透き通る世界のフツーな少年と妖怪達   作:nalnalnalnal

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 期間が空いてごめんなさい!

 今回は久しぶりですが内容は薄いです……なんとか4月中には対策委員会編は終われるように頑張りますので……!


ブラックマーケットへ

 

 

 

 

「──お待たせいたしました。変動金利等を諸々適応し、利息は788万3250円ですね」

 

「全て現金でお支払いいただきました。以上となります。カイザーローンとお取引いただき毎度ありがとうございます」

 

「来月もよろしくお願いします」

 

 

 

ブロロロロロロロロロ……

 

 

 

「「「「「……」」」」」

 

 

 

 ケータ達が便利屋68を返り討ちにした後に天ぷらを一緒に食べた翌日。アビドス高等学校前で対策委員会の面々は今月の借金の支払いを行なっていた。

 

 現金による手渡しの支払いを行なった後、カイザーローンと名乗ったロボット銀行員が乗りこんだ現金輸送車を無言で何とも言い難い雰囲気を漂わせながら見送っていた。

 

 そしてそんなホシノ達をケータ達は少し後ろから見ていた。

 

 

 

「改めて見ると凄い金額ですね〜……」

 

「あんなにお札があるの初めて見たよ……」

 

「ああいうのってわざわざ現金で払うものなのかニャン?」

 

「う〜む大体は銀行やATMで支払うものだと思うんですがね……」

 

『現金輸送車まで用意してるのは理由があるのかもしれませんね……』

 

 

 

 ケータは今こそ先生としての給料も入って多少は自由が効く生活を出来ているが、元々はフツーの小学生。大体は小銭でお菓子を買ったりコツコツと貯めたお金で新作のゲームを購入したり……昨日のアル達にしたようなご飯を奢る行為など有り得なかった。

 

 しかしキヴォトスにやって来たことで金銭感覚が少しばかり変わったケータですらやはり異常な程の金額だと思えるアビドスの借金。

 

 

 

「そう言えばカイザーローンっていうのはなんなの?」

 

「えっ、そ、そりゃあ勿論知ってますと『カイザーコーポレーションという大企業の金融部門らしいですよ!』ちょっとそれワタクシのセリフなんですけど!?」

 

「そもそも妖怪パッドにキヴォトスのことなんか書いてるわけないニャンから意味ないニャン」

 

「そーいうのは分かってても言わない暗黙のルールがあるでしょうがこのジバ野郎!!」

 

 

 

「ねぇアロナ。カイザーコーポレーションっていうのは?」

 

『色々な事業を展開している大企業ですね! 金融やリゾート開発、コンビニやインフラまで……様々な分野に触手を伸ばしています』

 

「へぇ〜……ヨップル社みたいな感じなのかな?」

 

『先生が今つけている妖怪ウォッチを制作した会社ですよね? 確かCEOの方がシャチの妖怪でヒキコウモリさんとともだちなのだとか……!』

 

「そうなんだよね。フツーに水族館でショーに参加してたりもしたんだよ!」

 

『遊び心を忘れないということでしょうか!』

 

「う、う〜んまぁそうなのかもしれないね……?」

 

 

 

「……」

 

「ウィスパーのポジションが奪われつつあるニャンね」

 

「わ、ワタクシの方が妖怪については詳しいですし〜!?」

 

「キヴォトスじゃ意味ないニャン」

 

「黙らっしゃい!!」

 

 

 

 今月分の返済が一応終了したものの、微妙な雰囲気に陥っていた対策委員会の面々は相も変わらずいつものコントのような会話を繰り広げているのを見ると自然に和んでしまう。

 

 

 

「いつも通りだね〜」

 

「うんうん! やっぱり仲良しが一番ですね☆」

 

「あの子が先生だなんて未だに信じられないところがあるんだけど……」

 

「重荷になってないか心配ですね……」

 

「ん、その時は私達が受け止めてあげなきゃ」

 

 

 


 

 

 

「先生さ、昨日本当にあの便利屋達と天ぷら食べに行ったの?」

 

「はい! みんなで食べにいきました!」

 

「中々に癖が強い方々でしたね〜。特にアルさんは」

 

「あんな性格でアウトローなんて言ってるのが不思議ニャンね〜……」

 

「ほんとに仲良くなっちゃったんだ……」

 

「いいように利用されてないよね……? 先生はもっと疑うことを覚えた方がいいわよ」

 

「あなたがそれ言っちゃうんでウィス?」

 

 

 

 支払いを終えた後、ケータ達は再び部室へと集まって今後の方針についての会議を行おうとしていたが、昨日の便利屋68についての会話が弾んでいたせいで進行が遅れていた。

 

 心配は当然残ってはいるが、進行しない訳にもいかない為、アヤネが手をパンパンと叩いて気持ちを切り替えさせる。

 

 

 

「はい皆さん! 最近は襲撃続きで会議が全く進んでいません! それに一つ分かったこともあるので聞いて欲しいです」

 

「っとと、ごめんね〜。それで、分かったことってなに?」

 

「先日セリカちゃんを襲ったヘルメット団の背後にいる存在についてです」

 

「先日の戦闘で手に入れた戦略兵器の破片を分析した結果、現在は取引されていない型番だということが判明したんです」

 

「生産が終わったものってこと?」

 

「そうなりますね……」

 

 

 

 戦略兵器の取引だとか何とかを聞いてケータはつい最近の出来事であった対ワカモの一件を思い出した。

 

 

 

「そっか……銃の弾とかって取引とかするんだったっけ?」

 

「シャーレにも確かユウカさん辺りから銃弾の請求書が届いてましたからね〜。まぁ幾ら銃社会と言えども有料なのは当然でしょうし」

 

「ニャらどうやってそんなものゲットしたのニャン?」

 

「フツーの流通ルートでは取引が出来ない生産中止された型番を手に入れる方法は、『ブラックマーケット』しかありません」

 

「ブラック……マーケット……?」

 

「いかにも怪しそうな場所でウィスね……」

 

 

 

 聞き馴染みのない場所だが、あからさまに安全な場所ではなさそうな為ケータ達は微妙な表情を浮かべる。

 

 

 

「中退、休学、退学など……様々な理由で学校を辞めた生徒達が集団を形成しており、非認可の部活がたくさん活動している……というような場所だと聞きました」

 

「絶対ヤバいところじゃん!?」

 

「そう言えばアルさん達も部活だと言っていたでウィスね〜。もしかしてアルさん達の依頼人(クライアント)もブラックマーケットに関係してるんですかね?」

 

「割と色んなこと聞いてるのね……」

 

「依頼は失敗したからって吹っ切れてましたね〜」

 

「確かゲヘナ学園? の生徒だって言ってたよね」

 

「カヨコちゃんが一番年上だとも言ってたニャン!」

 

「フツーに仲良くなってますね〜……」

 

「ゲヘナですか……風紀委員が見過ごすはずもないと思いますが」

 

 

 

 便利屋についての対処も考えてはいたが、最早敵対する気はないのではないかということで一旦頭から外すことにしたホシノ達。

 

 

 

「ま、まぁとりあえず皆んなでブラックマーケットに行こうか」

 

「もう先生が行くことには誰もツッコまないのね……」

 

「そこは飲み込まないとダメな部分だよセリカ」

 

 

 


 

 

 

 そしてアヤネのマッピングを頼りに、ケータ達はブラックマーケットへと無事到着していた──が、予想外の規模間に圧倒されていた。

 

 

 

「おっきいなぁ……! こんなに広いものなの?」

 

「小さな市場ぐらいだと思ってたんでウィスが……まさか一つの街程の規模もあるとは……!」

 

「フツーの商店街みたいな感じニャン……ほんとに危険な場所なのかニャン?」

 

「連邦生徒会の手が及ばないエリアがここまで巨大化してるなんて思わなかった……」

 

「他の学区にはへんちくりんなものが沢山あるって聞くからね〜。普段アビドスにいるからおじさんも知らなかったよ〜」

 

「あっでもクラブとかパチンコって書いてる看板が……」

 

「先生はまだ見ちゃダメですよ〜☆」

 

 

 

 ケータにとって馴染みのないもの──クラブやパチンコなどを見ないようにケータの視界を手でノノミが遮断したり、新天地にテンションが上がっているウィスパー達に今回の目的を思い出すようアヤネが話す。

 

 

 

『皆さん油断したらダメですよ! そこは違法な武器や兵器が取引されている場所です。何が起こるか分かりませんから』

 

「ほんと慣れませんねぇ……どこも同じような気がしますが」

 

「他の学区はゲヘナの風紀委員みたいに治安維持組織があるからここよりかはマシだと思うよ〜。ここは連邦生徒会の管轄外だし、アヤネちゃんの言う通りだよ」

 

(風紀委員って確かチナツさんがいる所だっけ……?)

 

(そう言えばハスミさんとスズミさんも正義……実現委員会?と自警団っていうのに所属してるって言ってたなぁ……チナツさんと同じ感じなのかな? なんかかっこいい名前だよなぁ〜! 正義実現委員会って)

 

 

 

 ケータはシャーレ奪還作戦時のユウカ以外のメンバーとはあれ以来あまり連絡を取っていない。作戦時のメンバーが所属しているのはゲヘナ、トリニティ、ミレニアムというキヴォトス三大学園であった為興味は当然あった。

 

 シャーレの先生である以上各学園に挨拶に赴いた方がいいのではと考えるが、住宅や書類仕事に慣れるまで時間を要し、まだ慣れている訳でもないので挨拶できずにいた。

 

 

 

(いつか行ってみようかな? すごい大きな学校らしいし)

 

 

 

 ケータの通っていたさくら第一小学校と規模感が違いすぎる為、単なる憧れの意味でも行ってみたいという気持ちは十分にあった。

 

 改めてキヴォトスという学園都市の広大さを実感していたケータだったが──

 

 

 

タタタタタタタタ!!

 

 

 

「──銃声だ」

 

「一体どこから──ん?」

 

 

 

 銃声が鳴り響いた直後、ケータ達の真正面から複数の人影がこちらへと向かって来ているのが見えた。

 

 ──と言うよりかは、目立つ制服を着用した少女が複数人に追いかけられていた。

 

 

 

「う、うわぁぁ!まずっ、まずいです〜!!つ、ついてこないでくださいー!!」

 

「そうはいくか!」

 

 

 

「け、喧嘩かな……?」

 

「言ってるそばから治安が悪いね〜」

 

「こちらに向かって来てますが……」

 

 

 

 目立つ制服を着用した少女の退路はどうやらケータ達の方向に向いているようで、少女は冷や汗を流しながら段々とケータ達に突進するように向かって来る。

 

 

 

「あの制服って……」

 

「わわわっ!? そ、そこどいてくださいーーっ!!??」

 

 

「──ウィス?」

 

 

 

 真正面を見ている余裕すらなかったのか、少女は最早ブレーキが効かない状況に陥っており、いざ彼女が突撃しそうになっていたのは──ウィスパーだった。

 

 

 

「おぼふ!!!」ドゴーン!

 

「あっす、すすみません!!」

 

 

 

 そして急に止まれる筈もなく、激突した両者──油断し切っていたウィスパーは道路標識に激突したが、必死に謝る少女を他所に何事もなかったかのように戻って来た。

 

 

 

「もー! 突然なんでウィスか! ワタクシが妖怪ボディだったから良かったものの!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 

『やっぱりウィスパーさんの身体って柔らかい感じなんでしょうか……?』

 

「そもそも妖怪って銃弾とか効くの? 特にウィスパーさんとか余裕で受け流しそうな感じなんだけど」

 

 

「だ、大丈夫ですか? なんか凄い追われてますけど……」

 

「少しくらいワタクシの心配をしてくれてもいいじゃないでウィスか!」

 

「あ、えっと……それがですね……」

 

「無視!?」

 

 

 

「平気そうだね」

 

「妖怪さんはまだまだ不思議が一杯ですね☆」

 

「それで言ったら先生も十分不思議だよね〜。どこがフツーなのやらって感じ」

 

 

 

 殆ど無傷のウィスパーの身体への謎が勝手に深まっていた対策委員会の面々だったが、少女の状況が状況な為話し込んでいる暇はなかった。

 

 

 

「何だお前ら!? どきな! アタシらはそこのトリニティに用があるんだ」

 

 

 

 少女を追いかけていた不良生徒達が逃げられたことへの怒気を孕んだ表情を浮かべながら追いついて来ていたのだ。

 

 

 

「あぅ……わ、私は特に用はないんですが……」

 

 

 

 そして少女をビシッと指差す不良生徒の言葉と既視感のあった制服を再度見ると、アヤネは思い出したかのように声を上げる。

 

 

 

「──思い出しました! その制服……キヴォトス屈指のマンモス校の『トリニティ総合学園』のものです!」

 

「ああ、確かお嬢様学校と名高いあの……」

 

「三大学園なんて言われてるって見たニャン!」

 

「そうだ! だから拉致って身代金をたんまり頂こうって寸法さ!」

 

「これまた典型的な不良がいたもんですね〜……」

 

 

 

 とは言えども、目の前で困っている人をみすみす見過ごすことなんてケータ達には出来ないこと……まさに不良と言うべき生徒達を何とか追い払おうといつものようにバズーカを用意し始める。

 

 

 

「あれっ赤い弾が入ってるよ……? あっ、そういえばバズーカって一応弾あったんだったっけ?」

 

「手入れしている時に収納したの取り出し忘れてましたね……それにしても、バズーカのこの弾は試したことなかったでウィスね〜。使ってみます?」

 

「ウィスパーでも詰めたらいいんじゃないのかニャン?」

 

「あーたは黙ってなさい!」

 

「試してみよっか!」

 

 

 

 ブラスター入手後全くと言っていい程使用する機会がなかった付属品の赤い弾が装填されているのを発見したケータ。

 

 今までブラスターの特性が妖怪の力を放出するというものでフツーの弾を撃ったところで下位互換にしかならないと考えていたが、折角の機会だから使ってみることにした。

 

 

 

「オイオイ何コソコソ話してんだ? 何だ? お前らも混ざりたいのか?」

 

「計画に乗るなら身代金は分けてやらんこともないが──あん?」

 

 

 

「発射ーー!!」ボンボンボンッッ!!

 

 

 

 ケータがバズーカを構えていることに気が付いた不良達だったが、その時には既にバズーカの銃口から弾が連射されていた。

 

 油断していた不良達が避けられる筈もなく──

 

 

 

「あてっ」ポコッ

 

「うわっ! 口に入った……ペッ!ペッ!」

 

 

 

「……ぜんっぜん効いてないーーー!!??」

 

 

 

 少しは威力はあると期待していたバズーカの付属品の弾……が、肝心の威力は少し強めのオモチャ程度のものだった。

 

 そして当然不良達は突然バズーカを構えられてやわらか〜い弾を子どもにぶつけられたという状況に腹を立て始めてしまう。

 

 

 

「……なぁなぁ。コイツぁ何の真似だ? オモチャ遊びでもしたいのか?」

 

「アタシらに喧嘩売ってんのか……? こんなガキに舐められてるとはなぁ……随分下に見られたもんじゃねぇか……!?」

 

 

 明らかに怒気が増幅してしまっている不良達に冷や汗を滝のように流し始めるケータ達。

 

 

 

「ちょっケータくんメダルメダル!?」

 

「言い出しっぺのウィスパーのせいでしょ!?」

 

「言い出しっぺはケータくんでしょうが!?」

 

「ヤバいニャンめっちゃキレてるニャン!」

 

「ウィスパー入ってよ! 別にウィスパーなら大丈夫でしょ!?」

 

「ワタクシのことなんだと思ってるんですか!?」

 

 

 

「幾らガキとは言えアタシらに喧嘩売ったんだ……タダで済むとは思ってねぇだろうなぁ!?」

 

「こンの野郎……ヘイローもねぇくせに舐めやが──

 

 

 

 地団駄を踏みながら急いでメダルをセットしようとするケータ達に銃を向け始めた不良達だったが、意識がケータ達に向いていたせいで背後から近づく存在に気がついていなかった。

 

 

 

「せーのっ」バゴォッ!!

 

「えーい☆」ドゴォッ!!

 

『あふっ!?』

 

 

 

 そして背後から這い寄って来たホシノとノノミによるバズーカの一撃とは比べ物にならない痛恨の一撃で不良達は一瞬で倒されてしまい、最近では珍しくケータ達の見せ場が少なくなった一戦となる結果に終わった。

 

 

 


 

 

 

「あ、ありがとうございました……危うく学園に迷惑をかけちゃうところでした……」

 

「だ、大丈夫ですよ!」

 

「しかしまたなんでお嬢様学校の生徒さんがこんなけったいな場所に来たんでウィス?」

 

「化学兵器でも買いに来たの?」

 

 

 

 無事不良生徒を追い払い、いざ事情説明タイムと洒落込もうとしていたケータ達だったが、追いかけられていたトリニティの少女──『阿慈谷(あじたに)ヒフミ』はさも当然かのように宙に浮いているウィスパーのことが気になって仕方なかった。

 

 

 

「……あ、あの……え、私がおかしいのかな……」

 

 

 

 しかし他の面々がフツーに受け入れていることから自分がおかしいのかと錯覚し始めてしまう。

 

 そこでヒフミは自分の中で勝手に予想立てをするが、その予想も斜め上の角度から潰されてしまうのだった。

 

 

 

「あっ、もしかしてロボットだったり……?」

 

「……あ、ワタクシですか?」

 

「は、はい……それとそこの赤い猫さんも……」

 

「ニャン?」

 

「ロボットじゃーございませんよ〜! ワタクシ達は妖怪でウィス!」

 

「……はい!?」

 

 

 

 しかし対するウィスパーは何度目かわからない妖怪に対する反応を見て、ここまで来ると銃社会の癖になにを妖怪程度に驚いているんだと思い始めてしまっていた。

 

 

 

「まぁまぁ追々説明しますよ。すぐに慣れますから!」

 

「そ、そういうものなんですか……!? それで済ませて大丈夫なものなんですか……!?」

 

「そういうものなのさ〜。で、ヒフミちゃんはなんでブラックマーケットなんかに来てたのさ?」

 

(ほ、ほんとに私がおかしいのかなこれって……!?)

 

 

 

 もうとりあえずスルーした方がややこしくならないのかと周囲の人間達の反応から判断せざるを得なくなったヒフミ。

 

 

 

「そ、それはですね……実は探し物がありまして……もう販売されていない限定品だったんですけど、ここで取引されているらしくて……」

 

「こんなところで取引されているものなんて碌なものじゃないと思うんだけど……」

 

「い、いえそんなに危険なものではなくて……その、取引されているのはペロロ様の限定グッズなんです」

 

「ペロロ……様……?」

 

「グッズということは、何かのキャラクターなんですかね?」

 

「はい! これなんですが……」

 

 

 

 ヒフミがそう言いながら密かに取引されているという限定品を鞄から取り出したのだが──

 

 

 

「……なんですかこれ」

 

 

 

 取り出されたのは可愛らしい──と言っていいのかは人によるとしか言いようがない程独特の見た目をした口にアイスを無理やり突っ込まれたような白く丸っこい鳥?のぬいぐるみだった。

 

 

 

「ペロロ様とアイス屋がコラボした限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ! 可愛いですよね!」

 

 

 

「「「……」」」

 

(……ニャンでアイスを突っ込まれてるのか意味不明ニャン……)

 

(……このアイス本物じゃないよね? っていうか何この顔……こわっ……!?)

 

(なんですかこの常軌を逸した目をしている鳥は……グロテスクすぎません?? 絵面がヤバいですよコレ!?)

 

 

 

「わあ☆モモフレンズ私も大好きです! ペロロちゃんも捨て難いですが、私はミスター・ニコライが好きなんです!」

 

「分かります! ニコライさんの哲学的なところがカッコよくて……最近出た本も買っちゃいました!」

 

 

 

 しかしノノミが好意的な反応を示していることからキヴォトスでは愛されているのかと思いきや、他の面々はそうでもないことを鑑みるとやっぱり絶妙なキャラクターなのだと思い知らされるケータ達。

 

 

 

「そう言えば、アビドスの皆さんはなぜこちらに?」

 

「まぁヒフミちゃんと似たり寄ったりだよ〜。生産が終わったものを探しに来てさ」

 

「そうなんですね! 後、ずっと気になってたんですが、ケータさんはどうしてアビドスの皆さんと一緒に? それと……よ、妖怪?の方も……」

 

「えっと、オレ、シャーレってところで先生やってて、アビドスの人達に協力してるんです」

 

「そうなんですよ☆先生にはとてもよくしてもらってます!」

 

「なるほど。それでブラックマーケットに……って、ちょっと待ってください……い、今先生って言いました……? 聞き間違いですかね?」

 

 

 

 妖怪について頑張ってスルーしようと心がけていたヒフミの思考に、突如として侵入して来る新たな刺客『シャーレの先生』。

 

 しれっとフツーに発されたその言葉を思わずヒフミも流してしまいそうになるが、流石にインパクトが大きくて踏みとどまる。

 

 

 

「確かに最近先生が来たという噂はよく聞きますが……もしかしてケータさんのことですか!?」

 

「そりゃ噂になるわよね……」

 

「も、もしかして意外と大人の方なんですか……?」

 

「ケータくんは見た目通り11歳の子どもですよ〜」

 

「あ、あはは……」

 

「……はいっ!?」

 

「ん、気持ちは分かるけど……説明パートが長くなるから飲み込んで」

 

「えっ、コレ私が悪いんですか!?」

 

 

 

 しかし慣れてしまったせいなのか、フツーの筈のヒフミの反応がこの時だけ微妙な反応ということになってしまっていた。

 

 






お気に入りのフォントを見つけたらなんか嬉しくなってしまいます。

ヒフミとケータは平凡とかフツーとか言ってるけど絶対違うってところで似てる気もしますね。

モチベーションにつながるので評価や感想のほどよろしくお願いします!
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