ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話   作:アルピ交通事務局

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伝説のはぐれ武器!の巻!

 

「……」

 

「どうした?」

 

「新しいヒーローの絵を募集しているみたいだ」

 

 悪魔超人軍が指導し1年の月日が経過した……相変わらず海賊は減ることは無い。ここに来れば海賊達は血祭りに上げられると言う噂を流しても尚来るのだから……悪が栄えた試しがないのであれば正義は衰退するものと言ったところか。

 

「海軍がか?」

 

 貴虎が2枚の紙を持って悩んでいる。1枚の紙にはなにか書かれておりもう1枚は真っ白だ。

 

 なにを悩んでいるのかについて聞けば新しいヒーローの絵の募集をしている。採用されれば10万ベリーを貰えるという儲け話であるが海軍が何故その様な真似をしているのか?と素朴な疑問を抱いた。

 

「ベガパンクがヒーローを作るらしい」

 

「ヒーローを作る?」

 

「ああ……着るだけで超人的な力を得られるスーツや武器を持ったヒーローだが見た目だけが浮かばない、と言うよりは見た目がエグくてボツをくらうらしい」

 

「……ふむ……」

 

 大方ジェルマが本格的に始動をしているか、それとも海の戦士ソラは実在しているのだと証明する為の印象操作の道具を作りたいという政府の策略だろう。

 

 ヒーローの絵を考えている……貴虎はヒーローに憧れを抱いていたが、ヒーローは遅れてやってくる。それがヒーローの性質でありそうじゃないヒーローではないなにかを目指している。

 

「如何にヒーローに力があったとしても世の中はそう上手く回らないものだ。それを象徴したヒーローならば知っている」

 

「力があっても意味が無いヒーロー?そんなヒーローがいるのか」

 

「ああ、居ると私は知っている」

 

 純粋な戦闘能力だけで言えばピカ1だろう。だが、それだけだ。

 

 ヒーローを思い浮かべれば真っ先に辿り着くであろう明確な悪人を倒すと言う行いや折れない心は立派だがそれだけだ。

 

 私はペンを手に取って書いていく……貴虎と言う名前から連想するヒーロー、そう仮面ライダー斬月だ。人を見る目以外は完璧と言われている程の男が変身する仮面ライダーだ。戦闘に関しては異次元の強さを持っている。

 

「将軍、スラスラと書けるんだな」

 

「ふっ、自分でも驚きだ」

 

 特に迷いもなにもなく仮面ライダー斬月を描ききった。

 

 そのことについて貴虎は少し驚いているが自分でも驚いている……仮面ライダー斬月は強いだけのライダーと言うイメージが強く、それはある意味私にも当てはまっている。

 

「む……」

 

 仮面ライダー斬月のデザインはカッコいいと貴虎は海軍に送った。

 

 それが採用されるかされないかは分からないが、採用されたのならば……貴虎が変身をしてもらいたいもの。

 

「ありえんレベルだな」

 

 仮面ライダー斬月を送って数日後、悪意は特に感じないがこの海域で今までに感じた事が無いレベルの覇気を纏った者が近づいてくると感じた。

 

 このレベルの覇気を持っている人間が東の海に居るというのは中々にありえない話であり……それに気付いているのは私だけだが近づいて来ているので直ぐに他の面々も分かってしまう。

 

「アレは……海兵狩りのミホーク!」

 

「剣士として名高い男だな」

 

 デンゾウが望遠鏡を片手にこちらに近づいてくる小舟とも言える船にポツンと乗っている男の正体に気付く。

 

 海兵狩りのミホーク、剣士としてはこの上なく最強と言うに相応しい実力を秘めている男だ。懸賞金も既に億単位であり偉大なる航路での目撃情報がそれなりにある……何故に東の海にやってきたのか?暇潰しか、好物の酒でも求めて来たのか。

 

「お前達、止めておけ。アレは私以外では相手にならない……なによりも海賊旗を掲げていない」

 

 懸賞首がやってきたのであれば戦うしかない。それが何時ものことだが今回に限っては話が違う。

 

 明らかに勝つことが出来ない相手、シュウジ達には何れはあの領域には至って欲しいが今挑むのはただ死ぬだけだ。

 

 海賊旗を掲げていない以上は襲う理由にはならない。

 

「え、おい!?」

 

「安心しろ」

 

 襲う理由は無いのだが向こうには襲う理由はあるのだろう。

 

 望遠鏡で見える距離にいるミホークは剣を抜いた……最上級大業物の1つ、夜だったか。それを思いっきり振りかぶれば斬撃が飛んでくる。

 

「硬度10ダイヤモンドパワー」

 

 本人が強力な覇気を有しているがそれを全くと言って武器に込めていない。

 

 ミホークは私から強者の覇気を感じ取った。武人である以上は強い者に挑みたくなるのは極々普通の事……私から感じ取れるものがなんなのかと試し切りをするのだがその程度ならばダイヤモンドパワーを用いれば軽々と防げる。

 

「二撃目は来ないか」

 

 軽々とミホークの斬撃を耐えたのでミホークは面白いと挑んでくるかと思ったが、そんな事は無かった。

 

 ミホークはゆっくりと船を海岸につけた。

 

「ふむ……中々の強者達だな」

 

「馬鹿者が。私からすればまだまだ卵の中に居る存在だ……海兵狩りとして名高い者がわざわざなんの用事だ?」

 

「剣士の仕事は剣を手に取り戦うこと」

 

「ほぉ……ならば戦士が戦うに相応しい戦いの場を用意するのが悪魔将軍としての務め……どうする?」

 

「それも面白いことだが止めておこう。少々噂を聞いて探し物をしている」

 

「ここにある物と言えば外の世界を冒険したい者にとって退屈な平穏だ」

 

 ミホークが探し物をしていると言われて心当たりは全くと言って無い。ここにあるものは冒険をしたい住人からすれば退屈な物ばかりだ。

 

「ふっ……俺はそれについては悪いものではないと思っている」

 

「そうか……貴様が無造作に暴れては最後に立っているのは私だけだ。上がるがいい」

 

 ミホークが本気になればシュウジ達を倒すことが容易い。私が挑んでもいいがその分の余波が洒落にならない。

 

 幸いにもミホークは略奪行為等をする為にやってきたわけではない。村長が経営をしている酒場に向かえば酒を買った。

 

「ふむ、中々だな」

 

「この酒場には良くて1万ベリーの酒だぞ?」

 

「値段が高い=美味いとは限らない……少なくともこのワインからは人の温かさという物を感じる。お前もどうだ?」

 

「私が飲むのならばこのまぼろ酒だ……酒を好む者にとっては好まれない酒だが、この酒は悪くない」

 

 ワイングラスを揺らしてワインを飲むミホーク。安酒と言えば人の温かさという物を感じれると言い私を酒の席に誘う。

 

 だが私が飲むのは基本的にはまぼろ酒だ。度数が低く派手な美味さが無い……しかし、何処か落ち着く味だろう。ミホークは物は試しだとまぼろ酒を飲んだ。

 

「悪くはない……昔のオレならば好んで飲んでいただろう」

 

「そうか」

 

「だがこの味はイカン。不味いというわけではない……外の世界を夢見る者の心を揺れ動かしてしまう味だ」

 

「だから私はこの味を好んでいる」

 

 外の世界を夢見る者の心を揺れ動かしてしまう味、それは刺激的の真逆、素朴な味のことだ。

 

 ミホークは平穏を望んでいる……が、それと同時に剣士としての性か強者との戦いも求めている。このまぼろ酒の味は剣士として強者を求める心を揺れ動かす危険な味だと直ぐに見抜くが私にとってはその味こそが好ましい。

 

「それで、わざわざこの様な辺境の地までなんの用事だ?」

 

「なに、武器探しだ」

 

「武器探しだと?貴様が持っている剣と同格の剣は早々に見つからない、仮に見つかっても偉大なる航路後半の猛者達が持っている物だ」

 

 酒を飲んで気分が少し落ち着いた。周りもミホークは無闇に暴れる蛮族な人間ではないと分かったので緊張は解いた。

 

 そしてなにをしに来たかと聞けば武器探し……ミホークが持っている剣はこの世の武器の中でも最上位に君臨する物だ。勿論同格の物はあるにはあるが大抵は誰かが所有している。

 

「……この酒は実に美味い。偉大なる航路には海賊相手に美味なる酒を用意する酒場は沢山あった。当然そこに年季が入った酒はありそれは美味い物であった。しかしこの酒とは違う美味さだった」

 

「……その違いが分かっているのか?」

 

「ああ……職人が込めた魂だろう」

 

「……」

 

「悪魔将軍とやら、武器の中には妖刀と言われる物があるのは知っているか?」

 

「持ち主に対して不幸を招く刀……しかし、それは一般的な考えであり職人の目から見れば違う物だ」

 

「……そこまで知っているか」

 

 妖刀と言われる類の刀について知っているかと聞かれれば知ってはいるが。そして一般的な考え方と本来の正しい見分も知っている。

 

 私に教養が無いとでも思っていたのかミホークは少し驚いてはいるが、知識の出所が原作知識が為に褒めても嬉しくはない。

 

「妖刀を探しているのか?」

 

「いや、更に極上の武器だ」

 

「妖刀以上の武器だと?」

 

「……物を作る時、決まって職人は魂を込めて作る物だ。料理人と言う職人が作りし料理は確かに人の味がする。ならば武器を作りし鍛冶師も武器に魂を込める。その結果、妖刀が生まれる」

 

 刀というのは斬りたい時に斬れて斬って欲しく無いときに斬れない物だが、妖刀は常に斬れ味が鋭い。

 

 刀と言う物はとにかく斬ることを前提に作られた武器である。職人達はより斬れる様にと魂を込めて作る。

 

「妖刀は時として使い手に牙を向ける」

 

「ふむ……覇気を吸い取る刀か?確かそれならばワノ国にあるとは聞いている」

 

「いや、そこから更にもう1段階踏み出した武器がある……職人が文字通り魂を込めた武器が」

 

「…………」

 

 勝手に覇気を吸い取り斬れ味に変換する光月おでんの刀、閻魔。

 

 それについてならば知ってはいるがそれ以上がある……職人が魂を込めた武器、魂を込めたと言う事は……

 

「なるほど、ベルクスと同じ類か」

 

「ベルクス?」

 

「私の記憶にある勇者の物語に出てくる武器の事だ……最高峰の職人が鍛え上げた武器には魂が宿る。ものの例えでなく1つの生物として魂を持っている。その武器は武器として優れた使い手を求めて武芸千般の勇者の肉体を求めた」

 

「ほぉ、中々に面白い話だな」

 

「最終的には勇者の本気の一撃に耐えれず武器としての役目を終えるだけだ……まさかベルクスと同じ類の武器が存在しているとは」

 

 光月おでんの閻魔が意思を持っていて勝手に覇気を吸い取る以上は、意思を持っている刀があってもなにもおかしくはない。

 

 覇気とは意思の力、覇気を経由して意思を乗っ取る。それも理論上では可能なのかもしれん。

 

「それでわざわざ東の海に来ていると言う事はその武器が東の海にあると」

 

「あくまでも噂程度だ。その武器が刀なのか槍なのか斧なのかそういう詳細については知らない。しかし使い手を選ぶならぬ求めていると言うのは確かだ」

 

「……既に充分な武器がある様だが」

 

「俺の目的はその武器と戦うことだ。武器が勝手に使い手を動かすというのであれば、それ相応の実力というものがある」

 

 黒刀・夜を持っているのだから、これ以上の武器は不要ではないのか?と疑問をぶつければ武器が欲しいのでなく武器と戦いたいと述べる。

 

 武器が使い手を選び続けて戦い続けたと言うのであればそれ相応の経験値を持っている。様々な相手と戦った剣とのバトルか……悪くはないな。

 

「しかし、ここにはそんな物は無い……東の海で懸賞金がかけられる海賊達の情報は常に確認はしているが特別な者は見当たらない」

 

 だがしかし、そんな物はここには無いのだ。

 

 武器屋は確かにあれども業物と呼べる刀は無い。その辺の極々普通のありふれた武器しか置いていない。

 

「探し方に問題がある……少なくともその武器達は優れた使い手を求めているのであろう。ならば優れた使い手が何処に居るのかを分からせればいい」

 

「地に足をつけろと?」

 

「それも1つの手段だ」

 

 何処にベルクスと同じ武器があるのか分からないのであれば向こうからやってきて貰うしかない。

 

 それならばこの島に好きに滞在をすればいい。

 

「変わった奴だなお前は」

 

「お前も変わっているだろう。平穏を望みながらも強者との戦いも求めている矛盾した強欲さを持っているのだから」

 

「それもそうか」

 

「このまま去るならば去ればいい。ここに居るのならば好きにすればいい」

 

 私はまぼろ酒の最後の一口を飲み終えれば村長に代金を支払い酒場を出た。

 

 予想通りと言うべきか自警団の者達が見ていた。何時もならば海賊に対して果敢に挑んでいる私がミホークを受け入れた事を疑問に思っているらしい。

 

「将軍、どうして何時もみたいに戦わないんだ?」

 

「奴と私が戦えばこの島はひとたまりもない……お前達の誰かが戦いたいと言うのならば、遠慮なく挑んでこい。骨は拾ってやる」

 

 デンゾウが戦わない理由を聞くので戦えばこの島が大変なことになると答える。

 

 それと同時に挑みにいきたいのならば好きに挑めばいい……ただまだミホークとの距離はあまりにも遠すぎる存在だ。

 

「貴虎よ、通報するならばすればいい……だが、奴を捕まえたければ海軍本部大将クラスを揃えなければならない」

 

「悪魔将軍……アイツは悪人なのか?」

 

「世間を騒がすと言う意味合いでは悪人だろう。だが、奴自身は平穏と強者との戦いを望む矛盾した強欲さを持っているだけの人間に過ぎない……懸賞首=今の世の中を形成するのに不都合な人間、だから懸賞首になる事も多々ある」

 

 今まで悪人ならば問答無用で殺していたがそういう素振りを特に見せない事について貴虎は疑問を抱く。

 

 ミホークは今の世の中を形成するのに不都合、邪魔な人間だからだ懸賞金がかけられた。ただそれだけだ……それでも不満があるのならば挑みにいけばいい。ミホークはそれに対してハッキリと応じてくれるのだから。

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