─────
情熱の炎に燃え盛る女子高生・
彼女の頭の中はアニメやヒーロー、そしてスクールアイドルの情熱で溢れている為、学園では誰よりも
そんな彼女の前に、突如として時代錯誤な集団が現れた。
中心にいるのは、派手な蝶の刺繍が施された紫の着物を羽織り、左目に包帯を巻いた男・
その傍らには、三味線を背負った男、二丁拳銃を腰に下げた女、そして何処からどう見ても堅気には見えない、強面な男が控えていた。
せつ菜の目が輝く。
その格好、その立ち居振る舞い。
せつ菜「・・・・・・っ!ま、まさか・・・本物の《ダークヒーロー》、あるいは・・・秘密結社の方ですか!?」
せつ菜が興奮気味に詰め寄ると、晋助は煙管きせるをくゆらせ、この世の全てを悟ったかのような薄笑いを浮かべた。
因みに彼の眼帯は、
晋助「・・・・・・俺はただ、壊すだけだ。この腐りきった世界を─────そして、新たな夜明けの鐘を鳴らす」
せつ菜「『世界を壊す』・・・!なんて壮大な覚悟!まさに情熱の極致ですね!」
晋助が言ってることは全て、ただの『カッコつけたくて言いたいだけ』であり、テロリストでも何でもない。
彼が率いる
女「晋助様、今日もキマってるっす! 痺れるっす!」
女・
晋助「ククク・・・この瞳に映るものは、漆黒の絶望と、微かな希望の
せつ菜「深淵・・・!光と闇の相克・・・!素晴らしいです、その設定─────いえ、生き様!」
せつ菜が感動に打ち震えていると、背後で控えていた強面の男・
変平太「─────これはこれは、実に可愛らしい女子高生ですね。最近の高校生の女性もまた、花のように可愛らしい・・・実に素晴らしい教育環境だ」
また子「武市先輩・・・またロリコンっすか。いい加減にするっす。通報されるっすよ」
また子の冷ややかな視線を浴びても、変平太はどこ吹く風で、(自称)紳士的に微笑んだ(無表情だが)。
変平太「失礼なことを言わないでください。私はロリコンじゃない、女尊主義者フェミニストです。純粋に、子ども達が大好き─────謂わば、未来を愛する
また子「いや、それがもうロリコンって言うんっすよ!キメェっす!」
変平太はまた子のツッコミを無視し、せつ菜に向かって、どこから取り出したのか、豪華なお重や炊きたてのおにぎりを差し出した。
変平太「さあ、女子高生さん。好きなだけ食べてください。高校生は高校生らしく、元気にたくさん食べるのが一番です。成長期を応援することこそ、真のフェミニズムなのですから」
せつ菜「えっ・・・あ、有難う御座います! 丁度お腹が空いていたので・・・頂きます!」
せつ菜は疑うことも知らず、出されたおにぎりをパクパクと元気いっぱいに食べ始め、頬張る。
その姿を変平太は至福の表情(無表情だが)で、見守っていた。
また子「武市先輩・・・やっぱりどう見ても餌付けしてる不審者っす!完全に幼い子を狙う不審者の手口っす!犯罪臭がプンプンするっす!」
変平太「心外ですね、ロリコンではないと言っているでしょう?私は幼気な女子高生に手を出しておりません─────迷える幼き者達に、温かな食事という名の『救いの手』を差し伸べているだけです。これが大人の余裕というものです」
また子「いやどっちにしろロリコンっす! 結局言い方変えてるだけでキメェっす!」
変平太「黙れ猪女」
また子「お前が黙れ!」
また子が銃を抜こうとしたその時、ずっと黙って三味線を爪弾いていた男・
彼はヘッドホンを直し、せつ菜がご飯を頬張る様子と晋助の中二病発言、そして変平太の変態的行動を静かに観察していた。
万斉「─────拙者、良い曲メロディーを思いついたでござる」
万斉が三味線を一掻きする。
万斉「この混沌カオスな状況・・・そしてこの少女から溢れる、無鉄砲なまでの熱量。今の拙者の魂に響く曲のタイトルは─────」
万斉は鋭い眼光をせつ菜に向け、断言した。
万斉「─────《情熱
また子「パクリじゃないっすか!アウトっす!」
せつ菜「情熱少女・・・! 私にぴったりのタイトルです!」
また子「賛成するな!」
せつ菜は口に米粒をつけたまま、拳を握って叫んだ。
その後ろで、晋助は─────
晋助「フッ、情熱か・・・それもまた、一つの壊し方かもしれねェな・・・」
と、誰も聞いていないのに格好良いポーズで海を見つめていた。
お台場の夜は、今日も今日とて、平和な(?)中二病集団と情熱アイドルの邂逅によって更けていくのだった。
次回へ続く・・・・・・
次回は某女好き社長と鐘嵐珠の邂逅となります!