透き通る世界のフツーな少年と妖怪達   作:nalnalnalnal

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 アルの誕生日過ぎちゃった!!
 
 今回は後半が割と雑展開かもしれませんが……


vs便利屋68

 

 

 

 

 

 

「──皆さん!」

 

 

 

 アルの驚愕の大声か響き渡ってから10数分後。再び対策委員会の部室へと集まってこれからの方針をいざ考えようとしていたケータ達にアヤネが真剣な眼差しで突然言う。

 

 

 

「ど、どうしたんですか……?」

 

「また敵襲?」

 

「はい! 校舎より南15km地点付近で大規模な兵力を確認しました!」

 

「え、でもヘルメット団の人達はもう追い返したはずでウィスが……」

 

「ヘルメット団ではなく傭兵です! 恐らくは日雇いの!」

 

「傭兵って……何?」

 

「う〜ん……まぁ、簡単に言えばお金で雇われて争いごとに投入される人達だね〜。直接関係のない人が多いかも?」

 

「これ以上接近されるのは危険です! せ、先生も……出るんですよね?」

 

「ケータくん!」

 

「うん、行こう!」

 

 

 

 ブラスターとバズーカを携えたケータ達は急いで部室から飛び出て兵力が確認された方向へ、アヤネの支援を基に向かった。

 

 

 


 

 

 

『前方に傭兵を率いる集団を確認!』

 

 

 

 大規模な兵力を崩す為に誰を呼び出そうか考えながらアヤネのマッピングを基に大規模集団へと駆け出していたケータ達の前方に、うっすらと最前線に立つ人影が見え始める。

 

 

 

「あれ? あれって……」

 

 

 

 しかしケータ達はその傭兵達を率いる人影に見覚えがあった。それはついさっきの昼食の時にひょんなことで仲良くなった──

 

 

 

「アルさん!?」

 

「うっ……」

 

 

 

 ──冷や汗を流して全然乗り気ではなさそうな雰囲気を纏っている陸八魔アルとその一行達であった。

 

 

 

「ちょ、ちょっと! なんであの子フツーに出て来てるの!?」

 

「いや〜そんなこと言われてもね……」

 

「ほんとに何でいるんだろ……」

 

「? え、えっとあの人達が始末する人達ですよね?」

 

「そ、そうだけどそうじゃないのよ……!」

 

「アルちゃんあんなに張り切ってたのにま〜た萎縮しちゃってるね〜」

 

「だ、だってそれはあの子がいないと思ったからで……!」

 

「でもフツーに前線に出て来てるってことは戦えるってことじゃないの? とてもそうは見えないけど……」

 

「ヘイローもないのにそんな訳ないでしょ!?」

 

 

 

 フツーに前線に立つケータを見て焦りまくって必死にどうすればいいのかと便利屋の面々に耳打ちするアルだったが、対策委員会の面々はそれどころではなかった。

 

 

 

「何にお金を使ったのかと思えば傭兵雇う為だったんでウィスね! この恩知らずー!」

 

「恩知らず〜」

 

「ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに! 恩知らず!」

 

「もう! 学生ならもっと健全なアルバイトがあるでしょう? それなのに恩知らずの仕事なんて……」

 

「ん、恩知らず」

 

 

 

「うううううるさいわよ恩知らず恩知らずって!! それにちゃんとしたビジネスなのよ! 肩書きだってあるんだから!」

 

 

「私達は便利屋68! 真のアウトローになる者達よ!」

 

 

「そして私が社長で! こっちのムツキが室長で、こっちのカヨコが課長!」

 

 

 

「……え、あの帽子かぶってる人のはないのかな」

 

「まぁ何か薄っぺらいですしそこまで考えてないんでしょうよ……」

 

「というかなんでここに来たニャン?」

 

 

 

「聞こえてるわよ!?」

 

 

 

 アルが意気揚々とした自分のビジネスのようなものについての説明に怪訝な表情を浮かべるケータ達だが、アル達の側に大勢の傭兵がいるのは明確な事実。なんだかんだ言って本気なのではないかと考えさせられる。

 

 

 

「……ねぇ、先生。あの傭兵達どうにかできたりする? 流石に数的優位を取られてるからさ〜」

 

「た、多分……」

 

「ん、でも危険だから私のそばにいて」

 

 

 

 傭兵達を見ていつもより真剣な雰囲気を纏うホシノからの要求にケータは頷き、懐からメダルを取り出すとシロコがケータの側に立ち、周囲を警戒する。

 

 

 

「え、ちょ、ちょっと危ないわよ?」

 

 

「フツーに心配してくれてるんでウィスが……」

 

「意外といいヤツなのかニャン……?」

 

 

 

 ケータが更に前へ歩み出たことに慌てて心配してしまうアルに『マジかコイツ』という表情を浮かべるウィスパーとジバニャンを他所に、ケータはメダルを持ち──

 

 

 

「よーし……」

 

「オレのともだち! 出てこいかえりタイ! 妖怪メダルセットオン!」

 

 

 

レディースアーンドジェントルメーン♪

 

ブキミ〜族〜!!

 

 

 

ブッキミ♪

 

ブッキミ♪

 

ブッキミ

 

 

 

「かえりタイ……」

 

 

 

 ──召喚されたのは妖怪『かえりタイ』。ネクタイ状の身体を持つ妖怪であるが、かえりタイの真髄はその能力(取り憑き)にある。

 

 

 

「かえりタイ! 久しぶり!」

 

「あ、ケータくん。久しぶり〜。ボクを呼んだってことは何か用があるの?」

 

「うん。あの人達を家に返してあげて!」

 

 

 

 唐突にウォッチから召喚されたかえりタイにさも当然かのような反応を見せている対策委員会の面々にアルは面食らう。

 

 

 

「……えっ、ねぇちょっとアレ何よ!? ネクタイよね!?」

 

「やっぱり全然フツーの子どもじゃなかった……!」

 

「え、今あの時計から出てこなかった??」

 

「ひ、ひええぇ……わ、わ私が始末して来ましょうか……?」

 

「い、いやなんだか嫌な予感が……」

 

 

 

 かえりタイを突然呼び出したことで一気にケータがヤバい奴なのではないかという考えが脳裏に過ぎり始めるアル達を横目に、かえりタイが行動を起こす。

 

 

 

「皆んなそんなものは持ったらダメだよ〜。皆んな心の中では危ないものは置いておいてお家に帰ってゆっくりしたいって思ってるはずだよ〜」

 

 

 

 そしてかえりタイが傭兵達に一斉に取り憑くと──

 

 

 

「……ねぇ、私やっぱり帰る……一日ぐらいサボってもいいよね別に」

 

「じゃあ私も帰ろ……今日は家でのんびりしとこ」

 

「傭兵とかめんどくさいし家でゲームしよゲーム……」

 

「あぁ〜ベッドが恋しい……あったかいご飯食べてお風呂入りたいよ〜……」

 

「分かるなぁ……あっ、ヤバいお風呂入りたい……」

 

「そんじゃあ私先に帰るね……」

 

 

 

「はぁっ!? ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!?」

 

 

「今日くらい自分の欲望に従おう……だから帰るね」

 

 

「何言ってるのよ!? こっちは雇ってるのよ!?」

 

 

 

 ──と、唐突に全員がこぞって家に帰りたいと言い出した為、かなりの金額を投入して雇った身であるアルは当然止める。

 

 この突然傭兵達が家に帰りたいと言い出したのは当然かえりタイの仕業だ。

 

 かえりタイはその名の通り人の心に眠る『家に帰りたい』という気持ちを増幅させる妖怪なのだ。傭兵達が大してアルに信頼を寄せていないということもあるのだが。

 

 

 

「じゃあ悪いけど私達は帰るね〜。今日は家でゆっくりしてるね」

 

 

 

「え、あっちょっと!?私達のお金はどうなるのよ!? 帰っちゃダメー!!」

 

 

「じゃあね〜」

 

 

「こらー!! ちょ、ちょっと待ってよ!? 待ってってばーー!?」

 

 

「な、なんでこうなるのよぉ!!??」

 

 

 

 傭兵達の増幅された家に帰りたい気持ちを鎮めることは出来ず、アル達は唖然としたまま傭兵達が背中を向けて家に帰って行く様子を見届けることしか出来なかった……

 

 

 

「……ねぇ、これほんとにヤバくなーい……?」

 

「……流石に予想外なんだけど……どうするの社長」

 

「ぐ、ぐぐぅっ……」

  

 

 

「……なんか可哀想に見えてきたね〜……」

 

「こういうタイプの妖怪もいるんだね」

 

「ほ、本当に帰っちゃいましたね……」

 

 

 

「こ、こうなったらもうやってやるわよ!! か、覚悟しなさい!!」

 

 

 

 殆どヤケクソになったアルの言葉と同時に4人が一斉に得物を構え始めると、ケータ達もバズーカを始めとした得物を同様に構える。

 

 

 

「ケータくん! ここは先手必勝でウィスよ! バズーカでやっつけてやりましょう!」

 

「う、うん……」

 

「全員ぶっ飛ばしてやるニャン!」

 

「な〜んかワタクシ達も物騒な思考になってきましたね〜」

 

 

 

 シロコの背後に隠れている3人は今にも銃撃戦が勃発するであろう雰囲気を察したのかどうにか解決できる方法がないかメダルを探す。

 

 

 

「この方でいいんじゃないでウィス?」

 

「た、確かにいいかも」

 

 

 

 バズーカはブラスターと違い相手に妖怪の能力を付与することが出来る為、ブラスターでHIGHモードを引きたくない時にも使えたり用途が少し変わる。

 

 不意にウィスパーが出したメダルを見たケータは、キヴォトスが銃社会であることを踏まえてその妖怪に決めた。

 

 

 

「よーし……」

 

「妖怪バズーカ! 妖怪メダルセットオン!」

 

 

 

『ポン骨!』

 

 

並盛り出るか♪

 

鬼てんこ盛り〜!

 

出るのか〜?

 

 

鬼てんこ盛り〜!!

 

 

 

「発射ーー!!」ドンッ!

 

 

 

 ルーレットでモードが決定したバズーカからレーザーのような妖気の波が放たれる。

 

 妖怪バズーカはブラスター同様ルーレットでモードが切り替わる。『並盛り』モードと『鬼てんこ盛り』モード。

 並盛りはセットした妖怪の能力を単純に付与したりすることができるのだが、鬼てんこ盛りは一味違うのだ。

 

 今回そのモードの対象となったのは──対策委員会の面々に特攻して来ていたハルカだった。

 

 

 

「す、すみませんすみません大人しくやれられてくださ──って、え、ええっえっ!?」

 

 

「ひやぁぁぁぁぁ!!??」ビビビビビ!

 

 

「は、ハルカーーー!?」

 

 

 

 鬼てんこ盛りの最初の段階であるセットした妖怪の能力を付与する波が悲鳴を上げるハルカに直撃すると──

 

 

 

「……あ、あれ……? な、なんともない……?」

 

「えっ、あ、そうなの? で、でも今滅茶苦茶喰らってたわよね!?」

 

「何か特殊な武器の可能性があるかもしれないよ」

 

「ダメージもない光線銃なんて珍しいモノ持ってるねあの子。でも何もないってのもおかしな話だよね〜?」

 

 

 

 ──と、特に明確なダメージも受けていない様子のハルカを見てほんとに大丈夫なのかと危惧するアル達だが……

 

 

 

「と、とりあえず皆んな行くわよ! モタモタしてる場合じゃないわ!」

 

「は、はいアル様! 一人残らず始末し──」カチッ!

 

「……ぇっ?」

 

 

 

 アルの号令を受けて再度対策委員会の面々へと特攻しようとしたハルカが耳にしたのは──ハルカの懐の中で爆弾が今まさに起動したと知らせるようなスイッチの音だった。

 

 鬼てんこ盛りモードで通常よりも多くポン骨の能力を付与されたハルカが懐にしまっていた爆弾がポンコツになってしまったのだ。

 

 そしてそれに加えて──

 

 

もひとつオマケに〜?

 

 

『ボー坊……』

 

 

 

「あっ」ドンッ!

 

 

「ああぁぁぁぁ!!??」ビビビビビ!

 

 

「ハルカァァァァーーー!?」

 

 

 

 ──と、その音声と共にまた妖気の波がハルカに放たれる。

 

 これがバズーカの鬼てんこ盛りモードの第二の機能──セットした妖怪以外の妖怪の能力をランダムで抽選して更に付与することが出来るのだ。

 

 

 

「ぼー…………」

 

 

 

 妖怪『ボー坊』の能力を付与されたハルカはその名の通りぼーっとして始めてしまう。爆弾が起動した状況下で。

 

 

 

「ぼー…………」

 

「え、ちょ、ちょっとハルカ? 何その顔!?」

 

「ちょっお〜い! 爆弾起動したよね今〜!?」

 

「は、ハルカーー!? 早くその爆弾どっかやってーー!?」

 

「──っは! は、はいすみませんすみませ──」

 

 

 

 アル達がハルカの肩を揺らすことでハルカは正気を取り戻したが──時既に遅し。その段階で爆弾を退けることは不可能になっており──

 

 

 

「いやぁぁぁぁ!!??」

 

 

ドゴォォォォォォォンッッッ!!!

 

 

 

 アルの悲鳴と共に一つの爆弾が炸裂する。

 

 ──そしてハルカが所持していた大量の爆弾が、その一つの爆弾の炸裂が起点となり次々にアル達の身体を包み込むように炸裂した。

 

 爆発に巻き込まれたアル達は爆発に乗じて背後に回り込んだホシノ達の不意打ちによってすぐに制圧された。

 

 

 


 

 

 

「も、もう驚かないわよ……」

 

「やっぱりあの武器壊れ性能してない??」

 

 

 

 出る幕が最後しかなかったホシノ達はアル達に駆け寄るケータ達を警戒しながら見守っていた。

 

 

 

「だ、大丈夫ですか……?」

 

「うぅ……こ、こんなはずじゃぁ……」

 

「ハルカ爆弾持ち過ぎ……」

 

「すすすっ、すすみません……!」

 

「いや〜それ以前におかしいとこがあるでしょ〜?」

 

 

 

 無事制圧されたアルはお金が水の泡になったことやすぐに制圧されたことに対して落ち込みまくっていた。

 

 

 

「いやほんとにキミ何なの??」

 

「社長なんかあなたが出るかもしれないから少し乗り気じゃなかったから……ヘイローもないし」

 

「ちょ、それ言わないでよ!」

 

「あー……コレはまた同じ展開になりそうでウィスね〜……」

 

「もうめんどいニャン……」

 

 

 

 最早何度目か分からないような展開が来るなと予想したウィスパーとジバニャンは早く言えと言わんばかりにケータを前に押し出す。

 

 

 

「え、え〜っと……一応、シャーレってところで先生をしてて……」

 

 

「「「「……は?」」」」

 

 

「あっ、でもそれだけじゃ言葉足らずじゃないでウィス? 妖怪のことも話してもいい気がしますが……」

 

 

「「「「妖怪!?」」」」

 

 

 

 アル達の反応にやはりかと言わんばかりのため息を吐いたウィスパーとジバニャンであった。

 

 

 

「よ、妖怪だか幽霊だか分からないけど、私達はこんなところで終わらないわ! でしょ? みん──な……」

 

 

 

 突然明かされた事実に理解が追いつかないアルは何とか体裁を保つ為に取り繕うが、ケータから敵意が感じられないことを察したムツキ達の行動に驚く。

 

 

 

「え、マジで先生なの? ほんとは大人だったりする?」

 

「いや〜それがケータくんは11歳なんでウィスよ〜」

 

「何回目ニャンこのやりとり……」

 

「……あなた達もフツーに会話に入って来てるけど何なの? 妖怪って言ってたけど……」

 

「妖怪は妖怪でウィスよ。死んだ後の姿と言えば妖怪でしょう?」

 

「あ、あわわわ……し、死んでるんですか……?」

 

「そう言えば先生が来たって噂は聞いたかも……」

 

「やっぱり先生って重要な立場なんだ……」

 

「今更でウィス??」

 

 

 

「……ちょっ、な、なにフツーに話してるの!?」

 

 

 

 他3人がケータ達と興味津々に話しているのをアルは呆然と眺めていたが、変な状況に思わず突っ込んだ。

 

 

 

「わ、私達はアウトローなんだからターゲットと仲良くしたらダメでしょ!」

 

「いやいや、もう依頼なんか失敗でしょうよ。それにケータくんは『皆んな』の先生ですから! 確かシャーレはそういう立ち位置だったはずなので……」

 

 

 

 アルの本心としてはラーメンをきっかけに仲良くなった子どもを傷つけるということは本気でやりたくなかった。

 

 『真のアウトロー』になりたいと言う気持ちを胸に便利屋をやっているアルだが、良心が欠落している訳ではない。何なら人一倍良心が強い生徒なのだ。

 

 だからヘイローを持たないケータが前線に出て来ていることをケータ本人に危険だと知らせてしまったりするのだ。

 

 

 

「でもオレはアルさんとともだちになりたいです! 絶対いい人ですし」

 

「え、そ、そうかしら……」

 

「無意識なんでウィスね……不意に心配しちゃったりするのって」

 

 

 

 柴関ラーメンでの会話や不意に漏らした心配の声を聞けば、ケータはとてもアルが悪党には見えなかった。今まで会ってきた良からぬことを企んでいた妖怪達とは全く逆で優しい人なんだと話していて思っていたのだ。

 

 

「も〜いいじゃないでウィスか。昨日の敵は今日の友と言いますし」

 

「そ、そういうものなの……?」

 

「アウトローだか大トロだか知らニャイニャンけど、要はカッコいいものを目指してる訳ニャン?」

 

「だったらオレ達はアルさんと競い合うライバル! みたいな感じなのかな?」

 

「ら、ライバル……!? な、何て惚れ惚れするような響き……!」

 

 

 

 その一言に感銘を受けたかのような反応を見せるアルを見たムツキ達はヒソヒソと話し始める。

 

 

 

「子どもってある意味恐ろしいね〜……」

 

「あんなはっきり『ともだちになりたい』って言われる筋合いは無いはずなんだけど……」

 

「ど、どうしましょうか……?」

 

 

 

 結構馬が合っている二人を苦笑しながら見ているムツキ達だった。そしてそんな雰囲気の中、ケータが突然あることを思いついた。

 

 

 

「……あっ、そうだ! アルさん達、今日天ぷらでも食べに行かない?」

 

「え、天ぷら……? ど、どうして?」

 

「アルさんみたいな妖怪がいてさ、その妖怪と天ぷら食べに行ったんだ!」

 

 

 

 何かに憧れて奔走してその度にポンコツな雰囲気を漂わせそうなアルにケータは先日天ぷらを奢ったラストブシニャンを彷彿とさせていた。

 

 そんな彼女達ともっと仲良くなる為に食事を共にするのはアリだと考えた。

 

 

 

「オレが奢るからさ! アルさん達の話とか聞いてみたいし!」

 

「え、だ、ダメよ! 子どもに奢ってもらうなんて!」

 

「大丈夫でウィスよ。これでも結構貰ってますから」

 

「流石のムツキちゃんも割と抵抗感あるんだけどな〜……え、本気?」

 

「ともだちになりたいで済ませていい問題じゃないと思うんだけど……?」

 

「て、天ぷら……!」

 

「あっ、そっか先生だから……で、でも印象が悪くないかしら……? や、やっぱりここは堂々と断るべきなのかしら……? いや、でも、うぅ……!」

 

 

 

 傭兵を雇ってまで敵対していた便利屋に対してともだちになりたいの一心で天ぷらを奢るとまで言い出したケータにちょっぴり引く便利屋の面々。

 

 

 

「この子アルちゃん以上にアレだね……」

 

「……どうするの社長」

 

「えっ? あっ、そ、そうね……え、え〜っとね……?」

 

「……こ」

 

「断れないわよぉ! そんなこと言われたら!」

 

 

 

 当初から大分会話の話題が変わった先刻までは敵同士であったケータ達とアル達を見ていたムツキ達と対策委員会の面々は思わず言葉を漏らす。

 

 

 

『なんでそうなるの???』

 

 

 

「なんであの恩知らず共に先生が天ぷら奢る話になってるのよ……!?」

 

「もう妖怪が側にくっ付いてるから怖いものがないんだろうね〜先生は」

 

『げ、限度がありませんか?』

 

「多分私達だったら仲良くなんてなれてなかった」

 

「先生みたいな人はキヴォトスの外じゃフツーだったりするんですかね……?」

 

 

 

 ──そしてこの日の夜。便利屋68は無事ケータに天ぷらを奢られてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 スキヤキをプレイしててテンプラを選んだのでこの展開になりました。ちょっと雑になった感がありますがご容赦を……

モチベーションにつながるので評価や感想のほどよろしくお願いします!


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