虹ノ魂 〜未来の歌姫たちと伝説の英雄たち〜   作:MLBU

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22話 そこに宮下愛はあるんか?

 

 

 

 

─────お台場の空は今日も快晴、そして宮下愛のテンションも最高潮だった。

 

 

愛「おっはよー!今日も太陽が愛を呼んでるねっ!愛だけに、会い()に来ちゃった─────なーんちゃって!」

 

 

愛は何時ものように、道行く人々に太陽のような笑顔を振り撒きながら、ジョイポリ周辺を歩いていた。

見た目はギャルだが、その本性は根明の上に誰に対しても心優しい性格で、後輩である控え目な璃奈からも慕われてる美少女だ。

彼女にとって、この街は巨大な遊び場であり、友達を作るための社交場だ。

 

だが、そんな彼女の視線の先で、お台場の平和な風景を物理的に破壊している『何時もの二人』がおり、何処か《修羅場》のようで、《間抜け》た雰囲気をしていた。

 

 

 

 

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十四郎「おい、どけ。そこをどけ。真選組副長が通るぞ。おい、誰だ?俺のパトカーのボンネットにジャンプの付録のシール貼った奴は」

 

 

土方十四郎が、額に青筋を浮かべてパトカーから降りてくる。

その目の前では、スクーターに跨った坂田銀時が、耳を穿りながら先程取った耳糞を土方の制服目掛けて弾いていた。

 

 

銀時「あ?何だァ、多串(おおぐし)君じゃねーか。シール?ああ、それ俺のじゃないわ。神楽だな。つーかお前の車、白と黒で地味なんだよ。熊猫(パンダ)かよ。もっとこう、苺牛乳色にペイントしてやろうか?」

 

十四郎「誰が多串だ!!!つーか熊猫(パンダ)って呼ぶな!!!これが警察の模様なんだよ!!!そして誰がパトカーをファンシーにしろと言った!!!公務執行妨害でぶち殺すぞ、天然パーマ!!!」

 

銀時「殺してみろよマヨラー!!!お前のそのV字前髪、マヨネーズの口で切り取ってやろうか?!!」

 

 

二人は出会って三秒で抜刀(銀時は木刀)し、通行人が逃げ出すほどの勢いで激突した。

 

 

銀時「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

十四郎「テメェが死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

ガキン! ドゴォォン! と、お台場の象徴である大観覧車を背景に、全く美しくない火花が飛び散る。

 

 

 

 

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そんな地獄のような喧嘩を背景に、愛は全く動じることなく、近くのベンチに座るお年寄りや子どもたちに絡んでいた。

 

 

愛「おじいちゃん、こんにちは! 今日はいい天気だねっ。まさに『お台場』で『お、大場(ダイバ)ー!』って感じ─────あ、ちょっと無理あったかな、テヘッ!」

 

 

愛の屈託のない笑い声に、最初は困惑していたおじいちゃんも思わず顔を綻ばせる。

 

 

愛「愛さんね、最近すっごく面白い大人たちに出会ったんだ!一人はジャンプが大好きな銀髪の人で、もう一人はすっごく怖い顔してマヨネーズ食べてる警察の人!あの二人、いっつも喧嘩してるけど、本当は仲良しなんじゃないかなーって思うんだよね」

 

 

愛は、激しく斬り合っている銀時と十四郎を指差した。

 

 

愛「ほら、見て! あの息の合ったコンビネーション! あんなの、お互いのこと大好きじゃないとできないよっ。まさに『喧嘩するほど仲がいい』ってね! 『仲がいい』だけに『仲が、いい(良い)』─────うーん、これは普通すぎた!」

 

 

一人でボケて一人で笑う愛のエネルギーは、周囲の空気を確実に明るくしていく。

大人の男二人が喧嘩をしてるのを普通の女子高生なら悲鳴をあげるだろうが、彼女にとって、世界は『みんな友達』であり、どんなに怖そうな大人でも、笑顔一つで通じ合えるはずだという信念があった。

 

─────そもそも二人の喧嘩は毎回のことなので、『何時ものことか』と済まされる。

 

 

 

 

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十四郎「オラァァァ!!!糞天然パーマァ!!!」

 

 

十四郎の回し蹴りが銀時を掠め、近くのゴミ箱を粉砕する。

 

 

銀時「甘いんだよマヨラー!!!お前の動きはマヨネーズの出しすぎでヌルヌルなんだよ!!!」

 

 

銀時が十四郎の襟首を掴んで振り回した瞬間、勢い余って二人は愛の座っているベンチの目の前まで飛んできた。

 

 

愛「わわっ!大迫力だねーっ!二人とも、そんなにアタシに注目されたいわけ?」

 

 

愛がパチパチと拍手しながら割り込む。

 

 

銀時「あ!?何だ、愛ちゃんかよ・・・おい、危ねーからどいてろ!今この税金泥棒のV字を矯正してやってんだからよ!」

 

十四郎「誰が税金泥棒だ!!!テメェ、一般人を巻き込むなと言っているだろうが!!!・・・おい、金髪の嬢ちゃん。こいつは危険だ、早く避難しろ」

 

 

十四郎がゼーゼーと息を切らしながらも、一応警察官らしく愛を護ろうとする。

だが、愛はそんな二人の間に割って入り、両方の肩をガシッと掴んだ。

 

 

愛「ねぇねぇ、二人とも!そんなにカリカリしてたら、折角のイケメンが台無しだよ?銀さんも顔立ちは整ってる方だからさ!ほら、愛の特製駄洒落を聞いて元気出してっ!『マヨネーズ』を『迷ねー(マヨネー)』で食べ尽くす─────どう?決まった?!」

 

銀時・十四郎「・・・・・・」

 

 

銀時と十四郎が、同時に刀を下ろした。

お台場に、かつてないほどの静寂が訪れる。

 

 

銀時「・・・・・・おい。多串君。今の、笑うとこか?」

 

十四郎「・・・・・・俺に聞くな。だが、今のシュールな空気のおかげで、殺意が何処かへ家出したのは確かだ・・・」

 

愛「あははは!二人とも、静かになっちゃった!愛の駄洒落、効きすぎちゃったかなー?!」

 

 

結局、愛のペースに完全に飲み込まれた二人は、喧嘩を中断してベンチで肩を並べて座ることになった。

 

 

愛「ふーっ、やっぱりみんなで笑うのが一番だよねっ!銀さんも土方さんも、偶には愛さんと一緒にパフェでも食べに行こ? 愛の奢り─────って言いたいけど、愛も今月ピンチだから割り勘で!」

 

銀時「何だよ、結局金ねーのかよ・・・まあいい、糖分が足りねーからな。付き合ってやるよ」

 

十四郎「・・・フン、巡回ルートの途中だ。寄り道くらいは許容範囲内だ」

 

 

三人はその後、パフェ屋のところに行く。

銀時は苺パフェを、十四郎はパフェの上にマヨネーズを山盛りにした地獄の食べ物を注文し、愛はその横で「愛さんはチョコバナナ一択!」とはしゃいでいる。

 

 

銀時(・・・こいつ、本当に不思議な力を持ってるな・・・)

 

 

銀時は、隣で笑う愛を見ながら思った。

 

 

銀時(俺たちみたいな薄汚れた連中も、こいつの前じゃただの『近所のおっさんコンビ』にされちまうぜ・・・)

 

愛「愛さん、すっごく楽しいよ! こうやって色んな人と繋がれるのが、愛さんの『大好き』なんだ! 明日は同好会のみんなにも、二人の仲良しエピソード、話してあげよーっと!」

 

銀時・十四郎「仲良しじゃねーよ!!!」

 

 

二人の息の合ったツッコミが響き、愛の笑い声がそれに重なる。

お台場の平和は、一人の少女の眩しすぎる笑顔と、二人の大人たちの不器用な優しさによって、今日も首の皮一枚で保たれているのだった。

 

 

 

 

次回へ続く・・・・・・

 

 

 

 





本作は銀魂の良さとラブライブの良さを丁寧に書きます。
愛さんがいるとあの二人も流石に喧嘩をやめてそうですね・・・笑
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