デジモンポリスメン   作:namco

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これ終わったら色々とクロスオーバーしてみたい。


デジモンポリスメン 最終回 後編

「待っていたよ。ユーリとその仲間達。」

 

 ユーリ達が足を踏み入れたのは、最初のホールと同じくらいの大きさのフロアであったが、何も無かったホールと違って、様々な機材が置かれた研究室のような所だった。

 部屋の端には様々な数値を計測する装置が置かれており、その装置から伸びたケーブルが、部屋の中心にある巨大な円柱状の何かに接続されていた。

 

「直接顔を合わせるのは初めてだね。改めて自己紹介と行こうか。俺はジョーカー。本名は知ってるだろうから割愛させてもらうよ。」

 

 黒いコートのフードを脱ぎ、素顔を晒したジョーカー。

 

「そうか。なら単刀直入に言わせてもらう。お前を逮捕する。」

 

 ユーリが踏み込んでジョーカーに言う。

 

「スパッと切り込むね。だけど断るよ。」

 

「だったら実力行使だ。痛い目見る覚悟は出来てるか?」

 

「出来てるよ。その上で断らせてもらうよ。」

 

「はっ、だろうな。ダイヤって奴にも言ったが、この交渉が上手くいった試しがない。」

 

「わかっていながら言わなきゃならないのが警察の悲しい本分だよね。」

 

「中々わかる口だなあんた。それはさておき、お前の仲間は全員倒した。もう諦めろ。」

 

「諦める?まだ俺を倒してすらいないのに?」

 

「痛い目見たくなけりゃ大人しく投降しろと言ってんだ。お前の過去に同情はするが、それで止まる俺達じゃないんでな。とっとと縄に付きやがれ。」

 

「そうだね。そうするとしよう。ただし・・・この戦いで俺が負けたらだけどね。」

 

 

 

―――ガコン!

 

 

 

 その時、部屋全体に何かの音が響き渡る。

 

「丁度エネルギーの充填が完了したみたいだ。これで、計画の最終段階に入ることが出来る。」

 

 そう言ってジョーカーは端末を操作して円柱状の何かのカバーとなってるシャッターを上げる。

 現れたのは、黒い正十二面体のような何かだった。緑の液体に浸されており、不気味な存在感を放っていた。

 

「コイツは・・・?」

 

「コレこそが、俺の計画を実行する為の切り札。デジモンや人間達の負の念が集い、一つの形として形成された最強にして最凶のデジモン、「アポカリモン」だ!」

 

 

 

アポカリモン

 

超究極体 不明 不明

 

必殺技 暗黒(ダークネスゾーン) デスエヴォリューション グランデスビッグバン

 

・デジモンであるかどうかすら不明な存在。進化の過程で絶滅してしまったデジモン達の怨念が集って生まれたと言われており、その行動理念は自らの存在を世界に植え付けるために動いているとされている。

必殺技は、全てを暗黒へと葬り去る「暗黒(ダークネスゾーン)」と、触手で相手のデジモンを捕らえてエネルギーを吸い上げて強制的に退化させる「デスエボリューション」。そして、自らの命と引き換えに世界すべてを破壊する自爆技「グランデスビッグバン」だ。 他にも触手の先を変化させ、他のデジモンの技を使うことが出来る。

 

 

 

「アポカリモン・・・聞いたことがある。デジモン達が進化の過程で消えていった種の絶望や怨念が集って生まれたとされているデジモンで、その力はとてつもなく強大でファイヤーウォールの奥底に封印するしかなかったって。」

 

 ナオヤがアポカリモンを見て冷静に分析する。

 

「そのアポカリモンが、何故ここに居るんだ?」

 

 ユーリがジョーカーに問い掛けた。そして返答される。

 

「単純な話。俺がアポカリモンのデータをサルベージしたからさ。」

 

「サルベージだと?」

 

「数年前の話だ。俺が濡れ衣を着せられて復讐の準備をしていた頃の話だ。インターネットで様々な情報や証拠を集めている内に、俺の使っていたパソコンに一つのバグみたいなのが発生してね。普通ならデリートしたりするけど、俺はその存在が妙に気になったんだ。バグを解析して中身を見てみたら、消えかけていたデジモンのデータだった。俺はソイツに妙なシンパシーを感じてな。復讐のついでに直してやることにしたのさ。そしたらどうだ?そのデジモンは俺の欲しいデータを次々と集めてくれた。他の連中が知らないようなアレもコレも、表から裏までの知っちゃいけないような極秘データまでね。俺が復讐を果たした時、何かの縁だと思ってソイツも連れて世界中を旅する事にしたのさ。そして、一見すればバカだと思えるような俺の野望の事を話したら、どこまでも付いていくって言って、俺の相棒になってくれたよ。だからこそ俺は、俺の野望に付いてきてくれた仲間やアポカリモンの為にも、最後までやり遂げると決めたんでね。止めようなんて思うなよ?コレは、俺がやり始めた計画であり、俺自身が着けなきゃいけない落とし前なんだ。説得なんて考えるなよ?」

 

「それが、お前の覚悟なんだな。」

 

「ああ。」

 

「なら、もう何も言わねえよ。ガタガタ考えるのはやめだ。」

 

 ユーリはスマホを取り出し、デジヴァイスを起動する。

 

「俺達も、守りたいもんと守らなきゃいけないもんがあるんでな。お前の信念がどれだけデケえもんだろうと、俺達はぶっ壊して前に進む!!」

 

「アタシ達の守りたい物の為に!」

 

 ミカもデジヴァイスを起動する。

 

「ボクも、今の日常を守る為に!」

 

「俺もナノモンと面白可笑しい毎日の為に!」

 

「警察として市民の安全と平和を守る為に!」

 

 ナオヤ、ユウヤ、原田部長も続いて起動する。

 

「ジョーカー嫌、火ノ宮勝也!お前を逮捕する!」

 

「やはり、互いに相容れない様だね・・・かかってこい。纏めて相手をしてやろう!!マトリックスエヴォリューション!!」

 

 ジョーカーはデジメモリを起動し巨大な試験管の中にいるアポカリモンと融合する。

 その瞬間、研究室らしき部屋は吹っ飛び、辺りは星空のような光が浮かぶ異空間へと変わっていく。

 

『さあ始めようか・・・世界の命運を賭けた最後の戦いを!!』

 

 正十二面体の物体からジョーカーの声が聞こえると、それぞれの面からDNA螺旋状の触手が飛び出し、頂点からは黒のマントを身に纏い、下半身が正十二面体と一体化した人型の異形が佇んでいた。

 

「先手必勝だ!行け!アルフォースブイドラモン!!」

 

「アルフォースセイバー!!」

 

 アルフォースブイドラモンが先陣を切ると、本体と思わしき人型に向かって飛んでいく。

 が、そうは問屋が卸さないと言わんばかりに触手の一本が行く手を阻む。

 

『挨拶代わりに喰らえ!ダイナ・キャノン!!』

 

 触手の先端をキャノンドラモンに変化させると、その背中の砲台から高威力の砲撃を放つ。

 

「ぐあっ!?」

 

「アルフォースブイドラモン!!」

 

 砲撃が直撃したアルフォースブイドラモンはユーリの近くで倒れる。

 

『次はコイツだ!ダイナブレス!!』

 

 今度は別の触手がダイナモンに変化すると、口から灼熱のブレスが放たれる。

 

「クレニアムモン!」

 

「任せろ!エンド・ワルツ!!」

 

 クラウ・ソラスを高速回転させ、竜巻を発生させると炎は消し飛び、鎮火する。

 

『ちょっと熱すぎたかな?なら冷やしてやろう。コキュートスブレス!!』

 

 また別の触手の先端を変化させると、今度はメタルガルルモンの姿になる。メタルガルルモンは口を大きく開けると絶対零度の吐息が吹雪のように吐き出されて一行を襲う。

 

「ホーリードラモン!」

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 ホーリードラモンが口から白い炎を吐き出すと、冷気とぶつかり氷が溶けて水蒸気爆発を起こす。

 

「ムゲンドラモン!今の内に攻撃っす!」

 

「ムゲンキャノン!!」

 

「ヘラクルカブテリモン!ボク達もだ!」

 

「ギガブラスター!!」

 

 ムゲンドラモンの背中の砲台からエネルギー弾が、ヘラクルカブテリモンの角から電撃を帯びた砲撃が放たれアポカリモンに向かっていく。

 

『無駄だ!ドラゴンズロア!!』

 

 別の触手を突き出してその電撃を吸収すると、今度はデュナスモンに変化し、その両腕から電撃が放たれる。

 

「「ぐああああ!?」」

 

「ムゲンドラモン!?」

 

「ヘラクルカブテリモン!!」

 

 自らが放った電撃を返されてしまい、ダメージを受けてしまうムゲンドラモンとヘラクルカブテリモン。

 しかもムゲンドラモンは先程の戦闘でのダメージが残っていた為に倒れてしまった。

 

『ははははは!どうだ!!このアポカリモンは、過去に消えていったデジモンのデータを再現し、自らの技として放つ事が出来るんだ!!』

 

「てことは、アポカリモンに辿り着くには触手を何とかしなきゃならないって事か。」

 

『触手の数は十本。しかも何時でも好きなように変化させられる。さあ、戦いはまだ始まったばかりだぞ!!』

 

「舐めんな!アルフォースブイドラモン!まずは邪魔な触手を破壊するんだ!サポートは任せろ!!」

 

「ああ!」

 

 アルフォースブイドラモンは立ち上がり、再びアポカリモンに向かって突撃していく。

 

『無駄だ!デスクロウ!!』

 

「アルフォースセイバー!!」

 

 アルフォースブイドラモンが触手から伸びた無数の悪魔の腕を切り裂きながら進み、先端に辿り着いた瞬間、無数の剣閃が走り、触手を破壊するのであった。

 

「よし!先ずは一つ!」

 

『やるじゃないか。だが触手はまだまだあるぞ?』

 

「そんなの関係ねえ!邪魔するなら全部ぶった切るまでだ!!」

 

 アルフォースブイドラモンがそう言うと、今度は別の触手へと向かって行く。

 

『フフフ。悪くないね、こう言うのも。いいだろう、付き合ってやる!ジェノサイドギア&アタック!!』

 

 今度は二つの触手がアルフォースブイドラモンの前に現れ、触手がそれぞれメガドラモンとギガドラモンに変化する。それぞれの両腕から大量のミサイルが発射され、まるで雨のように振り注ぐ。

 

「シャイニングVフォース!!」

 

 アルフォースブイドラモンが鎧からビームを放ち、迫ってくるミサイルを全て破壊し、再び神速で触手に近付いて両腕のビームソードで切り裂く。

 

「よし!」

 

『ダークロアー!!』

 

「はっ!?」

 

 触手を破壊した事でほんの僅かに気を抜いてしまったアルフォースブイドラモンに、ダークドラモンに姿を変えた触手から放たれた暗黒エネルギーが迫りくる。

 

「サポートコマンド、分身の術!」

 

 ユーリのデジヴァイスから送られたデータによって、アルフォースブイドラモンは分身を作り出し、偽物の自分が代わりに攻撃を受けて消滅する。

 

「助かった、ユーリ!」

 

「気を抜くな!まだまだ来るぞ!」

 

『ならばこれはどうだ!トランプソード!!』

 

 触手のダークドラモンの姿をピエモンの姿に変化させて、四本の剣を投げ付ける。剣は姿を消したり現したりしながらアルフォースブイドラモンの周囲を漂う。

 

「何処から来る!?」

 

 神出鬼没と化した剣に警戒しながらあちこちに目を配らせる。

 

「サポートコマンド、ロックオン!」

 

「っ!これは!」

 

 アルフォースブイドラモンの目には自身の周囲に漂う剣の姿がはっきりと見えるようになった。それにより、躊躇いなく行動できるようになった。

 

「はあっ!」

 

 アルフォースブイドラモンがビームソードを振るうと、飛ばされた剣は全て破壊され、剣が消滅する。

 

「どうだ!」

 

『馬鹿め!それは囮だ!デスエボリューション!!』

 

「うわっ!?」

 

 元に戻した触手がアルフォースブイドラモンを捕らえ、エネルギーを吸い上げられてしまう。

 

「アルフォースブイドラモン!!」

 

『このまま退化するがいい!!』

 

 アルフォースブイドラモンとしての姿を保てなくなり、成長期へと退化させられようとしたその時。

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 白い炎が触手を焼き切り、アルフォースブイドラモンを解放する。

 

「ミカ!ホーリードラモン!」

 

「一人で無茶しすぎ。」

 

「選手交代よ。少し休んでて。」

 

「ああわかった。アルフォースブイドラモン!少し休むぞ!」

 

「ああ・・・。」

 

 退化することは無かったが、エネルギーを大分吸われた為、回復の為に交代するのであった。

 

「ボク達の事も忘れないでよ!」

 

「ワイ等にも活躍の場をくれなはれ!」

 

「そうっす!俺達にもくださいっす!」

 

「修理は完了した!フルで動けるぞ!」

 

 ナオヤとヘラクルカブテリモンが、ユウヤといつの間にか進化(アップグレード)していたカオスドラモンが前に出て戦闘態勢に入る。

 

「お前が回復するまでワシが守る。安心して休んでくれ。」

 

「お前達はこの戦況における一番の切り札だ。確実に勝つためにお前達を守る!」

 

 原田部長とクレニアムモンがユーリとアルフォースブイドラモンの前に出て盾と槍を構えて防御態勢を取る。

 その様子を見たユーリ達は回復に専念することにした。

 

「ありがとな。よし!アルフォースブイドラモン!みんなの為にも、しっかり休め。いいな?」

 

「ああ。すまない。」

 

 そう言ってアルフォースブイドラモンは体力の回復に努めるのであった。

 選手交代したミカ、ナオヤ、ユウヤは残っている触手を片すべく、それぞれの相手をすることとなった。

 破壊された触手の数は四本。残りは六本。言葉には出さなくとも、一人二本ずつ相手にする事になった。

 

『フフフ、一度に何人来ようと関係ない。一人ずつ確実に始末してやる。』

 

「余裕かましていられるのも今の内よ。ホーリードラモン!」

 

「聖なる光!アポカリプス!!」

 

 ホーリードラモンが背後に魔法陣を複数展開して、そこから光線を放つ。

 

『エレックガード!!』

 

 触手の一本がブリッツグレイモンに変化し、両腕から強力な電磁バリアを展開して光線を防ぐ。 

 

『お返しだ!アルティメットストリーム!!』

 

 もう一本の触手がメタルシードラモンに変化し、鼻先からビームを放ってホーリードラモンに直撃させる。

 

「きゃあああ!?」

 

「ホーリードラモン!サポートコマンド、リカバリー!」

 

 ミカがデジヴァイスを操作すると、ホーリードラモンが受けた傷が消え、体力が回復する。

 

「さらにサポートコマンド、アジリティアップ!スピードアップ!行って!!」

 

「行くわよ!!」

 

 ホーリードラモンが再度突撃し、迫り来る触手を迎撃するべく攻撃の態勢に入る。

 

『何度来ても同じ事だ!ダークネスウェーブ!!』

 

 触手が再び変化し、今度はレディーデビモンへと変化する。レディーデビモンがコウモリ型のエネルギー弾の群れを放ち、ホーリードラモンへと迫る。

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 ホーリードラモンは白い炎を広範囲に吐き出し、迫りくるコウモリの群れを焼き尽くし、さらにはその先にあった触手までも焼き尽くす。

 

「よし!また一本取った!」

 

『ならばコイツはどうだ!?メタルメテオ!!』

 

 今度はドルグレモンへと変化し、口からドルグレモンの体積の何倍もの大きさの鉄球をホーリードラモンに目掛けて放つ。

 

「アポカリプス!!ホーリーフレイム!!」

 

 魔法陣から放たれる光線によって鉄球を破壊し、続けて吐き出された白い炎は砕けた鉄球の隙間を潜りながら触手の一本を焼き尽くしたのだった。

 

「やったわ!でも、これ以上は限界・・・。」

 

「大丈夫?ホーリードラモン。」

 

「正直言うと、かなりしんどい。」

 

「大丈夫や!ここからはわい等が引き継ぎまっせ!ゆっくり休んどくんなはれ!」

 

「後は俺達に任せろ!」

 

「お願い・・・。」

 

 そう言ってホーリードラモンはミカと共に下がり、ヘラクルカブテリモンとカオスドラモンにバトンタッチするのであった。

 

『美しき友情だ。纏めて潰してやるけどね。』

 

「そう簡単には潰されへんで!覚悟しなはれ!!」

 

「さっきみたいにはならねえぞ!スクラップにしてやる!」

 

『そのセリフがフラグにならなければいいな!メテオフレイム!!』

 

 触手がセイバーハックモンに変化し、口から火炎弾が嵐のように振り注ぐ。

 

「ギガブラスター!!放電バージョン!!」

 

「ハイパームゲンキャノン!!」

 

 ヘラクルカブテリモンが迫りくる炎の雨を、広範囲に散らした電撃で迎え撃ち、カオスドラモンが背中の砲台から砲撃を放つ。

 

『フハハ!それでは先程と同じだ!!ドラゴンズロア!!』

 

 触手を再びデュナスモンへと変化させ、砲撃を両腕に吸収してエネルギー弾として放つ。

 放たれたエネルギー弾はカオスドラモンへと向かって行き、着弾する。

 

『どうした?この程度か?』

 

「残念!それは囮っす!カオスドラモン!!」

 

「デストロイドハーケン!!」

 

『何!?』

 

 放たれたエネルギー弾とすれ違うようにロケットアンカーが発射され触手へと向かって行き、当たると同時に触手に突き刺さり、ウィルスを流し込んで破壊した。

 

『やってくれる・・・!』

 

「わいの事も忘れんといてや!ギガブラスター!!」

 

『電撃には電撃!サンダーバーニア!!プラズマステーク!!』

 

 触手をブリッツグレイモンへと変化させると、両肩の砲台から電気を帯びた砲撃を放ってギガブラスターの威力を落とし、両腕の電流火器から強烈な電撃を放ってギガブラスターを消滅させる。

 

『今度はこっちの番だ!ガイアフォース!!』

 

 今度はウォーグレイモンに変化させると、超高密度の巨大エネルギー球を生成して投げ付ける。

 

「ちょ!?ありゃデカ過ぎや!!」

 

 まるで太陽が落ちてくるかのような光景にヘラクルカブテリモンは焦る様子を見せる。

 

『ハハハハ!!焼け死ぬがいい!!』

 

 その場にいる全員を焼き尽くそうとしたその時。

 

「シャイニングVフォース!!」

 

 光り輝く光線がガイアフォースを押し返し、触手ごと消滅させた。

 

「待たせたな!体力は充分回復した!!」

 

「奴の周りの触手はあと二本!確実にトドメを刺せる状況まであと少しだ!!気張っていけ!!」

 

 アルフォースブイドラモンとそのパートナーであるユーリが戦線に復帰し、その場にいた全員を鼓舞させる。

 

「アルフォースブイドラモンはん!もう大丈夫でっか!?」

 

「ああ!心配をかけたな!」

 

「アルフォースブイドラモンにデジヴァイスの中に貯めていた非常食を腹一杯食わせたからな!腹も体力も満タンだ!!」

 

 自分は元気になったというポーズを取り、前に出てアポカリモンと向き合う。

 

「さあ、後半戦といこうか!」

 

『フフフ、まるで物語の主人公のような復活劇だな。こうでなくては面白くない・・・。』

 

 アルフォースブイドラモンの様子を見て不敵な笑みを浮かべるアポカリモン。

 

『ならば、こちらも今残っている力を全て出し切り、世界がどちらの未来に微笑むのか決めようではないか!うおおおおお!!』

 

 アポカリモンは咆哮を挙げ、残った二本の触手を取って置きであるデジモンに変化させる。

 

「あれは・・・ディアボロモン?」

 

 変化させたデジモンはディアボロモンであった。確かに強いデジモンではあるが、単体ではそこまで脅威ではない。

 

『言ったはずだ!残っている力全てを出し切るとな!』

 

 アポカリモンがそう言うと、ディアボロモンに変化した触手に変化が起きる。ディアボロモンが両腕を伸ばすと、その両腕が別のディアボロモンへと変化し、さらにそのディアボロモンの両腕がまた別のディアボロモンへと変化する。

 その細胞分裂のような増殖にユーリ達は驚愕し、今もなお増えていくディアボロモンに目を見開く。

 

「こいつ等・・・何処まで分裂するんだ!?」

 

「四千、八千、また分裂した!一万六千!どんどん増えてるっす!!」

 

 ユーリの呟きにユウヤが返した。分裂が終わると、アポカリモンが言った。

 

『この恐怖と絶望の中でくたばるがいい!!カタストロフィーカノン!!』

 

 分裂したディアボロモンの胸部からエネルギー弾が発射される。

 

「テンセグレートシールド!!」

 

 雨のように降り注いでくるエネルギー弾を、アルフォースブイドラモンはVブレスレットから発生させたシールドで防ぎ、他のメンバーもエネルギー弾を撃ち落としたりしながら攻撃が当たらない様にする。

 

「エンド・ワルツ!!」

 

「アポカリプス!!」

 

「ギガブラスター!!」

 

「ハイパームゲンキャノン!!」

 

 それぞれが必殺技を放ち、迫ってくるエネルギー弾を撃ち落とそうとする。

 いくつかはそれぞれの技で撃ち落とせたが、この量では焼け石に水だ。

 とうとう限界が来てしまい、ディアボロモンの攻撃が当たってしまう。

 

「きゃああああっ!?」

 

「ホーリードラモン!!」

 

「ぐああああ!!」

 

「ヘラクルカブテリモン!!」

 

「ぐっ・・・ぐああああ!!」

 

「クレニアムモン!!」

 

「もう、限界だ・・・があああっ!?」

 

「カオスドラモン!!」

 

 空中からの大量爆撃に晒され、倒れてもなおそのエネルギー弾の雨を受け続ける究極体デジモン達。

 唯一無事なのは、シールドを張って大量の爆撃から身を守っているアルフォースブイドラモンだけであった。

 

「ぐっ・・・ううう・・・!」

 

「サポートコマンド、ガードアップ!ガードアップ!ガードアップ!」

 

 アルフォースブイドラモンをサポートすべく、サポートプログラムを送り続けているが、シールドを張っているアルフォースブイドラモンは苦悶の表情を浮かべる。

 時間はそれ程経っていないにも関わらず、無限とも言えるような時間を感じていたその瞬間。

 

 

 

―――バキン!!

 

 

 

「ぐあああああ!!」

 

「アルフォースブイドラモン!!」

 

 とうとう限界を超え、シールドが割られてしまい、アルフォースブイドラモン目掛けて大量爆撃が投下された。

 

「・・・・・・。」

 

 爆撃が止むと、空中には満身創痍のアルフォースブイドラモンが漂っていた。

 

「アル・・・フォース・・・?」

 

 ユーリが呼び掛けるが、反応が無い。

 

『ふははははは!!どうやら俺の勝ちのようだな!!』

 

 全員が倒れた様子を見て、勝利を確信したアポカリモン。

 

「なあ・・・起きろよ・・・まだ、生きてるだろ・・・?起きて、バカ騒ぎしようぜ・・・一緒に・・・何時までも・・・だからよ・・・起きてくれよ!!」

 

『無駄だ。いくら究極体と言えど、あれ程の爆撃を受けたんだ。無事ではいるまい。』

 

「・・・。」

 

『返す言葉もないか・・・呆気なかったな。だが、俺は慈悲深い。俺がお前達を直々に消し去ってやる。■〜■~■〜■〜■■■〜■〜。』

 

 アポカリモンが呪文らしき何かを唱えると、その場にいる全員の体が分解されていく。

 

「コレは!?」

 

「何これ!?」

 

「体が消えてくっす!」

 

「バカな!?」

 

 ナオヤ、ミカ、ユウヤ、原田部長が足から消滅していく現象に驚愕し、困惑する。

 

『闇の世界へと消え去るがいい・・・暗黒(ダークネスゾーン)!!』

 

 最後に両手を叩くと、全員の体の全てが分解され、永遠の闇へと葬られていった。

 

「皆!?」

 

『お前もそいつ等の後を追うといいさ。はぁ!!』

 

 そして、ユーリの体も電子分解され、闇へと葬られていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ここは?

 

 ユーリの意識は0と1の数字が見える白い世界を漂っていた。姿を持たず、ただ意識だけが辺りを彷徨うかのように。

 

―――俺は、俺達は、どうなったんだ?

 

「ココはデータの世界。人間の世界でも、デジタルワールドでもない、ただ情報がそこに存在しているだけの世界。」

 

―――?

 

「会うのは初めまして、かな?」

 

―――アンタは?

 

「ボクはイグドラシル。デジタルワールドの管理者と言えばわかるかな?」

 

―――イグドラシル・・・。

 

「ま、今はそう言うのはどうでもいい。要件だけ言うよ。君とこうして接触できる時間は限られているから。」

 

―――要件・・・?

 

「一つ、君達はまだ死んじゃいない。」

 

―――え?

 

「二つ、君達に届け物がある。」

 

―――届け物?

 

「三つ、ちょっとだけ手助けしてあげる。」

 

―――手助け?何で?

 

「本来人間世界に干渉するのは協定によって禁じられてるけど、人間世界に何か問題が起きるとデジタルワールドも影響を受けるから特例をもぎ取ってきたんだ。ま、理由はそれだけじゃないけどね。」

 

―――けど、このまま戻っても、奴の力の前じゃまともに対抗できない。どうすりゃいいんだ?

 

「だからこそ届け物があるんだよ。時間がないから使い方を頭に直接叩き込むよ。」

 

 その言葉の後に、ユーリの頭に何かが直接流れてくるような感覚に陥る。

 

「後はボクの力で外の世界に返す。頑張ってね。」

 

―――待ってくれ!他のみんなは!?

 

「大丈夫。その人達も皆元の世界に戻すから心配しないで。」

 

―――アンタ、何でそこまで・・・。

 

「正直言うとね。ボクは君達のファンなんだ。個人的なね。本当は個人に肩入れするのは良くないんだけど、アポカリモンを放っておけば人間世界でもデジタルワールドでも双方の均衡が崩れちゃう可能性があるから、騒動の中心となっている君達に手を貸すのは世界の均衡を守ることにも繋がるってことで助力することにしたのさ。世界の均衡をどうか守って欲しい。そして、かっこよく戦う姿をボクに見せて欲しいんだ。だからさ・・・頑張って。」

 

―――・・・ああ!

 

「じゃぁ、行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フハハハハ!コレで真の意味での邪魔者は居なくなった!!このまま世界を一度破壊してリセットして・・・!』

 

「残念だがそうは問屋が卸さねえよ!!」

 

『何!?』

 

 分解されたはずのユーリ達が再構築されてこの戦場に戻ってきた。

 

『バカな・・・!あの暗黒を受けてこの世界に戻ってくるなどあり得ない・・・!お前達、何をした!?』

 

「さあな。だが一つ言えることがある。お前をぶん殴らねえと気がすまねえんだよ!!」

 

 拳を固く握り、アポカリモンに向けて宣言するユーリ。

 

「もう、負けない!アタシ達の未来の為に!!」

 

 ミカもデジヴァイスを再起動し、己を鼓舞する。

 

「熱くなるのは性分じゃないけど、悪くないな。」

 

「こう言う不思議現象は考え始めるとキリがないっすけど、ま、深く考えないことにしたっす。こうして無事なら。」

 

「もう折れたりはせん!」

 

 ナオヤ、ユウヤ、原田部長も深く考える事をやめ、明日を見据えて戦う決意をする。

 

『だがどうすると言うんだ?お前達に対抗手段があったとしても、さっきみたいにやられるのがオチだぞ?』

 

「それがあるんだよな。アルフォースブイドラモン!」

 

「ああ!」

 

「ホーリードラモン!」

 

「ええ!」

 

「ヘラクルカブテリモン!」

 

「行くで!」

 

「カオスドラモン!」

 

「おう!」

 

「クレニアムモン!」

 

「うむ!」

 

 全員がデジヴァイスを起動し、インストールされた新たなプログラムを開いて実行する。

 

『X-EVOLUTION!!』

 

 新たなプログラムが転送されると、全員の姿に変化が起きる。

 アルフォースブイドラモンは全身の鎧が重厚な物となり、金の装飾が追加される。

 ホーリードラモンは外見にそこまで大きな変化が見られないが、竜としての獰猛さが大きく出されるようになる。

 ヘラクルカブテリモンは両手足が強靭な四肢へと変化し、格闘戦に特化した姿へと変貌する。

 カオスドラモンはシャープな体付きから角張った装甲に変化し、破壊力と防御力が格段に上昇した姿となる。

 クレニアムモンは髑髏の装飾と両腕にブレードが追加されて凶悪な姿となり、クラウ・ソラスは「究極戦十剣ダインスレイヴ」へと変化して肩に担ぐ。

 全員が新たなる進化―――X進化(ゼヴォリューション)を完了すると、その名を名乗る。

 

「アルフォースブイドラモンX!」

 

「ホーリードラモンX!」

 

「ヘラクルカブテリモンX!」

 

「カオスドラモンX!」

 

「クレニアムモンX!」

 

 姿を大きく変えた全てのデジモンがアポカリモンに牙を向け、そのパートナーが宣言する。

 

「最終戦だ!ド派手に行くぞ!!」

 

「おおおおお!!」

 

 ユーリの言葉で全デジモンが動き出し、アポカリモン目掛けて動き出した。

 

『死ねえええ!!』

 

 両腕の増殖したディアボロモンから、再び破壊のエネルギー弾が発射されると爆撃のように振り注ぐ。

 

「ふっ!!」

 

 アルフォースブイドラモンの姿が一瞬だけブレるとすぐに元に戻り、こちらに向かってきたエネルギー弾の全てが爆発して消滅する。

 

『なっ!?』

 

 アポカリモンが驚愕する。それはそうだ。アルフォースブイドラモンXは神速のスピードで、瞬間移動どころか時間停止にも近い速さで全てのエネルギー弾を切り払い、そして元いた位置に戻ったのだ。

 

「ホーリーブレイズ!!」

 

「ギガブラスター!!」

 

 ホーリードラモンXは巨大な光のエネルギーを口から吐き出し、ヘラクルカブテリモンXは球体状に圧縮して威力を上げたギガブラスターを放ち、アポカリモンの触手を木っ端微塵に破壊する。

 

「スーパージェノサイドアタック!!」

 

『ぐっ!?がっ・・・!!』

 

 カオスドラモンXが背中の砲台を後ろに向けてブースター代わりに使用し、ロケットのように突撃して右腕の武装「カオスクラッシャー」を正十二面体に突き刺して内部に大量のミサイルを撃ち込んだ。

 

『お、おのれ・・・!』

 

「ヒャズニング・ワルツ!!」

 

 クレニアムモンXがアポカリモンに一気に近付き、ダインスレイヴを光速で回転させて十二面体をガリガリと削って体積を小さくしていく。

 どれくらいの時間が経ったのか不明だが、もはや身体の意味を成してはおらず、本体が立っている台座だけが残った状態であった。

 

「これで残りはアンタだけだ。大人しく投降しろ。」

 

 アルフォースブイドラモンが最後のチャンスだと言わんばかりに最後通告する。

 だが、アポカリモンはその通告を蹴った。

 

『舐めるな・・・例えこの身が滅びようとも世界を破壊し、俺に付いてきてくれた同胞達の為にも最後までやり遂げねばならない!!世界をリセットし、悪意のない真なる理想郷を創り上げるまで、俺は倒れる訳にはいかないんだ!!』

 

「・・・馬鹿野郎が!」

 

『喰らうがいい!!我が生命と引き換えに放つ、世界に終焉を齎す必殺技!うおおおおお!!』

 

 アポカリモンに莫大なエネルギーが集まり、体内でそのエネルギーが膨張と圧縮を何度も繰り返して一気に放たれようとする。

 

『滅べ!グランデス・ビッグバン!!』

 

 アポカリモンが世界を巻き込んだ大爆発を起こそうとしたその時。

 

『―――ぐっ!?』

 

「どうしたんだ!?」

 

 アポカリモンが必殺技を発動しようとした瞬間に急に苦しみ、自分の体を抱き締めるように蹲る。

 

「さすがにその技を使うのは見過ごせないね。」

 

「お前は・・・?」

 

 急に現れた子供にユーリは問いを投げる。だが子供はその問いに答えることなく促す。

 

「ボクが抑えている内にトドメを。」

 

「まさか、さっきの・・・ありがとな!アルフォースブイドラモン!!一気に決めろ!!」

 

「ホーリードラモンも!!行って!!」

 

「ヘラクルカブテリモン!!やるんだ!!」

 

「カオスドラモン!!ぶっ放すっす!!」

 

「クレニアムモン!!行け!!」

 

「シャイニングVフォース!!」

 

「ホーリーブレイズ!!」

 

「ギガブラスター!!」

 

「ハイパームゲンキャノン!!」

 

「ヒャズニング・ワルツ!!」

 

 それぞれの必殺技がアポカリモンに向かって放たれ、巨大な閃光となってアポカリモンを飲み込まんとする。

 

『・・・俺の負けか。最後の最後で、天に見放されたか。』

 

 閃光がアポカリモンを飲み込むと、致死量どころか消滅する勢いで自身の身体が消えていき、身体が電子分解される寸前に、ジョーカーは呟いた。

 

『許せよ・・・我が、同士達、よ・・・。』

 

 閃光に飲まれたジョーカーは目を閉じ、己の全てが消滅していくその運命に身を委ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョーカーが世界規模のテロを仕掛け、そして壊滅した日から二ヵ月の時が過ぎた。

 ジョーカーが指揮していた組織「RE:BIRTH」は解体され、構成員である四人は逮捕されて、今は全員牢屋の中だ。

 組織を運営する上で協力者となっていた裏社会とつながりのある会社やマフィアは、「RE:BIRTH」が壊滅した後警察やDDの調査によって芋づる式に逮捕および倒産し、ある程度の平和が戻った。テロに使われたデジメモリは全て回収され、警視庁の立ち会いのもとに全て廃棄された。

 今回の事件の発端は、彼が人々から悪意を向けられ、信じてくれる人が居なかった事から始まり、それが大規模テロに発展したのだと思えば、人々の悪意は侮れないものだと改めて学んだのだ。

 逮捕された四人に関しては、どうやらジョーカーがデジメモリとデジヴァイスに細工を施しており、自分のパートナーデジモンと融合する際、戦闘で敗北した際に全員の精神データがアポカリモンに転送されるよう仕組んでいたようだ。そのせいで、四人の精神が何もない抜け殻と化し、全員がただ息をしているだけの植物状態へと陥ってしまった。

 精神の転送先がアポカリモンであり、消滅した為に四人は二度と目覚める事はないとのことだ。

 そしてジョーカーだが、その身を完全にアポカリモンと同化させており、トドメを刺して消滅する際に自分も消滅するようにプログラムを組み込んでいたようだ。

 構成員であるあの四人も、それをわかっていた上でユーリ達と戦うことを選んだのだ。勝とうが負けようがもう後がない、後に退くつもりはない。その意気込みで戦ったのだろう。

 テロを止める事が出来たが、テロ首謀者達を正しい意味で捕まえる事が出来なかった。その事実がユーリ達には重くのしかかった。

 他に起こった事を語るとすれば、事件が解決すると同時にユーリがリーダーを務めていた対デジモンテロ対策チーム「ヤマネコ隊」は解散し、警視庁から派遣されたツバサとスバルは戻っていった。

 ユーリはこの功績から公安に異動するべきだと政府や警察上層部で話が上がったが、本人がこの話を蹴った為お流れになった。

 さて、そのユーリはと言うと―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ちやがれーーー!!」

 

「ぎゃあああーーー!?」

 

 今日も今日とて、犯罪者を追い掛け回す日々を送っていた。

 今回ターゲットとなった犯罪者は何と公務員の息子であり、常日頃から犯罪行為を繰り返していたという。

 詳しく調査した結果、その男の親は国会議員であり、親の権力を傘にその男が勤めている会社内で暴力行為や犯罪の隠蔽、イジメや脅迫、犯罪の強要や金銭の巻き上げ等を行っていたのだ。

 社長も上司も同僚も、親の権力が怖くて黙認することしか出来ず、ただその男の横暴を見過ごすと言う愚行を犯すしか無かった。

 そういう事を繰り返していた為、社員の一人が精神的に限界を感じ、少しでもその状況が改善される事を願って警察に駆け込んだのだ。

 その話を聞いたユーリは早速仲間の力を借りてその横暴や親の裏で行っている取り引きの証拠を押さえ、星野署長に話を通して逮捕に踏み切り、ユーリが直接出向いたのだ。

 いざ逮捕に踏み切ろうとした所、その男のボディーガードが邪魔をしてきたが、問答無用で叩きのめして手錠を掛けるべくそのその男を追いかけ回しているのだ。

 身の危険を感じたその男は当然逃げるが、ユーリは逮捕すべくライドラモンに乗って街中を駆け巡り、ユーリと男の追いかけっこが始まったのだ。

 なお、追いかけっこと言うには優しいものではなく、男からすれば武装した戦車に追いかけ回されているのに等しく、時々自分に向かってくる電撃をスレスレで回避しながら迫りくる死神から逃げているのだ。

 

「誰かー!!助けてくれーー!!」

 

「おう助けてやるさ!!ただしお前の数々の悪行の落とし前を着けた後でな!!」

 

「こんな事していいと思ってるのか!?この事を父さんに言えばお前なんてタダじゃ済まないんだぞ!?」

 

「国家権力が怖くて警察なんてやってられるか!!向こうが犯罪や権力で抵抗するなら、こっちは戦車や戦闘機で対抗して木っ端微塵に根城から殲滅してやる!!」

 

「どんな理論だ!!そんなの無茶苦茶だ!!」

 

「無茶苦茶じゃなきゃ犯罪者の相手は務まらねえんだよ!!これ以上怖い思いしたくなけりゃとっととお縄に付きやがれ!!ちなみに言うが親に泣きついても無駄だ!!お前の親の悪事は全部調査済み且つ逮捕済みだ!!わかったならとっとと捕まりやがれ!!」

 

「助けてくれーーー!!」

 

 結局その男は逮捕された。

 追い付かれた挙句に叩きのめされて自らの罪を徹底的にわからされ、この追いかけっこが余程トラウマになったのか刑務所内では大人しかったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻り・・・。」

 

「バッカモーン!!」

 

 DD本部のデジモン対策課にて聞き慣れた怒鳴り声がユーリの耳に入る。

 

「うわ!?何ですか部長?いきなり怒鳴り付けて。」

 

「怒鳴りたくもなるわい!今回お前が捕まえた奴が犯罪を犯していたからと言って、街中(まちなか)で追い掛け回すバカがいるか!!」

 

「仕方ないでしょ?逃げるんですから追い掛けるのは当たり前でしょ?」

 

「やり方が問題だと言っとるんだ!!いくら犯罪者とはいえ、デジモンに乗って攻撃するのはやり過ぎだと言ってるんだ!!しかも街中にも被害を出しおって!!」

 

「被害?出しましたっけ俺?」

 

「お前の指示で出したライドラモンの攻撃で地面のいくつかに穴が空いた上に、周辺の建物の数ヶ所が損壊したんだ!!これをやり過ぎと言わずして何と言うんだ!!」

 

「違いますよ部長。それはアイツが車で逃げる上に狭い道路を通ったりして建物と衝突したりしたからですよ。それにアイツ、使っている車も違法改造してたり、銃やナイフを所持していたもんでしてね。凶器を所持している以上手加減する必要はないと思いまして徹底的に叩きのめしたんですよ。」

 

「その結果が病院送りか!?毎度毎度思うが警察病院の病室は牢屋代わりではないんだぞ!!」

 

「そこのスタッフ達には申し訳なく思ってはいますが、そういう悪党は叩きのめさなきゃまた同じ事を繰り返しますし、僅かでも情けを与えるとそこから図に乗ってまたやらかすと思いますよ。だからこそ俺は二度とやらせないようにするために徹底的に追い詰めるんですよ。」

 

「追い詰めるにしても程がある!だいたいお前は!」

 

「あら、またやってるの?」

 

「あ、ばあちゃん。」

 

「こら!これも毎度言うが失礼だぞ!!」

 

「いいのよ。そこまで堅苦しくなくても。むしろこう言うのがいつもの日常ってものよ。」

 

「署長も甘いですぞ!こういう事が続けば署内での他の警官の勤務態度に悪影響が発生する恐れも・・・!」

 

「原田君。その話は今は置いてといて、二人とも、事件発生よ。今すぐ出動して欲しいわ。」

 

「事件ですと?」

 

「渋谷区で強盗事件発生よ。犯人は今も尚逃走中。しかもデジモンを連れているから追跡が困難な状況よ。容疑者確保の為に出動よ!」

 

「わかりました!直ちに出動します!!」

 

「よっしゃ!やってやるぜ!!」

 

 テロ事件が解決したからと言って、警察官は足を止めている暇はない。大なり小なり次から次へと事件が発生する。

 ユーリ達警察官は、日夜発生する事件と犯罪から市民の安全と平和を守る為に今日も戦うのだ。

 

「DD出動だぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜完〜




後書き

これにて本編は完結です。
デジモンポリスメンいかがだったでしょうか。
元々デジモン関連の小説を書いてみたいなーって思いながら書き始めて、色々詰め込みすぎた挙句、長くなりすぎたかなーって思いました。
本来だったら一話っきりの短編程度に収めるつもりが中編みたいな長さになって、さらに書きたいこととか増えたりしてそれなりに規模が大きくなりましたね。
それでいながら作品を作る際に妥協はしたくない思いと、ここはどうしよう、省略するかしないかのせめぎ合いで、あとから見返してダラダラになったりしていないか不安にも思ったりもしました。
刑事ドラマ風と言いつつも全然刑事っぽくないなって思ったり、話の流れが不自然になったりしていないか不安要素もたくさんありました。
ですが、どんな形であれ一度初めて最後まで突っ走る事が出来たのは自分としては大きな経験になったと思います。
何はともあれ、最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
コレからは書きたいネタがあったら番外編かつクロスオーバーという形で書いていきたいと思っています。
気が向いたらまたここに足を運んでいただけると嬉しいです。

それではまたいつかお会いしましょう。
では。
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