●月▽日 タマゴにも意識はある
ラプラスのタマゴをゲットして数ヶ月ぐらい経過したが生まれていない。
タマゴの第一人者であるウツギ博士に聞いてみたら色々と刺激を与えるのがいいらしい。
タマゴの中に入っている頃から既に意識がある系のポケモンはそれなりにいるから色々なことを経験させたりしたら良いとか。
一応は重りを付けてタマゴが入ったケースを持ってランニングしたりしている。
Zワザのポーズに関して学んでいる……俺がゲットしたのはホノオZ、クサZ、ドラゴンZ、アクZ……この4つのワザのポーズを取らないといけない。
シライシ達はその辺のポーズをしっかりと覚えている。
Zワザは全部で30個ぐらいある。専用のZワザはともかく18のポーズを即座に出せるようになっておかないと……ポーズを取るのに気を取られてやらかしそうだな……取り敢えず、ホノオZ、ドラゴンZ、クサZ、アクZのポーズは会得した。
テニスをやるのと勉強する以外に出来ることは無い。
なにかしらの刺激が必要ならばと思いきってタマゴに向かって会話をしてみた。
「お前はラプラスだろう、ラプラスが優秀なポケモンなのは俺は重々承知している。俺と一緒にポケモンバトルの頂点を目指そう」
もしかするとラプラスはポケモンバトルをするのが嫌な個体なのかもしれない。
それならば無理に本気でポケモンバトルの頂点を目指すことを強要していいものなのかと考えているとタマゴがポワァッと光る。
コレはとオーキド博士に見せに行けばタマゴの中にいるポケモンは既に意識を持っている。
数ヶ月間もタマゴのままならばタマゴはしっかりと意識を持っている。おそらくはラプラスは孵化する事に関して思うところがある。
そういえばラプラスがポンポンと増えすぎているからこのラプラスのタマゴを手に入れた。
人間のエゴで増やしすぎた結果大変な目に遭っていてラプラスのポケモンライドを貸している業者も扱いに困っていた。
ラプラスは自分は居てはならない存在なのかと思っているんじゃないんだろうか。俺はラプラスを欲している。ラプラスは優秀だ。
タマゴが光ったのならば数日の間に生まれるとオーキド博士が言った。
オーキド博士の言葉ならば信頼できる……テニスの練習やポケモンバトルの勉強を置いてラプラスのタマゴに付きっきりになった。
●月◇日 タマゴが孵った
早く孵化しないかなと思っているがオーキド博士は「命はそんなに簡単に生まれるものではない」と言ってくる。
現実世界では色違いの理想個体のポケモンを作り出す為に100体以上のイーブイを生み出しているぞ。
複数人で100体じゃないぞ、1人で100体以上のイーブイを生み出して理想個体以外を逃がしている……アレを現実でしたのならば今頃はイーブイはポッポぐらいにはメジャーなポケモンになってるんじゃないかと思った俺は末期かもしれない。
ラプラスのタマゴが光る。昨日から立て続けに光っているが今までで1番光っている。
コレは来るんじゃないかと思えばラプラスは孵化した……が、なんか小さかった。アローラ地方で乗ったラプラスの半分以下の大きさだった。まぁ、ポケモンの赤ちゃんだから当然と言えば当然だが問題はそこじゃない……ラプラスは色違いのラプラスだった。
「おぉ!色違いのラプラス!どれ、ちょっと皮膚を」とオーキド博士が触れようとすればオーキド博士は【れいとうビーム】で凍らされた。ラプラスは恐る恐るこちらを見てくる。俺もラプラスを見てくる。生まれてきてくれたのは嬉しいがまさかの色違いのラプラスか。
互いに顔を見つめ合う。このままでは埒が明かないのでこちらから歩み寄ろうと決める。
一歩歩み寄ればラプラスはビクッとする。しかしオーキド博士の時と違って【れいとうビーム】等の攻撃系の技を使ってこない。
「はじめまして、俺はテヅカ・クニミツ……お前のトレーナーになる男だ」と自己紹介をする。軽い自己紹介をしたらラプラスもペコリと頭を下げてきた。
「俺は本気で最強を目指す。だから一緒に上を目指さないか?」と聞けばラプラスは嬉しそうにした。しかし直ぐに困惑していた。
いったいなにを思っているのか、アローラ地方でコレ以上のラプラスは不要と言われたのか?と思ったが少なくとも俺はお前を必要としていることを言えば嬉しそうにする。しかし引け目を感じる。なにがあるのかと思えばオーキド博士が用意してくれていたラプラスに関する本のラプラスの表紙を口で指した。
どうやらラプラスは自分が色違いのラプラスであることを気にしているらしい。
色違いのラプラスと言えば非常に珍しい、レア度で言えば五つ星だろうが周りから浮いているという。
色違いはホントに稀少である。最近のゲームだと捕まえやすくなっているがそれでも稀少である。
オーキド博士が送り出したトレーナーの中に、現時点で預かっているポケモンの中に色違いは居ない。ポケモンを預かって研究しているポケモン博士の中でも色違いのポケモンを持っているのはホントに数える程度らしい。
オーキド博士も何故に色が違うのか分かっていない。
アルビノみたいな色素が無い感じなのかもしれないし、通常色の個体より優れた個体なのかもしれない……確か第2世代の色違いは個体値が固定されていたな。
とにかく色々と気になるから研究したいと言う。
「ラプラスは自分が色違いである事を気にしています。ラプラス、それは嫌だと思えば遠慮なく行動で示せ」とオーキド博士に攻撃の許可を与えた。
通常のラプラスよりも小さいが、それはどうなのか?と聞けば子供だからここから図鑑に記載されているサイズのラプラスに成長するらしい。
●月◎日 アトベからの招待状
アトベから誕生日だからプレゼントを寄越せと誕生日パーティーの招待状がメールで送られてきた。
プレゼントを寄越せって堂々と言うのは色々と強欲だな……お前は金で手に入れることが出来る物は大体はどうにかなるだろう。
前世が私立の学校は学費が高いから受験そのものをさせてくれないレベルの家だから金を使うことに関して罪悪感があるのだろうか?
俺もアルバイトを始めた初任給、取り敢えず携帯代は自分で払えと言われた。
仕方ないなと受け入れて……初任給でグラム数千円のガチの高いA4ランクのステーキ肉を食った。アレは普通に美味かった。
どうも中の人の年齢で言えば俺、シライシ、ユキムラ、アトベの順番で大人らしい。
ユキムラは個人経営店の洋食屋とか喫茶店に1人で入ることが出来ない、外食になると大手のチェーン店しか無理な今時な奴だ。
シライシはお金を使うことに対して罪悪感を抱くタイプで贅沢のやり方が分からない。
ブランド牛を取り扱っているところとか百貨店の地下にある食料品売り場の料理とか高すぎて買えないらしい。買う金はあるが、それを買っていいのかと言う罪悪感が伸し掛かってくるらしい。
アトベは……跡部景吾になろうとしてる感じだとは思うが根っこの庶民の部分が残っているところがあるな。
金の正しい使い方や貯蓄に関してはしっかりと出来るタイプ、散財する時はエグいぐらいに散財する……減るより増える方が多いみたいだ。
取り敢えずは招待は受けると言えば、直ぐに迎えを寄越すからと言ってくれた。
おい、こっちはまだなんにも準備することが出来ていないぞ。要求してきた誕生日プレゼントが簡単なものだからいいけれども。
●月▲日
アトベの誕生日パーティーが行われた。
如何にもな上流階級の人間が如何にもな格好で居るので胃に穴が空きそうになる。
シライシとユキムラも来てくれたので2人を見れば落ち着く。シライシとユキムラは誕生日プレゼントとかなんかあるのか?と聞けば要求されていないらしい。おい、俺だけか。
如何にもな格好をしている奴等が居る中で主役の登場だと彼女のマリーと一緒にアトベが現れた。
アトベ様だ!となっている……自力で跡部景吾のカリスマを手に入れたのは凄まじい。
「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。オレが生まれた事を祝ってくれて感謝の言葉が出し切れないです」
「ここならばオレ様の誕生日、とか言いそうなのが跡部景吾だよね」と綺麗に纏めているアトベを見てユキムラは言った。
そういう事は言ってやるな……この、超が付いているセレブの世界の上澄みの上澄みに居るのだから精神的な疲弊は半端無いだろう。
取り敢えず挨拶をしているなと思っていると、アトベが服を脱いだ。
アニメとか漫画とかでよくある服を脱いだら中にユニフォームがあるというアレをアトベは何時の間にか会得していたらしい。
「さぁ、勝負だ、テヅカ!」とアトベはラケットを向けてきた。
アトベはなんか知らないが誕生日プレゼントに俺とテニス勝負をする、勝っても負けても特に無い、しかし俺が気を遣って八百長はするなと言う……何故に?と思ったが取り敢えず試合をする。
肉体は完成されていないので手塚ゾーンと零式ドロップで頑張る。
しかしアトベの奴は「見つけたぜ!手塚ゾーン破り!」と言った。利き手を交代する
「成る程。手塚ゾーンはテヅカの元にボールを引き寄せる。本来ならばアウトになる範囲までボールを出して手塚ゾーンで引き寄せるけど引き寄せれる距離にも限界がある。2mぐらいだから1mぐらい引き離したアウトになるボールならば手塚ゾーンを破れる」
とユキムラが納得していた。
手塚ゾーンで引き寄せるのならば手塚ゾーンで引き寄せられない距離にまで飛ばす、割とシンプルな答えだがボールが手塚ゾーンかどうか見抜く眼力を持ってないと成立しない。凄まじい眼力だ……そして手塚ゾーンが破られたのならば、細々とした事を考えないようにする。接待でもなんでもない普通のテニスをしようと天衣無縫の極みを発動する。
「そいつを待っていたんだ……色々と試してみたがな、どうやらオレはそいつは無理みたいだ」
愛しさの天衣無縫の極み状態の俺と勝負するが勝負にならない。
天衣無縫の極みは基礎的なスペックが全て向上しメンタル的なのも問題を無くす。しかし長時間に発動するのは難しい。流石の俺もぶっ通しでは1セットしか天衣無縫の極みを発動出来ない。5セットフルに天衣無縫の極みは発動出来ない。
アトベは分かっていた、家柄はともかく基本的な性能とかスペックで自分が1番劣っているのを。
跡部景吾みたいな感じになろうとしているが、それでも時々自分が出ている。だから人よりも努力しないといけない。
自分自身の基礎的なスペックを爆上げするだけでなく見る者を萎縮させて弱体化させる天衣無縫の極み、今のところコレを発動する事が出来るのは俺だけだ。ユキムラは零感のテニスを目指している。シライシは聖書テニスを目指している。天衣無縫の極みが出来ない。
ユキムラとシライシのテニスの攻略方法は自分を鍛えればなんとかなるが、俺の天衣無縫の極みだけはどうしても萎縮する。
だからそれを突破したい。天衣無縫の極み状態は基礎的なスペックの爆上げよりもその輝きに対して物凄く萎縮してしまう。だからそれに負けない圧倒的な強靭なメンタルを求める。天衣無縫の極みで試合をし、マッチポイントまで追い詰めたがアトベはそこから粘り1ゲームを奪った。天衣無縫の極みの俺とのラリー、ポイントを1つ取るのに十数分、40−40からのシーソーゲームで1ゲームを奪うのに1時間ぐらいかかってそこから天衣無縫の極みとラリーは短い時間だけとは言え出来る、天衣無縫の極みが放つ光に萎縮されない強靭なメンタルを手に入れた。ポケモンバトルもテニヌもメンタルスポーツだから強靭なメンタルは大事だ。
「天衣無縫の極み……掴めそうだぜ、その背中を」とアトベは嬉しそうにしていた。
天衣無縫の極みにさえなっておけば勝てるほどにテニヌは甘くはない、あくまでも基礎的なスペックの底上げと相手を萎縮させ弱体化させるだけ……いや、強すぎるだろうと思ったが気にしてはいけない。
アトベは満足そうにしていた、していたのだが……なんかこう、空気を読めやな空気が出ていた。
アトベの誕生日なのだからアトベに接戦をした末に気持ち良く勝たせる上手い具合な接待な試合をしろよな空気が流れていた。
アトベの彼女のマリーも「貴方、花を持たせるって考えがないのかしら?」と言ってくる。流石にそれはと思ったがアトベが「コイツはオレが望んだ事だ!天衣無縫の極み、コイツを破れねえと永遠とテヅカには勝てねえ!」と言い切った。じゃあ、勝たせてやれよと言う感じの声が聞こえたのでアトベがキレて退場させた。大丈夫か?後々仕事関係で揉めないか?と聞けばオレに群がる奴等らしいから居なくなっても問題は無いとのこと。
アトベに群がる奴が居なくなった……思った以上に居なくなった……のだが1人の女の子が俺に声をかけてきた。
アトベに勝たせろとか花を持たせてやれとかではなくさっき使っていた天衣無縫の極みは
テニヌプレイヤーならば天衣無縫の極みに辿り着くのにどうしてと思っていれば女の子は自分が霊能力者だと教えてくれる。
霊能力者と天衣無縫の極みがどういう風に繋がるのかと聞けば、そもそもでテニスが宗教儀式みたいなところがあるらしく今みたいにルールがしっかりと整備されたスポーツのテニスでなくボールを道具で打ち返したりラリーしたりする儀式がありそこに天衣無縫の極み、矜持の光について載っていた。生で見るのははじめてなので結構な興奮気味に聞いてくるので、その競技に対して心から楽しむ愛しさの輝き、強さの原点を極め儚さを知った切なさの輝き、己の強さと弱さを知った心強さの輝きの3つがある。俺が出来るのは愛しさと心強さの輝きだけで愛しさはスイッチの様にON/OFF出来るが心強さの輝きは使おうと思ってポンポンと使えない。
同格かそれ以上の相手じゃないと天衣無縫の極みは使えない、格下が相手だと天衣無縫の極み無しで勝てるからそもそもで使う理由が無い。
女の子は天衣無縫の極み以外、百錬自得の極みや才気煥発の極みも出来るか聞くので出来ると答える。
とは言え百錬自得の極みは手塚ゾーンが無いと扱えない。才気煥発の極みも同格か格下で格上過ぎていたら発動しない。
なんだかんだで天衣無縫の極みが強いのだなと実感する。後、テニヌ以外に使い道が無い。
女の子は興奮して色々と聞いてくる、しかし直ぐに頭が冷静になってきた。
興奮して色々とおかしな事を聞いてごめんなさいと謝るが知りたいことを知れればそれはそれで構わない。
女の子の名前はカレン……親が霊能力者で自分も霊感とかその手の知識があるらしい。
霊能力者なんて胡散臭いな、と現実の世界ならば思うだろう。だがこの世界はポケモンと言う超常的な力を持っている生物が当たり前のように存在しており中には神様として扱われているポケモンも居る。超能力者の知り合いも普通に居る。
なんだったら俺達は閻魔大王に転生させられている。ならばそういう存在に対しておかしいだろうと否定するのでなく、すんなりと受け入れることが出来る。
因みにだが手から波ァ!は出来るのか?と聞いてみる。
霊能力者と聞けばそこが気になるが、それは修行不足で出来ないらしい。と言うかそれって結構高難易度な技術で、普通はお札とかの道具で無理矢理撤退させる感じであり、カレンはお経とかを唱えて成仏させるタイプの霊能力者ではないらしい。後、地方とか宗派とか取り憑いてる霊のジャンルによっては祓えないらしい。五行思想とか四大元素とかの概念が異なるらしいから効かないとかあるらしい。オカルトって西洋と東洋で色々と異なるからな……魔法、魔術、呪術、陰陽術、占星術、オーラ……ジャンル分けしたらキリが無い。
じゃあ、逆に聞くけどもなにが出来るのかと聞けば千里眼と念写が出来るらしい。
おぉ、それはスゴい能力だなと言えば少しだけ落ち込んでいる。未来や過去を見通す千里眼でなく今を見通す千里眼とここではない何処かの現在を映し出す念写……未来予知とか過去を読み取るとかが出来ないらしい……それが出来るのはグランドキャスターじゃないかと思った。後、出来るのはパワーストーンに霊力を込めたりタロットカードで占ったりとか波動探知とか……普通にスゲえ。
俺も会得する事が出来るかと聞けば先天性の物と後天性の物があると言われた。
先天性の物については家系の血筋の才能云々で完全に才能の世界、後天性の物は過酷な環境の中で魂や第六感が鍛えられて目覚める。
カレンは先天性の物、千里眼、占い、念写の3つは出来る。しかし後天性の物はなにも無い。まぁ、後天性の物は環境が地獄じゃないと無理っぽいからな。
ついでだからとオーラを見てもらおうとする。
ホントならば金を取るところだがアトベの友達だし、さっきの人達と違って失礼な事はしたくないので全員見るが……固まっている。
え、なに?どういうこと?なんかよくない不吉なのを見てしまったのか?
この世界はそういうファンタジーなのはホントにある世界だから嫌でも信じてしまうぞと思っていれば「ありえないわ」と言った。
ありえないってなにがありえないか、オーラ的なのを見てその人の凄さとかそういうのがなんとなく分かるらしいが俺、アトベ、ユキムラ、シライシのオーラが現段階でありえないと、親の仕事を見て育っているのでこの人はスゴい人とかオーラを纏っているとか見たことがあるらしいが、俺達はそれ等と現時点で同格らしい。
大企業の社長とかなにかのスポーツのスター選手とかそういうのも最初はオーラは小さい。
様々な人生経験を積み上げることで人間性が成長していくもので完成されたオーラを纏っているが俺達は既にそれ等と同格……中身は既に成人していて転生という不思議な体験をしているから当然と言えば当然だろうと思ったが、そこまでなのか?
ユキムラが「98%の努力と1%の才能と1%の神秘的な体験をしていれば嫌でも強くなるよ」とのことだ……なんだそれは。
俺達はまだなにも成し遂げていない、カレンがここから成長していくの?とありえないものを見る目で見ている。
まぁ、なにはともあれ面白い人に会えた。この世界では現実よりも心霊現象が結構な回数起きる。科学的に解析したらポケモンが関係していたというオチが多いがそれでも心霊現象が普通にある。
呪術廻戦とかFateとか見ていたから分かるんだ、この手の事はちゃんとした力を持っている専門家とかに任せておかなければ、自分だけで処理をしていたのならば確実に痛い目に遭うと。
ともかくアトベの誕生日パーティーは楽しかった。カレンと連絡先を交換しておいた。
カレンは来年にポケモンを貰って旅立つ、世界中の神秘に触れ合ったりして霊能力者としての腕を鍛え上げていくらしい。頑張れ