ありふれた彼らはデジモン共に   作:Re.Ac:月

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第2話です。
今のところデジモン要素がプロローグの冒頭くらいしかないのはどうなのか
第1話調子に乗って書く量多くしすぎた


第2話 イジメと大迷宮

 召喚されてから2週間が過ぎた今日からようやく実技訓練となる。

 というわけで俺達は2週間前に言われたとおり、まずメルド団長のところに向かった。

 

 「呼び出して悪かったな、今回お前達に聞きたいことは技能の『魔力操作』についてだ。」

 

 「と、言われましても俺達もこの技能についてなにも知らないですし」

 

 賢介が答えると、

 

 「聞きたいと言ったがそれがどういう技能なのかなんとなく予想はできている。

『魔力操作』名の通り魔力を操る事ができる技能だろう、ここ2週間でしっかり学ぶことができたと思うが魔物は魔力を操ることができる。

つまり、魔力を操ることができるお前達は魔物と同じものと見られてしまう可能性がある」

 

 「それってまずいんじゃないですか?」

 

 俺がそう質問すると。

 

 「ただ、お前達は人間族を救う英雄として召喚されたから魔物として見られることはないと思うがな」

 

 「そうなんですか……」

 

 「変に不安を煽ってしまって悪かったな、お前達は訓練に戻ってくれ」

 

 そう言われた俺達は訓練に戻っていった。

 

 

 

 

 

 ある日、俺達が訓練場にきたとき。

 

 「ぐぁ!?」

 

 と、苦しそうな声が聞こえてきた。

 嫌な予感がした俺達はすぐ声のした方に向かった。

 そこには、魔法でハジメを痛めつけている檜山達がいた。

 

 「ほら、なに寝てんだよ? 焦げるぞ~。ここに焼撃を望む――〝火球〟」

 

 ハジメが火球を避けたところに。

 

 「ここに風撃を望む――〝風球〟」

 

 斎藤が魔法を放ち、風の塊が立ち上がりかけたハジメの腹部に直撃し、ハジメは仰向けに吹き飛ばされた。「オエッ」と胃液を吐きながら蹲る。

 

 「お前らなにしてんだ!」

 

 俺が声を荒げながら話しかける。

 檜山達はああん?と視線を俺に向けると、

 

 「なんだ?誤解しないでほしいな、俺達は南雲の特訓に付き合ってるだけだぜ」

 

 「特訓というにはあまりにも一方的な気がしたが?」

 

 賢介がそう返すと、

 

 「大丈夫か?南雲」

 

 賢介がハジメに対して回復魔法を施した。

 ハジメの治癒が終わったところで俺が剣を抜いて檜山達に向けると、

 

 「何やってるの!?」

 

 その声に「やべっ」という顔をする檜山達。それはそうだろう。その女の子は檜山達が惚れている香織だったのだから。香織だけでなく雫や光輝、龍太郎もいる。

 

 「いや、誤解しないで欲しいんだけど、俺達、南雲の特訓に付き合ってただけで……」

 

 「南雲くん!大丈夫?」

 

 「う、うん本寺くんのおかげでなんとか」

 

 檜山の弁明を無視して、香織は、賢介に肩を借りているハジメに駆け寄る。ハジメの様子を見た瞬間、檜山達のことは頭から消えたようである。

 

 「特訓ね。それにしては随分と一方的みたいだけど?」

 

 「いや、それは……」

 

 「言い訳はいい。いくら南雲が戦闘に向かないからって、同じクラスの仲間だ。二度とこういうことはするべきじゃない」

 

 「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」

 

 三者三様に言い募られ、檜山達は誤魔化し笑いをしながらそそくさと立ち去った。

 

 「君もだ石神。例え檜山達を止めるためとはいえ、仲間に剣を向ける物じゃない。

それに、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう? 聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてるよ。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」

 

 何をどう解釈すればそうなるのか。

 俺が檜山達に剣を向けたことを注意するのはわかるが、 なぜそれでハジメの努力が足りないという方向に行くのかわからない。

 天之河の思考パターンは、基本的に人間はそう悪いことはしない。そう見える何かをしたのなら相応の理由があるはず。もしかしたら相手の方に原因があるのかもしれない! という過程を経るのである。

 しかも、光輝の言葉には本気で悪意がない。真剣にハジメを思って忠告しているのだ。ハジメは既に誤解を解く気力が萎えている。ここまで自分の思考というか正義感に疑問を抱かない人間には何を言っても無駄だろうと。

 それがわかっているのか雫が手で顔を覆いながら溜息を吐き、ハジメに小さく謝罪する。

 

 「ごめんなさいね? 光輝も悪気があるわけじゃないのよ」

 

 「アハハ、うん、分かってるから大丈夫」

 

 やはり笑顔で大丈夫と返事をするハジメ。汚れた服を叩きながら起き上がる。

 

 「ほら、もう訓練が始まるよ。行こう?」

 

 ハジメがそう促すと俺達は訓練施設に戻っていった。

 

 

 訓練が終了した後、今回はメルド団長から伝えることがあると引き止められた。何事かと注目する生徒達に、メルド団長は告げる。

 

 「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 

 このクラスの殆どが初めて体験するであろう、『実戦』の幕開けだった。

 

 

 次の日

 俺達はメルド団長率いる騎士団員複数名と共に、【オルクス大迷宮】へ挑戦する冒険者達のための宿場町【ホルアド】に到着した。

 新兵訓練によく利用するようで王国直営の宿屋があり、そこに泊まる。

 俺は賢介と同じ部屋になった。

 そこで俺達は迷宮での動き方を考えることにした。

 

 「メルド団長が俺達の戦い方を見て、2人パーティにしてくれたから、だいぶ動きやすいな」

 

 「下手に多人数パーティを組むよりも俺達2人だけで戦ったほうが連携も取りやすいと判断したんだろうな」

 

 「そこはメルド団長に感謝だな……そういえば賢介、この世界にきてから戦うことを怖いと思ったことはあるか?」

 

 俺は疑問に思ったことを賢介に質問してみた。

 

 「思ったことはある。というか今でも怖いと思ってる、でも戦わなくちゃいけない

そうしないと、生き残ってあいつらにもう一度会うことができないからな」

 

 「そうだな」

 

 俺は賢介の返答に対してそう返した。

 そうして明日に備えて俺達は眠りについた。

 




はい、第2話読んでいただきありがとうございました。
 恒例にしようと思ってる。設定コーナーです。
 今回も主人公についてですね。
 主人公は元々、一人だけデジタルワールドに迷い込んだ子供でティラノモンをパートナーにする予定でしたが、一人だけなのも可哀想だし、出したいデジモンもいたので、本寺 賢介を追加して、パートナーも変えたんですよね。
 ティラノモンの進化ルートは

 ティラノモン→メタルティラノモン→ラストティラノモン

 ティラノモン→マスターティラノモン→ダイナモン

 上記のような2つの進化ルートを使い分ける予定でした。
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