デジモンポリスメン   作:namco

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今回で最終回・・・のつもりだったけど、戦闘が長引いたため次回に持ち越しです。




対決 パラレルモン軍団 

「・・・・・・。」

 

 ミラーワールドの何処か。そこではパラレルモンがある実験を行っていた。

 

「・・・コレで・・・五十体目・・・。」

 

 この世界のテイマーから奪ったサポタマにパラレルモンはエネルギーを注ぎ込み、自らの軍団を生み出していた。

 生まれたデジモンはいずれも成熟期以上のデジモンであり、その内何体かは完全体、完全体より数は少ないが究極体も生まれた。

 

「・・・まだ・・・まだ・・・増やす・・・。」

 

 パラレルモンは直感で感じていた。ユーリ達との決戦が近いと。確実に勝つ為にもっと軍団を増やす必要があると。

 

「・・・ユーリ・・・その仲間達・・・貴様等は・・・私が・・・必ず・・・倒す・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――グローイングドーン アジト

 

 

 

 パラレルモンとの接触から数日が経った。

 ユーリ達はパラレルモンの居場所を探す為にミラーワールドの様々な場所を訪れていた。

 何もない平原のようなエリア、コンクリートジャングルのようなエリア、時には裏社会の人間達が屯(たむろ)しているエリアにも足を踏み入れた。

 裏社会に足を踏み入れた途端、襲い掛かってくる人間やデジモン達が居たが、全員を叩きのめして返り討ちにして、不良グループや闇組織を物理的に壊滅させたりした。

 こうして情報を集めていたのだが、まともに集まることはなく、ただ時間だけが過ぎていった。

 キロプモンにも頼んでインターネットの様々な場所にもアクセスして貰ったが、パラレルモンの目撃情報は全くと言っていいほど集まらなかった。

 このままただただ時間を浪費してしまうのかと思っていたその時。

 

「・・・見つけた!!」

 

「ホントか!?」

 

 ユーリがキロプモンの言葉に反応した。キロプモンが何かを見つけたらしく、その映像をパソコンに映し出す。

 その映像にはパラレルモンと、その背後には大量のデジモン達がパラレルモンの後ろを歩いていた。

 

「パラレルモン・・・やっぱり軍団を作ってやがったか!」

 

 ユーリはここ数日間姿を見せなかった理由が判明したことによって表情を歪ませる。

 

「ざっと見た感じ、成熟期が九十体、完全体が三十体、究極体がパラレルモンを除けば三体・・・かなりの数だ。」

 

「究極体!?しかも三体も!?」

 

 ナオヤの言葉にレーナが反応して絶望したような表情を浮かべる。

 

「完全体以下となると何とかなりそうだけど、究極体は出てくる奴にもよるけどキツイかも。」

 

 ミカがそう呟く。

 

「関係ねえ!全員ぶっ飛ばしてパラレルモンもぶっ飛ばす!それだけだ!!」

 

「相変わらずシンプルな答えだね。ま、そうだけど。」

 

 ナオヤがユーリの答えに呆れつつも同意する。

 

「場所がわかった。全員、準備はいいな?」

 

「俺は何時でも行けるぜ!」

 

 キョウが言うと、ユーリは頷く。

 

「これだけの軍団を相手にするのは初めてだけど、やるしかないわね!」

 

 ぱん!と、レーナは自分の頬を叩いて気合を入れる。

 

「いつもの明日を迎える為に、僕も頑張るよ!」

 

 マコトも気合を入れ、軍団を迎え撃つ為に己を奮い立たせる。

 

「兄さんが無事に目を覚ますことが出来るように、奴等を倒す!」

 

 トモロウも拳を握り締めながら決意を固める。

 

「この世界に飛ばされてから色々ビックリの連続だけど、それなりに気に入ったからね。壊させはしない!」

 

「パラレルモンとケリを付ける!」

 

 ナオヤとミカも決意を固め、討伐する為に全力を出す事を誓う。

 

「よし、行くぞ!!」

 

「はああ!!」

 

 ムラサメモンがミラーワールドへと道を開き、全員がそこへ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ミラーワールド

 

 

 

「来たか・・・。」

 

 ユーリ達とグローイングドーンのメンバーがミラーワールドに突入した事を感知したパラレルモン。

 その様子を見た配下のデジモンの一体が問いを投げる。

 

「ほう?ようやく暴れられるんだな?」

 

「待ち侘びたぞ!」

 

「焼き尽くし、叩き潰す・・・!」

 

 パラレルモンの背後に居る三体の究極体デジモン、巨大な刀を持った緑の鬼のようなデジモン「タイタモン」と、肩と腰から生えた虫の羽を震わせ、紫の鎧を身に纏った昆虫型デジモンの王「タイラントカブテリモン」と、青い炎を全身から噴き出しながら不敵な笑みを浮かべる獅子の獣人のようなデジモン「アポロモン:ウィスパード」が、不適な笑みを浮かべながら体を震わせる。

 

 

 

タイタモン

 

究極体 神人型 ウィルス

 

必殺技 魂魄芯撃(こんぱくしんげき)  幻刃無痕(げんじんむこん) 呼応冥軍(こおうめいぐん)

 

・オーガモン等の鬼人型デジモンが行き着く先の一つである究極体の神人型デジモン。その巨体とパワーで立ち向かって来る敵の全てを薙ぎ祓い、斬り伏せる。その手に持つ巨大な刀「斬神刀(ざんじんとう)」は、スカルグレイモンの骨を加工して作られた骨刀であり、刀に籠もった怨念が唸り声を上げる。大きな両腕には大量の頭蓋骨が敷き詰められており、その頭蓋骨全てが、今まで倒したデジモン達のデータである。

必殺技は、刃が敵の防具や体をすり抜け、そのままデジコアへ達し斬り刻み、まともに喰らえばそのダメージは回復することはない「魂魄芯撃(こんぱくしんげき)」と、敵を斬神刀で突き刺しえぐり、抜いた後もずっとえぐり続けられる幻覚に陥り、精神が死ぬまで苦しみが終わることはない「幻刃無痕(げんじんむこん)」と、両腕の頭蓋骨を基に幽兵を召喚、不死の軍団として敵勢を蹂躙する「呼応冥軍(こおうめいぐん)。」これがタイタモンが一人師団と呼ばれる由縁であり、一体でも軍隊と同様に扱われるのは瞬時に大軍勢を召喚することが出来るためだ。

 

 

 

タイラントカブテリモン

 

究極体 昆虫型 ウィルス

 

必殺技 シャインオブビー ビーサイクロン

 

・すべての昆虫型デジモンを治める「蟲の王」。あらゆる昆虫型デジモンを意のままに操ることができ、自身が戦うことはほとんどないが、蟲の王を名乗るだけあって個としても郡としてもその戦闘能力は絶大だ。体の甲殻は高密度のクロンデジゾイドによって構成されており、並みのデジモンでは傷をつけることはできないと思われる。

必殺技は、全身から発せられる防御不可能な灼熱の爆発『シャインオブビー』。敵対するもの全てを一瞬にして灰にしてしまう。また、『ビーサイクロン』は配下の蟲達を呼び寄せ、鉄壁の蟲の壁を作り上げる。

 

 

 

アポロモン:ウィスパード

 

究極体 神人型 ウィルス

 

必殺技 アロー・オブ・ウィスパード 嘆きの太陽(サン・オブ・ソローズ)

 

・アポロモンの内に抑制していた非情な闘争本能と、プライドの暴走をきっかけとしたバグにより、分離して誕生した個体である。青い炎はアポロモンを上回る熱と狂気を帯びているが、技の精細に欠ける。

必殺技は、両手の光玉から青い炎を矢として放つ『アロー・オブ・ウィスパード』と、青黒い巨大な炎の球体をぶつける大技『嘆きの太陽(サン・オブ・ソローズ)』。

 

 

 

「そう慌てずとも・・・奴等の方から来る・・・楽しみは・・・その時まで・・・取っておけ・・・。」

 

「わかったぜ・・・お前等!無様な姿見せんじゃねえぞ!!」

 

『おおおおお!!』

 

「―――!!」

 

 タイタモンが大声で自分が抱える部隊に声をかける。

 その声に合わせて、姿は似てはいるがそれぞれ違う鬼の姿をしたデジモン「オーガモン」、「フーガモン」、「ヒョーガモン」、そして前身が骨で出来た四足歩行の翼の生えた獣の姿をした、愛馬であるアンデッド型デジモン「スカルバルキモン」が声を上げる。

 

「お前達も、奴等から一滴残らずエネルギーを吸い尽くせ!!」

 

『おおおおお!!』

 

 タイラントカブテリモンも、自分の抱えている部隊に声をかけ、部下である蟲のデジモンの「フライモン」、「ブレイドクワガーモン」、「メタリフェクワガーモン」が気合を入れるかのように声を上げる。

 

「俺から言う事は特に無え。奴等を叩き潰す!それだけだ!!」

 

『おおおおお!!』

 

 アポロモンWも同じく自分の部隊に声をかけ、部下である魔獣型デジモンの「セトモン」や「ケルベロモン」、獣人型の「ワーガルルモン(黒)」や「ブラックガルゴモン」は声を上げる。

 興奮状態となった全てのデジモンが牙を研ぎ、爪を立てながら雄叫びを上げる様子に嬉しげに目を細めるパラレルモン。ユーリ達と決着を付けるために自身も体内でエネルギーを練り上げる。

 

「来たぞ・・・。」

 

 パラレルモンが気配を感じた方向に目を向けると、小さな点が見えた。その点はやがて次第に大きくなり、複数の姿を形作る。

 

「どけどけーーー!!デジモンポリスメンとグローイングドーンのお通りだーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらおらどけどけーーー!!」

 

 アルフォースブイドラモンに乗ったユーリが、暴走族のような掛け声と共に、パラレルモンが生み出したデジモンを蹴散らしていた。

 最も、蹴散らしているのはアルフォースブイドラモンだが。

 

「ユーリ、それじゃ暴走族よ。昔みたいな不良に戻ってるわよ。」

 

「ミカ、今のユーリに何言っても無駄だよ。とにかくぶっ飛ばすことしか考えてないから。」

 

 ミカとナオヤも、それぞれのパートナーデジモンの背に乗りながらパラレルモンの軍団を蹴散らしていた。

 

「おうおうおうおう!トモロウ!俺達も負けてらんねえってな!!」

 

「ああ!思いっきりぶちかませ!!」

 

「ニュートロンレイザー!!」

 

 アルマリザモンの口から放たれた高出力のレーザーが、直線上のデジモン達を貫き、その攻撃によって致命傷を負って幼年期へと退化していく。

 

「スキャッターロケット、連続発射!!」

 

 ウルヴァモンも両腕のメタルアームからミサイルを連続で発射し、次々とデジモン達を幼年期へと退化させていく。

 

「ジャイアントラング!!」

 

 ナイトキロプモンが巨大なブーメランでデジモン達を切り裂き、次々と幼年期へと退化させていく。

 

「豪の斬・叢時雨!!」

 

 ムラサメモンが太刀を力一杯振り下ろし、巨大な斬撃波を放ちながらデジモン達を倒し、幼年期へと退化させる。

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 ホーリードラモンが口から白い炎を吐き、完全体デジモン達を焼き尽くしていく。

 

「ギガブラスター!!」

 

 ヘラクルカブテリモンが強力な電撃を放ち、完全体デジモンを幼年期へと退化させていく。

 

「あ〜りゃま、あっという間に数が減らされちまったよ。」

 

 タイタモンはデジモンがあっという間に倒されていく様子を見て楽しげな表情を浮かべる。

 

「ふん、こうでなければ面白くない・・・。」

 

 タイラントカブテリモンは想定内らしく、腕を組んでその様子を見る。

 

「いくらパラレルモンが生み出したと言っても所詮は成熟期と完全体。戦力に差があり過ぎなんだよ。」

 

 アポロモンWがそう言いながらも不敵な笑みを浮かべ、腕に炎を纏わせながら言う。

 

「先陣は俺が切るぞ!行くぞ!スカルバルキモン!!」

 

「―――!!」

 

 タイタモンはスカルバルキモンに乗り上がると、手に持っていた斬神刀はスカルバルキモンの呪いの影響で太刀の姿から両刃の大薙刀へと変化する。タイタモンはその大薙刀を片手で振り回しながらスカルバルキモンと共に突っ込み、ユーリ達と接触する。

 

「相手願おうか!!」

 

「っ!アルフォースセイバー!!」

 

 スカルバルキモンに乗ったタイタモンが薙刀を振り下ろして来たのでアルフォースブイドラモンはビームソードで受け止め、押し返した。

 

「はじめましてだな。我が名はタイタモン!そしてコイツは愛馬のスカルバルキモン!パラレルモンの元へと行きたければ、我等を倒す事だな!!」

 

「上等!やってやろうぜ!アルフォースブイドラモン!!」

 

「おう!」

 

 アルフォースブイドラモンとタイタモン+スカルバルキモンが戦闘を始めた時、タイラントカブテリモンとアポロモンWはそれぞれが狙いを定めた敵達と接触していた。

 

「私はタイラントカブテリモン。すべての蟲を統べる王なり!ヘラクルカブテリモンと言ったか。どちらが蟲のデジモンとしてより強き者か、いざ尋常に勝負!!」

 

「ナオヤはん、コイツはごっつ強そうや。気合い入れまっせ!!」

 

「ああ!サポートは任せろ!思いっ切りぶつかってこい!!」

 

 昆虫型デジモンの王がヘラクルカブテリモンとナオヤに接触すると、蟲としての誇りを賭けた戦いが始まる。

 

「俺はアポロモン:ウィスパード。燃え盛るアポロモンの黒点の部分と言ったところか。まあ、そんなことはどうでもいい。俺の炎とお前の炎、どっちが熱いか比べようじゃねえか!!」

 

「暑苦しい奴ね。ミカ、いつものようにサポートお願い!」

 

「まかせて!さっさと片付けて本丸に攻め込むわよ!」

 

 青い炎を揺らめかせながらホーリードラモンとミカの前に立ち塞がり、拳を突き出すアポロモンW。それに対してホーリードラモンは口から白い炎を吐き出しながらアポロモンWを見据え、ミカもスマホを構えてサポートする体制に入る。

 こうして、三者三様の究極体同士の戦闘が始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルフォースセイバー!!」

 

「千塵鬼神斬!!」

 

 神速の斬撃と高速で回転する斬撃がぶつかり合い、衝撃波が発生して辺りを破壊する。

 タイタモンは元々スピードは速くはないが、スカルバルキモンに騎乗することによって機動力を手に入れ、欠点であったスピードを補う事が出来た。それでも移動スピードや機動力はアルフォースブイドラモンの方が上だが、それを持ち前の勘で攻撃先を読み、アルフォースブイドラモンの攻撃を弾いているのだ。

 

「シャイニングVフォース!!」

 

「ぬうぅん!!」

 

 アルフォースブイドラモンの放った光線を、タイタモンが斬神刀を扇風機のように回転させることで防ぎ、光線を散らしながらアルフォースブイドラモンへと近付いていく。

 

「嘘ぉ!?」

 

「喰らえ!千塵鬼神斬!!」

 

 タイタモンがアルフォースブイドラモンの懐に入った瞬間、斬神刀を高速で回転させながら目の前の敵を切り裂こうとする。

 

「サポートコマンド、分身の術!」

 

 ユーリがデジヴァイスを操作して、サポートプログラムを転送する。プログラムを受け取ったアルフォースブイドラモンは、自分の分身を作り出し、本物の代わりに偽物が切り刻まれるのであった。

 

「助かった、ユーリ!」

 

「気にすんな!ここからだ!」

 

「ふん!こうでなくては面白くない!」

 

 戦況は振り出しに戻り、再びぶつかり合うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来い!我が下僕、ブレイドクワガーモン!!」

 

 タイラントカブテリモンが、配下のデジモンであるククリ刀のような姿をしたマシーン型デジモン、ブレイドクワガーモンを呼び出し、その二体がタイラントカブテリモンの両腕に装備される。

 

 

 

ブレイドクワガーモン

 

成熟期  マシーン型  ウィルス

 

必殺技  スパークエッジ  エアーナイフ

 

・全身が凶器と化した昆虫タイプのマシーン型デジモン。成熟期にして、全身がクロンデジゾイド化されている希少種である。動くものに見境無く反応する習性があり、ブレイドクワガーモンの群れに襲われると究極体デジモンですら全身を貫かれ絶命することもあるという。

必殺技は、光の刃となって貫く『スパークブレイド』と、真空波を生み出す『エアーナイフ』。

 

 

 

 二刀流のスタイルとなったタイラントカブテリモンは、ヘラクルカブテリモンと対峙し刃を突き付ける。

 

「行くぞ!!」

 

「ナオヤはん!サポート頼んまっせ!!」

 

「サポートコマンド、ガードアップ!パワーアップ!」

 

 ナオヤがヘラクルカブテリモンにサポートプログラムを転送して防御力の底上げをし、そして攻撃力も上げてタイラントカブテリモンの両腕の刃に対抗できるようにする。

 

「スパークブレイド!!」

 

 タイラントカブテリモンが右腕の刃を突き出し、ヘラクルカブテリモンを突き刺そうとする。が、その刃はヘラクルカブテリモンの甲殻を貫くことはなかった。

 

「でりゃあ!!」

 

 ヘラクルカブテリモンが拳を握りしめ、タイラントカブテリモンの頭部―――の角の下にある小さな顔面に向けて振り抜こうとする。

 

「ふっ!」

 

 タイラントカブテリモンはもう片方の腕を顔面の前に持ってきて攻撃を防ぎ、そのまま力尽くで振り抜いて切り裂こうとする。

 

「くっ!」

 

 ヘラクルカブテリモンは振るわれる腕を、身を捩らせる事で回避し、タイラントカブテリモンの両腕を押さえつけ、地面へと叩き付ける。

 

「ぐおっ!?」

 

「ギガ・・・!」

 

 ヘラクルカブテリモンは、タイラントカブテリモンにゼロ距離から電撃を放とうと角に電撃を溜め込む。

 

「蟲どもよ!コイツを剥がせ!!」

 

「ブラスター!!」

 

 いざ電撃が放たれようとしたその瞬間、配下のデジモンのメタリフェクワガーモンが突撃し、ヘラクルカブテリモンはわずかに怯んで頭部のツノを上方向へと向けさせ、見当違いの方向へと電撃を放ってしまった。

 

 

 

メタリフェクワガーモン

 

完全体 昆虫型 ウィルス

 

必殺技 ホーミングレーザー エミットブレイド

 

・武装化により、攻撃力を飛躍的にアップさせたクワガーモンの亜種。形状が人型になったことで格闘能力も得ており、固い甲殻と素早い動きを併せ持ち、完全体デジモンの中ではトップクラスのバランスを誇る。

必殺技は、両手の指先に装備した銃口から放つビーム攻撃『ホーミングレーザー』。このレーザーはメタリフェクワガーモン自身の意思で自由に軌道を変えることができ、障害物を避けて放つ事が出来る。また、ビームを刃状に放出し切りつける『エミットブレイド』は近接戦闘で威力を発揮する。

 

 

 

「エミットブレイド!!」

 

「くっ!」

 

 メタリフェクワガーモンの両腕の銃口からビームソードを出現させ、ヘラクルカブテリモンに向かって振り下ろす。

 しかし、ヘラクルカブテリモンは急いでその場から離れてタイラントカブテリモン達と距離を取る。

 

「スパークエッジ!!」

 

「デッドリースティング!!」

 

 タイラントカブテリモンの腕に装着されている個体とは別の、複数のブレイドクワガーモンと、毒々しい羽を持ち、スズメバチのような姿をしたデジモン、「フライモン」が放った毒針が、ヘラクルカブテリモン目掛けて飛んで行く。

 

 

 

フライモン

 

成熟期 昆虫型 ウィルス

 

必殺技 デッドリースティング

 

・凶々しい巨大な羽を持つ昆虫型デジモン。その巨大な羽で超高速で飛び回ることができ、飛行中にブーンという巨大なハウリングノイズを発生させ、聞くものの聴覚をマヒさせてしまう。体は硬い外殻に守られており、大きな鉤爪で敵を挟み込み尻尾の超強力な毒針で死に至らしめる。

必殺技は尻尾の毒針を飛ばし、毒針を刺されたデジモンは全身がマヒし、体が紫色に変色していき絶命するという『デッドリースティング』。ちなみに、この毒針は何度でも生え変わるという厄介なもの。

 

 

 

「ギガブラスター!!」

 

 ヘラクルカブテリモンは電撃を放ってブレイドクワガーモンとフライモン達を一掃する。その間にタイラントカブテリモンはヘラクルカブテリモンと距離を取り、体勢を立て直した。

 

「やるな・・・。正直に言うと見くびっていた。」

 

 周囲に配下の蟲のデジモン達を従えながらタイラントカブテリモンは言う。

 

「謝罪しよう。そして、ここから先は全力でやらせてもらう!!」

 

「それはこっちのセリフでもあるで!ナオヤはん!引き続きサポート頼んますわ!!」

 

「任せろ!!」

 

 すべての蟲の王と、黄金の虫。同じカブテリモンの名を冠するデジモン同士の戦いは、まだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラオラオラオラァ!!」

 

 アポロモンWが拳を突き出して火炎弾を飛ばし、ホーリードラモンを落とそうとする。だが、ホーリードラモンは身をくねらせながら火炎弾を回避し、魔法陣を展開して光線を放つ。

 

「アポカリプス!!」

 

「アロー・オブ・ウィスパード!!」

 

 両腕の蒼玉から炎の矢を放って聖なる光線と相殺させ、その衝撃で爆発を起こす。

 

「おらぁ!!」

 

 爆発によって発生した煙に紛れながらアポロモンWはホーリードラモンの前に現れ、その尻尾を掴んで空中で振り回しながら地面へと叩きつけようとする。

 

「落ちろ!!」

 

「舐めるな!!ホーリーフレイム!!」

 

 ホーリードラモンはその体をアポロモンWに巻き付けながら、白い炎をアポロモンWの顔目掛けて吐き出す。

 

「ぐおっ!?」

 

 アポロモンWには炎の攻撃はそれ程効かないが、目眩まし程度には使える為、アポロモンWを怯ませる事に成功し、拘束が緩んだ為ホーリードラモンは抜け出し、逆にアポロモンWを拘束して地面に叩き付けたのだ。

 

「へっ、やるじゃねえか・・・熱くなってきたぜ!!」

 

「頑丈ね、それなりに本気で地面に叩きつけたんだけど?」

 

「この程度じゃ俺はやられねえよ。さあ、もっとやろうぜ!!」

 

「暑苦しい奴・・・。」

 

「ホーリードラモン、油断しないで。アイツ、まだ全力を出してない。」

 

「わかってる。気合い入れるわよ!」

 

「うおおおお!!」

 

 太陽の黒点と聖なる竜。どちらも天から見下ろす存在でありながら善と悪に別れている対極の存在が、炎を噴き出しながら激突する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「覇王拳!!」

 

「スノーパンチ!!」

 

「イビルハリケーン!!」

 

 緑の鬼の姿をしたデジモン「オーガモン」と、オーガモンによく似ている青い肌の鬼のデジモン「ヒョーガモン」が、拳を突き出して拳圧を飛ばし、それの後に続いてこれまた二体のデジモンによく似た茶色の肌の鬼のデジモン「フーガモン」が、骨の棍棒を振り回しながら自身も回転してアルマリザモン達に向かって突撃する。

 

 

 

オーガモン

 

成熟期 鬼人型 ウィルス

 

必殺技 覇王拳

 

・東洋の伝説に登場する「オニ」のような姿をしたデジモン。恐ろしく発達した筋肉から繰り出される攻撃はすさまじい破壊力を持つ。知性は高いが気性が荒く、「怒り」を原動力としている彼らは破壊の限りを尽くす。非常に好戦的で、自分より遙かに戦闘力の高い相手にも果敢に戦いを挑むところから“デジモンハンター”と呼ばれている。右腕に持つ骨棍棒はスカルグレイモンを倒した時の戦利品なのだ。

必殺技は突き出した拳から拳圧を飛ばす『覇王拳』。

 

 

 

ヒョーガモン

 

成熟期 氷雪型 ウィルス

 

必殺技 スノーパンチ

 

・寒い場所に住むオーガモンの一種。ナワバリ意識が強く、例え一歩でも踏み込むと怒っておそいかかってくる(モジャモンとナワバリ争いをすることもあるらしい)。

必殺技は、冷気をこめたパンチをくり出す「スノーパンチ」。

 

 

 

フーガモン

 

成熟期 鬼人型 ウィルス

 

必殺技 イビルハリケーン

 

・東洋の伝説の鬼のような姿をしたデジモン。オーガモンと同じ種族で、戦い好きの荒っぽい性格も同様である。発達した筋肉からくり出す攻撃は凄まじいパワーを持ち、破壊の限りをつくす。

必殺技は、「ホネこん棒」を振り回し、全てをなぎ倒す『イビルハリケーン』。

 

 

 

「ニュートロンブレイド!!」

 

「バージャースラッシュ!!」

 

「ジャイアントラング!!」

 

 アルマリザモンが両腕に生み出したビームソードで覇王拳を、ウルヴァモンがメタルアームでスノーパンチを、ナイトキロプモンがブーメランでイビルハリケーンをそれぞれ相殺し、必殺技を相殺した瞬間に三体の鬼のデジモン達に向かって行き、戦いを始める。

 

「デスロールプレス!!」

 

「おりゃ!打ち返し!」

 

 アルマリザモンが体を丸めて転がる攻撃を、オーガモンは野球でバットを振るうかのように骨の棍棒で打ち返し、アルマリザモンは別の方向へと飛んで行った。

 

「ニュートロンレイザー!!」

 

 転がる攻撃が効かないとわかると、アルマリザモンは口にエネルギーを溜め込み、ビームを放ってオーガモンを吹き飛ばそうとする。

 

「覇王拳!!」

 

 オーガモンは向かってくるビームを拳で真正面から相殺し、放たれたビームは霧散する。

 

「トモロウ!コイツ、強いってな!!」

 

「完全体すら受けたら無事じゃ済まない技を真正面から打ち消すなんて・・・!」

 

「どうした?来ないのか?来ないならこっちから行くぞ!!」

 

 オーガモンはトモロウとアルマリザモンに向かって駆け出し、骨の棍棒を振り下ろして叩き潰そうとする。

 

「ニュートロンブレイド!!」

 

 アルマリザモンはビームソードをクロスすることで棍棒の振り下ろしを防ぎ、力任せに弾き飛ばしてオーガモンと距離を取る。

 

「へへ・・・強いな、お前。」

 

「お前もな!」

 

「アルマリザモン、油断するなよ!」

 

 アルマリザモンとオーガモンが再び激突すると、棍棒とビームソードとの間で火花が散った。

 

「スノーパンチ!!」

 

「トムボーイブレイズ!!スキャッターロケット!!」

 

 一方、ヒョーガモンと戦っているウルヴァモンは、放たれた氷の拳圧を火炎放射で相殺し、その後メタルアームからミサイルを放つ。

 

「そら!キャッチ&リリース!!」

 

 ヒョーガモンは迫ってくるミサイルに臆することなく、なんとそれらを掴んで投げ返した。

 

「うあああ!?」

 

「ウルヴァモン!?」

 

 投げ返されたミサイルがウルヴァモンの足元に着弾すると爆発し、ウルヴァモンは吹っ飛ばされる。

 

「クハハハ!自分の攻撃でやられるなんてお笑い草だな!」

 

「笑ってんじゃないわよ!ウルヴァモン!!」

 

 レーナがウルヴァモンにe−パルスを送り、エネルギーを充填させる。

 

「ラピッドバースト!!」

 

 メタルアームの銃口からエネルギー弾を広範囲に連射し、ヒョーガモンの行動範囲を狭めながらウルヴァモンは近付いていく。

 

「トムボーイブレイズ!!」

 

 ウルヴァモンは火炎放射を放ってヒョーガモンを焼き尽くそうとする。が―――。

 

「フーガモンの物真似!フリーズハリケーン!!」

 

 その手に持った氷の棍棒に冷気を纏わせ、自身が高速で回転することによって冷気を撒き散らし、火炎放射の威力を下げることに成功する。

 

「嘘!?」

 

「スノーパンチ!!」

 

「バージャースラッシュ!!」

 

 ヒョーガモンが冷気を纏ったパンチを繰り出すと、ウルヴァモンはメタルアームの爪を繰り出して拳を受け止める。

 

「ふはは!案外やるじゃねえか!」

 

「そりゃどうも!トムボーイブレイズ!!」

 

「うおっ!?」

 

 メタルアームから火炎放射を放ち、ゼロ距離からヒョーガモンに炎を浴びせる。

 炎を浴びたヒョーガモンは少しの火傷を負いながらウルヴァモンと距離を取る。

 

「やってくれるじゃねえか・・・!」

 

「油断は禁物、だったっけ?ソイツはこっちのセリフだよ!」

 

「ウルヴァモン、まだ行けるよね!?」

 

「ええ!e−パルスお願い!」

 

「うおおおお!!」

 

 氷拳と鋼鉄の爪がぶつかり合い、辺りに衝撃波を撒き散らすのであった。

 

「シャドウアーツ!!」

 

「イビルハリケーン!!」

 

 ナイトキロプモンが素早い打撃のラッシュを仕掛けると、フーガモンは自身を駒のように回転させて攻撃を防ぐ。

 

「メズマバースト!!」

 

「が・・・体が・・・痺れ・・・!」

 

 ラッシュを叩き込んでいる最中に、指先から超音波を放ち、至近距離でフーガモンに浴びせる。フーガモンが至近距離で超音波を浴びた瞬間、フーガモンは体中が麻痺し、体の自由が利かなくなってしまう。

 

「今だよ!ナイトキロプモン!」

 

「シャドウアーツ!!」

 

 マコトがe−パルスをナイトキロプモンに送り、身体能力を上昇させてフーガモンに打撃のラッシュを浴びせていく。

 

「ぐっ、がっ、ぎゃっ!?」

 

「トドメだ!」

 

「ジャイアントラング!!」

 

「ぐああああ!?」

 

 巨大なブーメランでフーガモンを切り裂くと、電子分解されて幼年期デジモンの「バブモン」と退化してしまった。

 

「ばぶ〜。」

 

 

 

バブモン

 

幼年期Ⅰ スライム型 属性なし

 

必殺技 粘着性の泡

 

・一見、ただの薄緑色の泡のようだが、自由に行動し豊かな表情を見せる泡型のデジモン。表面はまだ固まっていないため、防御力は無いに等しく戦闘には向いていない。口にくわえたおしゃぶりのように見える部分から、小型の泡を発生させ、無限に増殖していく。その増殖性は、かつてコンピュータウィルス開発に使用されかかったが、あまりに生命力が弱いため幸い実行されなかった。はかない命だが、懸命に生きる愛すべきデジモンベビー。体の中から発生させる粘着性の泡で外敵の動きを封じ、その間に逃げるのが得意。

 

 

 

 マコトはバブモンとサポタマを回収すると、他のメンバーのサポートに向かう。一番近いのはレーナで、彼女のサポートを行うことにした。

 

「レーナさん!こっちは倒しました!援護に回ります!」

 

「いいタイミングねマコっちゃん!ウルヴァモン!こっちも負けてらんないわよ!!」

 

「わかったわ!気合入れるわよ!!」

 

「アイツ、倒されたのか!?」

 

 ヒョーガモンがウルヴァモンの弾丸を回避したり弾き飛ばしながら防いでいると、フーガモンが倒された事に驚愕する。

 

「ニュートロンレイザー!!」

 

「うぎゃっ!?」

 

 別方向からビームが飛んできて、ヒョーガモンがそれを不意に食らうと吹っ飛ばされて地面を転がった。

 

「こっちも終わったってな!」

 

「待たせたな!」

 

 ヒョーガモンが攻撃してきたデジモンとそのテイマーのいる方向を見ると、そこにはネズミのような幼年期デジモンの「チョロモン」とサポタマを抱きかかえたトモロウとアルマリザモンがいた。

 

 

 

チョロモン

 

幼年期Ⅰ マシーン型 属性なし

 

必殺技 ジャミングパウダー

 

・光センサーになっている赤い目を持つ超小型のマシーンデジモン。ちょこまかと動き回る姿はとても可愛らしいが、明るい光に反応して動き回る単純なプログラムしか持ち合わせていないため、周りが暗くなると動くことが出来なくなってしまう。なぜか分からないが機嫌の良いときは尻尾の先から電気を放電させている。

必殺技は、鉄の粒子を放出して敵のAI(人工知能)を一時的に混乱させる『ジャミングパウダー』。この技で敵が混乱している間に逃げ出してしまう。

 

 

 

「ま、まさか・・・オーガモンは・・・?」

 

 ヒョーガモンが嫌な予感を全身に走らせながらトモロウ達に質問した。そして予想通りの答えが返ってきた。

 

「そうだ。俺達が倒した。」

 

「いやー、強かったってな。一つ間違ったらこっちがやられるところだったってな。」

 

「あ・・・ああ・・・あ・・・。」

 

 トモロウ達の言葉にヒョーガモンは開いた口が塞がらず、ただ呆然と立ち尽くす。ヒョーガモンは悟ったのだ。この戦いは、自分は負けるのだと。

 

「というわけで・・・このままトドメを刺させてもらうわよ!!ウルヴァモン!!」

 

「スキャッターロケット!!ラピッドバースト!!」

 

「ナイトキロプモン!!」

 

「ジャイアントラング!!」

 

「アルマリザモン!!」

 

「ニュートロンレイザー!!」

 

 メタルアームからミサイルとエネルギー弾が、巨大なブーメランが、完全体の装甲すら貫くビームがヒョーガモンに襲い掛かり、その身体を貫く。

 

「ぎゃあああ!?」

 

 許容量を超えたダメージによって電子分解され、小さな雪玉のような幼年期デジモンの「ユキミボタモン」へと退化した。

 

「み〜。」

 

 

 

ユキミボタモン

 

幼年期Ⅰ スライム型 属性なし

 

必殺技 ダイアモンドダスト

 

・全身を白くてフワフワしている繊毛に覆われているベビーデジモン。ボタモンの一種と考えられており、白い体からユキミボタモンと名付けられているが、その詳細は不明である。暑さに弱く、寒い場所を好む習性があり、体を触るとヒンヤリしている。攻撃技は、冷たい冷気の息を吐き出す「ダイアモンドダスト」。ユキミボタモンが息を吐き出すと、空気中の水分が凍りついて、きらきら光りながら落ちていく。

 

 

 

 レーナがユキミボタモンとサポタマを回収し、全員と顔を見合わせる。

 

「全員無事見たいね。」

 

「何とか。」

 

「あとはキョウとムラサメモンの所だな。急いで援護に・・・。」

 

「その必要はない。もう片付けた。」

 

 トモロウが今日の援護に行くのを提案するが、キョウの声が聞こえてきたのでそちらの方に顔を向ける。

 

「キョウ!そっちはかなりの数がいたけど大丈夫だったの?」

 

 レーナが心配の声を上げる。それに対してキョウは特に普段と変わらない様子で返事をする。

 

「ああ。確かに、完全体も含めれば数もかなり多かったが、数が多いだけで大したことはなかった。」

 

 キョウがそう言うと、それを証明するかのようにムラサメモンが太刀を振り回したあと肩に担いでまだまだ大丈夫だというアピールをする。

 

「なら、後はあの究極体達とパラレルモンですね。」

 

 マコトがユーリ達と戦いを繰り広げている究極体達に目を向けると、レーナが苦い顔をしながら言葉を零す。

 

「けど、どうするの?あたし達が助太刀に行っても殆ど役に立ちそうにないわよ?」

 

「確かに、究極体同士の戦闘の余波でここまで衝撃が来てるぞ。」

 

 トモロウがレーナの言葉に同意する。自分達は何をすべきか考えている中、キョウがある考えを思い付く。

 

「・・・いや、直接戦わなくても彼等の戦闘の手助けになれるかもしれない。」

 

「どういうことですか?」

 

「マコト、ナイトキロプモンに、キロプモンのような情報解析能力は持っているか?」

 

「あ、はい。持っています。」

 

「なら、ナイトキロプモンに頼んでパラレルモンの弱点となる情報を探って欲しい。そうすれば、奴を倒す時の手助けになる筈。」

 

「わかりました。ナイトキロプモン!」

 

「わかった。弱点を探る。待ってて。」

 

 そう言ってナイトキロプモンは離れ、パラレルモンに勘付かれないよう隠れながらヘルメットに搭載された機能をフルに活用して弱点を探し始めた。

 

「プロビデンススキャン・・・!」

 

 頭に膨大な情報量が流れ込んでくるが、ユーリ達の助けになるべく、解析を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふはははは・・・よもやここまでやるとは・・・!」

 

 タイタモンとの戦闘は激しさを増し、互いの身体に無数の傷跡を残していた。

 アルフォースブイドラモンは自身の鎧が一部砕けるなど決して大きくないダメージを負っており、対するタイタモンも戦いの最中に愛馬たるスカルバルキモンを失って機動力が落ちてしまったが、それでもなおアルフォースブイドラモンと渡り合っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、どんだけタフネスなんだよ。」

 

「ホントだぜ。いい加減倒れろってんだ。」

 

 アルフォースブイドラモンは息を切らしながらタイタモンにそう愚痴り、ユーリも同意した。

 

「む?」

 

 この時、タイタモンの身体に異変が起きる。身体にノイズが走り、自身の身体を構成しているエネルギーが尽きかけているのを感じた。

 

「どうやら楽しい時間はもうすぐ終わりそうだ・・・俺の体がもう保たん。故に―――!」

 

 タイタモンは薙刀の斬神刀の構成データを太刀の状態に戻すと、全身に残ったエネルギーを張り巡らせ、大技を放つ体勢をとる。

 

「次の技で幕引きとしよう!!」

 

「アルフォースブイドラモン!!これが最後だ!!ぶちかますぞ!!」

 

「わかった!ありったけのサポート頼む!!」

 

 アルフォースブイドラモンも全身にエネルギーを張り巡らせ、未だ無事な鎧の胸部の部分にエネルギーを集中させる。戦闘の影響でヒビが入り、撃つのはこれで最後になるが、目の前の敵を倒すために力を練り上げる。

 エネルギーが限界点まで溜まった瞬間、双方は一斉に動き、己の最大の技を放つ。

 

「食らうがいい!!魂・魄・芯・撃!!」

 

「ぶっ飛べ!!シャイニングVフォース!!」

 

 タイタモンの全てを切り砕く斬撃が、アルフォースブイドラモンの光線が激突する。

 

「うおおおお!!」

 

「はああああ!!」

 

 太刀と光線が激突し、辺りに火花と衝撃波を発生させながら互いに負けまいと力を込める。

 

「サポートコマンド!!パワーアップ!!」

 

 ユーリがサポートプログラムを転送し、シャイニングVフォースの威力を底上げしてタイタモンの太刀を押し返す。

 タイタモンも負けまいと太刀に力を込める。

 が―――。

 

 

 

 

―――ビキッ!

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

―――ビキ、ビキッ!!

 

 

 

 斬神刀の刃にヒビが入り、やがて刀身全てに広がっていく。そして―――。

 

 

 

―――バキンッ!!

 

 

 

 砕けたのであった。

 

「・・・ふっ。」

 

 斬神刀が砕けた瞬間、タイタモンは笑った。

 負けたというのに心が晴れやかだった。

 命を賭けた死闘を行えた事がタイタモンにとって心地良い満足感となり、この敗北を受け入れる事が出来たのだ。

 全力を出した上で負けたのだ。故に、悔いはない。

 

「見事なり!」

 

 最後にその言葉を残して、タイタモンは光線に飲まれて電子分解され、幼年期へと退化していった。

 

「ぷに〜。」

 

 幼年期デジモンのプニモンがサポタマと共に地に落ち、ユーリ達に回収されるのであった。

 

「・・・やったか。」

 

「ああ・・・ユーリ、ごめん。もう、この姿を保てない・・・。」

 

 アルフォースブイドラモンは光に包まれてブイモンへと退化し、膝を付いて息を荒く吐く。

 

「クソ、この後大仕事が控えてるってのに・・・!」

 

「今は少し休めブイモン。飯食って体力を回復するんだ。」

 

 ユーリはデジヴァイスから非常食を取り出してブイモンに食べさせる。

 

「待ってろよパラレルモン・・・!」

 

 そう言ってブイモンは、渡された非常食を口に放り込み、体力の回復に努めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギガブラスター!!」

 

「ビーサイクロン!!」

 

 放たれた電撃を、配下の蟲達を使って壁を作って防ぐタイラントカブテリモン。その結果、壁となった蟲のデジモン達は幼年期へと退化して地面へと落ちていく。

 

「これで私の壁となる配下がいなくなってしまったな・・・。」

 

「ならどうするんや?降参するんか?」

 

「するわけがなかろう。私の掲げる王とは、例え配下がいなくなったとしても最後まで戦場に立つことだ。ここで退いては私の掲げる王としてのプライドに目を背ける事となる。故に、私は最後の瞬間まで王として戦うのだ!」

 

「・・・そうかいな。なら、ワテもお前さんという王に敬意を評して、全力をぶつけさせて貰うで!!」

 

「受けてみよ!」

 

 タイラントカブテリモンが、ヘラクルカブテリモンに一気に近付くと、体内のエネルギーを膨張させて一気に解放しようとする。

 

「これが我が最大の奥義!!シャインオブビー!!」

 

 タイラントカブテリモンのエネルギーが一気に解放されると、タイラントカブテリモンを中心に大爆発を起こし、辺り一帯を焼け野原へと変えた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・どうだ・・・。」

 

 エネルギーを一気に解放したことによって、タイラントカブテリモンは息切れを起こして力なく地へと降りていく。

 

「今のは危ない所やった・・・。」

 

「!?」

 

 タイラントカブテリモンが驚愕する。生きているはずがない。至近距離で灼熱の大爆発を受けたのだから生きている筈がないのだ。

 

「なぜ・・・!?」

 

「ナオヤはんが、あんさんが技を出す直前にサポートプログラムを転送してくれてな。分身の術で分身を作り出し、その後スピードと回避率を上げてナオヤはんを回収。そしてさらにスピードを上げてもろうて爆発の範囲外に逃げたんや。」

 

「とっさに考えた作戦としてはいい出来だったでしょ?」

 

「・・・ははははは。なるほど。お前達は二人で戦っていたのだな・・・。」

 

 ヘラクルカブテリモンが無事な理由を明かすと、タイラントカブテリモンは乾いた笑い声を上げ、地に倒れ伏した。

 

「最早力は残っておらん。出せる手も全て出した。その上で認めよう。私の負けだ。さあ、トドメを刺せ。」

 

「ずいぶんあっさり認めるんやな。

 

「王とは、目の前の現実を受け入れ、その上で打開策を出し、勝利する為に全力を尽くす。それが出来なければ、下手に抗うより、敗北を認めるのが筋だと私は思っている。戦場では勝てば生き残り、負ければ死ぬ。世界の法則がひっくり返ってもコレだけは絶対に変わらん。さあ、トドメを刺せ。そして新たに名乗るのだ。お前こそが、新たなる蟲の王だと。」

 

「・・・お前さんほど気持ちのいい奴はそうそうおらへん。楽しかったで。」

 

「ソイツはよかった。」

 

「行くで!ギガブラスター!!」

 

「・・・ふっ。」

 

 ヘラクルカブテリモンは、血に倒れたタイラントカブテリモンにトドメの一撃を放ち、致命傷を与えて幼年期へと退化させた。

 

「ばぶ〜。」

 

 幼年期のバブモンへと退化すると、ナオヤはサポタマとバブモンを回収して一言呟いた。

 

「アンタは僕達が敵対してきた奴等の中で、最高の王だったよ。」

 

 そう言ってナオヤは、ユーリと合流するべくユーリの元へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アロー・オブ・ウィスパード!!」

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 青い炎の矢と白い炎がぶつかり、爆発を起こす。

 

「ああ・・・楽しい・・・楽しいぜ・・・!お前みたいな強い奴と戦えるのはよぉ・・・!」

 

「コイツ、体力が無尽蔵なわけ?全然倒れる気がしないわね!」

 

「当たり前だろぉ!こんな楽しい戦い、終わらせたくねえよ!!」

 

  最初の頃より勢いが落ちたものの、それでも全身から炎を噴き出しながらアポロモンWは笑っていた。

 

「こっちは終わらせたいのよ!いい加減倒れなさい!!アポカリプス!!」

 

「おりゃああ!!」

 

 ホーリードラモンは魔法陣を展開して光線を放ち、アポロモンWを貫こうとするが、アポロモンWは真正面から立ち向かって拳で光線を粉砕した。

 

「ははははは・・・あ?」

 

  この時、アポロモンWは自分の体の異変に気付く。体にノイズが走り、姿がブレ始めていた。

 

「はっ、時間切れみたいだな。」

 

「何ですって?」

 

「こうなったら、最後にド派手にぶちかましてやろうじゃねえか!!」

 

  アポロモンWは全身を駆け巡る炎のエネルギーを一点に集中させ始める。

 

「うおおおお・・・!」

 

 アポロモンWの頭上に太陽と見紛うほどの、蒼く燃える巨大な球体が形成され、周囲を不気味に照らし、今にも落ちそうなほどに空中に留まる。

 

「これが俺の最大技!落ちたら最後、すべてを文字通り焼き尽くす!!」

 

「嘘でしょ!?まだあれだけの力を!?」

 

「祭りの締めは巨大な花火だ!!しっかりとその目に焼き付けろ!!嘆きの太陽(サン・オブ・ソローズ)!!」

 

  アポロモンWが蒼い太陽を投げ付けると、莫大な熱を周囲に撒き散らしながら地へと落ちて行く。

 

「聖なる光!アポカリプス!!」

 

 ホーリードラモンは蒼い太陽を押し返そうと、背後に魔法陣を幾つも展開して光線を放つ。 六つの魔法陣から放たれた光線が太陽とぶつかり、力が拮抗して太陽の落下が止まる。

 

「はああああ!!」

 

「うおおおお!!」

 

  しかし、落下が止まっただけで太陽は未だに燃え続けている。 ここから先は根比べだ。ホーリードラモンが力尽きるのが先か、アポロモンWが力尽きるのが先か。

 僅かでも気を抜けば焼き尽くされるのは自分の方だ。 いつまで続くのかわからない拮抗が、永遠に続くかもしれないと思ったその時―――。

 

「サポートコマンド!パワーアップ連続転送!!」

 

「っ!はああああ!!」

 

  ミカからサポートプログラムを転送され、力を増したホーリードラモンは光線を放つ火力を上げて太陽を押し返す。

 

「なっ!バカな!!」

 

「「ぶち抜けーーーーー!!」」

 

  二人の気持ちが一つに重なると、とうとう力の均衡は崩れ、蒼い太陽がアポロモンWを飲み込んだ。

 

「ぐああああ!!?」

 

  自らが生み出した炎に焼かれ、身体が電子分解されていく中で、アポロモンWは思った。

 

「(俺の負けか・・・ふっ、最後まで楽しめた。次があるなら、またやろうぜ。)」

 

 そう思いながらアポロモンWは焼き尽くされ、幼年期デジモンの「モクモン」へと退化し、サポタマと共に地面へと落ちていった。

 

「モク〜?」

 

 

 

モクモン

 

幼年期Ⅰ スモーク型 属性なし

 

必殺技 スモーク

 

・体中に煙のような気体を取り巻いているデジモンベビー。デジモンの体の中心にあるといわれている電脳核(デジコア)が剥き出し状態の特殊なデジモンで、そのデジコアをスモークで守っているらしい。モクモンはデジコアが剥き出し状態なので、燃焼したときのスモークが体を覆っている変わった生態系のデジモンである。体からでるスモークを辺り一帯に撒き散らし、その隙に逃げてしまう。

 

 

 

「はあ、はぁ、はぁ・・・疲れた。」

 

「でも、休んでる暇はないわ。ホーリードラモン、あと一踏ん張りよ。」

 

「そうね。一刻も早くパラレルモンを倒さないと・・・ユーリ達と合流しましょう。」

 

 モクモンとサポタマを回収して、ミカとホーリードラモンはユーリ達の元へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すべてやられたか・・・ならば・・・。」

 

 軍団の後ろで控えていたパラレルモンが立ち上がり、拳を握って全身に力を入れる。

 

「・・・邪魔する者は・・・倒す!」




デジモンの幼年期はテキトーです。進化ルートが違うと思っていてもスルーしてください。





今度こそ次回最終回(にしたい)。
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