ナギサさんとお茶会をした後、あてがわれた客室に戻りベッドに腰を掛ける。スマホを取り出してホシノとユメ先輩に、《アビドスの外で宿泊することになったんで、明日学校に遅れます》とチャットを送っておいた。
「これで良し、と。ユメ先輩だけなら兎も角、ホシノも居るから学校は問題ないでしょ。」
ロールケーキは郵送で自宅に送ってある。明日は自宅に一度帰って、それを回収してから学校に行くとしよう。
〜♪〜♪
「え、着信?」
スマホを覗き込むと、画面上部に『小鳥遊ホシノ』とバナー表示されていた。
「もしもし?ホシノ?」
『志貴!!貴方今何処にいるんですか!!?』
──────キィィィィイン
み、みみがぁぁぁぁあ!鼓膜破れるかと思ったぞ!?
「ど、どこって•••。」
ま、まずい!こんな時間にトリニティに居ることがバレたら面倒なことになるぞ•••。
「え、え〜っと。そう!ミレニアムだよ!この前仲良くなったトキって子の話はしただろ?あの子のところに遊びに行ってたんだけど、夜も遅いし、今日はホテルで一泊することにしたんだよ。」
『•••。』
ごめんよトキさん! 心の中で合掌する。今度またゲームセンターに連れて行ってあげよう、きっと喜んでくれるはずだ。
『ミレニアムですか、わかりました。くれぐれも危険な事に首突っ込まないでくださいね?』
「お、おう。」
『夜は外を出歩かないこと、夜更かしはしないこと、知らない人についていかないこと、明日は寄り道をせず真っ直ぐ帰ること、何かあれば直ぐに私に連絡をすること、家に帰り着いたら直ぐに連絡すること、いいですね?』
「イエスマム」
そう言って通話を切る。
最近のホシノは、お前は俺の母親かと突っ込みたくなるくらい口煩くなった。最初は俺のことなんてどうでも良さそうにしてたのになぁ。いつからだっけ•••。
記憶を辿っていると、ポンッ♪ポンッ♪という音とともに、ユメ先輩からお怒りのチャットが届く。
文面に添えられたスタンプから、彼女の怒りの程が伝わってくる。
ぶっちゃけ見なかった事にしたいが、返事が遅れたら明日何をされるかわからないので丁寧に返事を返していく。
コンコンッと扉を叩く音が聞こえた。
「どうぞー」っと声を掛けると、スッと扉が開く。
「志貴さん、お食事の用意が出来ましたよ〜。お腹空いてますかね?」
「空いてます、実は昼ご飯を食べ損ねてしまいまして。」
「そうでしたか。では、お腹いっぱい食べてくださいね、お食事は一階の食堂にご用意させていただいております。ご案内します。」
ユメ先輩に、席を外すとだけチャットを入れて、スマホをポケットにしまう。
セナさんと共に一階の食堂に入ると、既にナギサさんが座っていた。
「志貴さん、ここに座ってください。」
ナギサさんの正面の席に座る。すると、セナさんが正面に料理を並べていく。おお、ハンバーグじゃあないか!
「では、いただきましょうか。」
ナギサさんが食事に手をつけ始めたのを見て、俺も早速ハンバーグに手をつけた。ナイフで切ると、ジュワッと肉汁が溢れてきた。う、美味い。
ナギサさんと雑談を交わしながら食事を食べ、風呂に浸かり部屋に戻った。
大浴場は広過ぎて全く落ち着けなかった、小市民の俺にはとてもじゃないがこの屋敷でずっとは暮らせないだろう。
コンコンコン
「はい?」
部屋で一休みしていると、扉をノックされた。
返事をすると、スゥと扉がゆっくり開かれた。
「し、志貴さん。入っても構わないでしょうか?」
少し開かれた扉から、ナギサさんがおずおずと顔を覗かせた。
「はい、構いませんよ?」
返事をすると、可愛らしい笑顔を浮かべてナギサさんが入ってきた。
そしてそのまま、俺の隣に腰を下ろしてきた。
ち、近い。お風呂上がりだろうか?隣からいい匂いが漂ってくる。
「ナ、ナギササン?」
「すみません、なんだか眠れなくて•••。」
ああ。
まあ仕方ないだろう、あんなデカい犬に襲われた挙句、そいつの頭部が真っ二つにされるところも見てしまったのだ、普通にグロ描写過ぎる。
その上、真っ二つにされてるのに普通に動き出したからなあの黒犬。
「そうだよな、あんなの見たら眠れないよなぁ。」
「はい、どうも夢に出てきそうで•••。」
まあ、だからと言って、男がいる個室に無防備に入ってくるのもどうかと思うが。ヘイロー無しの男がキヴォトス人に力で勝てる訳がないので、実際心配無用だとは思うが。
「そうだよなぁ、じゃあ眠くなるまで雑談でもしていようか?」
「ありがとうございます。では、志貴さんは休日は何をして過ごしているんですか?」
「休日?そうだなぁ─────
──────おかしい、どうしてこうなった?
今、俺の隣で
何故かナギサさんが眠っている!
なんでこの人は平然と男の横で眠れているんだ。
そう、さっきまで2人で楽しく雑談をしていたのだ。
していたのだが、どうやらいつの間にかナギサさんは眠りについてしまったらしい。
どうしよう、部屋に運んであげるべきか?
ただ、せっかく気持ちよく眠れているのだ、ここで下手に起こしてしまうべきではないだろう。
•••。ここは、俺が別室で眠るべきだろう、そう思ってベッドから腰を上げ、静かに部屋を出た。
一階に降りて、セナさんに連絡だけしておこう。勘違いをされても困るし•••。
そう思って一階に降りると、何やら外からオォォォン。と鳴き声が聞こえてきた。
•••今日遭遇した、黒い犬。
あれは一体なんだったのだろうか。
月姫にこんなシーンがあったような、そんな気はするが、
ここに来てもう半年にもなる。かつてプレイしたゲームの記憶も、段々曖昧になってきていた。
もし、
もしこの鳴き声の主が、今日襲ってきた黒い犬の仲間なら。
この屋敷が襲われるかもしれない。
念のため、外の様子を確認しておくべきだ。
そう思い、屋敷の玄関扉を静かに開けて
1人、屋敷の外へと向かった。
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追記
皆さんお気に入り登録いただきありがとうございます。感謝を伝えておいてなんですが、現時点で既に次話がグロテスクになってまして、閲覧注意と前話にも記載させていただきます。
勿論冒頭に閲覧注意と付けておきますけどね。グロ耐性無い方は見ずに飛ばしてください。その次の話にあらすじとして軽く乗っけます。
バッドエンドが見たいって人は居ますかね?需要があれば月姫のような、選択肢を今後入れてみようかなと。入れるならブルアカ原作始まってからだと思いますけど。眩病月とかいいですよね。
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要る
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要らない