氏名 県骨サンズ
誕生日 9月15日
学力 A+
知性 A+
判断力 A+
身体能力 A
協調性 B+
面接官のコメント
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担任からのコメント
学力、身体能力ともに申し分ないです。中の良い生徒にも恵まれたようで、毎日が楽しそうです。経過観察を続けます。
一週間が過ぎ、遂に中間テストが始まった。一週間前に絶望していたとは思えないほど、吉田と西川の顔は光り輝いていた。白石も何処となく晴れやかな顔つきをしている。いや、正確にはAクラスのほぼ全員が自信があるような顔つきをしていた。
対照的に、戸塚の顔はこの地獄(ノート書き写し)が後一週間続く絶望で染まっていた…
ついに、テストが始まった…
――サンズの様子は―――
(……難易度低すぎだろ……)
テストの難易度に絶望していた。今回、サンズは過去問の答えを見ていない。つまり、カンニングをしていないのだ。周りよりも圧倒的に不利な状況であり、多少は『骨』のある問題が出されるのではないか、と少し期待していた部分が少なからずあった。特に、最初の教科は歴史である。自分が分からないニンゲンの歴史が少しはあるのではないかと期待していたのだ。
だが、どうだろう。一度目を通しただけで、直ぐに答えが分かってしまう。次の問題も、その次の問題も。
結果、何と歴史は5分で終了してしまった。つまり、サンズは今回のテストをほぼ1時間暇な時間として過ごさなければならない状況になってしまったのだ。
…今だけは、知識を詰め込みまくってきたガスターを呪うサンズであった…
(……次……次の科目……)
次のテストの科目を見て希望を持とうとするサンズ。さて、次の科目は何だったか。必死に思い出す。
『国語 数学 理科 英語』
「…スーッ…」
(……終わった……)
…国語以外全て量子力学に活用している…そして、国語の問題はありえないほど簡単だったような記憶…
ガスターの論文を読み解くため、そして自分でも書くために英語は必須、数学と理科にいたっては毎日ノートに書き殴っている量子力学の基礎中の基礎。ひねりもクソもない数式や法則は、サンズにとっては「1+1=2」を延々と解かされているようなものだった。
そして、唯一不安要素だった国語でさえ、白石たちとの何気ない会話や椎名との図書室での読書、そしてあのガスターによる熱心な(そして今思えば忌まわしいほどの)言語教育のおかげで、問題文を読んだ瞬間に答えが浮かんでしまう始末。
チクタクと静かに進む教室の時計の音が、今のサンズにとっては拷問のカウントダウンにしか聞こえない。
蓋を開けてみれば、ただの肩透かしだ。
もちろん、それはサンズが「あらかじめテスト問題のすべてを知っていたから」ではない。過去問という名のカンニングペーパーを一切見ず、ハンデなしで挑んだ結果がこれなのだ。
自分の天才的なポテンシャルが、この退屈な状況を招いてしまったという皮肉。
ふと周囲に視線を向けると、吉田は「見える……! 答えが見えるぞ……!」と言わんばかりの神がかった手つきでシャーペンを爆走させている。
西川も、白石も、そして葛城派の面々も、まるで最初から答えを知っていたかのように(実際知っているのだが)迷いのない動きで解答欄を埋めていた。
(……パピルス……助けてくれ……)
現実逃避をしながら、サンズはサラサラと全ての解答をノータイムで書き終えた。
全クラスの平均点が驚異的な数値を叩き出すであろう、この中間テスト。
その裏で、すべての引き金を引いた張本人は、ただただ自分の優秀すぎる頭脳を呪いながら、心地よくない机の硬さに身を委ねて浅い眠りへと落ちていくのだった。
―――――――――
――――――
―――
中間テストの結果が発表された。
平均点はなんと98.6点。全教科で満点を取った者も何十人もいるらしい。
ちなみに、サンズはもちろん(もちろんというのもおかしいのだが)全教科満点であった…
「……」
これも、事前に堀北学…生徒会長から過去問を入手し、クラスメイト達、いいや、全クラスに配布したサンズのお手柄であった。
「サンズのおかげで助かったぜ~」
「サンズ君、ありがとう!サンズ君がリーダーになっちゃえばいいのに!」
放課後、満面の笑みを浮かべたクラスメイト達が一斉にサンズのところにやってきて、口々に感謝の言葉を述べ始めた。そんなクラスメイトの様子を見ながら、作り笑いを張り付けて謙遜の言葉を口にする。
「いや、たまたまだな。運がオイラにコツっと振ってきただけだぜ?それに、リーダーなんてオイラには一番向いてねえ役職だな。骨が折れる仕事はパスだぜ」
そう言ってパチンとウインクを飛ばすと、吉田がその肩をガシガシと叩いてきた。
「何言ってんだよ! お前が他クラスにも配ったって聞いた時は生きた心地がしなかったけど、結果的にAクラスの平均点はトップ維持だし、俺の赤点も回避できた! マジで感謝感激だわ!」
「もう、ヨッシーうるさい。サンズ君が困ってるでしょ」
西川が呆れたように吉田を小突き、白石もいつもの穏やかな笑みを浮かべてサンズを見つめる。
「でも、本当にサンズ君のおかげです。学校側の意地悪な罠を、こんな風に綺麗にひっくり返してしまうなんて……。クラスのみんなも、あなたの実力を改めて実感したと思いますよ」
(…意地悪な罠…なんてあったか?)
「へへ、ありがとよ。けど、オイラがやったのはただ全クラスの状況を平等にしただけさ。勝ったのはアンタらが必死に暗記したからだろ?」
サンズはそう言って謙遜しながらも、内心では地獄から解放された気分だった。
平均点98.6点。学校側、特にBクラスの…名前は忘れたが…女のセンセイが職員室でどんな顔をしたのか想像するだけで、あの退屈極まりない55分間の拷問(テスト時間)に耐えた甲斐があったというものだ。
しかし、教室の歓声から少し離れた最後列では、別の意味で燃え尽きた男が一人。
「……おわ、った……やっと、終わったんだ……」
戸塚が、まるで数年間の強制労働から解放された囚人のような目で、真っ白になった自分の両手を見つめていた。
テスト期間の2週間、毎日放課後にサンズの『量子力学研究ノート』をひたすら書き写させられた彼の精神は、とっくに限界を迎えていた。一文字でも間違えれば最初からやり直しという地獄のペナルティ。ソウルが擦り切れるような経験だったに違いない。
「お、お疲れ様だ、戸塚……。生きててよかったな」
葛城が複雑な表情でその肩を叩いている。葛城自身、サンズから受け取った過去問のおかげで救われたため、戸塚の処罰に関しては最後まで口を挟まなかった。自業自得とはいえ、その教育係となったサンズの底知れなさに、葛城もまた密かに冷や汗を流していたのだ。
サンズは戸塚の様子を薄く開けた目で確認すると、ニヤリと満足げな笑みを浮かべた。
「さてと。オイラはこれからちょっと図書室にでも行ってるぜ。これ以上チヤホヤされると、骨まで溶けちまいそうだからな」
「あ! 逃げたなサンズ!」
吉田の声を背中で聞き流しながら、サンズは両手をポケットに突っ込み、軽い足取りで教室を抜け出した。
(……)
そんなサンズの様子を、坂柳はじっと見つめていた…
廊下に出ると、窓から差し込む夕日が床をオレンジ色に染めている。
歩きながら、サンズはふと、先週の放課後に音楽室で高円寺と遭遇した時のことを思い出していた。あの後、彼と連絡先を交換することになったが、それ以上に面倒な噂が校内に広まりつつあることを、彼は肌で感じていた。
『ねえ、聞いた? 先週の放課後、誰もいない音楽室から、凄く綺麗なピアノの曲が聞こえてきたって……』
『なんか、プロが弾いてるみたいだったって噂だよ。誰が弾いてたんだろう?』
すれ違う他クラスの生徒たちが、そんな噂話を小声で交わしているのが耳に入る。
(……やれやれ。扉が開いてたせいで、随分と余計な音を響かせちまったみたいだな)
あの時弾いたのは、ガスターが遺した『Undertale』。
地底世界の理を紡いだその旋律が、このニンゲンの学校で奇妙な尾を引いている。
しかもその場にいたのは(後から知ったことだが)とてつもない問題児と言われているあの高円寺。面倒事が始まる予感しかしなかった。
(……あのニンゲン、オイラのピアノを聞いて何を考えてたんだか)
サンズは小さくため息をつくと、図書室の扉へと手をかけた。
今回のテストで学校側の鼻を明かし、クラスでの信頼も勝ち取った(最初から信頼は十二分にあったが)。
だが、盤面が等しく平等になったからこそ、ここから各クラスのクラス争いが本格的に動き出す。
(へへ……ま、何が起きようと、オイラはのんびりさせてもらうだけだけどな……)
そう自分に言い聞かせながら、サンズは静まり返った図書室の中へと足を踏み入れるのだった。
―――
図書館にて。サンズが本を見つけようと歩いていると、椎名と目が合った。こちらに向かってくる。
「お久しぶりです、サンズ君」
「よう、椎名。お久しぶりっていっても、3日しか経ってないんだけどな?」
「ふふ、サンズ君と話をするのが楽しくて、会っていない時間が長く感じてしまうんです」
そう言って、椎名は手元に抱えていた分厚いミステリー小説を愛おしそうに胸に抱き直した。
サンズはいつもの定位置である窓際の席にどっかりと腰掛け、椅子の背もたれに頭を預ける。
「へへ、そいつは光栄だねぇ。オイラみたいな怠け者(骨)と話してて、何がそんなに面白いんだか」
「サンズ君の言葉には、私の知らない世界の匂いがしますから……それに、今回のテストのことも」
サンズの隣に静かに座ってサンズをじっと見つめる椎名。しかし、何かを探ってくるような嫌な視線ではなく、純粋な眼差しでサンズを見てきている。
「……テストの事?どういうことだかな。オイラにはさっぱりだぜ」
「ふふっ、サンズ君ならそう言うと思いました」
ふわりと微笑んだ椎名。サンズはそんな椎名の様子を見て、少し首を傾けた。
「何でオイラならそう言うと思ったんだ?」
サンズの問いかけに、椎名は少し困ったように笑ったが、すぐに自分の中で答えを見つけたかのような納得した表情を見せた。
「……私は、サンズ君と一ヶ月程度しか交流をしていません。なので、サンズ君が昔どこの中学校にいたのか、好きな食べ物は何なのか、とか、そういう話をしたこともありません。けれど……」
椎名はとても自然な、凄く穏やかな笑顔で、サンズに向き直った。
「サンズ君とはまだ短い付き合いですが、本の趣味や、サンズ君がとても優しいこと…周りのために行動を起こすことができること、くらいは私は知っています。」
「……周りの為に……?」
「はい。サンズ君は、とても優しい人です」
瞬間、サンズの頭に流れ出した…あの地底世界の記憶。
トリエル、パピルス、アンダイン…モンスター達は皆、ニンゲンに殺された。
サンズは、虐殺を止めることが出来なかった。抵抗しようとした。無駄だった。
ニンゲンは、文字通り何度でも生き返って、サンズを殺しに来る。『ケツイ』の力で、何度でも、何度でも…
……あのニンゲンは…『フリスク』は、助けを求めていた。まるで、『ナニカ』に操られているのかのようだった。
『私…を…止め…て…お願い…サンズ…戦いたく…ない…よ……もう…殺したく…ない…助け…て…』
サンズに助けを求めていた。
助けられなかった。
誰一人、助けられなかった。
必死に、藻掻いて、足掻いて、光が見えたところに、一筋の明かりに手を伸ばそうとした。だが、光に近づくたびにそれは遠ざかり、サンズの体は絶望という名の闇に飲み込まれていく。
トリエルとの約束も果たせない。電話を取らない時点でもう始まっている合図だ。
最愛の弟も守ることができない。首だけになった弟を思い出すだけで吐き気がする。
アンダインの体が溶けていくところを見ていることしか出来ない。
ずっと助けを求めていたガキンチョも、助けることができない。
(……オイラは……オレは、何も守れてない……周りの為に自分が犠牲になることもできない。止めることすら出来ない。クソニンゲンを殺すことすら出来ない……)
(……オイラには……何が残ってるんだろうな……」
「…えっ…?」
「……ん?」
「あの…今…」
(…やべ、口に出てたか…?)
「あ〜…その、あれだ。Dクラスは、ポイント残ってるのか疑問に思っただけだ。オイラの友達もいるしな」
「……そうですか」
少しこちらを気遣うような表情を見せてくる椎名に、サンズはいつも通りの、それでいてどこか儚い笑顔を浮かべながら、何とか話題を変えようとした。
「…そ、そうだ。なぁ、椎n」
「……サンズ君、綺麗ですね」
「……ん?」
こちらを見ながら、珍しくどこか浮ついたような表情でいつもならば絶対に言わないであろうことを言った椎名。サンズは珍しく動揺していた。
「……ああ、いいえ、そういうことではなく。夕焼けが、ですね」
「……あ、ああ。そういうことか」
(……クソニンゲンかと思っちまったぜ)
『…ねぇ、君のソウル……
綺麗だね
私に【俺に】
ちょうだい?』
「…オイラは帰るぜ」
「あ、なら私も帰ります。本も借り終わったので」
「…そうか。なら、一緒に帰るか?」
「はい!」
……そこから椎名といつも通りミステリーの話をしながら、ゆっくりと帰っていくサンズであった…
……足を踏み出すごとに、ナニカが…皆の腕が足に絡みついているかのような錯覚を感じながら……
――――――
―――
side 椎名ひより
…危ない。なんとか誤魔化すことが出来ました。先程サンズ君に言ってしまった『綺麗ですね』という言葉。
夕焼けが綺麗だったというのもそうなのですが、サンズ君の笑顔があまりにも優しくて、儚くて…つい、口から出てしまいました。
…そういえば、恋愛小説では綺麗だ、と異性に思ったらそれは恋だ、という文章を見たことがありますが…私は今、サンズ君に恋をしているのでしょうか…?
……いいえ、いけませんね。こんな事を考えてしまっては。サンズ君は、私に読書友達として、丁寧に接してくれている。ならば、私はその想いに応えなければなりません。
……どうして、こんなに胸が苦しいのでしょう。サンズ君が私以外の女の子にあんな顔をしていると考えると、何だか変な気分になってきます……
…これは、なんなのでしょうか。私には、まだ分かりません。
……これは、友達が取られそうで嫉妬しているのでしょうね……恐らく。
ともかく、明日もサンズ君と話せることが、とても楽しみです。
早く、明日になりますように。
椎名ひよりをヒロインの一人にしてみたかった、それだけです。ちなみに、2人の関係は割と密接ではあります。休日に椎名から誘って、本をお勧めするくらいには。
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パピルス
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フリスク(性格はPルートでGの記憶持ち)
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