる」

 

「まさかそれだけか?」

 

「いや、まだ幾つかロケット団の利益になる物には心当たりがある……バトラーという移動式遊園地を率いている奴が居るがコイツはマグマ団と言う組織の一員でマグマ団が求めるグラードンというポケモンのクローンを作ろうとした。失敗に終わって組織を追い出されたがその後にジラーチのタマゴを手に入れた」

 

「ジラーチだと!?3つだけとは言えどんな願いでも叶えるあのポケモンのタマゴを!」

 

「ジラーチの願いを叶える能力に頼るのは止めとけ……例えばお菓子が山のように食べたいと願えば何処かのお菓子をテレポートさせて持ってくる。願いを叶えているように見えて実はそうじゃない」

 

 願いを叶えているように見えて違う、聖杯戦争の聖杯と同じだ。

 願いを叶えるのに必要な膨大なエネルギーを持っているだけで具体的にそのエネルギーを何処にどういう風に流し込むのかは分かってねえ。

 

「バトラー自身はクローン研究に関する知識を持っている、スカウトする価値はあるだろう?」

 

「ふっ、面白そうだ……お前は恩恵を受けたいと言っているが具体的にはなにを?」

 

「1つはスポンサー、純粋に金が欲しい。1つはクローン研究を用いて生まれた伝説のポケモンのクローンだ」

 

「伝説のポケモンのクローンか……それはありなのか?」

 

「生まれた時から正義の心を宿しているポケモンは早々に居ない。ロケット団の中には人間性がしっかりとした上でロケット団をしている奴も居る。そういう奴のところで育成してロケット団の悪行に特に疑問を持たない一般的には正義の心を持つ伝説のポケモンを使役出来る……」

 

 俺はサトシを見た瞬間にコイツは無理だなと分かった。

 最初のポケモンを選ぶ時にあることが頭に過った。そこから考えて、気高い伝説のポケモンとは相性が悪い。サトシみたいないい子ちゃんの人間性じゃないとポケモンに選ばれないって言うなら選ばなくて結構だ。

 

「俺自身はポケモンリーグに出て優勝し広告塔にもなる。ロケット団の様にポケモンを利用して何かをする団体を潰したりそこから使えそうな人材をスカウトしたり色々と出来る……俺をロケット団に入れてくれねえか?」

 

「面白い……実績もなにも無い隊員の単独行動、あまり見過ごせない。ポケモンリーグを優勝すると言ったのならばしてみせろ」

 

「……ロケット団に入れてくれるってことでいいんだな?」

 

「ああ…………しかし、いいのか?」

 

「なにがだよ?」

 

「手加減していたとは言え、この私に勝った。バトルを通してお前にはポケモントレーナーとしての才能は確かにあるのが分かった。それこそロケット団に入らなくても輝かしい未来が待っている」

 

「フハッ、わかってねえな……俺はそういういい子ちゃんが嫌いなんだよ」

 

 異世界転生モノで転生者になる人間は引きこもりだなんだ設定を盛られる。

 その割には大抵は善な心を宿している。自分達が正義の味方かなにかだと勘違いされて祭り上げられて調子に乗っているバカが居る。そういう奴になりたくねえし、そういう奴をボコボコにしたい。

 

「クソガキ……いや、ワルガキ……悪ガキと言うのは合わないな。お前は今日からロケット団の悪童のハナミヤだ」

 

 ……よりによってその名かよ。

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