仮面ライダージェム   作:黒井福

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第5石:未だ磨き足りず

 予告状が出されたと言う事で、街はジェムの話題で軽く湧いていた。これが殺害予告の類であったのであれば街にはピリピリとした雰囲気が漂うのであろうが、幸か不幸かジェムはこれまで意図的に人を傷付けた事はない。飽く迄も目的である宝石の身を狙い、その妨害を退ける為の抵抗の過程で警察関係者などを傷付けただけだ。しかもその傷も、別に命に関わったり後遺症が残るレベルのものではない。

 こうなると人々の間にもジェムに対しては、恐怖よりも好奇の視線の方が集中した。予告状は飽く迄警察と目的の関係者だけに出されていたが、この手の話題は何処からか必ず漏れるものであり、街には次のジェムの目的が街の北のホテルで行われるオークションである事が周知の事実として知れ渡った。

 

 こうなるとホテル側もイベントの開催に関して議論せざるを得なくなる。行われるオークションが狙われていると分かっているのに敢行するのは、ホテルの警備面を考えるとリスクが大きい。もしこのまま敢行してジェムに良いように翻弄されたら、最悪ホテルの評価が落ちる事にも繋がる。そうなれば他のホテルに客を取られて、存続すら危ぶまれる事が予想された。

 

 しかし開催は飽く迄ホテル側の意思ではなく、イベントホールを貸し切った主催者の都合によるもの。そして今回の主催者は、話題が集まった事を逆に利用するつもりなのかそれともコソ泥1人相手に引き下がる事をプライドが許さなかったのか、ホテルと警察の進言を無視してオークションを敢行する姿勢を崩さなかった。

 無論主催者側も無策で警備を警察だけに頼るつもりがある訳ではないらしく、自分達でも警護を雇いイベントを無事に成功させ、更にはジェムを退けるなり捕えるなりして自分達の株を上げようと画策していた。

 

…………と言うような情報を、晶はジェーンから聞かされ思わず肩を竦めた。

 

「予想はしてたけど、引き下がる気はないみたいね。ま、こっちとしてはその方がありがたいけれど」

「これでオークションを止められたら~、盗み出すのがまた大変になるからね~」

 

 晶が犯行前に予告状を出すのは、伊達や酔狂から来るものではなく一応ちゃんとした理由があっての事であった。理由は幾つかあるが、大きなものでは敢えて予告状を出す事で持ち主や関係者を焚き付ける事だ。パワージュエルの持ち主の多くはその影響を受けて性格が過激性を増す。そんな精神状態の者にとって、自身の精神的な拠り所でもある宝石=パワージュエルを明確に狙う存在が居ると告げれば、多くの者は逃げるよりも何とかして排除しようと動く。結果パワージュエルは逃げられる事なく、晶は狙った通りの場所に盗みに行く事が出来る。

 今回の主催者はパワージュエルの持ち主ではない為影響は受けていない筈だが、元々が強欲で傲慢な性格だったのか予告状に対して委縮するどころか受けて立つ姿勢を崩さなかった。

 

 これなら今回の仕事も楽勝……と思いかけた所で、そう言えば先日邪魔になりそうな奴が現れた事を思い出した晶はその事をジェーンに相談した。

 

「あ……そう言えばこの間、変な奴に会ったわ」

「変な奴~?」

「一言で言えば忍者な仮面ライダーね。くノ一。確か名前は……セツナとか言ってたかな?」

 

 晶が何気なく口にしたくノ一……セツナの名前にジェーンは僅かに息を飲み目を見開く。あまり彼女が見せることの無い表情に今度は晶の方が驚き声を掛けるが、彼女はそれに答える事無くノートPCを引っ張って来るとキーボードを叩いて画面を晶に見せてきた。

 

「そのセツナに変身したのって~、こんな子だったかしら~?」

 

 ジェーンが晶に見せたのは唯の顔写真であった。あの時は時間が夜でビルの屋上だった事に加えて、唯自身口周りをマフラーで覆っていた為正直セツナに変身した者の顔はあまり覚えていない。だが唯の顔自体は見覚えがあった。

 

「セツナに変身した奴の顔は見辛かったから印象薄いけど……あっ! この顔知ってる、近所についこの間越してきた奴だッ!」

「やっぱりね~」

 

 晶の答えにジェーンは納得したように何度か頷きながらノートPCを閉じた。それ以上を告げようとしないジェーンに、晶はより詳しい事を聞き出そうと問い詰める。

 

「ちょっと、それで終わらせないでよ。何なのよこのセツナって奴は?」

 

 晶に詰め寄られたジェーンは片手にノートPCを持ちながら両手を上げ彼女を宥めると、机の上にノートPCを置き一呼吸間を空けてから口を開いた。

 

「彼女はね~、万閃衆って言う忍者集団の一員よ~。尤も~、割と最近までは一般人だった筈なんだけどね~」

 

 ジェーンは万閃衆に関しても情報を得ていた。尤も万閃衆は流石忍者集団と言う事もあって情報の秘匿が上手く、ジェーンでも情報収集は簡単ではなかった。それでも彼女の手に掛かれば、おおよその内情を掴む事は可能であり千里が殊更に忙しくて唯が不満を抱えている事は嘗ての付き合いもあって察しがついていた。それでもまさか唯までもが本格的に組織に参加しくノ一になっているとは思ってもみなかったが。

 

(まぁ、何となく分からなくもないけどね~)

 

 大方任務で忙しすぎてろくすっぽ千里に構ってもらえない寂しさを紛らわす+唯自身の特殊な性質を狙われた時の備えとして忍びとなる道を選んだのだろうと推測したジェーンは、ニコニコと笑いながら話を続けた。

 

「彼女に関してはそんなに複雑に考える必要は無いわ~。これまでに立ち塞がってきたS.B.C.T.同様、上手い事切り抜けてね~」

「言われるまでもないわ。って言うかこの間やり合ったばかりだし」

「そうだったわね~。でも~、出来る事なら手心くらいは加えてあげてね~。あんまり苛めないであげて~」

「はぁ?……まぁ、出来るならね」

 

 その答えで十分だったのか、ジェーンはにっこりと笑って頷いた。

 

 これでこの件に関する話は終わり。後は当日に動くのみであった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 それから3日後、光林市南部のホテルの周辺にはマスコミと野次馬が集まっていた。原因は言うまでもなく、先日オークションパーティーを狙うと予告した怪盗ジェムの姿を一目見る為である。

 

 まだパーティーも始まっていないのに、ホテル周辺は何かのイベントかと思う程の賑わいを見せている。警備員が必死に民衆を宥める中、それより数歩前に出た報道関係者は興奮と深刻さを感じさせる様子でマイクを片手にカメラと向き合っていた。

 

「もうすぐ、このホテルで行われるオークションを狙い怪盗ジェムが現れます! 現代に現れた本物の怪盗は、果たして姿を見せてくれるのでしょうか?」

 

 野次馬の喧騒にかき消されないようにとリポーターが声を張り上げる。昔に比べれば遥かに性能が良くなったマイクはこの騒ぎの中でもしっかりとリポーターの声を拾い、各家庭でテレビを見ている人達にも声を届けてくれていた。

 尤もそんな声を聞く事が出来るのは、テレビを見ている者達だけである。現地に集まっている人々は、自分達の喧騒の所為でリポーターが口にしている言葉を聞き取れた者はごく僅かであった。

 

 それはホテルに近付き様子を伺っていた晶も同様である。尤もこちらは野次馬集団から更に離れた所で全体の様子を眺めている為、そもそもリポーターが何を言っているかなど端から興味も無いのだが。

 

(随分と人気者になったものね)

 

 予告状一つでこれだけの人が集まっている事実に、晶はまるで他人事の様にそんな事を考えた。

 

 実際、晶にとっては半分他人事であった。怪盗ジェムとは彼女の偽りの姿でしかない。彼女の目的を果たす為に演じた仮の姿、それが怪盗ジェムなのである。そんなキャラクターを相手にワイワイ騒がれても、彼女の心は驚くほど落ち着いていた。

 尤も、だからと言って煩わしいとか悪い気を感じている訳でもない。ジェムとして振る舞っている間、彼女はある意味で本来の自分を曝け出している。顔の火傷の所為で心を閉ざした晶は、顔を隠す事で過去に封じた自分の姿を曝け出す事が出来る。偽りだが真実の姿、それが怪盗ジェムなのである。だからそんなジェムがまるでアイドルか何かの様に注目を集めている事実には、言いようのない高揚感を感じずにはいられなかった。

 

 暫く騒ぐ民衆を眺め、徐に時計に目を向ける。もうすぐパーティーが始まる時間だ。予定ではオークションはパーティーが始まって少ししてから行われるらしい。そろそろ着替えて準備するかと踵を返そうとしたその時、晶に声を掛ける者が居た。

 

「あれ、あなたは……?」

「えっ!?」

 

 聞き覚えのある声に晶が振り返ると、そこに居たのはスーツ姿の唯であった。晶に負けず劣らず起伏に富んだ肢体を包んだスーツは凹凸を隠す事が出来ず、着崩すことなく衣服を身に纏っているのに何処か扇情的な見た目である。

 

 だが晶はそんな唯の姿に寧ろ警戒心を向けた。ジェーンからの情報で、唯が先日戦った仮面ライダーセツナである事はもう分っているからだ。その一方で唯の方は晶が仮面ライダージェムである事を知らない。故に唯は身構えた晶に首を傾げ、晶の方もあまり警戒しすぎると怪しまれると心を落ち着け平常を装った。

 

「……何の用?」

「あ、いえ……あなたも野次馬に来てたんだと思って。あの、アパートの隣のお家の方ですよね?」

「アンタが入ったアパートの隣って意味ならそうよ」

 

 あまり干渉してほしくないので晶はつっけんどんな態度で唯の問いに答えた。これから一仕事あるし、何よりも唯に自身の正体を知られる訳にはいかなかったからだ。だが唯はそんな晶の言葉無き拒絶に気付いているのかいないのか、更に距離を詰めて手を差し出してきた。

 

「あの時はちゃんと挨拶出来なくてごめんなさい。私、南城 唯です。暫くの間ですけど、よろしくお願いしますね」

 

 積極的な唯の姿に晶は露骨に顔を顰めた。唯としては必要最低限の礼儀を通そうとしているだけであるが、物怖じせずに相手に接近する唯の姿は晶に過去の自分の姿を見せ付けられているようでとても複雑な気分だったのだ。

 こんな火傷を負う前であれば、晶だって自分から相手に自己紹介する事も何てこと無かったと言うのに…………

 

「~~ッ!?」

 

 気付けば晶は唯に背を向けて彼女から距離を取ってしまっていた。だが背後から感じる視線と、晶の中に残った最低限の礼節、そして逃避を選んだ弱い自分に対する対抗心で自らを奮い立たせると振り返って唯に近付いていく。そしてまるで奪い取る様に唯の手を取ると、精一杯の勇気を振り絞って自らの名を口にした。

 

「石動、晶……その、あんまり顔会わせる事は無いだろうけど、よろしく…………それじゃ」

 

 真っ直ぐ向けられる唯の視線を恐れる様に自身は視線を彷徨わせながら、晶は一方的に自己紹介すると今度こそその場を離れた。逃げる様に離れていく晶の後ろ姿に、しかし唯は応えてくれた事に安堵を感じるのだった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 それから1時間後、ホテルのイベントホールで大々的にパーティーが開かれた。出席者は誂えられたテーブルの座席で飲食を楽しみつつ、他の出席者との雑談に興じていた。その話題は基本的にはこの後行われるオークションではあったが、同時にそのオークションに出品される品を狙ってやって来る怪盗ジェムの話題でも盛り上がった。

 

「それにしても、遂に怪盗ジェムをこの目で見る事になるとは」

「怪盗ジェムは何を狙ってくるのですか?」

「さて、そこまでは……」

 

 そんな出席者達の姿を、唯はスーツに身を包んで気配を殺して壁際から眺めていた。出席者たちに向ける視線には、若干の呆れも混じっていた。多くの者達には緊張した様子が見られない。まるで他人事の様に暢気なのだ。中には何処か緊張した面持ちの者も居るが、それらは恐らくオークションに出品している者達だろう。このオークションにジェムが現れる事は知っていても、何を狙っているか迄は知らない為自分の持ち込んだ品物が狙われていないかと恐れているのだ。もしまかり間違ってジェムに盗まれるような事があれば、折角出品したのに一文の儲けにもならなくなる。

 

 壁際から眺めているだけで見られる多種多様な人間模様。その中で暢気と言う程気を抜いてはおらず、だが恐れると言う程緊張はしていない者が1人居た。明美だ。彼女は何処かリラックスした様子で1人グラスを静かに傾けている。明美だけはこのオークションでジェムが何を狙っているかを知っている。そして、その狙われている宝石の恐ろしさを理解している為、それがどんな形であれ自分から離れていってくれることに安心しているのだ。

 

 そうこうしていると、遂にオークションが行われる時間となった。会場の照明が落ち、ステージの上に司会者が姿を現しスポットライトで照らされる。

 

『お待たせしましたお集りの皆さんッ! これより、オークションを行いますッ!』

 

 司会者の言葉に出席者の多くが歓声と拍手で応えた。明美も上品に小さく拍手して応え、その隣に居る壮年の男性が口を開く。

 

「これでやっと、あの不気味な宝石ともおさらばだ」

「そうですね……」

 

 2人の会話は周囲の喧騒に紛れて唯の耳にも届かない。だが唯は事前に集めていた情報から、明美に声を掛けたのがあの宝石の本来の持ち主である事を知っていた為、おおよその会話内容は推察する事が出来た。

 

 オークションはそれから恙無く始まり、次々と出品物が紹介されては落札されていく。出品されたのはどれも宝石や美術品の類であるが、中にはどんな物好きが出品したのか何とも珍妙な物も含まれていた。何の価値があるのかも分からない物もあったが、それらも無事に落札していき残るはメインのルベライトの宝石を使ったネックレスだけとなる。

 

『さぁ、残す品物も次で最後。本日のオークションで最高値が予想される物は、こちらッ!!』

 

 司会者の言葉にスタッフが台車に乗せてネックレスを持ってくる。ライトに照らされて眩く輝く宝石の光に、多くの出席者は魅入られた様に感嘆の声を上げ絞り出す様な吐息を吐いた。

 つい先程まで、次が最後の出品物と聞いて出席者の誰もが昂ぶりを露わにしていた。それはメインの出品物に対する期待と、ジェムが現れるとすれば次だからに他ならない。だが宝石が姿を現した瞬間、彼ら彼女らの中からジェムに対する関心は一気に消し飛んだ。今出席者の意識を集めているのは、ステージの上で輝きを放つたった一つの宝石であった。

 

 多くの者が宝石の輝きに夢中になる中、唯は警戒心を高めた。ジェムが現れるとすればそろそろだ。

 

『さぁっ! それでは――――』

 

 自身も宝石に意識を持っていかれそうになりながら、司会者は競りを始めようと司会進行しようとする。

 

 その時、会場内に女性の高笑いが響き渡った。

 

「アハハハハハハハハハハッ!!」

 

『『『ッ!?』』』

 

「来たッ!」

 

 突如響き渡った笑い声に多くの者が驚き視線を彷徨わせる中、唯は直ぐに飛び出していけるよう身構える。唯が油断なく周囲を見渡していると、出し抜けにステージの上にレオタードとジャケットを身に着けマスクで顔の右半分と両目を隠しシルクハットを被った女性が降り立った。スポットライトで照らし出されたその姿は、怪盗ジェムのものに他ならない。それを黙ってみている主催側の警備ではなく、彼女を取り押さえようとステージ上に上がり飛び掛かる。だが彼女はそれを素早い足技で軽々とステージから蹴り落とし、台車を挟んで反対側に居たスタッフは慄きそのまま逃げる様に離れていった。

 

 邪魔者が居なくなったステージ上でスポットライトに照らされながら、怪盗ジェムの姿の晶はまるで周囲の観客に宣言する様に手を広げて声を上げた。

 

「こちらの宝石は予告通り私、怪盗ジェムが頂きますッ!」

「させないッ!」

 

 晶が宝石に手を伸ばそうとしたその時、唯は素早くスーツを脱ぎその下に仕込んでいた忍び装束になると口元をマフラーで隠した状態で晶に苦無で斬りかかった。

 

「フッ!」

「くっ!?」

 

 こちらは先程の警備員と違って蹴り1つで対処できるものではなかったのか、咄嗟に回避し台車から距離を取った。唯は晶を牽制する様に苦無を構えつつ立ちはだかり、宝石に近付けなくなった事に晶は忌々し気に呻き声を上げた。

 

「むぅぅ……またあなたですか?」

「怪盗ジェムッ! 警察に代わって私があなたのお縄を頂戴するわッ!」

 

 多くの観客が見ている前で晶を相手にする唯の姿は、一見するとイベントの様にも見える。だがステージから蹴り落とされた警備員の受けた衝撃は本物であり、中には気絶している者の姿もあった。

 

 出席者の多くが困惑して席に留まる中、唯は司会者に手で指示を出して出席者達を避難させようとした。ここで晶と戦うにしろ、ギャラリーが居ては戦い辛い。幸いな事に司会者を始め主催者側には唯が警察の関係者であり怪盗ジェムに対する戦力であるとも聞かされていた為、彼女の意図を察した司会者は即座に出席者達にこの場を離れるよう要請した。

 

『え、え~、皆さんッ! 御覧の通りトラブルが発生しておりますので、スタッフの指示に従って会場から避難してくださいッ!』

 

 司会者の言葉に漸くこれが本当に怪盗ジェムによる犯行の現場であると理解した出席者は、大きく分けて二つの動きに分かれた。一つは我先にと逃げようと席を立つ者達。先程警備員が蹴り飛ばされた光景に、自分も被害を受けては堪ったものではないと恐れたようだ。

 

 そしてもう一つは、その場に留まり唯と怪盗ジェムの戦いを見物しようとする者達であった。怪盗ジェムが無用な攻撃をせず目的を盗み出す事を第一目標にしている事は周知の事実。こんな体験そうそう出来る事でもないので、全体の三分の一から半数近くの観客はショーを眺める感覚でジェムと唯の立ち回りを見物しようとした。当然それを黙って見過ごすスタッフではなく、何とかして移動してくれるよう説得する様子があちこちで見られた。

 

 下で起こっている騒ぎの様子を横目で見ながら、唯は思わず顔を顰めた。

 

(これは見世物なんかじゃないって言うのに……!?)

 

 余計な観客が居ると思うと、被害を考え思うように動く事が出来ない。能天気な金持ちの姿に憤りを感じていると、彼女の油断を察した晶がファントムエッジを抜いて先程のお返しとばかりに斬りかかった。

 

「よそ見してる場合かしらッ!」

「あぁ、もうっ!」

 

 そのままステージ上で晶と唯が短剣と苦無で切り結ぶ。どちらも素早い身のこなしで相手の斬撃を紙一重で回避し、素早く放った反撃を手にした武器で受け止め受け流していく。かと思えば唯は徐に逆立ちになったかと思うとしなやかな足を広げて回転する様に蹴りを放ち、晶はそれをブリッジの様に回避しながら蹴り上げる事で唯の蹴りを中断させる。ブリッジ回避の際に唯の足が晶のレオタードに包まれた胸元を僅かに掠り、揺れ動く胸の動きに観客の何人かは目を奪われた。

 回転蹴りを中断された唯はバランスを崩すも何とか体勢を立て直し、逆立ちの状態から戻ると額の汗を片手で拭いながら晶を睨みつけた。忍び装束に包まれて尚大きさを主張する胸元が、彼女の大きくなった呼吸に合わせて上下に揺れる。一方の晶もなかなかにしぶとい唯の実力に内心で舌を巻きながらも、彼女を何とかしないと宝石が手に入らないと焦りを感じていた。

 

「はぁ、はぁ……粘るじゃない?」

「ふぅ、ふぅ……お互い様でしょ」

 

 暫し睨み合い、再び刃を交える2人。共にしなやかな動きを見せる両者の戦いは演舞を見ているようでもあり、見物を決め込んだ出席者達は目の前で繰り広げられる戦いに目を輝かせていた。

 

 そんな出席者達の中に混じる明美の視線は、他の者とは違う真っ直ぐ宝石にのみ向けられていた。

 

 様々な視線が向けられる中、晶は唯の一瞬の隙を見逃さず鋭い蹴りでステージの端に蹴り飛ばした。

 

「はぁっ!」

「う゛ぁ゛ッ!?」

 

 蹴り飛ばされステージに叩き付けられた唯は、叩き付けられた衝撃で苦無を手放し吐き気と共に咳き込んだ。幸いな事に蹴られた腹の辺りは帯と仕込んだ薄い装甲、鎖帷子で守られていた為ダメージ自体はそれほどでもない。とは言え内臓に叩き込まれた衝撃は一時的にだが彼女を行動不能にするには十分すぎた。

 

「げほっ!? げほげほっ!? げほっ!?」

 

 倒れた状態で背を丸めて咳き込む唯を尻目に、晶は宝石を手に入れようと彼女に背を向け手を伸ばそうとした。だが唯との戦いに意識を割き過ぎた結果、彼女は周辺への警戒心が僅かに疎かになってしまっていた。故に気付かなかった。

 

 何時の間にか明美が席を立ち、ステージに上がって先に宝石に手を伸ばしていた事に。

 

「あっ!?」

「うぐ、ぅぅ……えっ!? 八雲さんッ!」

「あぁ……あああ…………!」

 

 いきなり横から獲物を掻っ攫われたジェムだけでなく、明美が宝石を手にしたと言う事実に言葉を失う唯。明美は宝石から感じる得体の知れない何かを恐れ、それを遠ざけられる事に安堵していた筈なのに…………

 

「くっ! それを渡してッ!」

 

 事前の情報では宝石の持ち主は別人であると掴んでいた為、それとは別の明美が魅入られている事実に晶も困惑しつつ宝石を奪い取ろうと手を伸ばした。だが完全に宝石に魅入られた明美はその手を払いのけ、まるで別人の様に晶に掌底を叩き込んで逆に押し退けてしまう。

 

「ぐぅっ!? かはっ!?」

 

 何の偶然か、唯のすぐ隣にまで突き飛ばされた晶。だがこちらは立ち直りも早く、直ぐに立ち上がると明美から宝石……パワートルマリンを奪い取ろうと身構える。

 だが彼女が再び飛び掛かるよりも前に、明美は胸元にパワートルマリンを抱きしめるように押し付けた。

 

「ああああああ……!」

「チィッ、間に合わなかった!?」

「えっ? えっ? 何? 何がどうなってるの?」

 

 この場で何が起きているのか分からず困惑する唯は、事情を知っているだろう晶に問い掛けるべく近付こうとした。だがそれよりも先に明美の姿が変化し、宝石で出来た鹿の様な姿の怪人・ディアーヤジュエルになった事で驚愕を上塗りされた。

 

「なっ!? あれは……クセジ? いや、違う……何あれ? ねぇちょっと! あれは何ッ! 八雲さんは何になったのッ!」

 

 ディアーヤジュエルの出現に物珍しそうにステージの上の出来事を見物していた出席者も危険を感じたのか逃げ始める。その騒ぎの中唯は晶の肩を引いて自分の方を向かせるが、彼女はそれに構わずジェムドライバーのバックル左のレバーを引いて円盤を回転させると右手の指輪を擦り付けた。

 

「五月蠅いッ! 今はもうアンタに構ってる暇はないんだからッ! 変身ッ!」

《Change of Cut, Cloth Quartz! Commit the Phantom Thief!》

 

 晶は仮面ライダージェムに変身すると、右手にファントムシューター、左手にファントムエッジを持ちディアーヤジュエルに挑みかかる。攻撃してくるジェムに対し、ディアーヤジュエルは両手から木が生える様に鹿の角の形の双剣を作り出して迎え撃った。

 

「タァァッ!」

 

 構わずファントムエッジで斬りかかるジェムだったが、ディアーヤジュエルは両手の剣を交差するように構えて振り下ろされた刃を受け止めた。そして受け止めた刃を、両手の剣で挟む様に押さえて振り回しジェムのバランスを崩させると、上半身を振り回して頭の角を使って彼女を攻撃した。

 

「ぐっ!? このっ!」

 

 まさか頭の角をあんな風に使ってくるとは思っていなかった為虚を突かれたジェムが腕を僅かに斬りつけられる。頭の角も鋭く、状況的には両手と頭の角による三刀流を相手にしているような状況であった。それでもジェムは怯む事は無く、即座にファントムシューターによる銃撃に攻撃を切り替えた。放たれる無数の銃弾を前に、遠距離への攻撃手段を持たないディアーヤジュエルは反撃出来ずにいる。

 

「ググッ!? ガガガッ!?」

 

 ジェムの銃撃を防ぎながらも、ディアーヤジュエルは何とか足を前に進めて銃撃を堪えて接近する。そしてある程度近付く事が出来ると防御を解いて双剣で斬りかかった。

 

 目の前で繰り広げられる戦いを見ていた唯は、このまま指を咥えて見ている訳にはいかないと自身もセツナに変身する。

 

「何がどうなってるのか分からないけど……執筆忍法、変身の術ッ! セツナ、変身ッ!」

【忍法、変身の術ッ! 瞬きの、刹那を見抜き、忍ぶ者……セツナッ! 達筆ッ!】

 

 セツナに変身した唯は苦無を構えて戦いに参戦した。とは言え正直どちらに与するべきかは彼女も悩み処であった。ジェムは間違いなく捕えなければならない存在であるが、ヤジュエルも放置する訳にはいかない。かと言って両者を同時に相手にするのは得策とは言えなかった。

 

 悩んだ末にとりあえず確実に危険性が高いヤジュエルの方を何とかすべく、セツナはディアーヤジュエルを手裏剣で牽制しながらジェムの隣に並び立った。

 

「ッ! アンタ……」

「勘違いしないで。これを何とかしたら次はあなたの番よッ!」

 

 取り合えず一時的な共闘に過ぎない事を先んじて告げると、セツナはディアーヤジュエルにダメージを与えるべく忍筆を取り出し筆を走らせた。

 

「執筆忍法、火遁の術ッ!」

【忍法、火遁の術ッ! 達筆ッ!】

「ッ!? ちょっと待って、それは……!?」

 

 セツナがやろうとしている事に焦るジェムだったが、彼女が止める間もなくディアーヤジュエルに向け火炎が放たれる。それを見た瞬間ジェムは咄嗟に身を屈めるとそのまま転がる様にしてステージの下へと避難した。直後にセツナの火炎で熱せられたディアーヤジュエルの体が発光し始めたかと思うと、次の瞬間強烈な電撃が周囲に放たれ攻撃した側のセツナが逆に電撃でダメージを受けてしまった。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 放電の威力で吹き飛ばされ会場の誰も居ないテーブルの上に投げ出されたセツナは、その際のダメージで変身が解除されてしまう。何が起きたのか分からず困惑する唯に、ジェムは面倒と苛立ちを交えながら彼女の疑問に答えた。

 

「な、何が……!?」

「全く、待てって言ったのに……あれはトルマリンよ。トルマリンは熱せられると電気を帯びる性質があるの。だからアイツに対して、熱とかそう言う攻撃をしちゃいけないのよ」

 

 実際にはトルマリンが熱せられて帯びる電力は静電気程度なのだが、そこは流石パワージュエルと言ったところだろうか。そんな事情どころかそもそも宝石の性質すら知らなかった唯は、その事を欠片も教えてくれず自分1人難を逃れたジェムに対して抗議した。

 

「し、知ってたんならもっと早くに教えてよッ!」

「何で私がアンタの世話までみなきゃいけないのかしら? 全く……」

 

 唯の抗議を軽く受け流したジェムは、再びステージに上がると右手の指輪を赤黒い宝石の物に交換した。

 

「まぁ、今のでアイツの能力とかは大体分かったわ。そこだけは感謝してあげる」

「何を……」

 

 次は何をするつもりなのかと唯が問うが、ジェムはそれには答えずバックルの円盤を回転させると好感した指輪の宝石部分をそれに擦り付けた。

 

《Change of Cut, Cloth Cinnabar! Commit the Alchemist!》

 

 ベルトから音声が響くと、研磨されて飛び散った粒子がジェムの体を包み込んで宝石の原石の様な光の塊となる。光の塊は直ぐに砕け散ると、ジェムの姿が大きく変わっていた。

 

 白かったボディースーツは赤く染まり、茶色いローブと銀色の鎧を身に纏い手には先端に赤い拳大の大きさの宝石を付けた杖を持っている。先程までの姿が怪盗然りとしていたのに対して、今は魔法使いとか錬金術師と言う見た目であった。

 

 姿を変えたジェムに対し、ディアーヤジュエルは構わず両手の剣で斬りかかった。だが迫るヤジュエルに対し、ジェムは音楽の指揮を執る様に手にした杖を振るうと次の瞬間強烈な冷気がヤジュエルの体を包み込んだ。

 

「ガガッ!? グッ、ガッ!?」

 

 先程、ディアーヤジュエルはセツナの火遁の術で激しく熱せられた。それにより奴は熱をエネルギーに変換し電撃を放つ事が出来たが、全ての熱を吸収しきれた訳ではなくその体は熱せられた事で高温になっていた。その状態で急激に冷やされたものだから、熱膨張により体を構成する宝石があちこち罅割れ始めた。

 このままではマズイとディアーヤジュエル自身理解しているのか、冷却を止めさせようとまだ残っているエネルギーを頭の角に集めて電撃を放つ。しかしその電撃は、ジェムが下から上に杖を振り上げた瞬間突き上げる様にせり上がってきた岩の壁により防がれてしまった。

 

 その間にもディアーヤジュエルの体はあちこちが罅割れ、少しの衝撃で脆く崩れ落ちるのではと言う程ボロボロになる。ジェムはその状態を見逃すことなく、魔法による攻撃を中断すると再びバックルの円盤を回転させ右手の宝石を長時間研磨し続ける。

 

「さぁ、あなたも私の虜にしてあげる」

《Charge of Cut, Critical Cinnabar! Crystal crush!》

 

 ジェムの周囲に火、水、風、土のエネルギーが浮遊し彼女の周りを回り始める。その状態で彼女がディアーヤジュエルに対して飛び蹴りを放てば、周囲を浮遊していた4つの属性が彼女の右足に集束し眩い光を放ちながら叩き込まれた。

 

「ハァァァァァァァッ!!」

 

 ジェムの必殺技である『ファントムクリスタルクラッシュ』がディアーヤジュエルに直撃すると、ただでさえ全身ボロボロだったディアーヤジュエルの体の耐久力が限界を迎えた。流し込まれたエネルギーが体を崩壊させ、ヤジュエルとしての体を維持する事が出来なくなる。

 

「ガァァァァァァァァァッ!?」

 

 断末魔の叫びと共に爆散したディアーヤジュエル。変異した明美を心配して唯が痛む体を引き摺る様にしてステージに上がると、爆心地には傷だらけになり倒れた明美の姿とその傍に膝をつき問題の宝石を拾い上げているジェムの姿があった。唯が近付いて来るのも無視してジェムは宝石をスポットライトの光に翳していたが、次の瞬間宝石はパキンと言う音を立てて割れる様に砕けて彼女の手から零れ落ちてしまう。その光景にジェムは失望したように溜め息を吐いた。

 

「はぁ……これも外れか」

「八雲さん? 八雲さん、大丈夫ですか?」

 

 1人勝手に失望するジェムを他所に、唯は倒れている明美の容態を確認した。幸いな事に気を失っているだけの様で、見たところ大きな外傷がある様にも見えない。とは言えそれ以外で何か不具合が無いとも限らないので、不用意に動かさないようにしつつ救護を呼ぼうとするが、ジェムが離れていくのが見えたので唯は事の真相を問い質すべく立ち上がってそちらに足早に歩み寄っていった。

 

「ちょっと待ってッ! あれは何? あなたは一体何を知ってて、何を求めてるの?」

 

 どう考えてもジェムはあの怪人の事に関して詳しい。恐らく彼女が狙っているのは、あの怪人に関わる宝石だろう事は容易に想像できた。だがそもそもあれが何なのか分からない。この場で唯一あれに関して知っているジェムから情報を引き出そうとする唯であったが、ジェムはそれを拒絶する様に彼女の足元に一発の銃弾を放ち彼女の歩みを止めさせた。

 

「……あんたにそれを説明する義理は無いわ。私は私の為、私の望みを叶える為にあれが必要なの。邪魔をするなら、容赦はしないわ」

「ッ!?」

 

 ジェムから放たれるどす黒い感情。一体何が彼女をそこまで駆り立てているのかが分からず、唯は喉元まで出掛かった言葉を飲み込まざるを得なくなった。そんな唯の姿に、ジェムは心を落ち着けたのかファントムシューターをホルスターに収めるとここに登場した時の調子を取り戻して気取った様子で恭しく頭を下げた。

 

「今回はここらで引き下がりますわ。それでは、ごきげんよう♪」

 

 そう言ってジェムが指をパチンと鳴らすと、次の瞬間彼女の姿が眩い光に包まれる。あまりの光に唯が一瞬顔を手で覆い、光が収まったのを見て手を退かすとそこにジェムの姿は影も形も無くなっていた。

 

 またしてもジェムに逃げられてしまった。しかもオークションはジェムと怪人により滅茶苦茶になり、狙われていた宝石は砕け挙句の果てに明美が怪我をした。控えめに言っても散々な結果に、唯は肩を落とさずにはいられないのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 

 あの後、騒ぎの現場となった会場には警官隊が雪崩れ込んだ。その頃には唯もその場を離れ、明美の詳しい容態などは後になって剛から聞いた。曰く、明美は多少の疲労と怪我はあるが命に別状はなく、後遺症の類も心配いらないとの事だ。

 その事に安堵した唯は、自身の傷が多少癒えた頃に明美の元を訊ねた。現在彼女は経過観察などの意味も込めて市内の病院に入院している。唯が事前に剛ら関係者に事の詳細を説明しておいたからだ。経過観察には彼女がヤジュエルに変異した事による影響の検査も含まれているが、今のところ大きな異変の類は確認されていないとの事。

 

 唯が病室を訪れると、そこに居た明美はあんな事があったのに何処か憑きものが落ちたような晴れ晴れとした様子で彼女を迎え入れた。

 

「あら、南城さん。来てくれたんですね」

「八雲さん、お加減の方は大丈夫ですか?」

「えぇ、お陰様で。何があったか詳しい事は覚えてないけれど、南城さんにもご迷惑をおかけしてしまったようで、本当にすみませんでした」

「いえいえっ! 私なんて、何も出来なくて……」

 

 そこまで口にして、唯は情けなくなりそれ以上の言葉が口に出来なくなった。折角夫である千里の傍に立てる様にと忍びになったと言うのにこの体たらく。何一つ守る事が出来なかった事実に心が挫けそうになるが、そんな彼女の握り締められた拳を明美の両手が優しく包み込んだ。

 

「そんなに気を落とさないでください……何て言っても、私の言葉ではあまり意味がないんでしょうけど」

「あ、いえ、そんな……」

「でも、あの時の事はあんまり覚えた無くても、南城さんが私を助けるために戦ってくれてた事は何となく覚えています。だから、ありがとうございました」

「ぁ……! う、ぅぅ……!」

 

 正直、今まで心細かったと言うのはある。忍びとなる道を選んでからは、ほぼ一人で活動してきた。誰に甘える事も出来ず、誰かに頼る事も許されず、自分で許さず…………そんな日々の中で、唯自身辛さを感じない事は無かった。

 そんな今の彼女に、明美の言葉は染み渡るように響いた。沁み込んだ言葉は唯の涙腺をも刺激し、気付けば涙が頬を伝っていた。

 

「う、うぅ……! グスッ! ぅぅ……」

 

 声を上げずに静かに涙を流す唯。明美はそんな彼女を優しく撫で、慈しんでいた。今この瞬間だけは、彼女が1人の女性としていられるようにと気遣う様に。

 

 唯の涙を流す声だけが静かに響く病室の様子を、静かに伺っている人物がいた。晶である。晶は晶で、ヤジュエルに変異した明美の様子を見に来たようだが、先客が居た事と彼女の様子からこれと言った問題は無いと判断したのか静かにその場を去っていく。

 

 パーカーを目深に被り人の気配に紛れる様にして立ち去る晶。その姿を気にする者など、誰も居ないのであった。




という訳で第5話でした。

執筆の糧となりますので、感想評価その他よろしくお願いします!

次回の更新もお楽しみに!それでは。
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