サキュバスになったけど、エロ系の魔法でどう戦えと   作:nyasu

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ショタになれるなら大人にもなれるやろ

大きな街であった。

街行く人々はコスプレイヤーにしか見えない。

エッチだなという服装の魔法使いらしき人や重そうみたいな鎧の人なども歩いている。

実にファンタジーな世界である。

 

そして、私はそんな街で屋台を見つけた。

串焼きの屋台だ。

店主がお金を貰う、お金を箱に入れたら肉を串刺しに何個かしていく、塩をかける、手から火が出る。

そんな流れだ、すごいファンタジー。

見てるだけで楽しいのだ。

 

「なぁ……1個食うか?」

「えっ、なんで急に……」

「1個やるから、そろそろどっか行ってくれないか。正直買いもしないのにずっといられてもな……いや、エルフの感覚だとちょっとだとは思うんだが」

 

そんなに見ていただろうか、時計とかないから分からない。

とはいえ、1個もらえるとのことで目の前で作ってくれる。

手慣れた動きで串刺し、高い位置から塩を振り落とす、そして手から火がブワッと……あっ、指先からにして小さくもできるのか、細かいコントロールするんだ。

 

「ほらよ、熱いから気を付けろよ。木のところを持つんだぞ、あと食い終わったら串は返してくれ」

「竹じゃなくて鉄なのか、中まで熱は伝わりそう」

 

串は、よく見えてなかったのか言われて気づいたが手元部分が木で覆われていた。

なんか、アイスピックとかドライバーに見えないこともない。

それにしても、これは焼き鳥?焼牛?焼き豚?何の肉か分からないけど美味しそう。

 

「いただきます、あっ、熱っ……フーフー」

「だから熱い……って……」

 

口のなかに肉をダイレクトシュート、熱いけど美味し……くはない。

味は塩を振っただけの肉だ。

しかもこれは、豚かな?塩だけの豚か、脂っこいし胡椒も欲しくなる。

肉汁は評価しよう、口周りベトベトになるけど。

 

「美味しかったよ。あと、私はエルフじゃないよ」

「そ、そうか……耳長で尖がっててデカいからエルフだと思ってたぜ」

「それでか……ねぇ、なんか遠くない?それになんか身体も」

「いやぁ、ほら、立ちっぱだから腰が痛くなってな、串はそこの箱に入れといてくれ。次からはちゃんと買ってくれよ」

「仕事が見つかったらね」

「それならギルドに行くと良いぞ」

 

親切な屋台のおじさんは、私にギルドの場所を教えてくれた。

チラチラとなんか見られたけど面だけは親の遺伝でイケメンだからね。

イケメンエルフとビッチなサキュバスのハーフだから……顔面偏差値はいい方だよ。

 

ということで、冒険者ギルドにやってきた。

行くまでは右も左も分からなかった。

いや、言葉の意味の通りであれば、別に左右盲じゃないから分かるよ。

なんていうか、右も左も見ても異国だなって感じ。

 

まず、よく分からない記号がいっぱい溢れている。

何となく、横に剣みたいなモチーフの絵が描いてあったりして、お店の中から銃刀法ガン無視で刃物を掲げながら出てくる人とかいる。

多分、武器やなんだと思う。

 

「異世界や……」

 

まぁ、識字率とか高めの国?街?みたいな感じなのかな、文字だろうから、アレ。

あと、人の髪がカラフルだったりする。

染めてんのか、地毛なのか知らんが、赤やらピンクやら青やら緑やら、まぁ、目がチカチカするくらいカラフル。

アレでしょ、髪色は属性がとかそういう設定とかありそう、魔法のことよく分かってないけど。

 

ファンタジーな世界だ。

だからラノベ原作のアニメとかをイメージしてたのだが、なんというか街は中東とかな気がする。

行ったことないから適当な感想だけど、昔行ったバンコクとかベトナムに近い気がする。

中東なんだろうか、地理もっと勉強しておけばよかった。

 

まずアスファルトはないし、土の道路だ。

水溜まりもあるし、ボコボコである。

そんな道で、敷いた布の上に箱と野菜や肉や魚が置いてある。

で、お金を渡して持ってく人達、露店らしき物が多い。

 

ポツポツと露店と露店の間にはちゃんとした出店があって、外から様子が伺える。

こっちは分かりやすい、商品はそれのみで飲食が多い。

多分、あれだ、縁日の出店みたいなもんだろ。

 

あと、よく分かんない外からじゃ見えない何かの建物。

看板から判断するに武器屋だ。

だって、建物から出てくる人が刃物を掲げながら出てくるし、たぶんそう。

 

「異世界に来たら的なマニュアルなんてないもんな、金とかないと何もできない」

 

でも、俺の中の元サキュバスの記憶が言っている。

冒険者って仕事があるってな、犯されてた冒険者の記憶あるもん。

つまり、冒険者ギルドが街にはある!……ところで、街の名前って何やろ。

冒険者ギルドがあるのは分かってるのだが、どこか分からなくて人に聞きながらやってきた。

 

冒険者ギルドってのは無職の人とかが仕事を紹介してもらえる場所らしく、冒険者ってのはその日暮らしのアルバイターの事らしい。

だから、子供は親の仕事を継ぐために頑張って働こうねと、道案内をしてくれた人に言われた。

急にファンタジーから現実に突き落とすじゃん、つまり刃物持ったフリーターを冒険者と呼んでいたのかよ。

 

「せやかて工藤、ワイにも生活があるんや」

 

両開きのドアをそのまま素通りすると、椅子がたくさんある建物内が見えた。

アレ、酒場とかはないの?

 

「こんにちは、本日はどのようなご要件でしょうか」

「仕事を探してるんだ。ここに来たら紹介してもらえるって聞いて」

「なるほど、まだ登録もないようですし、お仕事の相談でしたら相談窓口になります。あちらの方で番号札をお取りしてお待ち下さい」

「あっ、はい」

 

めっちゃ現代チックだった。

多分行ったことないけど、役所とかこんな感じなのかな?

えっ、粗野な冒険者が絡みに来たりするイベントとかないの?

酒場とかで昼間から飲んでる人とか……ハローワークってやつだろこれ。

 

「番号札21番の方」

「……ハッ!私じゃん」

 

気付いたら私の番が来る。

可愛いお姉さん、ではなく制服を着たお爺さん。

優しいというより、上司って感じでちょっと怖い。

 

「こんにちは、お名前を伺ってもよろしいですか?」

「あっ、ソフィアです。仕事を探してます」

「ふむ……エルフですかな。直近の職歴などは……あぁ、半世紀の範囲で」

「ないです」

 

ふぅむ、と唸る職員。

今まで何やってたのとか思ってるんだろうな。

 

「では、何ができたりしますか。恐らく魔法などを嗜んでいるようにお見受けしますが」

「眠らせたり、傷を治したりとか出来ます」

「ほぉ!医療系の魔法の資格をお持ちで!」

「あっ、持ってないです」

「あー……長命種にはよくあることです」

 

ちょっと嬉しそうだったお爺ちゃんは、クソデカ溜息の末に何やら手元の羊皮紙に書き込みを入れる。

多分、私のなんかメモ的な奴なのかな。

 

「今のところ未経験無資格となりますので厳しいのですが、どのような職業などをご希望ですかな?」

「戦闘とかがなければ」

「ふむ……今は飲食などの募集もあるのですがスキルや経験不足、それと適性が合うものがございませんね」

「えっ……接客とか出来ますよ」

「すみません。人族は見た目を重視する傾向がありまして、ソフィア様におかれましては誤解を生じることから接客業は難しく、また見た目を考慮せずに行う仕事も無資格では出来ない専門的な物でして」

 

えっ、じゃあアレか!

私のやる気や態度を見てなお、適性がないと言うのか。

そんな、私の見た目なんて……どう考えても未成年の女児だ。

家の手伝いならまだしも、従業員としては厳しいのか?

まぁ、成長したらいいんだけどね……魔法でどうにかならないかな?

 

「分かりました、また来ます……」

「すいません……」

 

申し訳なさそうに言うけれど、結局どうしょうもないよな。

トボトボ落胆を隠しきれないまま、ギルドのトイレに向かう。

フタナリになれるんだ、身体を触手にしたり、成長くらいできるだろ。

おねショタ物で小さくなったりするの見たことあるぞ。

 

「よし、トイレだから見られることもないな……変身!」

 

正確には変形だろうか。

もうちょっと大人の私になりたーい。

そんな私の願いを叶えるが如く、視界が徐々に上がっていく。

ついでに胸も大きく、肩が重くなっていく。

髪の毛もトイレの床に着くぐらい際限なく伸びていくし、ボキボキ骨の軋む音、ブチブチ肉の切れる音、あとめっちゃ激痛が走ってる。

これあれだ、久しぶりに筋トレして痛いときみたいだ。

 

「髪の毛どうしよう……鋏とかないんだけど」

 

切り落とせたり……あっ、出来た。

後片付けはすまんけど大きくなれたから、ヨシ!

 

「うおっ、服ごと大きくなってる」

 

ギルドのトイレにある鏡に映ったのは金髪ロングの高校生くらいの女だった。

顔は若干幼いが、胸はデカいし、ケツもデカい。

あと、なんでか格好がルーズソックスとローファー、ミニスカにブレザーになってる。

うーん、ギャルだ。

それも無表情で抜いてくれるか、メス堕ちする強気のギャルだ。

 

「ヨシ、これで仕事を」

「キャァァァ!?」

 

私の背後で女の悲鳴が響いた。

あっ、私がさっきまで入ってた個室。

私は一目散に逃げ出した。

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