…さて下手好き、言い訳を聞こう。なぜおまえは投稿が遅れた?
( ᐕ)違うんです!これはインフルの母さんの代わりに家事を代行していたからで!
では、なぜ『まのげき』に現を抜かしていた?その時間で執筆すればよかったものを。
( ᐕ)ぐわぁぁぁぁぁぁ!(クリティカルヒット)
…ということです(?)
片腕で許してください。
「えーと、実は私…。皆さんと同じように魔法使えるんでした。魔法かは分からないけど。」
突然中庭に現れたという記憶喪失の少女、工桐セナが発したその言葉によって、エマたちの中で動揺が広がった。
目の前で自分のことを「一般少女」と称していた彼女は、当然質問攻めに遭っている。性質は?いつから使えるのか?
「あ、あうあうあう…。」
セナは質問の嵐に頭が追い付いていないようだった。
セナを中心として、囲いがどんどん狭まって塊のようになっていた。
「ね、ねえ!みんなちょっと待ってよ。質問は一人ずつしたほうがいいんじゃないかな。セナちゃんが処理しきれてないよ…。」
「どんな魔法が使えるんですか?わくわくします~!」
「やっぱり、あなた普通の人間じゃなかったようね。隠していたし、やっぱり黒幕かしら?」
「み、みんな~、セナちゃん困ってるよ。一旦解放してあげたほうがおじさん良いとおもごがが…。」
「は、放せレイア!そしてノアもひっつくんじゃない!」
「いきなり集まって何だ?よくわからんが私も混ぜろよ。」
「待ちなさい、魔理沙。よくわかってないのに問題に介入しないの。余計に面倒なことになるわ。」
「さっすが、相手の素性を全く理解してなかったのに黒幕と断定して退治一歩手前まで行った、泣く子も黙るヤンキー巫女さんの説得力は違うねぇ。」
「あんまり言うとその口を縫い合わすわよ?」
「…駄目だこりゃ。」
エマの声は通らず、ココは自分の魔法がどうなっているか確かめており、アリサは我関せず、マーゴは面白そうに眺めながらハンナを何やらからかっているようだ。
頼りのヒロはレイアとノアに引きずり込まれて人の塊に巻き込まれていた。
(…!そうだ、アンアンちゃんの魔法なら!!)
ふと、エマは閃いた。彼女の魔法『洗脳』であれば、みんなを一度質問攻めするのを止めることができるだろう。
――誤算があったとすれば。
(あれっ!?アンアンちゃんどこ行っちゃったの!?)
肝心のアンアンが見当たらないことだ。
エマが人の塊を凝視すると…。
「『エマ…。』」
よく見ると、アンアンのスケッチブックらしき物が見えた。どうやらそのあたりにアンアンが、人と人の間に挟まっているようだった。だんだんと狭まっていく人の塊に身動きが取れていないようだ。
「アンアンちゃん!大丈夫!?」
「『く、苦しい…。我が生涯に…一片の悔い、無し…。』」
(あ、大丈夫そう。)
ふざけられているのは余裕がある証拠だ、とエマは判断した。でも、あの状況だと声を上げるのは難しそうである。何とかして、セナを救出しなくちゃ…、
「お困りのようね?」
「う、うわあっ!?」ドガッ
「いだっ!?」
俯きながら思案していたエマの目下の地面が突然裂け、中から先ほど紫と名乗っていた女性が姿を現した。それに驚いたエマは反射的に右足で頭部付近を蹴ってしまった。
「ご、ごめんなさい!怪我はないですか…?」
「良いのよ、ちょっといたずらしようとした私に非があるからね。それに、妖怪は頑丈だから。」
「よ、妖怪…?」
「あぁ、そのことは後で話すわ。それよりエマちゃん、あなた何を考えていたの?」
「セナちゃんが今質問攻めになってるでしょ?物理的にも攻められてるし…何とかして救出する方法無いかなって。」
「あら?あれは彼女が望んでやってるのよ?ま、でもこのままじゃ話が進まないのも事実だし、ちょっと待っててね。」
(え?セナちゃんが望んで…?それってどういう…。)
「…ぁぁぁぁあああっ!ぐへっ。痛っ!」
「うわっ!?」
「はい救出完了。」
エマが尋ねようと口を開こうとしたとき、またもや突然なことに空からセナが降ってきた。
「ちょっとー紫さん?さっきもだけど、女の子は大切に扱ってよねー。もう少し低いとこから降ろすとかさー。」
「まあまあ良いじゃない。そんなことより、どうしてあなたが自ら襲われている状況を作り出したか気になるのだけれど?」
「…どういうことだ?」
いつの間にかこちらに戻ってきていたヒロが口を挟む。
「…紫さんにはばれてたかー。ま、何とか郷の賢者相手だし、仕方ないね。」
セナはバツが悪そうに頭を掻いた。
「詳しく説明したまえ。答えによっては、ナノカくんに君の処遇を任せる。」
「…。」
「やめて!銃を向けないで!銃刀法違反だからそれ!教えはどうなってんだ教えは!?お前ら*1、禁じられた機械を平気で使ってんだぞ分かってんのか!?…いやすいません調子乗りました。能力については聞かれるだろうと思ったし…実際に体験した方がいいかなって。」
「でー、結局セナっちの、魔法は何なのさ。」
「私の魔法は、『設計』とでも言えばいいのかな。簡単に言うと、物を自分が思い描いたように組み上げることができるの。」
「我々にも作用したということは…生物相手にも使えるのか!?」
レイアの焦りを含んだ声に、エマも危機感を覚えていた。
つまりそれは人や物を自在に操る、アンアンの『洗脳』よりも強制力のある魔法のように思えたからだ。
しかし、当のセナは否定するようにかぶりを振った。
「そんな万能な能力じゃない。私の魔法があなたたちに効いたのは、私に対してとろうとした行動と、私の組み上げの完成形が同じだった…つまり、同じことを考えていたから。その者の意志と異なる設計は抵抗されて無効化されてしまう。基本的にはただの物にしか効かなくて、スケールがでかいことはできない、範囲は大体私を中心として半径3mくらい、分解もできる。それが私の魔法。」
「随分とややこしい魔法ですわね…、理解するのが面倒ですわ…。」
「自分でもそう思うよ、だからあんまり使わないようにしてる。まだ理解できてないとこもあるかもだから。私の、体験してもらったほうが理解しやすいっての、ご理解いただけたかい?」
「な、ナノカちゃん…、もう良いんじゃないかな、一度疑いの念を抑えても。」
「…まあ、そうね。一先ずこの場で処理するのは勘弁しておいてあげるわ。」
「ふぅ…ありがと。」
ナノカが銃を下したのを見て、セナは心の底からホッとしたようだった。
「それでは、八雲紫と言ったな。ここはどこなのか、何が起こっているのか、詳しく説明してもらおうか。」
「そうね、話も纏まったみたいだし。みんな、よく聞いてね?霊夢、魔理沙、あなたたちも手伝いなさい。」
紫は少女たちの関心を集めると、再び話し始めた。
「まず、あなたたちがいる場所は失われしものたちが集まる楽園、『幻想郷』ですわ。外の世界で忘れられたもの、存在を否定されたものが流れ着く。」
「外の世界…?ここは現世とは違う異世界ってことかよ。」
「そうとも言えるし、そうではないとも言えるわね。」
「それって、つまりどういうことなの?ボクたちは元の場所に帰れるの?」
思い切ってエマは核心について尋ねた。この問題が解決されるのか否か、それがエマ達にとって最も大事なことで――
「…結論から言うわ。今のままだと、あなたたちは『絶対に』帰ることはできない。」
叩きつけられた現実は、非情なものだった。
視点が変わるときはあらすじが無いかあるかで判断してくだされ。