サトシ達と同じルートだから割と心配だったがサトシ達よりも早くにアサギシティに辿り着いた。
アサギジムが目当てと言えば目当てだが、アサギジムが無事にジム戦をすることが出来るのか?キヨシの事だからそういう細かな気遣いみたいな事はしているとは思うが
「すみませ〜ん」
「は〜い」
ポケモンセンターに寄ってポケモンの回復等を終えた後にアサギジムにやってきた。
アポは取ってねえが今まで巡ったジムもアポ無しのところばかりだからそれはいい……ジムリーダーは居るかと気にはなっていたのだが何事も無く顔を出してきた。
「アサギジムに挑みに来ました〜後、ちょっとポケモンの事で相談があるんですよ」
「チャレンジャーですね。ポケモンは今日は回復中だから相談の方を先に終わらせます……なんの相談ですか?」
「実はこの子をどうやったら進化させる事が出来るかなって」
ヒリメオはそう言うとモンスターボールからクリスタルのイワークを出した。
ジムリーダーであるミカンは固まった……と言うかうっとりした顔になってやがる。鋼とは似ているが異なる水晶で出来ているクリスタルのイワーク、存在感は半端じゃねえ。
「……っは!ごめんなさい。えっと、このポケモンって……イワークですよね?」
「はい……ただ普通のイワークはその名の通り岩ですけどこのイワーク、水晶で出来ているんですよ」
「ちょっと触ってもいいですか!」
「はい」
クリスタルのイワークに意識を奪われていたが現実に戻ったミカンはクリスタルのイワークがイワークなのかを聞いた。
ヒリメオはイワークはイワークだが水晶のイワークであることを伝えればミカンは興奮気味になりイワークに触れる。自分も嘗ては持っていたイワークとは完全に異なる物だと理解する
「触っている質感は違いますけど、イワークですね……コレは確かリージョンフォーム、でしたか」
「はい。オレンジ諸島のイワークです……ただその……どうやったら進化するのかが分からないんです」
「イワァ……」
リージョンフォームについて少しだけ知識があるのかミカンは聞いてくるのでヒリメオは頷いて本題に入る。
金になるからとゲットしたクリスタルのイワーク……闇のルートでそれなりに捌けては居るらしいが問題が1つ、イワークの進化系であるハガネールに進化させる方法が見つかっていない。
イワークはネタにされるほどに貧弱なポケモンだ。
イワークを用いた戦い方もステロやすなあらしの定数ダメージとかいう情けねえ戦い方でクリスタルのイワークになったとしても覚える技は幾つか変わってもそこは変わらねえ。
最初の頃はイワークの売り文句である圧倒的な防御力やその特異性から勝負には勝てていた。
だが最近は順調に勝つことが出来ねえ……イワークの状態じゃ限界が見えている。どうにかしてクリスタルのイワークをクリスタルのハガネールにしなきゃならねえ。
「ハガネールの事ならかなり詳しいと思って……」
「そうですね。普通のイワークがハガネールになるならメタルコートを持たせて通信すればいいですけど……メタルコートなら予備が沢山ありますから試してみますか?」
「ああ、お願いします」
クリスタルのイワークをどうにかしてクリスタルのハガネールにする……水晶と鋼が合わさったからニャイキングみたいにハガネールとは違う別のポケモンになってんじゃねえのかと思うがハガネールと言えばハガネールだろう。
メタルコートは何度か入手の機会があったが無視した……どうせジムリーダーの事だからしこたまメタルコートを持ってんだろう。メタルコートをこの隙にちゃっかりと貰う。色々とお得だ。
「……進化しませんね」
ジム内にあるセルフ通信機を使ったが特にクリスタルのイワークは変化は無かった。
メタルコートを持たせての通信はとっくの昔にロケットコンツェルンの研究職の奴等が手を出している……
「こおりのいし、みずのいし、めざめいし、ひかりのいし……とまぁ、ハガネールになりそうな可能性を持ってる進化の石も一応は試したが無理だった。考えられる事として3つ、クリスタルのイワークはそもそもで進化しない、あくまでも見た目とかがイワークっぽいからイワークと名乗っているだけでイワークとは異なるポケモン……2つ目は進化条件が異なる」
クリスタルのイワークもクリスタルのイワーク的にハガネールに進化しないと危ないと危機感を覚えている。
考えられることは3つ、進化条件が異なるかそもそもで進化しないのか……リージョンフォームのおかげで見つかった進化があるガラルマッスグマがタチフサグマに進化するが原種のマッスグマはなにも進化しない。そうなるとクリスタルのイワークには戦力外通告、ヒリメオが挑むコンテスト中心で育成に舵を切った方がいい。
ハガネールナイトを手に入れても絶対にメガシンカはしないのは確かだろうが、それでもイワークからハガネールに出来ないと後で響く。クリスタルのイワークは原種のイワークと違ってアクアジェットやアイススピナーを覚えるし、エンペルトしかいないみずとはがねの複合タイプで弱点がほのおになる特性だがそれでも強い。普通のイワークとは違う運用方法を考えないといけねえ。
「う〜ん……ねぇ、ハナミヤくん。水晶と鋼って合体するの?」
「別の金属で纏っているみたいな感じなのは作れるが、水晶と鋼の2つの性質を併せ持つ金属は知らねえ。そういうのはRPGに出てくる魔法剣とか杖とかそういうのにしか出ねえ」
ヒリメオはメタルコートを手にしながら色々と考え、水晶と鋼の2つの性質を持った金属はないのか、合体した物はないかを聞いた。
そんなもんは見たことはない。
「水晶と鋼の2つの性質を持っている金属は知りませんが、アレなんかも不思議な金属ですよ」
「アレ?」
「オリハルコンです」
話題がなんか別の方向に反れているがそれでも会話を続けなきゃなにも生まれねえ。
ミカンが他にも不思議な金属はあるとオリハルコンを話題に出すが、オリハルコンは実在していたがその実態はよくわかってねえ金属だ。ファンタジーの世界じゃこの世の何よりも硬い鉱石で最強格の武器になっている。
「もしクリスタルのイワークが進化したら体がオリハルコンで出来ているハガネールになる……なんてことがあれば面白いですよね」
「そもそもでオリハルコンってなんなの?」
「この世で最も硬いと言われている物質です」
「それってダイヤモンドじゃ」
「ダイヤモンドは硬すぎるせいで衝撃に弱いんです。オリハルコンはダイヤモンド以上の硬さを維持して衝撃に強いんです……でも、そもそもでオリハルコンがなんなのかが分かっていませんから」
オリハルコンと言えばファンタジーの武器の最強格の代表する物だがその実態は不明。
魔法みたいな神秘的な力に対してもそれなりに効果を発揮する……金剛の如く硬いが加工する事が出来ず金属だから金剛鉄と書いてオリハルコンと読むこともある。
「あ、メタルコートってこんな感じなんだ」
オリハルコンを話題に出していればヒリメオがメタルコートの蓋を開けた。
メタルコートは……一言で言えば塗装剤だ。鋼っぽく見える塗装剤……流石に素手で触る事は止めておけよとヒリメオに一応の注意はしているとクリスタルのイワークは顔を覗かせる。自分が普通のイワークならばとっくにメタルコートでハガネールに進化していると
「…………よし!決めた!」
「あ?」
「このままじゃクリスタルのイワークが可哀想だから、メタルコートを塗ってあげるよ」
「えぇ!?……メタルコートは持たせる物で塗るものじゃないのですが」
「形だけでもハガネールにならないと」
ヒリメオはジッとクリスタルのイワークとメタルコートを眺めた後にメタルコートをハガネールに塗ると決めた。
このままクリスタルのイワークは一生クリスタルのイワークとして過ごせと言われても寝覚めが悪い。形だけでもいいからクリスタルのイワークに鋼を纏わせよう。例え後でメタルコートが落とされたとしても形だけでもハガネールになれたらそりゃ嬉しい……ただ
「すみません、何個も使って」
「大丈夫です。かなりあるんで」
イワークは細長いからメタルコートを無駄に使う。
ヒリメオは入念に塗り残しが無いようにクリスタルのイワークにメタルコートを使うがその巨体からかメタルコートを8個ほど消費し……反応があった。
「フハッ……そう来るか」
ヒリメオがメタルコートが濡れる範囲全てを塗ればクリスタルのイワークが輝いた。
メタルコートの反射じゃなく、進化の光……クリスタルのイワークの進化条件はメタルコートを持たせるんじゃなくてメタルコートを使うか?
「ネェル!」
「あ……なんだコイツは?」
クリスタルのイワークはハガネールに進化した。
当然といえば当然だがこの俺の知っているハガネールとは異なる……ハガネールはその名の通り鋼だが、元がクリスタルのイワークだからか見たことが無い色のハガネールになっている。確か色違いのハガネールは金色だったが、進化したハガネールは金色じゃねえ。
水晶っぽいが水晶じゃねえ。
透き通ってねえが、水色っぽい感じで……
「ハガネールに進化出来たけど……なんだろ、はがねタイプなの?」
「ネール?」
ヒリメオもクリスタルのイワークがハガネールに進化した事は喜んでいるが、はがねタイプかどうかを疑う。
ハガネール自身も自分がハガネールにはなっているのは分かるが通常とは異なる形のハガネールであることは自覚しているのかリアクションに困っている。
「思い切って削ってみましょう、身体がなにで出来ているハガネールか分かるはずです!」
「だそうだが、問題はねえか?」
ヤスリを取り出したミカンはハガネールを削る事を提案した。
ハガネールもこのままだと寝覚めが悪いので是非ともしてくれと頼んできたからハガネールをヤスリで磨いて削り、出た粉末がなんなのかの確認をする……その結果、分かった事はハガネールは新種の金属で出来ている事だった。
理論上存在しているとかそんな感じの金属で水晶と鋼の2つの性質を併せ持っている。
ハガネールはダイヤモンド以上に硬いとも言われている。そのハガネールの皮膚である鋼が水晶と似ている……まるでファンタジーなRPGに出てくる定番の素材、ミスリルもしくはオリハルコン。
「クリスタルが進化したらオリハルコンとかマジかよ……」
取りあえずはサカキに報告書を送る。
クリスタルのイワークの進化条件はメタルコートを持たせるんじゃなくて使うこと、クリスタルのイワークが進化したらハガネールにはなるが通常のハガネールじゃねえこと。ハガネールから採取した成分を確認すればダイヤモンド並みの硬さを持っていて熱に弱いが衝撃に強い、まるでオリハルコンの様だと。
ハガネールもイワーク同様に蛇ポケモンの一種だから脱皮をする。
それを研究素材に回せば、恐らくは文字通り新種の金属として金になる……ロケットコンツェルンが更に経済的に豊かになる。クリスタルのイワークは既にヒリメオのものだから売り上げの数%はヒリメオの懐に入るようにしておく。
結果として返ってきたのはクリスタルのイワークはメタルコートを塗りまくればハガネールになるのとハガネールは新種の金属で出来ていたこと。ダイヤモンド以上の硬さを持っていながら衝撃に強く加工もしやすい、このハガネールをなにで出来ているハガネールにするかと聞かれたのでオリハルコンでいいんじゃね?と適当に返せばあっさりと承諾……クリスタルのイワークが進化すればオリハルコンのハガネールになった。
「やったねハガネール」
「ネール!」
ウツギ博士は研究したいとか言ってるが、ガン無視するヒリメオ。
どうせ何時かはハガネールを送らなきゃならねえが、今はとにかくクリスタルのイワークがオリハルコンのハガネールに進化した事を喜んでいる
「……マグ……」
その横でマグマラシがあまり喜んじゃいねえ。
嫉妬の視線じゃなく、自分自身が不甲斐ない事に落ち込んでいる……マグマラシはまだバクフーンになる可能性を持っているから落ち込んでいる理由にはならねえが、こうも目に見える進化をしたハガネールがいりゃ嫌でも落ち込むか。技に関しては順調に覚えていっているから問題らしい問題はねえんだがな。