マイナス一誠とシトリーさん   作:超人類DX

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モフモフしたかった。

ただイッセーは猫ちゃん達と戯れたかった。

バラキエルに色々言われてその時間がなかったので今日こそはと思って行ったのだが……?


嘘みたいな出会い

 姫島朱乃が激怒した後、バラキエルに何を言ったのかも、どうなったのかもイッセー達は知らないし、知ろうとも思わない。

 ただ頼むから変に拗らせて此方に飛び火だけはさせないでくれと願うだけ。

 

 まあ、マイナスである彼等に飛び火が無い訳はないのだが、それでも願いたいものは願いたかったのだ。

 

 

「修学旅行?」

 

 

 そんなマイナス達は本日も学級崩壊により空き教室となった教室に集い、自主学習だったり遊んでたりする訳だが、唐突にアザゼルから二学期の中盤辺りに行われる修学旅行についての話をされた。

 

 

「そうだ、一応二学年であるイッセー、ゼノヴィア、イリナの三人は京都への修学旅行がある」

 

「京都すか」

 

「あぁ、しかしクラスそのものが崩壊してるから、班分けをする際、他クラスに混ざって貰うという話で、凄まじく嫌がる教師達を説得したんだが……」

 

「いや行かねーっす」

 

「…………うん、まあそう言うと思ったよ」

 

 

 アザゼルが色々と駆け回ってたらしいが、そんな苦労を台無しにするかの如くイッセーは軽い調子で行かないと宣言した。

 無論、イッセーが行かないならイリナもゼノヴィアも行く気なれない様だ。

 

 

「俺たちが他クラスの班に混ざったらどうなるかくらいは、自分でもわかりますよ。

第一、別に行きたいとは思わないし」

 

「人がごちゃごちゃと居そうだし、何か疲れそうだわ」

 

「うむ、二人が行かない時点で私も行く気にはならないな」

 

 

 自堕落な連中だ……。

 アザゼルは呆れるも、半ば予想していた展開だった。

 

 

「じゃあ修学旅行は行かないって言っとくぞ? 多分言った瞬間教師や生徒達は万歳三唱で大喜びだろうぜ」

 

「うーっす」

 

 

 こうして呆気なく修学旅行の不参加を決めたイッセー達。

 古い日本の文化を見に行くよりも、トモダチとそこら辺で遊んでた方が楽しい。

 そんな連中なのだ彼等は。

 

 

「どうせ積立金とかも払ってないでしょうしね、さてと……」

 

「? どこに行くんだ?」

 

 

 修学旅行に行く気は無いという方向になり、この話は此処で終わると、イッセーが徐に立ち上がって教室の出口へと向かおうとするのをアザゼルが聞く。

 

 

「ジローとコジロー達の所に。

この前はあの姫島先輩の親父さんだかと話をする事になっちゃって少ししか遊べませんでしたからね」

 

 

 そんなアザゼルにイッセーは答えると、独りで出ていってしまう。

 今度こそ猫達と思う存分戯れてモフモフするために……。 

 

 

「アイツが一人で何かしようとすると、決まって巻き込まれる気がするんだが……」

 

「それは分かってるけど、たまには一人にさせてあげないといけないの。

私やゼノヴィアやソーナに気を割かせてばかりじゃあね……」

 

「…………。お前、イッセーに激しく迫る癖にそういう事も考えられたのか」

 

「失礼ね!」 

 

 

 

 

 

 自分を不運だと思ったことはない――――いや、思ったら負けだと思うから自分なりにポジティブに考える様に努めた。

 それがとある少女の生き方であり、その思想だからこそヴァルキリーとして割りと凄めの地位にまで立てた。

 

 しかし時々彼女は思う……。

 

 

「はぁ……疲れる」

 

 

 自分を隠し続けながら生きても幸せになれるのか――と。

 

 それは自身の所属する組織の長の護衛兼秘書として遠い異国たる日本まで来て、その街の管理をする悪魔達や堕天使との顔合わせてを経て漸く暫しの暇を貰う事でやっと重りを外せる解放感によって考えてしまうネガティブな思考――いや、きっと本質なのかもしれない。

 

 

「オーディン様にはからかわれるし、あの転生悪魔の女性は仲間の男性ととても楽しそうだし、それを見たオーディン様に彼氏居ない歴をばらされるし……はぁ、笑って誤魔化してるのにもそろそろ限界があるわよ……」

 

 

 自分を隠して生きる。

 自分を心配する者を悲しませない為に笑い続ける。

 並大抵の精神力がなければ続ける事など不可能な所業を彼女はやってきた。

 だがその精神的負荷もまた凄まじい。怒りたい時に怒れない、泣きたい時に泣けない、笑いたい時に笑えない。

 

 不慮の事故に遭遇しても逃げ出せない。

 

 素敵な男性と過ごしたくても相手が居ない。

 

 

 ……まあ、最後のものに関しては単なる願望でしかないのだが、お笑いヴァルキリー扱いされつつある少女・ロスヴァイセはせめてこの暇を使って蓄積させたストレスをどこかに捨てようと、街をぶらつく。

 

 

「…………」

 

 

 日本で売られる製品は割りと良質な為、買わないにせよ見てるだけでも面白いと、色々なお店を渡り歩いていたロスヴァイセは、少し休憩しようとたまたま通りかかった公園で一休みをしていた。

 

 ベンチに腰掛けた時に見えたカップルイチャつきだらけの光景で即座に来るんじゃなかったと後悔したのは秘密だ。

 

 

「にゃー」

 

「?」

 

 

 やばい、アイツ等全員自分の寿命を犠牲にしても良いから早死にしないかなと、どこぞの隈がひどいボサボサ頭の女子高生みたいな感情になりかけそうになっていたロスヴァイセの耳に可愛らしい鳴き声が入る。

 なんだ? と思って足下を見てみると、白くてフワフワしてそうな毛並みの猫が自分を見上げる様な形でジーっと見ていた。

 

 

「にゃー」

 

「野良猫……?」

 

 

 片方が碧、片方が金という所謂オッドアイな白猫と目が合ったロスヴァイセはその猫に首輪がついてないと知り、どこかの野良猫だと判断する。

 しかしどこかが妙だ。試しに手を差し出してみても逃げようとしないし、意を決して触れてみても嫌がる素振りがまったくない。

 

 

「わっ……!」

 

 

 それどころかロスヴァイセの膝に飛び乗って来た。

 不思議な事に動物からほぼ懐かれないロスヴァイセにとっては新鮮味溢れるものであり、またこの猫の可愛らしさに、少し癒されていた。

 

 

「不思議な子ね、私って昔から動物に吠えられるか逃げられてばかりだったのに。

日本の猫って人に慣れてるのかしら?」

 

「ふにゃー……」

 

 

 ゴロゴロと喉まで鳴らしながら膝の上で丸くなる白猫にロスヴァイセは久し振りに素で嬉しかったのと同時に、久々に感じる幸運だった。

 

 

「はぁ、でもアナタとお別れした後また介護ヴァルキリーをしなければならないのかと思うと気が重くなるわ……」

 

「にゃ?」

 

「あ、いえ、こっちの話よ……ふふふ」

 

 

 しかしこの一時の後は自分を殺して生真面目ヴァルキリーに戻らなければならない。

 そう思うと少し憂鬱であり、その感情を察知したのかどうかまではわからないが、白い猫のオッドアイが真っ直ぐロスヴァイセに向けられる。

 

 

「あ……!」

 

 

 辺りを見渡せば楽しそうにしてるカップルの中で自分は猫相手に愚痴りそうになる。

 なんとも虚しい……とため息を吐いたその時、突然膝の上の白猫がロスヴァイセから離れて地面に着地すると、クルクルとその場で回転しながらロスヴァイセから離れていく。

 

 

「?」

 

 

 単に走り去るのではなく、一定の距離を走るとこちらに振り向き、また回転する。

 まるで自分に何かを伝えたがっているようにその時何故か感じたロスヴァイセはふと声に出した。

 

 

「ついてこい……って事?」

 

「にゃ」

 

 

 猫に言ってもわからないし返事も猫にしかわからないが、何となくその不思議な白猫の挙動にそう感じたロスヴァイセは、その白猫についていく形で公園を出て、時には狭い路地裏、時には家の塀を伝い、時には猫にしか潜れそうもない壁の穴を抜けていく。

 

 

「ちょ、ちょっと待って猫ちゃん! ど、どこまで私を連れていくの?」

 

「にゃ!」

 

 

 一体全体この猫は自分をどこに連れていくつもりなのか……。

 少々不安になってきたロスヴァイセだが、辿り着いたのはかなり昔に放棄されただろう、古い工場の様な建物だった。

 

 

「な、なにここ?」

 

「にゃー」

 

「え? え!? は、入るの!?」

 

 

 ちょっと怖そうな雰囲気漂う建物を前に怖じ気づいてしまうロスヴァイセだが、白猫が平然と塀を飛び越えて中へと入ってくので、ここまで来たからにはとロスヴァイセもその身体能力を駆使して塀を飛び越えて中へと入る。

 

 

「にゃー」

 

「一体ここは……」

 

 

 中へと入ったロスヴァイセは、埃っぽい建物内を白猫を先頭に歩く。

 一体こんな場所に何があるのか……素敵な男性は絶対に居ないだろうし――と、思いながら奥へと進んでいくと、白猫が突然ダッシュし始め、奥の部屋へと入っていった。

 

 

「?」

 

 

 今度は何だ? と思いながらも気になってしょうがないロスヴァイセも遅れてその奥の部屋へと入る。

 するとそこに居たのは……

 

 

「にゃー♪」

 

「お前どこ行ってたんだよ? 一人欠けてたから心配したぜコジロー?」

 

「え……」

 

 

 人間の男性がそこに居た。

 さも当たり前の様に数匹の白猫達に囲まれながら、自分をここまで連れてきた白猫の頭を撫でていた。

 まさかこんな所で人と出会すとは思ってなかったロスヴァイセは思わず目を丸くして立ち尽くしてしまう。

 

 

「え? 俺の友達が居たから連れてきた? おかしいな、センパイもイリナちゃんもゼノヴィアさんも家に居る筈なんだけど……」

 

「あ……」

 

 

 不思議なことに、その男性は猫と会話をしてる様に見え、その男性と目が合った。

 どこかで見たような気がしたが、微妙に思い出せないその男性と目が合ったロスヴァイセはそのドス黒く濁った目に何かを感じた。

 

 

「………。ごめん、誰だよこの人?」

 

「にゃ?」

 

「いや全然知らない人だぞコジロー?」

 

「にゃーん」

 

「『でも同じ匂いがした?』…………この人にか?」

 

 

 不思議だ。今初めて会ったこの男性から酷く懐かしい気持ちになる何かを感じてしまう。

 だからロスヴァイセはその華奢な男性から目が離せない。

 

 

「同じ匂いが……ねぇ?」

 

「…………」

 

 

 何故なのか? どうしてなのかがわからない。けど懐かしくて酷く安心する。

 ゆっくりとその場から立ち上がった男性がゆっくりとロスヴァイセの前まで近づく。

 

 

「…………………………」

 

「ぁ……」

 

 

 そしてグイッと無遠慮に鼻先が触れそうになるまでの距離で顔を寄せてきた。

 黒く、汚く、負を思わせる両目にじーっと見詰められるロスヴァイセは自分の持つ全てを見透かされてる様な気持ちになって目を逸らしたかった。

 

 

「確かにコジローの言うとおりだけど、初対面だぜこの人?」

 

「にゃー……」

 

 

 けど逸らせなかった……。

 ロスヴァイセはその理由がわからないまま、自分を見てなにかを理解したかの様な顔で離れていくその男性から目が離せなかった。

 

 

 

 

 

 

 マイナスを受け入れる猫に誘われる形で邂逅してしまったロスヴァイセは、小柄な少年に言われるがままにちょっと汚れた椅子に座り、今更ながら慌てて挨拶をした。

 

 

「え、えっとその、その白い猫ちゃんに付いてこいって言われた気がしたので……」

 

「それはこの子から聞いたよ。

何でも同じ匂いがキミからしたから、俺の友達だと勘違いしたみたいだけどね」

 

「同じ匂い……?」

 

 

 大分懐かれてるのか、白い猫達にひっつかれている小柄な少年の言葉に首を傾げるロスヴァイセ。

 

 

「そうか、自覚はまだしてないんだな? だったらそのまま知らない方が良いと思うし、今日ここで俺と会った事も忘れた方が良いよ」

 

 

 ロスヴァイセの反応を見て、まだ自覚をしてないと理解した少年――てかイッセーは親猫のジローの喉元を撫でながら忘れろと言う。

 

 

「見た所キミは外国の子だろ? 流暢に日本語を喋るからビックリしたけど、忘れてそのまま国に帰った方が良い、キミにも家族が居るだろうしね」

 

「は、はぁ……」

 

 

 まるでどこぞの金髪サマソ使いみたいな台詞を吐くイッセーは妙につっけんどだ。

 しかしロスヴァイセはどうも目の前の彼の忠告に対して後ろ髪を引っ張られる様な躊躇を覚えてしまう。

 というか何となくだが、少年に対して思うことをつい言ってしまった。

 

 

「あの、何の事かはわかりませんけど、何となくアナタを見た時から妙に同じものを感じるのですが、これの事を言ってるのでしょうか?」

 

「…………………………」

 

 

 同じというか、安心してしまうというか、何となくこの人にだったら素であっても問題ない気がするという予感というか。

 初対面相手に何を思ってるのか自分でも戸惑ってしまうが、そう思ってしまうと言うロスヴァイセにイッセーは思わず閉口してしまい、それが彼女に確信を与えてしまった。

 

 

 

「キミが何者かを知るつもりは無いし、逆にキミが俺を知ったら後戻りができなくなる。

だから忘れてしまえ――いや、忘れさせる」

 

「!」

 

 

 まずいと思ったイッセーがその手におぞましい程に巨大な杭と釘を持ち、即座にロスヴァイセへと投げつけた。

 幻実逃否により、今あった事を彼女の記憶の中から消し去るつもりで。

 しかし……。

 

 

「い、いきなり何をするんですか!」

 

「!」

 

 

 ロスヴァイセはヴァルキリーとしての身体能力の高さにより、その釘と杭をキャッチする。

 

 

「こ、こんなものが刺さったら危ないですよ!」

 

「……チッ」

 

 

 憤慨してるロスヴァイセにイッセーは舌打ち混じりでもう一度正面から投げつける。

 当然またしてもキャッチされるが、これは単なる陽動で、投げつけた瞬間にイッセーはロスヴァイセの死角に回り込んでいた。

 

 

「幻実逃――」

 

 そして両手でキャッチしたと同時に死角回り込んだイッセーは直接釘と杭を彼女に刺し込もうとしたのだが……。

 

 

「だから危ないって言ってるでしょう!?」

 

「うが!?」

 

 

 運悪く回り込んだイッセーの腹に思いきりロスヴァイセの肘が突き刺さってしまった。

 

 

「ごぇ……! ごほっ!」

 

 

 イッセーは当然知らないが、ヴァルキリーというある意味戦闘民族みたいな環境で育ったロスヴァイセに、ヒョロヒョロでダックスフンドにすら殺されるかもしれないくらい弱いイッセーが敵う訳もない。

 

 今回の場合は運が悪かっただけだが、それでも普通にイッセーが勝てる相手ではないし、現にあっという間に組伏せられてしまった。

 

 

「こ、こんなもので私を刺そうとは何のつもりですか!?」

 

「えほ! お、重い……」

 

「んなっ! そ、そんなに太ってません!!」

 

 

 組伏せられ、しかも全体重を掛けられて拘束までされてしまったイッセーに打つ手がない。

 いや、別に別の手も無くは無いが、異様に強いこの女性を出し抜ける気がまったくしなくなっていたイッセーは既にやる気が消えていた。

 

 

「まったく、私だからこれくらいで許すけど、他の人ならまず正当防衛で殺されても文句言えませんよ?」

 

「わ、わかったら降りてくれないか? 重くてつぶれそう……」

 

「だ、か、ら! 私はそんなに重くない!」

 

 

 重いを連呼するイッセーにムカッとするロスヴァイセが怒りながら更に体重を掛ける。

 このままだと本気で骨がへし折れるかもしれない……と、どういう訳か並んでお座りしながら見ているジローとコジロー達を横目に思ったイッセーは奇策を講じる事にした……。

 

 

「あ、ブラが透けて見える」

 

「っ!?」

 

 

 不意打ちの台詞としてはどうかと思うが、どうやら成功したらしく、ヘラヘラとした言い方で指摘されたロスヴァイセは顔を赤くしながら胸をかばう。

 その瞬間、押さえ付けられたイッセーの両手は解放され、これでもかとニヤリと嗤ったイッセーは今度こそだぜとばかりに手にあった釘と杭をロスヴァイセの脇腹目掛けて刺そうと――

 

 

「わ、私の下着を見たからには責任を取りなさい!!」

 

「グボェ!?」

 

 

 したけど、真っ赤な顔をしたロスヴァイセの拳がイッセーの腹に突き刺さる方が早かった。

 その突き刺さる様な一撃にイッセーは持っていた釘と杭を落としてしまい、激しく咳き込みまくる。

 

 

 

「げほっ! げほっ! ……い、イリナちゃん並のパワー……」

 

「異性に下着を見られたら結婚相手にしろと祖母が言ってたましたからね! きっちり責任を取って頂きます!」

 

「ま……まって……! み、見てないっす……じょ、ジョーク――うぇあ!?」

 

「ジョークだなんて言って逃げられると思わないで! ぜっっっっっったいに逃がしません!」

 

 

 やばい、別の意味でこの女はヤバイと思って逃げようとするが既に遅すぎた。

 逃げようにも鳩尾のダメージは深刻だし、仮にそのダメージを否定して逃げても、今何故かロスヴァイセに馬乗りにされてるので地力の差でどうにもならない。

 

 

「ちょ、と……まって……お、おれ、好きな人が……」

 

「いきなり浮気!? 私の下着見といて浮気!?」

 

「ちょ……ま……おぇ……!」

 

 

 結局見ていたジローとコジロー達が見かねてロスヴァイセに飛び掛かって止めるまでこのやり取りは続いたらしい。

 そして……。

 

 

「ご、ごめんなさい……! そ、その……」

 

「もう良いよ。

どうせ俺は弱いし、勝てないし……フッ」

 

 

 落ち着いたロスヴァイセに慌てて謝られても、イッセーの気持ちは凄まじくよくはなかった。

 

 

「あてて……肋骨折れたなこりゃ」

 

「い、今病院に――」

 

「あ、良いよ良いよ。……否定できるし」

 

「へ?」

 

「こっちの話。それでキミって誰なの? 何か互いに名乗りもせず訳のわからない事になっちゃったけど」

 

「あ、はい! 私はロスヴァイセと―――」

 

「ノン」

 

「――え?」

 

「敢えて言うけど、その『取り繕った』感じで話すのやめて貰えるかな? …………無理してる様に見えてしょうがないし」

 

「!!!? な、何でわかるの……?」

 

「この子がキミから俺と同じ匂いがするって言ったろ? ………そういう事だよ、何か似てるんだよキミ、俺の大好きなセンパイに」

 

「センパイ……? そ、それって女?」

 

「? そうだけど………」

 

「浮気ですか!? 早速不倫か!?」

 

「……。あ、ごめん、イリナちゃんにも似て――」

 

「また他の女ですか!? 私の裸まで見といて!」

 

「見てねーよ、話を捏造しないでくれないか? ……なんだろ、めんどくさそうなのに不思議と疲れないな……」

 

 

 結局またイッセーは負けたのだ。

 

 

「取り敢えずオーディン様に報告して……」

 

「オーディン……? ……………やばい、嫌な予感がしてきたぞ俺」

 

「取り敢えずこの猫ちゃんには感謝しないと……!」

 

 

 

 

 

終わり




補足

100均ヴァルキリーが妙に人気で本当は嘘のまんまにするつもりだったの! なのに嘘書いたらみんな乗り気だったからさぁ!! 無理矢理だよ無理矢理!!


その2
生真面目故に自分を殺し続けた所はソーたんに。
一度自分を解放すると過激になるのはイリナちゃんに。
そして決壊するとネガティブになるのはゼノヴィアさんに。

それぞれ似てるのと、単純に強すぎて勝てないので下手にでるしかなかったイッセーだった。
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