デジモンポリスメン   作:namco

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パラレルモン編のビートブレイク編です。
時系列はタクティクスと邂逅してから間もない頃です。

ビートブレイクにおけるクリーナーもといテイマーのデジモンの世代の認識は完全体までしかないという方向で進みます。


パラレルモンの大騒動 ビートブレイク編
時空転移 


 今日も今日とて平和と犯罪の脅威がせめぎ合う東京にて、一つの強大な存在と対峙していた。

 

「コイツ、今まで戦ったデジモンとは桁違いの強さだ!」

 

「様々な平行世界を移動し、その世界を混乱に陥れようと目論むデジモン・・・パラレルモン!!」

 

「・・・・・・。」

 

 重厚な鎧に身を包んではいるが、体と鎧を繋ぐ部分が紐のように細い筋肉で出来ている、目が一つしかない頭部を持った突然変異型デジモン「パラレルモン」が、ユーリとマグナモンの前に対峙していた。

 

 

 

パラレルモン

 

究極体 突然変異型 ウィルス

 

必殺技 アブソーベント・バン エンドレストランス

 

・平行世界を移動する能力を持つ究極体デジモン。その能力を使って様々な平行世界を渡り歩く。 渡った先の世界でデジモンのデータを食い荒らす凶悪な存在で、その目的は不明。神出鬼没であるパラレルモンが現れる時、必ず世界が大混乱に陥ることから、研究チームはパラレルモンの出現を災害認定しているという。

必殺技は、目から光線を放ち、当てた対象物を吸収するか平行世界に飛ばす「アブソーベント・バン」と、敵の周囲に無数のゲートを開き、そこから一方的に攻撃を仕掛ける「エンドレストランス」だ。

 

 

 

「私が・・・最強となる為に・・・貴様等を食う・・・。」

 

「俺達を食うだ?上等じゃねえか!食えるもんなら食ってみな!行くぜマグナモン!!」

 

「ああ!!」

 

 パラレルモンと対峙し、いざ戦闘が始まろうとした瞬間。

 

「ユーリ!お待たせ!!」

 

「ミカ!ホーリードラモンも!!」

 

「ボクも居るよ。」

 

「ナオヤまで!来てくれたのか!」

 

「イグドラシルからの要請でね。あのパラレルモンを早急に討伐して欲しいって頼まれて、丁度時間が出来たからここに来たんだ。」

 

「この付近の避難も完了したわ。遠慮なくやれるわ。」

 

「そいつはありがてえ!一気に決めるぞ!!」

 

『ええ!/うん!/おう!』

 

「邪魔者共め・・・全員食ってやる・・・。」

 

「行くぞ!エクストリーム・ジハード!!」

 

「ホーリーフレイム!!」

 

「ギガブラスター!!」

 

 三体の究極体が必殺技を放ち、パラレルモン目掛けて一筋の閃光となって貫かんとする。

 

「アブソーベント・バン!!」

 

 パラレルモンも負けじとその単眼から光線を放ち、三体の究極体の技とぶつかり合う。

 

『はああああ!!』

 

 双方の技が押し合い、閃光を辺りに撒き散らしながら拮抗していたその時、ユーリの通信機に連絡が入る。

 

『ユーリ!聞こえる!?』

 

「何だよばあちゃん!今話してる暇無えんだって!」

 

『違うわ!その辺りからとてつもないエネルギー反応が発生してるわ!急いで離脱しないと取り返しの付かない事態が発生してしまうわ!!』

 

「そのエネルギー反応の発生源がパラレルモンなんだろ!?だったらさっさと片付けるから待っててくれ!!」

 

『それだけじゃないのよ!このままじゃ貴方達は・・・!』

 

「消え失せろ・・・!」

 

 この時パラレルモンの技の威力が増大し、力の均衡が一瞬だけ崩れる。が、マグナモン達は押し返されないように自分達も技の威力を上げて均衡を取り戻す。

 

「負けてたまるか!!」

 

「消えなさい!!パラレルモン!!」

 

「根性の見せ時や!!」

 

『いけない!!みんな離れて!!』

 

 力の均衡が限界にまで達した時、技の中心点で大きな爆発が発生し、ユーリ達とそのパートナーデジモン、そしてパラレルモンを大きな光が包み込み、その場から消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーリ!ユーリ!!応答して!!」

 

 星野署長がDD本部の通信室からいくら呼びかけても返事が来ず、ただノイズが走るだけ。

 どれだけ端末を弄っても、同じようにノイズが走るだけであり、反応はなかった。

 

「そんな・・・。」

 

「諦めてはなりませんぞ署長!ユーリ達があれくらいでくたばるようなタマではありません!!きっと生きてます!!だから信じましょう!!彼等の無事と帰還を!!」

 

 原田部長が落ち込み掛けていた星野署長に励ましの言葉をかけ、立ち直らせようとする。

 すると効果があったのか、その目には光が宿り、一つの決意をその胸に宿す。

 

「・・・そうよ。あの子達はこのくらいの困難、いつも乗り切ってきたじゃない・・・。なら、今回も無事に帰ってくるって、信じなくちゃ・・・!」

 

 落ち込み掛けていた心が浮き上がり、星野署長は顔を上げて署内全体に命令を出す。

 

「これより、行方不明となったユーリ達の捜索にあたります!イグドラシルにも協力を要請して、ユーリ達の捜索を呼び掛けます!各自、捜索開始!!」

 

『はっ!!』

 

「・・・ユーリ、無事でいて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃ユーリ達は。

 

「何処だここは?」

 

 水に沈んだ廃墟のような街に立ち、自分の状況を整理する。

 

「俺達、あの光に包まれて、気が付けばココに・・・そうだ!マグナモン!ミカ!ホーリードラモン!ナオヤ!ヘラクルカブテリモン!」

 

「大丈夫よ。アタシはここよ。」

 

 ユーリの呼び掛けにミカが反応し、ユーリに近寄る。

 

「ボクも無事だよ。」

 

 続いてナオヤも返事をしてユーリと合流する。

 

「デジモン達は?」

 

「スマホの中で休んでる。かなり力を使ったからね。」

 

 ユーリの問いにナオヤが答えた。

 

「はあ、よかった・・・って、マグナモンは?」

 

 ユーリは近くにマグナモンが居ないことに気付き、辺りを見渡す。

 

「ここだよ〜。」

 

 下から声が聞こえてきたので、ユーリは自分の足元を見る。

 

「おお!無事だったか!って、チビモンに戻ってるじゃねえか。」

 

 

 

チビモン

 

幼年期Ⅱ 幼竜型 属性なし

 

必殺技 ホップアタック

 

・幼年期デジモンでは珍しく胴体と両手足を持っている幼竜型デジモン。小さな両手で物をつかみ、両足でぴょんぴょん跳ねながら移動することができる。非常に食べ盛りで、特に甘いものが大好き。また寝ることが非常に好きで、目を離すとすぐに寝てしまう。

必殺技はぴょんぴょん跳ねながら相手に体当たりをする「ホップアタック」だ。

 

 

 

「あの技に対抗するのにどれだけ力を使ったと思ってるんだ?そのせいで腹減って仕方ないんだ。頼む。飯食わせて〜。」

 

「わかったよ。んじゃ非常食を・・・ありゃ?」

 

「どうしたの?」

 

 ユーリの様子がおかしい事に気付いたチビモンが尋ねた。

 

「・・・悪い。非常食、補充し忘れてた。」

 

「はあっ!?」

 

「ほんとスマン!何とかして食料調達するから、しばらく我慢してくれ!!」

 

「出来るかー!腹減ったー!!」

 

「・・・仕方ないわね。ほら。」

 

 そんな様子を見兼ねたミカが自身のデジヴァイスからリンゴを一つ取り出す。

 

「えっ?いいのか?」

 

「アタシの非常食には少し余裕があるから。貸し一つね。」

 

「わかった。必ず返す。ほら、チビモン。」

 

「お!飯ー!」

 

 渡されたリンゴに無我夢中でかぶり付き、咀嚼音を立てながら飲み込んでいく。

 

「足りないだろうからボクのもあげる。」

 

 ナオヤもバナナを取り出してチビモンに渡す。

 

「おっ!バナナだ!!」

 

「ナオヤもありがとな。」

 

「今度から非常食しっかり補充しといてよ。」

 

「ふう、美味かったー。チビモン進化ー、ブイモン!んじゃ、俺は戻るぜ。」

 

 一通り食べて満足したチビモンはブイモンに進化して元に戻り、スマホの中へと戻った。

 

「さて、状況を整理するぞ。ここは何処か。俺達はどうしてここにいるのか。その理由は何かって所か。」

 

 ユーリが話題を振って状況を整理する為に考える。

 

「場所は辺りを捜索しないとわからないね。どうしてここにいるのかの理由は多分いや、十中八九パラレルモンのせいだと思う。でなければこんな知らない場所にいきなり来れるはずがない。」

 

 ナオヤが自身の考察を述べ、この状況を推測する。

 

「ユーリ、本部に連絡取れない?そうすればここが何処かわかると思う。」

 

「だな。んじゃ早速・・・。」

 

 ミカに促されて通信機に連絡を入れる。

 周波数が安定せずノイズが走るが、やがて安定して通信が繋がる。

 

「こちらユーリ。ばあちゃん、聞こえるか?」

 

『ユーリ!?無事だったの!?』

 

「ああ。何とかな。」

 

『よかった・・・貴方が無事で。』

 

「俺だけじゃない。皆も無事だ。」

 

『本当!?それは朗報ね!』

 

「でだな。俺達はパラレルモンのせいでまったく知らない場所に飛ばされたみたいなんだ。場所を特定して迎えを寄越してくれないか?」

 

『その事だけどユーリ。落ち着いて聞いて欲しいの。貴方達にとっては、かなりショックな内容よ。』

 

「どういうことだ?迎えを寄越せないのか?」

 

『悪い知らせが二つあるの。順番に言うわね。一つ、こちらから迎えを寄越すことが出来ないの。』

 

「できない?何で?」

 

『これがもう一つの話。ここからがとてつもなく重要な話よ。落ち着いて聞いてね。』

 

「何だよ。勿体ぶらないで言ってくれ。」

 

『貴方達は今、私達のいる世界とは別の世界、平行世界にいるの。だから、今の所貴方達に帰る手段がないの。』

 

「・・・へ?」

 

『でも大丈夫。イグドラシルに要請して、貴方達を元いた世界に戻す為の準備をしているわ。帰還の目処が立ったら連絡するわ。だから、それまでどうか頑張って。』

 

「あ、ああ・・・。」

 

『それじゃあね。』

 

 そうして通信が切れた。

 

「どうだったの?ユーリ。」

 

 ミカが訪ねてきた。

 

「・・・俺達、今の所帰れないらしい。」

 

「どういう事?」

 

「パラレルモンのせいで、俺達は平行世界に飛ばされたんだって。だから、迎えは寄越せないし、帰ることが出来ないって。」

 

「・・・嘘。」

 

 帰れないという事実がミカの心を揺さぶり、放心状態となる。

 

「ばあちゃんが言うには、帰るための手段を整えてくれるって言うから、決して帰れないわけじゃないらしい。だから、しばらくこっちで頑張れって。」

 

「平行世界か・・・規模がデカいな。」

 

 ナオヤが自分達の状況の規模の大きさに頭を抱えて悩む。

 

「考えていても仕方ない。とにかく、元いた世界に帰る為にも、この世界がどういうものか調べなきゃな。そして、活動拠点を確保して生活基盤を整える。これが一番だな。」

 

「・・・確かに、ここで考えていても仕方ない。ユーリの言う通り、まずは拠点の確保とこの世界の調査だ。」

 

「よし、それじゃ早速この辺りの調査を―――。」

 

「おんや〜?何だか美味そうな獲物が三人も居るんだね・・・。」

 

 突如として聴こえてきた声に、ユーリ達は振り向く。

 

「ちょうどよかった・・・腹が減ってたんだ。大人しく俺に食われろや!」

 

 そこに居たのは、狼のような姿をしたデジモン、グルルモンだった。

 

 

 

グルルモン

 

成熟期 獣形 ワクチン

 

必殺技 カオスファイアー

 

・ガルルモンによく似た狼の姿をした獣形デジモン。闇に生きる凶悪なデジモンで、いたるところで揉め事を起こす迷惑な奴。

必殺技は、口から放つ高熱の炎「カオスファイアー」だ。

 

 

 

「何だ、この世界にもデジモンがいるのか?」

 

「アイツはグルルモン。その性格からして交渉の余地は無さそうだ。」

 

「・・・面倒だけど、やるしかないわね。」

 

 ユーリ達はスマホを取り出し、デジモンを進化させる為にデジヴァイスから出現させる。

 

「ブイモン!」

 

「テントモン!」

 

「プロットモン!」

 

 デジヴァイスを操作し、コマンドを入力して進化を開始する。

 

「デジメンタルアップ!」

 

「ブイモン!アーマー進化ー!」

 

 ユーリのデジヴァイスに登録されているデジメンタルのデータをブイモンに転送すると、その体が炎に包まれ成人男性くらいの大きさに成長し、体の各部位に炎の鎧が形成される。

 最後にブレード状の角が取り付けられた炎を模した兜が装着されると、進化が完了し、その姿の名を名乗る。

 

「燃え上がる勇気!フレイドラモン!!」

 

「テントモン!進化ー!」

 

 テントモンがナオヤのデジヴァイスからデータが転送されると、テントモンの体が大きく変化していく。

 青く大きなアリのような体と、カブトムシのような兜を被り、巨大な四枚の虫の羽を震わす昆虫型デジモンがその姿を現す。

 進化が完了すると、その姿の名を名乗る。

 

「カブテリモン!!」

 

 

 

カブテリモン

 

成熟期 昆虫型 ワクチン

 

必殺技 メガブラスター

 

・テントモンが進化した昆虫型デジモン。アリのようなパワーと甲虫の高い防御能力を兼ね備えている。頭部は金属化しており、並の攻撃では弾かれるほどの硬さを持っている。

必殺技は、羽を震わせて静電気を発生させて強力な電撃を放つ「メガブラスター」だ。

 

 

 

「プロットモン!進化ー!!」

 

 ミカのスマホから飛び出したのは子犬のような愛らしい姿で、首にホーリーリングが装着された、テイルモンの進化前である哺乳類型デジモンのプロットモンだ。

 

 

 

プロットモン

 

成長期 哺乳類型 ワクチン

 

必殺技 パピーハウリング

 

・テイルモンの進化前の姿である成長期の哺乳類型デジモン。神聖系デジモンの特徴であるホーリーリングを身に付けており、邪悪な力を退ける力を持っているが、本人の力がまだ弱く、十分な力を発明できない。

必殺技は、超高音の鳴き声で敵を金縛りにする「パピーハウリングだ。」

 

 

 

 ミカのスマホのデータがプロットモンに転送されると、その姿を変化させる。

 身長はそれ程変わらないが、姿が猫のように変化し、体毛が白に変化して、両腕には大型のライオンの爪を模したグローブが装着される。

 進化が完了すると、その姿の名を名乗る。

 

「テイルモン!!」

 

 三体のデジモンの進化が完了すると、襲い掛かってくるグルルモンを迎撃すべく攻撃を開始する。

 

「ぐおおお!!」

 

「ナックルファイア!!」

 

 フレイドラモンが炎を纏った拳を突き出し、飛び掛かってきたグルルモンにクロスカウンターに近い形で拳を叩き込む。

 

「ぐがっ!?」

 

「猫パンチ!!」

 

 フレイドラモンのパンチを喰らって吹っ飛んだグルルモンは、吹っ飛ばされた先に居たテイルモンにアッパーカットをお見舞いされ、上空へと更に飛ばされる。

 

「メガブラスター!!」

 

「ぎゃあああ!!?」

 

 上空へと飛ばされたグルルモンを待ち構えていたのは、必殺技を撃つ準備をしていたカブテリモンであり、射程範囲内に入ったグルルモンに向かって電撃を放ち、強力な電撃を受けたグルルモンは地面へと落ちて行った。。

 

「ぐ、が・・・。」

 

「トドメだフレイドラモン!」

 

「ファイヤーロケット!!」

 

「があああ!ちくしょうーーー!!」

 

 炎を纏った突進攻撃にグルルモンは大ダメージを負い、幼年期デジモンである赤い体のスライムのようなデジモン、プニモンへと退化した。

 

「ぷに〜。」

 

 

 

プニモン

 

幼年期Ⅰ スライム型 属性なし

 

必殺技 酸の泡

 

・生まれたてのデジモン。ゲル状の赤い体はプニプニしていて、頭部には3つの触手のようなものが生えている。戦うことができず、酸性の強い泡をだして敵を威嚇する。

 

 

 

「何だコイツ?いつもと違って、倒してもデジタマに戻らねえぞ?」

 

「しかもこのタマゴみたいな機械と一緒に出てきた。何なんだろ。」

 

 ユーリが今まで倒してきたデジモンと様子が違うことに疑問を抱き、ナオヤもタマゴのような機械を拾って観察する。

 

「ぷに〜・・・。」

 

「この子どうする?もう敵意は無いみたいだけど?」

 

 ミカがプニモンを抱えてどうするかをユーリに聞く。

 

「・・・敵意が無いなら放っておいてもいいんじゃね?」

 

「でも幼年期にまで退化した上で放置すると別のデジモンに殺されるんじゃないの?デジモンは今でこそ人間と交流出来てるけど、基本は弱肉強食の世界で生きてるし、ここで放置したら寝覚めが悪いと思うんだけど。」

 

「・・・そうだな。こんな風にしちまった責任もあるし、成長期くらいに進化するまでは面倒見てやるか。」

 

 ミカの提案にユーリは承諾し、プニモンを引き取る事にした。

 

「その前に拠点を探さないとね。このままだと野宿が基本生活になりかねないし、食料の確保も考えなきゃいけない。どうにかして今のボク達の問題点を解決しないと。」

 

 ナオヤが解決案を考えようとしたその時―――。

 

「ああー!!そのデジモン、アタシらが狙ってたのに!!」

 

「ん?」

 

 またもや突如として聞こえてきた声に顔を向けると、赤い髪の少女がこちらに指を指して大声を上げていた。

 

「レーナさん!待ってください!」

 

 少女を追いかけてきたのか、今度は金髪の少年が両腕にフードを被ったコウモリのような何かを抱えて走ってきた。

 

「お前突っ走り過ぎ何だよ!少しは俺達のことも考えてくれ!」

 

 さらに続いて髪に金のメッシュが入ったメガネの少年が走ってくる。

 

「何言ってんのよ!こう言うのは一分一秒だって速く行動しなきゃ、他の誰かに先を越されるものよ!うち等のこれからの生活の為に、文句言わない!」

 

「何だお前等?」

 

「そのデジモンとサポタマを渡しなさい!そうすれば痛い目に合わすのは勘弁してあげるわ!」

 

「いきなり出てきて何言ってんだ?」

 

「言う事聞かないってんなら、ウルヴァモン!」

 

「ラピッドバースト!!」

 

 

 

ウルヴァモン

 

成熟期 サイボーグ型 ワクチン

 

必殺技 ラピッドバースト スキャッターロケット バージャースラッシュ トムボーイブレイズ

 

・様々な武装を内蔵した両腕を持つサイボーグ型デジモン。両腕の武装腕は様々な金属で構成されており、駆動パーツにはクロンデジゾイドを使用していると言われている。ウルヴァモンは基本的に沈着冷静な性格であるが、戦闘時には集中力が高まりすぎるあまり精神が高揚し戦闘狂のような状態に陥る者が多い。遠距離から近接攻撃までオールラウンドな攻撃技を持っている。

必殺技は、手のひらの銃口からエネルギー弾を連射する「ラピッドバースト」、前腕部に内蔵された小型ロケット弾を連続で発射する「スキャッターロケット」、しなやかな体術で素早く相手に詰め寄り、手のひらの銃口から放つ火炎放射「トムボーイブレイズ」、鋭い左右の爪で斬りつける『バージャースラッシュ』だ。

 

 

 

 両腕が武装化されたクマの獣人のような姿をした少女の相棒らしきデジモンが少女の命令に従い、両腕の砲門からエネルギー弾を発射し、ユーリ達の足元に命中させる。

 

「うわっ!?おいてめー等!何しやがる!」

 

「今のは警告よ。そのデジモンとサポタマを渡すなら見逃すわよ?」

 

「・・・上等だ!売られた喧嘩は買ってやる!!フレイドラモン!」

 

「ああ!」

 

「交渉決裂か。ウルヴァモン!」

 

「やってやるわよ!」

 

「ちょっとレーナさん!」

 

 金髪の少年が引き留めるが、聞く耳持たずであった。

 

「スキャッターロケット!!」

 

「ナックルファイア!!」

 

 ウルヴァモンが放ったミサイルを、フレイドラモンの放った火炎弾が迎え撃ち、煙で互いの見えなくなったその隙にフレイドラモンは突っ込み、ウルヴァモンに向かって拳を突き出す。

 

「おらぁ!」

 

「くっ!やるね!トムボーイブレイズ!!」

 

 ウルヴァモンが片腕で防ぎ、もう片方の腕から火炎放射を放ってフレイドラモンを押し返そうとする。だが。

 

「そんなもの、俺には効かん!!ナックルファイア!!」

 

「ぐあっ!?」

 

「ウルヴァモン!?」

 

 ウルヴァモンの腹に拳を打ち込み、後退させるフレイドラモン。ウルヴァモンが怯んだ隙を逃さず、追撃として追い詰めて拳のラッシュを叩き込む。

 

「オラオラオラオラオラァ!!」

 

「この・・・!ラピッドバースト!!」

 

「ぐあっ!?」

 

 ウルヴァモンのラピッドバーストの衝撃によってフレイドラモンと距離を取ることが出来たが、ウルヴァモンはダメージを大きく受けてしまい、膝を付いてしまう。

 

「コイツ、かなり強いよレーナ。」

 

「e-パルスを送るわ。気張って!ウルヴァモン!!」

 

 ウルヴァモンのパートナー―――レーナと呼ばれた少女はタマゴのような機械に触れると次の瞬間、膝を付いていたウルヴァモンが立ち上がり、咆哮を挙げた。

 

「うおおおお!!」

 

「デジモンが元気になった・・・あのタマゴ、もしかしてデジヴァイスみたいな物か?」

 

「バージャースラッシュ!!」

 

 ユーリが考察していると、ウルヴァモンがフレイドラモンに距離を詰めて、両腕の金属の爪でフレイドラモンを引き裂こうとする。

 

「ぐっ!」

 

 急激なパワーアップに戸惑うフレイドラモンだが、これまでに培ってきた戦闘経験を元にウルヴァモンの爪攻撃を捌いていく。

 

「ホラホラどうした!?動きが遅いよ!!」

 

 ウルヴァモンは爪攻撃だけではなく足を使った体術を織り交ぜながら攻撃を仕掛けていく。

 休む暇のない連撃に押し切られるかと思ったその時、ユーリがスマホを操作してフレイドラモンをサポートする。

 

「サポートコマンド、スピードアップ!」

 

「うおおおお!!」

 

 サポートプログラムがフレイドラモンに転送されると、動きが速くなり、捌ききれなかった攻撃に対処できるようになっていく。

 

「なっ!?動きが速く!?」

 

「おりゃっ!!」

 

「しまった!?」

 

 足を捕み、流れるような動きで重量挙げのようにウルヴァモンを担ぎ上げると、フレイドラモンは飛び上がりそのまま後ろに倒れるようにしてウルヴァモンを地面へと叩き付けた。

 

「でりゃああ!!」

 

「があああっ!?」

 

「ウルヴァモン!!」

 

 フレイドラモンはウルヴァモンに格闘技をお見舞いしたことによって、ウルヴァモンは大ダメージを受け、成熟期としての姿を保てなくなり成長期へと退化する。

 

「うう・・・。」

 

「プリスティモン!」

 

 

 

プリスティモン

 

成長期 パペット型 ワクチン

 

必殺技 プリショット  スタブクロー  テイルスラップ

 

・レーナのパートナーデジモン。アライグマのぬいぐるみのような姿をしたパペット型デジモン。体表の生地はさわり心地が良く、可愛らしい見た目もあって抱きかかえたくなる姿をしているが、狂暴な性質を持っておりうかつに触れるのは危険が伴う。特徴ある尻尾にはエネルギージェネレーターが内蔵されており、四段のジェネレーターコイルを回転させることで自身を稼働させるエネルギーを生成している。

必殺技はジェネレーター全開で生成したエネルギーを手のひらの銃口から撃ち出す「プリショット」、鋭い爪を相手に突き刺す「スタブクロー」。ジェネレーターコイルが全開で回転している状態の尻尾をたたきつける「テイルスラップ」。

 

 

 

「プリスティモン!しっかりして!」

 

「ごめんレーナ、やられちゃった・・・。」

 

「そんな、ウルヴァモンがやられるなんて。」

 

「マコト・・・アイツ強い。」

 

 この時、少年―――マコトの抱えているコウモリのようなデジモン、キロプモンがフレイドラモンの強さに戦慄する。

 

 

 

キロプモン

 

成長期 哺乳類型 ウィルス

 

必殺技 パラライズエコー アナライズエコー キュリアスアイズ コンデンスドエコー

 

・フードを被ったコウモリのような姿をしたデジモン。索敵能力に優れており、空を飛ぶ時もほぼ無音で羽ばたくことが出来、対象に気付かれることなく情報収集する事が可能だ。

必殺技は、相手を麻痺させる超音波を放つ「パラライズエコー」と、超音波で周囲の状況をエコーロケーションで把握する「アナライズエコー」、可視光線以外に紫外線と赤外線までの電磁波長を「視る」ことが可能な「キュリアスアイズ」、口から超音波を極限まで圧縮し放つ「コンデンスドエコー」だ。

 

 

 

「で?成り行きで戦ったがお前等誰?」

 

「あの、ボク達は。」

 

 パートナーらしきデジモンにマコトと呼ばれた少年は、事情を説明しようとしたその時、また新たな部外者が現れた。

 

「おや?何時だったかのヘナチョコクリーナーじゃねえか。」

 

「っ!タクティクスの惣田ライト!」

 

「また別の奴か。誰だアイツ?」

 

「おいおっさん、痛い目見たくなきゃそのサポタマ寄越しな。」

 

「あ?おっさんだぁ?」

 

「ソイツは俺達が狙ってたもんなんだ。あんたらが持ってても宝の持ち腐れって奴。だからよ。とっとと寄越せっての。」

 

「断るっつったら?」

 

「まあどっちにしろ、力尽くで手に入れるがな。モノドラモン!」

 

「おう!」

 

 バンダナの少年―――惣田ライトがタマゴ見たいな機械を取り出してその横にいるパートナーらしきデジモン、モノドラモンに食わせる。

 

 

 

モノドラモン

 

成長期 小竜型 ワクチン

 

必殺技 ビートナックル クラックバイト

 

・両手にはこうもりのような翼がついているが、飛ぶことができない小竜型のデジモン。ワクチン種でありながら、性格はかなり乱暴というよりも凶暴に近く、ケンカ好きなデジモンといった感じだ。デジタルワールドでも、たいがいのケンカの中心にはこのモノドラモンがいるくらいで、あのオーガモンですら、モノドラモンのしつこさには辟易しているそうだ。また、後ろに伸びたツノは弱点と言われているが真相のほどは確かではない。

必殺技は、噛んだ部分のデータを断片化させ、敵は噛まれた場所によっては機能不全に陥ってしまう「クラックバイト」、ものすごい勢いで突撃し、強力なツメでぶんなぐるという単純明快な大技「ビートナックル」だ。

 

 

 

「モノドラモン!進化!!」

 

 モノドラモンがタマゴのような機械を飲み込んだ瞬間、身体に変化が訪れる。

 光りに包まれ、心音のような鼓動が鳴り響くと、光が晴れ、そこには古代の時代に存在した翼竜のようなデジモンが姿を現す。

 

「ランフォモン!!」

 

 

 

ランフォモン

 

成熟期 翼竜型 ウィルス

 

必発技 クリスタルキャノン  ハンマーストライク  ノーホープフォール  クリスタルレイン

 

・ 被膜状の大きな翼をもつ翼竜型デジモン。優れた飛翔能力を持ち、ランフォモンよりも大きな体を持つデジモンでも両足でつかんで飛行することが可能である。地上から一気に上空まで飛翔し、気流に乗って旋回することで1日の大半を空中で過ごしている。旋回中に獲物を見つけると翼をたたんで急降下し、一気に襲い掛かる。

必殺技は、口から水晶の超高速砲弾を放つ『クリスタルキャノン』、尻尾の先端についている水晶を振り回して殴打する『ハンマーストライク』、その後昏倒した獲物を両足でつかんで飛翔し上空から投げ落としてトドメを刺す『ノーホープフォール』。

個体によっては『クリスタルキャノン』を2回連続で発射し、飛翔中の水晶砲弾同士をぶつけて砕くことで散弾化する『クリスタルレイン』という派生技を使うものがいる。

 

 

 

「ランフォモン!奴等からサポタマとデジモンを奪え!」

 

「クリスタルキャノン!!」

 

 ランフォモンの口から水晶の弾丸が発射され、プニモンとタマゴの機械を持っているミカとナオヤに向かって行く。

 

「テイルモン!」

 

「猫パンチ!!」

 

「カブテリモン!!」

 

「メガブラスター!!」

 

 テイルモンとカブテリモンが水晶弾を破壊し、パートナーと共にライトと対峙して睨み合う。

 

「ドイツもコイツも、色んなことが起きっぱなしで頭が混乱するわ。」

 

 ミカが頭を抱えながらライトと向き合い、戦う事を決意する。

 

「ボクも正直この状況を飲み込めてないけど、あのバンダナ男は敵だって言うのはわかった。」

 

 ナオヤが目下の敵を片付けるべく、ミカと共にライトを睨む。

 

「だからわからせてやりましょう・・・誰に喧嘩を売ったのかをね!」

 

「あーあ、そんな事するんだ。抵抗しなきゃ、痛い目見なくて済んだのによぉ?」

 

「テイルモン!あのバカっぽそうな頭の持ち主を叩き潰してやるわよ!」

 

「そうね!もう色々と面倒くさいからさっさと終わらせましょう!」

 

「てめえ、今俺の事バカッつったか?天才である俺様によう!?」

 

「何度でも言ってやるわ。バーカ!!」

 

「この野郎!ランフォモン!あの女だけは許さねえ!!やれ!!」

 

「クリスタルキャノン!!」

 

 ランフォモンが再び水晶弾をミカに向かって放つが、その前にミカがスマホを掲げ、テイルモンに向けて光を放つ。

 

「テイルモン!進化よ!!」

 

「テイルモン!進化ー!!」

 

 テイルモンが光に包まれるとその体を大きく変化させる。

 体は獣から人の姿となり、白のレオタードのような衣装を身に着け、背中に八枚四対の天使の翼が広げられた神話に登場する大天使の姿を象(かたど)る。

 左腕に白いグローブと、顔に仮面を装着すると進化が完了し、迫ってくる水晶の弾丸を手刀で破壊しながら女性の大天使型デジモンが降臨する。

 

「エンジェウーモン!!」

 

 

 

エンジェウーモン

 

完全体 大天使型 ワクチン

 

必殺技 ホーリーアロー ヘブンズチャーム セイントエア

 

・背中に八枚の翼を広げた美しい女性の姿をした大天使型デジモン。曲がった事や悪が嫌いな性格で、相手が改心するまで攻撃の手を緩める事はない。

必殺技は左腕のグローブから作られた弓と、自身の光の力で生み出した矢で敵を貫く「ホーリーアロー」と、味方には癒しを、悪しき者には光の粒子を浴びせて拘束する「セイントエア」と、十字架の形をしたエネルギー波で悪しき存在を浄化する「ヘブンズチャーム」だ。

 

 

 

「なっ!?完全体だと!?」

 

 ライトがエンジェウーモンの姿を見て驚愕するが、そんなことお構いなしにエンジェウーモンは怒りの声を上げる。

 

「私のパートナーを直接狙った事、後悔させてあげるわ!セイントエア!!」

 

 エンジェウーモンは頭上に光のリングを出現させると、光の粒子を浴びせてランフォモンを拘束する。

 

「か、体が、動かない!?」

 

「何やってんだランフォモン!早く動け!!」

 

「ホーリーアロー!!」

 

 エンジェウーモンが光の矢を放つとランフォモンを貫き、成熟期としての姿を保てなくなりモノドラモンへと戻ってしまった。

 

「モノドラモン!!くそっ!覚えてろ!!」

 

「二度と来ないで三下。」

 

 雑魚敵が吐く台詞を言いながら、ライトはモノドラモンを抱えて立ち去って行った。

 

「すげえ。あのタクティクスのライトを軽くあしらいやがった。」

 

「トモロウ!あのエンジェウーモンってやつ凄いんだってな!!」

 

 トモロウと呼ばれた眼鏡の少年は、パートナーらしきトカゲのようなデジモン、ゲッコーモンが鞄らしき所から顔を出す。

 

 

 

ゲッコーモン

 

成長期 爬虫類型 データ

 

必殺技 スマッシュビート ブレイクスロー スイングタックル

 

・緑色の体色でトカゲのような姿をした爬虫類型のデジモン。好奇心旺盛な性格で、何にでも興味を持つ。

必殺技は、伸縮自在な舌で打撃を繰り出す「スマッシュビート」、周囲の物を長い舌を巻き付けて投げ付ける「ブレイクスロー」、そして周囲の木や鉄柱などに舌を巻きつけて自身を遠心力で振り回して体当たりする「スイングタックル」だ。

 

 

 

「で、さっきの話の続きだが、お前等誰だ?答えによっちゃ骨の五、六本は覚悟してもらうぜ?」

 

「マコト。あのおっさん怖い。」

 

「誰がおっさんだ!俺はまだ23だ!」

 

「え~と、こんな都合の良い事なのはわかった上で言わせて欲しいんですが、僕達のホームに来てくれませんか?何だかお互い混乱してるみたいですし。」

 

「はあ?いきなり攻撃仕掛けてきたやつのホームに来いってか?お前ふざけてんのか?」

 

「もちろん承知の上です。ですが、何事も話をしないと始まらないと思うんです。ですので、どうか来てほしいんです。お願いします!」

 

 マコトはユーリに対して深く頭を下げ、ホームに来てくれるように要請する。

 その様子を見たユーリは少し考え、やがて決断したのかその要請に返事を出す。

 

「いいだろう。行ってやる。ただし、怪しいマネしたらお前等のホームごと全員纏めて叩きのめす。いいな?」

 

「は、はい!ありがとうございます!!」

 

「お前らも良いな?ミカ、ナオヤ。」

 

「ユーリが決めたならいい。」

 

「ボクもユーリに付いていくよ。」

 

「んじゃ、出発だな。」

 

 こうして、ユーリ達はマコト達のホーム「グローイングドーン」へと赴く事になった。

 パラレルモンの騒動から始まった一連の大騒動。果たしてユーリ達は無事に元の世界へと帰れるのだろうか。

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