努力しない禪院、だが、最強 作:禅院炉
頭めっさ痛い……クソや。クソ。六眼とかいらんねん。逆に弱ぁなった気がするわ
「今までマニュアルで呪力を回していたのだ。六眼で最適化しオートマ化したと言っても、
もう、目玉くり貫いてええ?反転で治したら上手いこと消えてくれんかな?
「六眼は体質だからな。恐らく戻してもまた変質する」
何やねんこの人。さっきから欲しい答えをくれんだけど、マジで何もんなん?
ブラザーブラザー言ってるけど、禪院家の人間ではないよな?……ん?分家なのか?いや、こんな優秀かつ術式持ちの男を上が取り上げん訳ないか。
「法陣の適応は使えないのか?」
……何で魔虚羅の適応のことも知ってるの?相伝って言ってもそこまでは一般に公開してないよね?
五条悟に聞いた?それとも別のやつ?
「お前は、それを自らで扱えた筈だ」
それについては誰にも話してないよ?どこで知ったの?
「ふっ。秘密さ」
……何やろう。いつもなら、胸ぐら掴んでどこで知った!吐け!って怒鳴り散らしてるところやけど、怖くてそんなこと出来んわ。こいつなら、「ずっと後ろで見ていた」とか言ってきそうだし、そんなん言われたら、また見られてるんじゃないかって一生落ち着けんくなってまう。
まぁ……ええわ。法陣で六眼の適応か。出来るとは思うで。
だけど、縛りの関係上……一時間ぐらいかかるで?あくまでこれは適応のリセットを回避する為にぶら下げとる(普段は目立つので影の中に隠してる)だけで、呪力消費と回復速度を逆転させるために、余計なもんを削ぎ落としてるからな。
「やはりお前は根っからの式神使いだな。己は二の次で、式神の弱点克服を優先したか」
そやね。適応リセットを克服したうちの魔虚羅は強いで。古今東西あらゆる毒や術式、呪具の扱いも適応させて、領域対策に、簡易領域と落花の情も適応させた。
あと何か、行けるかな?ぐらいの感覚で十種影法術のレクチャーしたら、勝手に影から他の式神呼び出せるようになったわ。もちろん魔虚羅が呼び出したからって、ボクの式神やし、優先順位はボクの方が高いんやけど、ぶっちゃけ喋れないことを除けば、ボクの魔虚羅は最強の十種影法術使いとして完成してる。
魔虚羅を出したらボクなんてただの呪力電池や。
それに万一、魔虚羅がやられてもボクの方に法陣が移動するようになっとる。絶対にリセットはさせへん。
天の逆鉾でブスッとやって、最強魔虚羅がリトライや。
伏黒君の魔虚羅と戦わせたら、10秒ぐらいで片付くんじゃないかな?
「凄まじい……が、魔虚羅という式神に頼り過ぎではないか?何らかの手段でその召喚を封じられてしまったらどうする?」
そこんとこは大丈夫。魔虚羅はあくまで最終手段やし、この法陣で記憶した適応内容は法陣を宿してる時限定でボクにもアウトプットされる。
「成る程。魔虚羅本体に比べれば呪力出力などは落ちるかもしれないが、ブラザー自身が代わりを務めることも出来ると」
そういうこと。ボクでは戦闘中に適応を追加することは出来ないけど、これまでのストックがあれば充分以上戦える。ほんま、適応様々やわ。これあると努力とかバカらしくなる。
「謙遜することはない。それもまた立派な努力だ」
……せやね。
ほら。そろそろ渋谷に着くぞ。気絶したお連れさんを起こしたら?
そんで渋谷は……巨大な帳が降りとる……チッ。
なら、ええよ。六眼のお陰で、呪力は有り余っとる。初手魔虚羅で全部ぶち壊したるわ!
六眼のお陰で見える見える。帳の中は呪霊だらけで呪術規程を守るもクソもない魔境と化しとる。
そんでお前、こっちを見てるな?
「ケヒッ!」
ひときわ大きい呪力の塊。乙骨憂太より一回り……いや、もっとある。20本……揃ったわけやないやろうなぁ。それでこれとかマジの化け物やん。
ええよ。そんなに暴れたいなら思う存分暴れたらええ!
禪院真は鵺の上に立ち、
「布瑠部由良由良」
最凶を召喚する。
その瞬間、鵺はさいの目切りになって破壊された。
「なっ」
「ふぇ、ここは……うわぁぁぁぁぁ!!!」
ジブンら気張りや。こっから先は何が起こってもおかしない。
帳を越えた瞬間から、後戻りは出来ひん。怖いなら自前の術式で逃げることをおすすめするで。
「愚問だな!両面宿儺がブラザーの身体を乗っ取ったというのなら、俺たち二人で助け出す!俺たち三人は誰か一人が道を踏み外したらぶん殴って引き上げる!そうやってここまで来たじゃないか!」
もう突っ込まんからな。関西人がみんなツッコミ出来ると思ったら大間違いや。それにうちは京都、大阪やない。
魔虚羅の背中に乗って、帳を潜る。
案の定、入った瞬間に斬撃の嵐やが、うちの魔虚羅は適応頼りの木偶の棒やないんやで?
落花の情。そして影から状況に適した呪具を引き抜く。
「貴様!見えているな!そしてこの数に適応するか!」
呪力を込めたマシンガンに適応済みの魔虚羅からしたらこの程度屁でもないわ。
そんで、そもそも目ないからな。透明な斬撃とか関係ない。
わざと肩や足に攻撃を貰って、適応の条件を満たすのも忘れないで。
力不足の新田新君は影に回収。
では、東堂。呪具の好みはあるかい?
「並の呪具では焼け石に水だな。魔虚羅の適応が完了するまでアシスト出来る、俺の術式を活かせる呪具を出せるか?」
なら、これやな。
ボクは数百近い呪具を個人で所有しとる。
影の中に入れているのはその中でも厳選したもので、今回取り出したのは、七支刀だ。
「能力は?」
振れば、呪力の宿った数千の木の葉が舞う。数の暴力でチマチマとヤスリのように削る呪具や。
「ベストアンサーだ!」
東堂の術式『不義遊戯』は手拍子で呪力の宿ったものの位置を入れ替える術式だった。
一見、共闘の難しい術式に見えるが、今のボクと魔虚羅なら問題ない。
六眼は全てを見通していた。
魔虚羅には戦いに集中して貰い、ボクが追加の式神を送り込む。破壊された式神を修復する一瞬の隙をついた斬撃は東堂葵の不義遊戯がカバーに入った。
まさに封殺の陣。
天元が彼に五条悟の
ガコン
まもなく魔虚羅の法陣が御廚子への適応を開始する。
おいおい、こんなもんか呪いの王?拍子抜けだぜ。
「ケヒッまだまだこれからだろう?」
これより57秒後 両面宿儺の閉じない領域が渋谷を蹂躙する。