デジモンポリスメン   作:namco

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パラレルモンの能力で平行世界へと飛ばされてしまったユーリ達。
そこで謎の三人組のデジモンテイマーと出会う。
ユーリ達は彼等に連れられて、ホームへと案内されるのであった。


説明とクリーナーチームの期間限定入団

「着きました。ここが僕等のアジト、『グローイングドーン』です。」

 

 マコトに案内されて辿り着いたのは、ボロボロの掘っ立て小屋みたいな家であり、今にも壊れそうな印象を醸し出していた。

 

「随分ボロいな。」

 

「うっさい!」

 

 ユーリの零した一言にレーナは怒った。

 

「まあまあ、取り敢えず中へどうぞ。」

 

 誠に促されてユーリ達は中へと入っていった。

 来客用のソファに座らされ、三人の少年少女と向き合う。

 

「で?聞きたいことがあるんだろ?俺もあるがそっちから聞いてくれても構わねえよ。」

 

「ではまず自己紹介から。僕は久遠寺マコト。」

 

「僕キロプモン」

 

「咲夜レーナ。」

 

「アタシはプリスティモン。さっきの姿はウルヴァモン。」

 

「天馬トモロウだ。で、コイツが。」

 

「ゲッコーモンだ!よろしくってな!」

 

「俺は神室悠里。ユーリって呼んでくれても構わない。」

 

「今野美香。ユーリの恋人。ミカって呼んでもいいわ。」

 

「東條直哉。ナオヤと呼んでくれ。」

 

「で、俺がブイモン!ユーリの相棒だ!」

 

「アタシはテイルモン。ミカのパートナーよ。」

 

「ワテ、テントモン言います。ナオヤはんのパートナーや。よろしゅうな。」

 

「で、早速聞きたいのですが、貴方達は何故あそこにいたんですか?」

 

「その質問に答える前に一つ言わせてくれ。これから俺達が話すことは本当だという前提で話を進めてくれないか?荒唐無稽に思うかもしれないが、信じて欲しい。そうじゃなければ話が進まない。」

 

「・・・わかりました。」

 

「じゃあ答えるぞ。俺達はココとは違う世界から飛ばされてきた。あるデジモンと戦ったせいでな。」

 

「はあ?違う世界?何ふざけたこと言ってんの?そんなの信じられる訳ないでしょ!」

 

 ユーリの言葉にレーナが怒り、否定する。

 

「言った筈だ。全部本当の事だと。信じないならこれ以上は話さねえぞ。」

 

「あんたね・・・!」

 

「落ち着きなさいレーナ。本当かどうかは兎も角、話は最後まで聞いてみましょう?」

 

 怒るレーナをプリスティモンが宥め落ち着かせる。

 

「すみません、話の腰を折って。続きをお願いします。」

 

「話を戻すぞ。俺達は街に出現したあるデジモンを対処する為に、そのデジモンと戦ったんだ。で、戦闘中に想定外なイレギュラーが発生して、大きな光に飲み込まれたんだ。で、気が付いたらあの廃墟みたいな所にいた。」

 

「その戦っていたデジモンっていうのは?」

 

「そのデジモンの名はパラレルモン。様々な平行世界へ自由に移動する能力を持った強力なデジモンだ。」

 

「パラレルモン?聞いたことないですね。」

 

「だろうな。奴は目撃情報が少なく、データベースにも記録が殆ど載っていない、ある意味レアなデジモンだ。もっとも、齎す被害の事を考えれば居て欲しくないデジモンだ。」

 

「被害って、具体的にどんな?」

 

 パラレルモンの事を詳しく聞こうとレーナが問う。

 

「一言で言うなら、災害そのものだ。訪れた世界に深い爪痕を残す程の凶悪な存在で、目的も不明。神出鬼没で、パラレルモンが出現すれば世界が大混乱に陥る程にな。」

 

「そんなに凶悪なんですか!?」

 

「そうらしい。俺も対峙したのは初めてだから詳しくは知らないが、放っておけば大変な事になるのは間違いない。それに、元の世界に戻る為にもソイツを討伐しなきゃならない。今、俺達の仲間が元の世界に戻す為に色々頑張ってくれてるらしい。だから俺達もこの世界で出来る事をするまでだ。」

 

「そうだったのですか・・・。」

 

 ユーリの説明にマコト達は深い理解を示し、その意気込みに心を打たれる。

 

「さて、今度はこっちからの質問だ。お前等って何だ?ただの女子供の集団じゃなさそうだが。」

 

「僕達は、クリーナーって呼ばれる、デジモン事件を解決する為の集団なんです。」 

 

「クリーナー?デジモン事件の解決?」

 

「世界各地で発生しているデジモン事件を解決して、報酬を貰って生計を立てている裏稼業のようなものです。」

 

「裏稼業ね・・・。」

 

「裏稼業って言っても僕達は民間人に手を出したりすることはありません。もちろんそういうことをする人もいますが、そんな事をすれば、国民保護省に目を付けられて賞金首になってしまいますから。」

 

「国民保護省?」

 

「デジモン事件の仕事の依頼を回してくれる政府の組織です。デジモンを引き連れている人はクリーナーとして働く事でそれなりに生活を保障してくれるんです。」

 

「何かきな臭え組織だな。よく知らねえ俺が言うのもなんだが、信用できそうにねえな。」

 

「まあ、国民保護省にも色々と裏があるのは間違いないのですが、探ろうとするのはお勧めしません。裏を探ろうとした人は始末されるって話ですから。実際、行方不明になったクリーナーとかは何人もいますから。」

 

「まあどっちにしろ、そいつ等が俺達に突っかかってきたら逆に叩き潰してやるよ。」

 

「そういう問題じゃ・・・。」

 

「向こうがロイヤルナイツやオリンポス十二神クラスの戦力を持ってるって言うんだったらやべーんだろうが、ま、俺達はそう簡単にはやられねーよ。この間だって、世界規模のテロを仕掛けた奴とやりあったことあるしな。」

 

「どんだけ恐ろしいんですか貴方達の世界は!?」

 

「次の質問だが、このタマゴみたいな機械って何だ?グルルモンを倒した時に出てきたんだが。」

 

 そう言ってユーリはタマゴのような機械を取り出してテーブルの上に置く。

 

「それはサポタマですね。」

 

「サポタマ?」

 

「世界の誰もが必ず持ってる身分証明のようなもので、人間から発せられる思考や感情をe−パルスに変換してサポタマにエネルギーを送って、人間の生活をサポートしてくれるデバイスです。」

 

「ふ~ん。で、これとデジモンと何の関係が?」

 

「僕達も詳しい事はよくわかっていませんが、まれに強いe−パルスの持ち主が、サポタマを介してデジモンを生み出す事があるんです。」

 

「サポタマからデジモンが?デジタマからじゃなくてか?」

 

「デジタマ?」

 

「俺達の世界だと、デジモンはタマゴ、デジタマから生まれるんだ。デジモンは人間の感情の影響を受けたりはするが、人間の感情から生まれる事はないんだ。」

 

「そうなんですか?」

 

「話が逸れたな。続けてくれ。」

 

「で、サポタマからデジモンが生まれたら、国民保護省がデジモンの存在を感知して、デジモンとサポタマを引き渡すように命じられるんです。」

 

「何でだ?」

 

「デジモンを引き取る理由はわかりませんが、デジモンの事をバグだと言って処分しているんだと思います。」

 

「デジモンを処分か・・・胸糞悪い。じゃあ、このプニモンも処分するのか?」

 

「いえ、僕達の場合は、倒して幼年期になったデジモンは保護してるんです。」

 

「そうなのか?」

 

「僕達のチームリーダーの方針で、デジモンは絶対に殺さないで保護するんです。」

 

「なるほど。」

 

「そして、理由はどうあれデジモンを渡す事を拒否すると、国民保護省から賞金首にされて追われる立場になってしまうんです。そうなったら、クリーナーとして生きるしかないんです。クリーナーになれば懸賞金が解除されますから。」 

 

「聞けば聞くほど胡散臭いなその組織。なるほど、デジモンが生まれる理由はわかった。で?このサポタマとデジモンの他の関係は?ただデジモンが生まれるだけじゃないんだろ?」

 

「はい。デジモンは人間の持つe−パルスを食べる事で生きているので、野良のデジモンはe−パルスを持っている人間を積極的に襲って人間に危害を加えているんです。」

 

「e−パルスを食う為にか?」

 

「はい。デジモンにe−パルスを食べ尽くされたら最後、コールドハートと呼ばれる仮死状態なってしまい、全く動けなくなるんです。」

 

「そりゃやべーな。」

 

「ですが、助かる方法はあります。デジモンが食べた人間のe−パルスを持ったサポタマを持ち主に返せば、復活する事が判明しているので、そこまで心配しなくても大丈夫です。」

 

「ならいいか。」

 

「他にも、パートナー関係を結んだデジモンに、人間がe-パルスを注ぎ込む事によって、強くなったり、進化したりするんです。」

 

「なる程な。俺達の世界と大分違うんだな。大体わかったぜ。」

 

「それで、これからどうするんですか?」

 

「どうするも何も、拠点となる場所を探して、パラレルモンを探す。そして元の世界に帰る。それだけだ。」

 

「けど、お金とかはどうするんですか?」

 

「それなんだよな。俺達の世界の金は使えるかどうかわからねえし、サバイバルの訓練は受けてるからある程度は食い繋げそうだが・・・。」

 

「それだったら、しばらくの間俺達のチームに入るのはどうだ?」

 

「あ?」

 

 アジトの入り口付近から別の誰かの声が聞こえて来た。

 声が聞こえた方向を見ると、そこには一人の男が立っていた。

 

「キョウさん!」

 

「キョウ、いつの間に帰ってたの?」

 

 マコトとレーナがその男―――キョウの名を呼んだ。

 

「アンタは?」

 

「俺は沢城キョウ。グローイングドーンのリーダーだ。そして俺のパートナーのクーガモンだ。」

 

「よろしくな。」

 

 

 

クーガモン

 

成熟期 哺乳類型 ウィルス

 

必殺技 ルースレスファング ルースレスクロー ラースロア

 

・山猫のような体躯を持つ哺乳類型デジモン。東方のデジタルワールドの山岳地帯で生息が確認されている希少なデジモンである。標高の高い寒冷な山々で暮らすため保温に適した密度の高い体毛を纏っており、外敵からの攻撃に対しても優れた防御力を持ち合わせている。比較的温厚な性格の個体が多く見受けられるが、自身の縄張りを侵すものについては積極的に排除する一面もある。

必殺技は、敵対する存在へは強烈な前足から繰り出す爪の一撃『ルースレスクロー』と、『ルースレスクロー』でダメージを負わせたのちに、首元へ鋭い牙で噛みついてトドメを刺す『ルースレスファング』。縄張りへ侵入したものに対する警告として強大な咆哮『ラースロア』を放つこともある。

 

 

 

 山猫のような姿をしたデジモン、クーガモンが会釈をして挨拶を交わす。

 

「で?アンタ等のチームに入れって?」

 

「事情は聞かせてもらった。その上で提案したい。俺はそれなりに顔が広いんでな。俺のチームに入れば、貴方達は少なくとも他のクリーナーから狙われにくくなる。」

 

「狙われにくくなるってだけで狙われない保証はないだろ?」

 

「だが、今後そのパラレルモンとやらを探すには、拠点とこの世界で活動する為の資金を調達する必要があるだろ?なら、俺達のチームに入れば、その心配はなくなると思う。どうだ?」

 

「・・・背に腹は代えられない、か。わかった。俺達が元いた世界に帰るまでの間の期間限定の入団だ。それでいいならな。ミカ、ナオヤ、いいな?」

 

「ユーリがいいなら。」

 

「ボクもいいよ。」

 

「ようこそ。グローイングドーンへ。」

 

「ちょっとキョウ。こんな怪しい奴らウチ等のチームに入れる気?怪しさ満載なんだけど。」

 

 レーナが抗議し、チームに入ることを反対する。

 

「大丈夫さ。彼等は少なくとも悪事をやる人達ではない。」

 

「・・・はあ。キョウがそう言うなら。けど!」

 

 ビシッとユーリ達を指差しながら言う。

 

「怪しい真似をしたらあたしが即座に追い出す!いいわね!」

 

「それで構わないよ。」

 

「で?差し当たって何すればいい?」

 

 ユーリがキョウに何をすればいいのか尋ねる。

 

「そうだな。今ウチに金が無いから・・・仕事だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――バー 伽藍堂

 

「いらっしゃい。あら、その子達が訳ありの子?」

 

「その通りだ。マキさん。早速だが今出されてる仕事で丁度いいのはあるか?」

 

 キョウがバーのママ―――轡田マキに仕事の依頼がないか尋ねた。

 

「一応あるには有るけど、今殆ど危険な奴しか残ってないわよ?」

 

 マキが懸賞金が掛かっているデジモンのリストを表示するが、どれもが危険度の高いデジモンばかりで着手し辛いものばかりだった。

 

「うわ〜、手強そうなのばっか。」

 

 レーナが表示されたリストを見て表情を歪ませる。

 

「メガドラモン、150万クレジット。ギガドラモン、150万クレジット。メタルグレイモン(青)、200万クレジット・・・他にも危険度が高いのばかりですね。」

 

 マコトがリストを見て自分達でも出来そうな仕事を探すが、殆どが今の自分達では無理なものばかりだ。

 

「なあ、この依頼、俺達も受けられるのか?」

 

 ユーリがマキに聞く。

 

「え?まあ、できると思うけど・・・。」

 

「なら、この依頼を引き受けるぜ。」

 

「ちょっ!?何考えてんの!?コイツ等、今のあたし達じゃ無理だって!!」

 

 レーナがユーリの行動に抗議をする。

 

「俺、いや、俺達なら出来る。」

 

「あのね、いくら完全体に進化出来るからって、コイツ等に挑むのは無謀よ!特にメガドラモン、ギガドラモン、メタルグレイモンは完全体の中でもかなり強いの!いくらアンタ達が強くても、すぐやられちゃうわよ!」

 

「お前こそ、何言ってんだ?確かにコイツ等は強いが、俺達の敵じゃない。それに、この三体とは元いた世界で相手した事がある。見た目の割にすばしっこかったが、そこまでのスピードじゃなかった。」 

 

「はあっ!?何言ってんの!?」

 

「それにな、お前等さっきから完全体の事を随分怖がっているようだが、意外とビビりな集団なのか?」

 

「何ですって!?」

 

「このくらいで怖がってんじゃ、いずれ究極体と対峙したとき、心が持たねえぞ。」

 

 ユーリの口から出たあるワードに、レーナは固まる。

 

「・・・え?」

 

「何が『え?』だ?」

 

「アンタ、今、なんて言った?」

 

「ん?心が持たねえぞ?」

 

「その前。」

 

「対峙したとき?」

 

「もうちょっと前。」

 

「究極体?」

 

「それ。何?その、究極体って。」

 

「究極体は究極体だが?」

 

「だから、その、究極体って、何?」

 

「究極体は、完全体より上の世代だ。当たり前の常識だぞ?」

 

「え、えええええええ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――タクティクス アジト

 

 

 

「で?自信満々に出て行った結果失敗しただと?」

 

「仕方ないっすよ。まさか完全体を従えたクリーナーが出てくるなんて思いもしなかったんすから!」

 

「言い訳は聞かん。お前への罰則は追って知らせる。部屋に戻れ。」

 

 タクティクスのリーダーである「セラフィ内藤」は、失敗報告をしてきたライトに処罰を言い渡し、部屋へと帰らせた。

 

「まったく。それなりに簡単な任務だったというのに、所詮あの程度か。」

 

「荒れているな内藤。」

 

「クレイ様。」

 

 ライトと入れ替わるように内藤の執務室に入ってきたのは、五行星と呼ばれるクリーナーとしての最高戦力の一人であり、タクティクスの雇い主である「クレイ・アルスラン」だ。

 

「申し訳ありません。見苦しい所を見せてしまいました。」

 

「なに。ビジネスにおいては、誰にだって多少の失敗はある。彼の処分も、今回は多目に見てやってくれ。」

 

「クレイ様がそう仰るのでしたら。」

 

 持参した酒をグラスに注いで飲み始めたクレイは、グラスが半分になるまで飲んだあと一つの話を切り出した。

 

「実は君達に一つ、緊急の依頼を頼みたいんだ。」

 

「緊急ですか?それは何でしょう?」

 

「実は先程、緊急で五行星会議が開かれてね。国民保護省が観測した新種のデジモンを早急に排除して欲しいとの事だ。」

 

「新種ですか?それはどんなデジモンですか?」

 

「これだ。」

 

 クレイが一枚の写真を取り出すと、ボヤケてよく見えないが一体のデジモンらしき影が写っていた。

 

「これがそのデジモンですか?」

 

「名前も不明だが、このデジモンは相当危険な存在らしい。観測したデータの数値がこれまでに出現したデジモンより遥かに高い数値を叩き出したそうだ。」

 

「それで、このデジモンをどうすれば?」

 

「このデジモンを排除しろと言われてるが、私はこのデジモンを手に入れたい。だからタクティクスを向かわせて秘密裏に捕獲してもらいたい。」

 

「よろしいのですか?上からは排除しろとの命令でしょう?」

 

「いずれ去る爺さんの言う事を真面目に聞く必要はない。私のビジネスの幅を広げる大きなチャンスでもある。このデジモンを利用すれば、私は裏の世界でさらに顔を広げることができるし、利益も何倍にも膨れ上がるだろう。故に。」

 

 グラスに残った酒を一気に飲み干し、クレイは言葉を続けた。

 

「このデジモンを捕獲してくれ。頼んだよ内藤。君達には期待しているよ。」

 

「了解しました。準備に取り掛かります。」

 

 

 

 

 

 

―――ミラーワールド

 

 

 

「ここがミラーワールドか、デジタルワールドっぽいけど、デジタルワールドじゃないんだな。」

 

「現実世界みたいな世界だけど、違う感じ・・・。」

 

「現実とデジタルの半々の世界かな?興味深い。」

 

 ユーリ、ミカ、ナオヤの順番でそれぞれの感想を述べ、ミラーワールドに興味を示す。

 

「にしても、究極体の存在を知らないなんてびっくりしたぜ。デジモンの進化段階を完全体までだなんて勘違いしてたなんてよ。」

 

 ユーリが驚愕していた事実に、レーナは言い返す。

 

「仕方ないでしょ!?今まで完全体のデジモンしか見たことなかったし、完全体より上のレベルがあるなんてこれっぽっちも聞いた事なかったんだから!」

 

「なら、ある意味お前等はラッキーだな。究極体の存在を知ることが出来て。」

 

「ラッキーどころか不安しかないわよ。もしそいつ等が現れるようになったらあたし達で勝てるかどうか・・・。」

 

「確かに。完全体が限界だと思っている奴等が多いこの世界だと、究極体に勝てる奴なんてほぼゼロに等しいぞ。」

 

「ああ、胃が痛くなってきた・・・。」

 

 ユーリから聞かされた究極体の存在にレーナは項垂れ、不安で胸が一杯になる。

 

「いました!リストに表示されてた、三体の完全体デジモンです!」

 

 マコトが指差した方向に全員が目を向けると、その先には懸賞金リストに表示されていたデジモン、メガドラモン、ギガドラモン、メタルグレイモン(青)が存在していた。

 

「「「グオオオオ!!」」」

 

 

 

メガドラモン

 

完全体 サイボーグ型 ウィルス

 

必殺技 ジェノサイドアタック アルティメットスライサー

 

・完全体の中の竜型サイボーグデジモンの中で最強最悪のパワーを誇るといわれている暗黒竜デジモン。強力なセキュリティーで守られているコンピュータネットワークへ簡単に侵入でき、ホストコンピュータの破壊、改造をいとも簡単に行ってしまう。

必殺技は、両腕から有機体系ミサイルを無数に発射する『ジェノサイドアタック』と、あらゆる物質を切り裂く事ができる『アルティメットスライサー』。

 

 

 

ギガドラモン

 

完全体 サイボーグ型 ウィルス

 

必殺技 ジェノサイドギア ギルティクロー

 

・メガドラモンと同時期に開発されたデジモン。その性能はメガドラモンを上回っており、殆どが上位互換的存在である。

必殺技は、両腕から無数のミサイルを放つ「ジェノサイドギア」と、両腕のギガハンドで、攻撃を仕掛ける「ギルティクロー」だ。

 

 

 

メタルグレイモン(青)

 

完全体 サイボーグ型 ウィルス

 

必殺技 ギガデストロイヤー

 

・グレイモンが強化改造手術を受けて進化した完全体デジモン。肉体の強化に体が耐えられず青く変色してしまった。しかしそのパワーは完全体の中でトップクラスの位置に存在する。

必殺技は、胸部のハッチから有機体系ミサイルを発射する「ギガデストロイヤー」。その威力は核弾頭並みであり、まとも喰らってしまえば無事では絶対に済まない。

 

 

 

「あの三体を選んだのはちょうど良かったかもな。じゃあ見せてやるか。俺達の、究極体の力を!行くぞブイモン!!」

 

「オッケー!!」

 

「テイルモン!」

 

「任せなさい!」

 

「テントモン!」

 

「気張って行きまっせ!」

 

 三人がスマホを取り出し、デジヴァイスを起動させて進化段階を設定し、スマホから光をパートナーデジモンに向けて放つ。

 

「ブイモン進化ー!!」

 

 ブイモンの身体が大きく成長し、全身に青い鎧が装着され、背中にはマントのような大きな翼が広げられる。

進化が完了すると、両腕のブレスレットからビームソードを出現させながらその名を名乗る。

 

「アルフォースブイドラモン!!」

 

「テイルモン進化ー!!」

 

 テイルモンの身体が大きく変化し、その姿を龍の姿へと変え、神聖なオーラを撒き散らしながら天へと昇る。

 進化が完了すると、その名を名乗る。

 

「ホーリードラモン!!」

 

「テントモン進化ー!!」

 

 テントモンの身体が大きく変化し、身体を黄金に輝かせながら巨大なコーカサスオオカブトのような姿へと変化させる。

 進化が完了すると、その名を告げる。

 

「ヘラクルカブテリモン!!」

 

「コレが・・・究極体・・・!」

 

「見ているだけで凄い威圧感です・・・!」

 

 究極体の姿を見たレーナが感嘆の声を上げ、マコトはその存在感故にただ圧倒される。

 

「凄い、凄すぎるわ・・・!」

 

「分析中・・・この数値、桁違い・・・!」

 

 プリスティモンがただそれだけしか言えず、キロプモンも解析しようとするが、あまりのデータ量に頭がパンク寸前になる。

 

「俺達も成長したと思ってたら、まだまだ先があったんだな。」

 

「うわ〜!デッケーってな!!」

 

 トモロウは初めて見る究極体の姿に、自分達はまだまだ先に行けると実感し、ゲッコーモンは楽しそうに目を輝かせる。

 

「圧巻だな、キョウ。」

 

「ああ。かつて名乗ってた最強の称号が、ちっぽけに見えるほどにな。」 

 

 キョウと、ミラーワールドへの道を開いた巨大な太刀を持ったデジモン、「ムラサメモン」がその姿に一つの憧憬を覚える。

 

 

 

ムラサメモン

 

完全体 獣人型 ウィルス

 

必殺技 豪ノ斬・叢時雨(ごうのざん・むらしぐれ) 柔ノ斬・月時雨(じゅうのざん・つきしぐれ) 終ノ斬・哭雨(ついのざん・こくう)

 

・クーガモンが進化した完全体の獣人型デジモン。巨大な大刀を自在に操る膂力と技倆から繰り出される怒涛の剣技をしのぎ切れるデジモンは少ないだろう。

戦闘の際に使う必殺技は、3種の奥義を状況に合わせ使い分ける。『豪ノ斬・叢時雨』(ごうのざん・むらしぐれ)は上段の構えから放たれる一刀両断の斬撃であり、敵が防御を固めていたとしても防御ごと叩き切る「豪」の剣、『柔ノ斬・月時雨』(じゅうのざん・つきしぐれ)は下段の構えであらゆる攻撃を刀ではじき返す「柔」の剣、『終ノ斬・哭雨』(ついのざん・こくう)は右肩に刀を担いた状態で敵に向かって跳躍し、空中で体を縦に回転させることで剣撃を高めた必殺の「終」の剣である。

 

 

 

「よし、行け!アルフォースブイドラモン!!」

 

「おう!」

 

 まずはアルフォースブイドラモンが先陣を切り、一瞬にして三体の完全体の前へと飛んでいく。

 

「速っ!?」

 

 レーナがそのスピードに驚愕し、ただ驚くしかない。

 

「どりゃっ!」

 

「グオッ!?」

 

「ギャッ!?」

 

 ギガドラモンを踵落としで叩き落とし、続いてメガドラモンの首を掴んで地面へと投げつける。

 

「グルルルッ!」

 

 異変に気付いたメタルグレイモン(青)が、アルフォースブイドラモンに目を向けようとするが、すでにそこには居らず、虚空をキョロキョロと見渡す。

 

「アポカリプス!!」

 

『ギャアアア!?』

 

 上空から降り注いだ光線によって三体の完全体デジモンは動かなくなり、地に伏せる。

 

「ギガブラスター!!」

 

「ギャオオオ!!」

 

 ヘラクルカブテリモンが強力な電撃を浴びせてトドメを刺した。

 

「ボタ〜。」

 

「ボタ?」

 

「ボター!」

 

 三体の完全体デジモンを倒すと、三体の黒い毛むくじゃらのデジモン、「ボタモン」へと退化し、サポタマもすぐ近くに落ちる。

 

 

 

ボタモン

 

幼年期Ⅰ スライム型 属性なし

 

必殺技 酸の泡

 

・生まれたばかりのデジタルモンスター。スライム状の体の表面には、黒い産毛がびっしり生えている。生まれたてなので戦うことはできないが、口から泡のようなものを出して敵を威嚇する。

 

 

 

「凄い、あっという間に倒しちゃった。」

 

「これが究極体・・・とんでもない強さだ。」

 

 マコトがその強さに目を見開き、キョウはあっという間に三体の完全体を倒した究極体に驚嘆する。

 

「ほらよ。デジモンとサポタマだ。」

 

「やった!これでしばらく資金調達に困らないわ!」

 

 レーナがサポタマを受け取ると、それによって齎される恩恵に心を躍らせる。

 

「これで任務完了だな。じゃあそろそろ戻ってバーのママさんに報告・・・。」

 

「おい待てよ!!」

 

「んあ?」

 

 いざ帰ろうとした時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「そのデジモンは俺達が狙ってたんだ!何勝手に倒してくれてんだよ!さっさとこっちに寄越せ!」

 

 いつだったかのバンダナの少年が、二人の仲間らしき人物を引き連れてユーリ達に突っかかってきた。

 

「お前は・・・誰だっけ?」

 

「ユーリさん、あの人達はタクティクス。僕達が今まで会ってきた仲でも強いクリーナーの集団です。」

 

「強い?あの生意気そうなガキが?」

 

「何度かアイツ等に邪魔されて、手柄を横取りされているんですが、その戦闘センスは本物なんです。」

 

「そうだよ。なんせ俺は天才だからな。」

 

「ライト、お喋りはそこまでにして。」

 

 ライトと同じ制服を着たピンク髪の女が言う。

 

「内藤さんに言われてるんでしょ?さっさと奴等からサポタマとデジモンを奪おう。」

 

 浅黒い肌の少年が、ガムを膨らませながら言う

 

「うっせえ。俺に指図するな。」

 

「で?そのライトさんが何の用だ?」

 

 ユーリがライトに尋ねる。

 

「んなもん決まってる。そのサポタマと、そこにいる見たことねえ新種らしきデジモンを寄越しな。」

 

「ほう?そりゃまた何で?」

 

「ウチのボスがそいつ等をご所望何でな。拒否権はねえ。さっさと寄越しやがれ。」

 

「断るっつったら?」

 

「そりゃ当然、力尽くだよ!ランフォモン!」

 

「クリスタルキャノン!」

 

 近くに潜んでいたランフォモンが、ユーリに向かって水晶の弾丸を吐き出す。

 

「・・・。」

 

 向かってくる水晶の弾丸を前に動揺する様子もない。このままでは当たってしまう。誰もがそう思ったその時。

 

「遅いな。」

 

 アルフォースブイドラモンが水晶の弾丸を掴み取り、ユーリへの被弾を防ぐ。

 

「返すぞ。」 

 

「ぐあっ!?」

 

 掴み取った水晶をランフォモンへと投げ返し、額にぶつかるとその衝撃でひっくり返って地面に落ちる。

 

「ランフォモン!?」

 

「ケンカ売ってきたのはそっちだ。やり返される事も想定することだな。」

 

 ユーリがそう言うと、ライトは頭に血が昇って怒りのままに噛み付く。

 

「バカにしやがって!ホタルコ!グラニット!行くぞ!」

 

「冷静になりなさい。ま、いいけど。シャコモン!」

 

「いつもの事だよ。ルドモン!」

 

「行くわよ!」

 

「・・・。」

 

 ホタルコと呼ばれた女はパートナーデジモンのシャコモンに、e−パルスを注ぎ込んだサポタマを食わせ、グラニットと呼ばれた少年は、ルドモンにサポタマを食わせる。

 

「シャコモン進化ー!!」

 

 

 

シャコモン

 

成長期 甲殻類型 ウィルス

 

必殺技 ブラックパール ウォータースクリュー

 

・硬い殻に覆われている2枚貝の形をしているデジモン。外皮を飛躍的に発達させたため、内部構造は幼年期のようなスライム状になっている。殻を閉じた状態では、ちょっとした攻撃など容易く跳ね返すほどの高い防御力を持つ。

必殺技は体内で生成される硬玉を相手に撃ちこむ『ブラックパール』と、超高水圧の水流を敵にぶつける『ウォータースクリュー』だ。

 

 

 

 サポタマを飲み込んだ瞬間、シャコモンは光りに包まれ、心音の鼓動のような音が響くと同時に光が弾け、進化が完了する。

 サメと竜が合わさったかのような姿のデジモンへと進化を果たしたシャコモンは、その名を名乗った。

 

「ティロモン!!」

 

 

ティロモン

 

アーマー体or成熟期 海竜型 フリー

 

必殺技 トーピードアタック オーシャンストライク

 

・シャコモンが進化したアーマー体または成熟期の海竜型デジモン。その独特のフォルムから「深海のジェット機」の異名を持ち、水中においてトップクラスのスピードを持つ。

必殺技は、魚雷のように敵を追いかけて鋭い突進をする「トーピードアタック」と、体内で超高圧まで圧縮した水を高圧水流として口から放つ「オーシャンストライク」。この技は相手に穴を穿つほどの威力がある。

 

 

 

ルドモン

 

成長期 防具型 データ

 

必殺技 ウォルレーキ

 

・自身を武器に変えることができる「Legend-Arms」の1体。「Legend-Arms」の中では唯一盾に自身を変える。頭と両手に固い鋼の盾を持ち、どこから攻撃を受けても身を守ることができる。

必殺技は、防御と攻撃を担う両手の『ウォルレーキ』。さらにルドモン自身が盾の姿となった時に防御力は最大限に発揮される。

 

 

 

「お前等、ミッション開始だ!」

 

『おう!/ええ!』

 

 ライトがそう声を掛けると、他のメンバーがユーリ達に向かって行く。

しかし、戦闘は直ぐに収まる事となる。

 

「アルフォースブイドラモン。出力絞って必殺技。」

 

「わかった。シャイニングVフォース!」

 

 アルフォースブイドラモンが威力を調整して鎧から光線を放つ。

 

「・・・!」

 

 光線が着弾する前にルドモンが割り込み、体を丸めて盾の姿となって光線を防ごうとする。

 が。

 

「・・・!」

 

「がああっ!?」

 

「きゃああっ!?」

 

 いくら成長期でありながらも完全体の攻撃を防げる頑丈さを持つルドモンであっても、究極体の攻撃までは防ぎ切る事は出来ずにそのまま押し返され、他の二体のデジモンの足元に着弾し、爆発を起こした。

 

「嘘だろ・・・?俺達がこんなアッサリと・・・!」

 

「・・・想定外。」

 

「シャコモン!」

 

 二体のデジモンが成長期へと退化し、ルドモンも表情はわからないが、ピクリとも反応しない事から気絶しているようだ。

 

「じゃ、俺達は行くぜ。暇じゃねえんだ。」

 

「待て!!」

 

「ライト、そこまでにしておけ。お前達では勝てん。」

 

 ライトが引き留めようとしたところ、その行動を引き留めた別の人物が現れる。

 

「内藤さん!?」

 

「コイツ等の戦闘力はコチラの想定以上だ。ココは俺が相手をする。」

 

「そんな!?内藤さんが出る幕でも・・・!」

 

「・・・タクティクスの掲げる掟は?」

 

「え?」

 

「タクティクスの掲げる掟は?」

 

「上官の命令に従わない者は、チームには不要・・・。」

 

「ならばいけ。こないだの失敗の件は不問にしてやる。」

 

「・・・はい。行くぞお前等。」

 

 渋々といった感じでライトは引き下がり、二人とデジモンを引き連れて下がって行った。

 

「アンタがアイツ等のボスか?」

 

「ああそうだ。」

 

「俺が言うのも何だが、中々苦労する問題児抱えて同情するぜ。」 

 

「否定はせん。だがそれなりに腕が立つのも事実だ。」

 

「ならしっかり躾けとけ。部下の顔はお前の顔、または組織の顔にもなるから、泥塗りたくなかったら躾はしっかりする事だな。」

 

「忠告痛み入る。だが、仕事はさせてもらう。ギガスモン!出番だ!」

 

「うおおおお!!」

 

 内藤の号令によって、地面から岩石で出来た巨人が現れ、咆哮を上げる。

 

 

 

ギガスモン

 

ハイブリッド体 鉱物型 ヴァリアブル

 

必殺技 アースクェイク ハリケーンボンバー

 

・伝説の十闘士の力を宿した、土の能力を持つデジモン。地面の土や、大気中の成分を凝固させて実体化する土の巨人。実体化の瞬間、高熱で焼きが入り、表皮はセラミックを越える超硬度に変化する。

必殺技は、大ジャンプ後に巨大な両腕を叩きつけて地面を揺らす「アースクェイク」と、両腕を広げて高速回転しながら強烈なダブルラリアットを繰り出す「ハリケーンボンバー」だ。

 

 

 

「ギガスモンか・・・アルフォースブイドラモン。油断すんなよ。」

 

「オッケー!ぶった切ってぶっ飛ばす!」

 

「行け!ギガスモン!」

 

「おおおおお!!」

 

「お前等!早くアジトに戻れ!道中の護衛はミカとナオヤに任せるんだ!」

 

「ユーリは!?」

 

 トモロウがユーリはどうするのか尋ねる。

 

「適当に相手したら切り上げる。だから行け!」

 

「わかった!必ず戻って来いよ!」

 

 そう言ってトモロウ達はユーリとアルフォースブイドラモンを残してミラーワールドの出口へと走って行った。

 

「おおおお!!」

 

「ふん!」

 

 巨体を生かした突進をアルフォースブイドラモンは受け止めつつも、相手の力を利用して背負投をする。

 

「ぐあっ!?」

 

「俺が脳筋なだけだと思った?残念。これでも人間が使う格闘技を習ってるんだ。そう簡単に攻撃は受けないよ?」

 

「ちっ!」

 

 内藤が舌打ちすると、頭の中で相手を倒す為の作戦を考え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あと少しでミラーワールドの出口よ!」

 

 全員が全力疾走し、ミラーワールドの出口へと目指していく。

 あと少しでゲートを潜り、現実世界へと帰れると思った次の瞬間―――。

 

「紅蓮獣王波!!」

 

 獅子の頭部を象った炎のエネルギー波が出口付近に着弾し、爆発と同時に砂煙を舞い上がらせる。

 

「この技は!」

 

 キョウが見覚えのある技に目を見開き、それと同時に別の方向から一人の男とデジモンが現れる。

 

「何やら面白え事になってるじゃねえか、キョウ。」

 

「カイト!何故ここに!?」

 

 男―――忽那(くつな)カイトがパートナーである炎を纏った二足歩行のライオンのような姿をしたデジモン、フレアモンを引き連れ、不敵な笑みを浮かべながらキョウと対峙する。

 

 

 

フレアモン

 

完全体 獣人型 ワクチン

 

必殺技 紅蓮獣王波 紅・獅子之舞 清々之咆哮

 

・カイトのパートナーである完全体デジモン。威風堂々としたたてがみとその存在感により一見怖そうだが、仲間の為にはどんな困難にも立ち向かう心の強さを持った獣人型デジモン。

必殺技は、拳に獅子の闘気と火炎を集中させて、獅子を象ったエネルギー波を放つ『紅蓮獣王波(ぐれんじゅうおうは)』と、炎をまとわせた拳と蹴りを、高速かつ連続で敵に叩き込む格闘乱舞『紅・獅子之舞(くれない・ししのまい)』。また、全てを燃やす火炎によって浄化力を込めた衝撃波を、咆哮と共に口部から放ち、敵をデータ分解させる『清々之咆哮(せいせいのほうこう)』。

 

 

 

「緊急で五行星会議が開かれてな。最近出現した新種のデジモンを探して排除しろって命令が下されてよ。面倒だがやらねえ訳には行かねえからな。」

 

 キョウの問いにカイトは、ミラーワールドに来た理由を述べる。

 

「で、いざ来てみれば大当たりだったって訳だ。強そうなデジモンが二匹も居るじゃねえか。」

 

 キョウから視線を外して、その後ろにいるホーリードラモンとヘラクルカブテリモンに目を向けた。

 

「キョウ、アイツ誰?」

 

 ミカはカイトが誰なのか質問した。

 

「アイツは忽那カイト。五行星のメンバーで、最強のクリーナーの一人だ。性格は短気で乱暴者、気に食わないものは力で捻じ伏せる戦闘狂だ。」

 

「はっ、言ってくれるじゃねえか。まあいい、弱くなったお前には興味はねえ。だが。」

 

 カイトはミカに目を向けて言った。

 

「そこの女、見た限りそのドラゴンデジモンはお前のだろう?俺と戦え。」

 

「はい?」

 

 カイトがミカに目を付けて戦いを要求する。

 

「本当なら、探しているデジモンが弱そうだったらテキトーに言い訳してサボるつもりだったが、大当たりなら話は別だ。俺がそいつを倒して、俺の名に箔をつけてやるぜ。」

 

「断るって言ったら?」

 

「その時はお前等を纏めて焼き尽くすまでだ。」

 

「そう・・・いいわよ。」

 

「ちょっ、ミカ!?」

 

 レーナが戦いを承諾したミカに対して引き止めようとするが、ミカは余裕の笑みを浮かべながら言う。

 

「あの様子だと、戦うことを承諾してくれるまでしつこく言い寄って来るか、力尽くで迫ってくるだろうし、ならココで相手してやった方が相手も引っ込むだろうし。それに・・・。」

 

「それに?」

 

「完全体程度でお山の大将気取ってるチンピラ相手にアタシは負けないわ。」

 

 ミカがそう言うと、この場の空気が一瞬で凍った。気がした。

 

「おい女・・・てめぇ、今なんて言った・・・!?」

 

 カイトが頭に血管を浮かべながらミカに問いを投げる。

 

「あら聞こえなかった?完全体程度で最強名乗るなって言ったのよこのチンピラ。」

 

「・・・上等だ!!フレアモン!!焼き尽くせ!!」

 

「紅蓮獣王波!!」

 

 フレアモンが再び必殺技を放つと、力を込めているのか先程よりもエネルギー波が大きい。

 

「ちょっ!?何怒らせてんのよ!!このままじゃ焼かれるわよ!!」

 

 レーナがミカの挑発に対して怒りつつも絶叫し、放たれた炎の獅子がグローイングドーンのメンバーを焼き尽くさんとしたその時。

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 白銀の炎が炎の獅子を飲み込み、逆に焼き尽くした。

 

「何だと・・・!?」

 

「皆、先に脱出して。ココはアタシが引き受ける。」

 

「いいのか?」

 

 キョウが尋ねるが、ミカは余裕を浮かべた顔で言う。

 

「大丈夫。あの頭に血が昇ったチンピラを片付けたらすぐ後を追うわ。」

 

「わかった。皆、行こう。」

 

 キョウに促され、全員はミラーワールドから出て行った。

 

「さあ、遊びましょう?コッチはそれなりに手を抜くから、そっちは本気で来なさい。」

 

「ぶっ殺す!!フレアモン、殺れ!!」

 

「うおおおお!!」

 

 カイトの命令にフレアモンは駆け出し、ホーリードラモンに向かって拳を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ユーリとアルフォースブイドラモンは、ギガスモンとそのテイマーである内藤と戦いを繰り広げていた。

 

「アースクェイク!!」

 

「ほいっと!」

 

「ぐあっ!?」

 

 ハンマーのように振り下ろされた巨大な両腕を、アルフォースブイドラモンは軽く後ろに下がって跳躍し、腕を振り下ろすと共に落ちるギガスモンを踏み付けて地面へと叩き付ける。

 技のタイミングをずらされた上に地面へと落とされたギガスモンは立ち上がろうとするが、その前にアルフォースブイドラモンがギガスモンの両足を掴んで、ジャイアントスイングのように振り回す。

 

「それそれそれそれ!!」

 

「ああああ!?」

 

 かなりの回数を高速で振り回されたギガスモンは目を回し、その後回転の勢いを利用されて地面に叩き付けられる。

 

「があっ!?」

 

「ギガスモン!?」

 

「アルフォースセイバー!!」

 

 アルフォースブイドラモンはギガスモンを空中へと投げ出すと、両腕のビームソードでギガスモンを切り刻んでバラバラにする。

 が、地面に落ちた瞬間体が砂のように崩れて、その後すぐに再生させて元の姿に戻る。

 

「あのさぁ、さっきからこれの繰り返しだけどよく諦めないよね。俺もう飽きたんだけど。」

 

 アルフォースブイドラモンが呆れた声で内藤とギガスモンに向かって言う。

 

「そうだな。そろそろアイツ等もココから出れた頃だろうし、ここら辺で帰るか?」

 

「そうしよう。」

 

「待て!逃げるのか!?」

 

 撤退しようとするユーリとアルフォースブイドラモンに対して内藤は引き留めようとする。

 

「逃げる?違うな。面倒くさいから帰るんだよ。目的も果たした以上、ここに長居する理由もないしな。」

 

「そういう事。それじゃあね。」

 

 ユーリはアルフォースブイドラモンの腕に乗ってミラーワールドの出口の方向へと体を向ける。

 

「じゃあな。二度と会わねえことを祈るぜ。」

 

 そう言ってユーリ達は速いスピードでその場を離脱し、その場には手を強く握り締め、掌から血を流して悔しげな表情を浮かべながら項垂れる内藤と、同じように悔しげな表情を浮かべるギガスモンだけが取り残された。

 

「ぐ・・・うおおおおおおお!!!」

 

 やるせない気持ちが溢れるかのように、内藤は咆哮を挙げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホーリーフレイム!!」

 

「清々之咆哮!!」

 

 ホーリードラモンの白い炎と、フレアモンの衝撃波を纏った咆哮がぶつかり合い、二体のデジモンの間で爆発が起こる。

 

「紅・獅子之舞!!」

 

 素早いスピードでホーリードラモンに近付き、炎を纏った腕と脚で踊るように打撃の乱舞を繰り出すが、ホーリードラモンは魔法陣を展開して光線を放つ。

 

「アポカリプス!!」

 

「ぐあっ!?」

 

「何やってんだフレアモン!!」

 

 攻撃を受けて倒れるフレアモンに対して悪態を付くカイト。その様子を見たミカは呆れた表情で言う。

 

「どうしたの?五行星ってこの程度?」

 

「舐めるな!フレアモン!!」

 

「紅蓮獣王波!!」

 

 フレアモンは立ち上がり、ホーリードラモンを焼き尽くそうと炎の獅子を飛ばす。

 

「ホーリーフレイム!!」

 

 ホーリードラモンは再び白い炎を吐き出し、炎の獅子を逆に飲み込む。

 

「さっきから同じ事の繰り返し・・・もしかしてゴリ押すしか戦法がないの?」

 

「んだと!?」

 

「だとすると、よっぽどつまらない戦いしかしてこなかったようね。呆れるわ。」

 

「うるせえ!頭に乗るんじゃねえぞ女ぁ!!」

 

「五行星っていうのも、案外大したことないわね。もういいわ。これで終わらせてあげる。相手するのも飽きたわ。」

 

「ふざけやがって!!バカにするのも大概にしやがれ!!」

 

「ホーリードラモン。もう相手する必要ないわ。一気に決めるわよ。」

 

「了解。何なら攻撃力を上げて。徹底的に叩き潰す。」

 

「わかったわ。」

 

「フレアモン!!焼き尽くせ!!」

 

「紅蓮獣王波!!」

 

 カイトがフレアモンにe−パルスを送り込み、受け取ったフレアモンが体内のエネルギーを最大まで高め、炎を纏った獅子のエネルギー波を最大火力で放つ。

 

「サポートコマンド、パワーアップ!ロックオン!」

 

「出力最大!聖なる光!アポカリプス!!」

 

 ミカがホーリードラモンにサポートプログラムを転送して、受け取ったホーリードラモンが背後に幾つもの魔法陣を展開して、そこから光線を放って一本の閃光に纏め上げる。

 

「うおおおお!!」

 

「はああああ!!」

 

 片や最大火力の炎で、片や最大火力の光でぶつかり合って、辺りに閃光を撒き散らす。

 力がしばらくの間拮抗した後、フレアモンの方が押し負け、光が炎を飲み込み、その光がフレアモンごと飲み込んだ。

 

「がああああっ!?」

 

「フレアモン!?」

 

 技同士のぶつかり合いで押し負けたフレアモンは、そのまま押し出され、近くの岩山にぶつかって気を失い、そのまま動かなくなった。

 

「驚いた。まさか原形をとどめてるなんて。」

 

「焼き尽くすつもりでやったけど、e−パルス、侮れないわね。」

 

 ミカはフレアモンが気絶こそしてはいるが、完全体の姿を保っている事に驚愕し、ホーリードラモンは無事なのはe−パルスのお陰だと思い、e−パルスの凄さを感じる。

 

「てめぇ・・・こんな事してタダで済むと思ってんのか!!」

 

 カイトは自分達が負けた結果に激しい怒りを抱き、ミカを睨み付ける。

 

「言っておくけど、最初に喧嘩を売ったのはそっち買ったのはアタシ。その結果、負けたのはアナタ。コレはすべて自己責任で、自業自得よ。」

 

「さらに言うなら、私達に負けたのは、全て自分の実力不足が原因よ。完全体程度で満足しているようじゃ、アンタ達の足はそこで止まったままよ。」

 

「この結果が悔しいって思うなら、もっと腕を磨いて出直すことね。」

 

 ミカとホーリードラモンは踵を返し、項垂れるカイトを放置して出口へと向かい、そして消えた。

 

「よかった。まだ閉じられてなかった。」

 

 そこへ、アルフォースブイドラモンが飛翔してきて出口がある事にホッとする。

 

「早く行こうぜ。でなきゃミカ達に怒られるぜ。」

 

「うん!」

 

 近くにいたカイトに目もくれず、そのままミラーワールドから出て行った。

 

「・・・。」

 

 一人取り残されたカイトは、この結果を出してしまった自らの弱さに身を震わせ、顔を上に向けて大きく叫びを上げた。

 

「クソおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――バー 伽藍堂

 

 

 

「お待たせ。これが今回の報酬よ。」

 

  目の前に置かれたアタッシェケースには、今回の仕事の報酬の札束が詰め込まれていた。

 

「うっはー!こんなに札束が詰まってるの初めて見た!!」

 

 レーナが目の前の現金に目を輝かせ、喜びを全面的に押し出している。

 

「どうよ?俺達の力は。」

 

「信じる信じる!疑ってごめんね!これからもジャンジャン稼いで頂戴!」

 

「まったく、現金なんだから。」

 

 ユーリ達の実力と目の前に置かれた現金を前に、レーナは全面的に信頼するようになり、その様子を見たプリスティモンからは呆れられる。

 

「これで当面の間の金策は出来たな。世話になる以上、自分達の食い扶持は稼がねえとな。」

 

「そうね。この世界にいつまで居れるかわからないし、お金は必要ね。」

 

「ボクも出来る限り稼ぐよ。それに、五行星と本格的にぶつかる可能性も出て来たから警戒しないとね。」

 

  ユーリ、ミカ、ナオヤが今後の行動方針について話し合おうとすると、トモロウが一つの質問をする。

 

「そういえば聞きそびれていたんだけど、アンタ達が探してるパラレルモンって、どんな姿なんだ?」

 

「あ〜、そう言えば言ってなかったな。パラレルモンの姿はこんな奴だ。」

 

 ユーリはスマホを起動し、パラレルモンのデータを見せる。

 

「コレがパラレルモン・・・見た目からして強そうだな。」

 

「しかも究極体。うわ〜、ウチ等じゃ勝てそうにないな〜。」

 

 トモロウがパラレルモンの姿を見て強さを想像し、レーナは世代の情報を見て怖気づく。

 

「見つけるにしても、どうやって見つけるか何だよな。コイツは神出鬼没だし、いつ現れるかわかったもんじゃない。」

 

  ユーリはパラレルモンを探す上での問題点に頭を悩ませ、どうすればいいのか悩む。そうして悩んでいる内に、ユーリの通信機に連絡が入る。

 

「こちらユーリ。ばあちゃんどうした?」

 

『あ、ユーリ。今大丈夫?』

 

  通信の相手は星野署長だった。

 

「ああ、大丈夫だけど、どうしたんだ?」

 

『いい知らせと悪い知らせの二つがあるの。どっちから聞きたい?』

 

「ああ〜、何となく読めたパターンだわ。悪い方から頼む。」

 

『わかったわ。じゃあ教えるわね。さっきまでイグドラシルと会議してたんだけど、今のままだと貴方達は帰れないわ。』

 

「何となく読めてた回答ありがとう。で、いい知らせは?」

 

『慌てないの。いい知らせはパラレルモンの潜伏先が判明したのと、貴方達が帰る算段が付いたことよ。』

 

「ホントか!?」

 

『それで、さっきの悪い話と合わせると、帰る算段が付いたけど、このままでは帰れないって話。』

 

「パラレルモンが関係してるからか?」

 

『そういう事。パラレルモンは、時空に穴を空けて平行世界を移動する存在。このまま帰ってもまた私達の世界に現れないとも限らないわ。』

 

「まあそりゃそうだが、それと何の関係があるんだ?」

 

『パラレルモンは今貴方達がいる世界に居て、イグドラシルがあるデジモンに協力を要請して、パラレルモンをその世界に閉じ込める事に成功したの。』

 

「そうなのか?」

 

『それで、パラレルモンが他の世界に移動しないように閉じ込めちゃったから、パラレルモンを何とかしない限り貴方達は帰れないわ。』

 

「成る程。要するに、パラレルモンをこの世界で討伐すれば俺達は元の世界に帰れるようになるんだな?」

 

『話が早くて助かるわ。ごめんなさいユーリ。すぐに戻す事が出来なくて。』

 

「気にすんな。元からパラレルモンをぶっ飛ばすつもりでいたし、帰れるってんなら文句はないさ。」

 

『それでね、もう一つ話があるの。今回パラレルモンの討伐にあたって、イグドラシルが助っ人となるデジモンを一体派遣してくれる事になったわ。』

 

「助っ人?誰だソイツ?」

 

「私だ。」

 

 通信機から聞こえる声とは別の声がバーの中に響き渡る。

 聞こえてきた方向に目を向けると、そこには一体のデジモンが立っていた。

 

「あ、お前は!?」

 

 その姿は、東洋における神官服を身に纏った鳥のような姿をしたデジモンであり、全てのデジモンの中でもトップクラスの戦闘能力と特殊能力を持った神に等しい神人型デジモン、クロノモンが居た。

 

 

 

クロノモン・ホーリーモード

 

超究極体 神人型 ワクチン

 

必殺技 ホーリーフレア クロノスクロップ

 

・時を司るシステムが実体化した存在とも伝えられる神人型デジモン。デジモンの中でも限られた者が辿り着く事が出来る究極体を超えた存在、超究極体の座に位置している神に等しい力を持つデジモン。時を操る力を持ち、デジタルワールドの存続が危ぶまれる程の異変が発生すれば、クロノモンは直ちに修復し、時間を巻き戻して異変そのものを無かったことにすることが出来る。全てのデジモンの中でも絶大な力を持ち、クロノモンが操る時の前には何人たりとも手を出すことが出来ず、敗北の二文字を知らないままその身に刻み付けられる。

必殺技は、悪意をもって時空を歪めようとした存在を燃やし尽くし、存在した事実すら消し去る聖なる炎を放つ『ホーリーフレア』と、翼を刃のように振るい相手を時空ごと切断する防御不可能の一撃『クロノスクロップ』だ。

 

 

 

「久しいなユーリ。相変わらず見ていて飽きないものだな。」

 

 クロノモンがそう挨拶を交わすと、ユーリは浮かんだ疑問をクロノモンにぶつける。

 

「助っ人はアンタだったのか。アカシック・レコードの管理はどうしたんだ?」

 

「ユピテルモンに頼んでしばらく代わって貰う事になった。そして補佐にエンシェントワイズモンも付けた。」

 

「すげー面子がレコードの代理管理人になってんのな。」

 

「それより、先程星野という人間から聞いただろう?私はパラレルモンが逃げないようこの世界に結界を張り、それを維持する事に集中する為、直接的な手助けは出来ない。しかし、パラレルモンの討伐が確認され次第、元の世界に戻す事を約束する。」

 

『そういう訳だからユーリ、パラレルモンの討伐頑張って頂戴。何かあれば連絡して。』

 

「わかった。ありがとな、ばあちゃん。」

 

『そろそろ切るわ。それじゃあね。』

 

 その会話を最後に、星野署長との通信が終了し、沈黙が流れた。

 

「そういう訳だ。この世界のテイマー達よ。暫しの間よろしく頼む。」

 

 クロノモンが会釈をすると、レーナが緊張した様子で挨拶をし返す。

 

「あ、はい、よろしく、オネガイシマス。」

 

「ではな。」

 

 クロノモンは姿を消すと、辺りが静寂に包まれて、騒がしさが戻るのに時間がかかった。

 

「・・・ねえユーリ。」

 

「何だレーナ。」

 

「今のデジモンって、何?」

 

「アイツはクロノモン。デジタルワールドに置ける大事な役割を担ってるデジモンで、神に等しい超究極体デジモンだ。」

 

「え?超、究極体?神?」

 

「一部のデジモンは超究極体っていう存在に進化出来てな、その強さはデタラメが服着て歩いてると言っても過言じゃねえ。だけど滅多に姿を現すような奴等じゃねえから、基本的には出会わない。そういう意味では俺達はラッキーかもな。滅多に会えない奴に会えたんだから。」

 

「・・・きゅう。」

 

 頭の処理が追い付かず、レーナは気絶するのであった。

 

「さ、報酬は受け取ったし、アジトに帰ろうぜ。」

 

「・・・今日は色々情報量が多過ぎたわ。頭が痛いわ。」

 

 プリスティモンがそう呟くと、レーナのポケットからサポタマを取り出し、手を翳してe−パルスを補充して飲み込み、ウルヴァモンに進化してレーナを担ぐ。

 

「ごめん、先に帰る。レーナを休ませなきゃ。」

 

 そう言ってウルヴァモンはレーナを担いで伽藍堂から出て行った。

 

「んじゃ、俺達も帰るか。行くぞミカ、ナオヤ。」

 

 ユーリはアタッシェケースを持ち出し、ウルヴァモン達に続いて出て行った。

 

「・・・何と言うか、嵐みたいな出来事だったな。」

 

 トモロウがそう呟いた。

 

「そうですね。僕達も頭がパンクしそうです。」

 

「今日の出来事、処理遅れ中・・・。」

 

 マコトとキロプモンもそれぞれの感想を述べる。

 

「確かに色々と起こったが、彼等の戦力もハッキリした。期間限定とは言え、味方になってくれるのは心強い。」

 

「そうだな。だが彼等に甘えている訳には行かないな。彼等が居なくなっても大丈夫なように、俺達も強くならねばな。」

 

「そうだな、クーガモン。」

 

 キョウの言葉にクーガモンは同意しつつも、強くならねばと決意する。

 その後、マキに挨拶を交わし、バーを後にするのであった。




あと二〜三話くらいで終わらせたいな。ビートブレイク編。

にしても、クロノモンを出したのはやりすぎただろうか?
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