ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話   作:アルピ交通事務局

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終わりの冒険!の巻!

 

「ついたか」

 

「何処に行くかは聞いていなかったが……赤い土の大陸(レッドライン)の上はないだろう」

 

 貴虎を背に乗せて飛行能力を用いてやって来たのは世界を分断する壁、赤い土の大陸(レッドライン)

 赤い土の大陸の上にある街はこの世で1つ、天竜人の住処である聖地マリージョアだけだ。

 

「流石に無いと思うが、マリージョアに乗り込むと言い出さないだろうな?」

 

「違う。仮に奴等を相手にするのならば色々と準備が居る……私の目的は別にある」

 

「目的?……アテもなく飛んでいるのは薄々感じていたが、なにかあったのか?」

 

「ついてこい」

 

 いきなり飛び出して目的地を決めていないのを貴虎は気付いていた。目的地は決めていない……だが、あることを知りたい。

 それを知っている者で確実に会える場所を知っている。だから赤い土の大陸まで飛んでいった。

 

「ここは、リヴァースマウンテンか。確かにここに来るならば赤い土の大陸は歩いた方が楽だが……ここは全ての通り道だぞ」

 

 赤い土の大陸の上を歩いていけばリヴァースマウンテンに辿り着いた。

 東西南北の海の海賊達が一度は絶対に通る道。偉大なる航路に入れる道であり、貴虎はここは誰かが通るのであって誰かが居るものではないのだと述べるのだが私は知っている。ここには1人だけある人物が留まっているのを。

 

「なんだ、見ない顔だな……ここに入る前に船が大破して脱落した海賊達か?」

 

 クロッカス……リヴァースマウンテンで灯台守をやっている医者だ。

 僅かな期間なもののロジャー海賊団の一員で、最後の島にあるラフテルに辿り着き全てを知る者と言う経歴の持ち主だ。

 

 この辺りにはクロッカスしかいないので見聞色の覇気で人間が居ると探知する事が出来る場所に向かえばクロッカスは居た。

 デッキチェアに座りながら優雅に新聞を読んでおり、私達の存在に気付いたが文字通り私達しか居ないのでリヴァースマウンテンに入る時に操船をミスして船が大破した海賊の生き残りだと予測する。

 

「灯台守のクロッカスだな」

 

「そうだが……私になにか用かな?」

 

「我が名は悪魔将軍、こちらに居るのは貴虎だ。ここに来た理由は1つ……ふん!」

 

 クロッカスに声をかければクロッカスは少し警戒をする。私は1枚の紙を取り出す。

 なんてことはない何処でも手に入る紙であり、私はそこに超人パワーを注ぎ込めば画家が時間を掛けて描いたと思わせる1枚の絵が浮かび上がる。

 

「炙り出し、いや、悪魔の実の能力か?」

 

「そんなところだ……クロッカスよ、コレに関する情報は知っているか?」

 

 超常現象を起こしたが私の見た目の事から考えて悪魔の実の能力と直ぐに見抜く。

 その辺りを根掘り葉掘りしていれば日が暮れるので単刀直入に聞いた。紙に浮かんでいるとある物について。クロッカスは貸してくれと言うので貸せばじっくりと見た。

 

「……コレがなんなのかは全くと言って知らないが、何処にあるのかについては知っている。ただお前が出した見た目と少し異なっている」

 

「こうか?」

 

 クロッカスが微妙に異なると言うのでおそらくはと思い絵を少し変えればこれだとクロッカスは納得した。

 

「ああ、そうだ。最初であり最後の1つだけが無かった……資産的価値も無ければ学術的価値も分からず、1つだけが無かったから財宝が眠っている隠し扉を開く為の鍵かと思ったが本体そのものが取り外し可能でな」

 

 心当たりがないかと聞けばクロッカスは心当たりはあるにはあるが、そもそもでなんなのかを理解していない。

 学術的価値も金や宝石の様な誰にでも分かる財宝でもない。なにか意味があるものだろうが、それについて全くと言って理解してない。なんなのかはわからないが何処にあるのは知っていると言ったところか。

 

「それは何処にある?」

 

「答えてもいいが……そもそもでコレはなんなんだ?コレを知っていると言う事は、コレがなんなのかを知っているんだろ?」

 

「………見ての通りだが私は悪魔の実の能力者だ」

 

 なんなのか分からないのでなんなのかを聞きたい、それを聞いた上で答えるつもりだと分かれば先ずは私が悪魔の実の能力者である事を説明すればクロッカスは少し警戒心を強める。

 

「待ってくれ。将軍はそういうことはしない」

 

 悪魔の実の能力者である事を交渉のカードに使い、暴力沙汰を起こすのでは?と警戒しているのだと貴虎が見抜いて間に入る。

 シャンクス達の様なものからドフラミンゴの様なものまで色々と見てきているのだから素直に納得をすることは出来ないが、話をするつもりなのは分かったと耳は傾ける。

 

「私の食べた悪魔の実が少々特殊な悪魔の実で……理論上は不死身であり不老不死だ」

 

「不死身であり不老不死か……医者の身からすれば、怪我も病知らずは嬉しいが良い存在ではないな」

 

「将軍、理論上はとはどういう事だ?」

 

「私には幾つかの弱点がある。悪魔の実の能力者全ての弱点である海楼石と海に沈める事と覇気を除いて……それは単純に私が食した悪魔の実との能力の相性が悪い悪魔の実やそれと同じ事が出来る者。私が食べたのは動物(ゾオン)系の悪魔の実。圧倒的な身体能力を手に入れる身であると同時にその生物の弱点も引き継いでいる」

 

「見たところ……コレだ!とハッキリ言えない変わったタイプのようだが」

 

「私の弱点の悪魔の実は自然(ロギア)系のガスガスの実、メタンガスと相性が悪い。次に超人系(パラミシア)のゴルゴルの実、純金の頭部と相性が悪い。そして正式名称は知らないが、ピカピカの実とは異なるあらゆる光を放つ事が出来る悪魔の実でクロッカスや貴虎には当たってもなにも無い、超人である私にのみ当たるだけで骨まで溶かすカピラリア光線が弱点だ……そして能力者ではないが海賊王ゴールド・ロジャー、海賊王の右腕の冥王シルバーズ・レイリー、海賊王の左腕である山喰らいのスコッパー・ギャバンの様な純粋な戦闘能力が高い者と戦えば負ける」

 

「…………それは、悪魔の実の能力者云々以前に普通ではないのか?」

 

 悪魔の実の能力には相性があり、相性が悪いと能力を重視して鍛え上げている場合、それで詰んでしまう。それは悪魔の実ではよくある話で能力者ではないが物凄く強い人間と戦えば死ぬと言うのも探せば割とある話だ。

 今の段階では悪魔の実の能力者にとって普通の話ではある……だが、こんな話をすると言う事はなにかがあると逆説的になにかあると考えられる。クロッカスは冷静にツッコミながらも続きがあるのだと耳を傾けるので私の話を続ける。

 

「能力者の情報が無いが悪魔の実図鑑に載っていたから存在しているだろうが、ヨミヨミの実と言う悪魔の実がある」

 

「ヨミヨミの実の能力者ならばその昔にここを通ったぞ……死んでからじゃないと発動出来ない故にその時はただのカナヅチだった」

 

「ならば、ソルソルの実は知っているか?」

 

「知っているもなにも、ビッグマムの食べた悪魔の実だろう……将軍、お前が食べたのはゴールドマンという人間になる悪魔の実の筈だ。悪魔の実は1つの能力につき1個しか実らず、1人1個しか食べられず人工的に作れるか作れないかの研究を必死にしているが、そっくりそのまま同じ物を作れたという一例は無い」

 

 私が食べたのはゴールドマンになれる実で、他の悪魔の実の話をされてもとなる2人。

 しかしコレについてはちゃんと説明をしておかなければならないので適当な説明は出来ない。

 

「ヨミヨミの実やソルソルの実、この2つの悪魔の実は魂に干渉する悪魔の実であり私が食べた悪魔の実も魂だけにもなれる」

 

「魂だけにも?」

 

「恐ろしく強い者や先程上げた実の能力者達と仮に敗れて肉体を細胞1つ残さず滅ぼしたとしても私は魂だけとなって意識を保つ事が可能だ。そして膨大なエネルギーさえあれば肉体を蘇らせる事が可能であり理論上は死ぬことは無い」

 

「万能クラゲの様なシステムでの不老不死でなく文字通りの不死身と?」

 

「ああ……クラゲは細胞が全て死滅すればおしまいだが、私は細胞が一欠片も残さず消滅しようとも魂が生きており、魂に干渉する悪魔の実の力を使っても封印等は出来ても殺すことは出来ない。それどころか莫大なエネルギーを更に注ぎ込めば全盛期以上の肉体で完全復活も可能だ」

 

「むぅ……それは食べた時点で絶対の存在になれる悪魔の実ではないか?」

 

「動物系故に本人が運動能力に依存せずに鍛えなければならないのと悪魔の実そのものを無効にする悪魔の実ならばゴールドマンの状態を解除出来る……文字通り、私が完全消滅をするにはコレが必要だ」

 

「なんの為に求める?死にたくないからか?」

 

「いや、逆だ。死ぬためにだ」

 

 私がクロッカスなら知っている可能性があると見せたもの、それは完璧超人始祖(パーフェクトオリジン)の始祖のダンベルを嵌め込む祭壇。超人の身となり、不老にもなっている。ゴールドマン故に首から下が無くなってもハッキリと意識が残ることは確かで劇場版で設定もフワッとしていた時期だがニューヨークの大都会パワー等を用いれば例え肉体が完全に滅び魂だけの存在となっていたとしても蘇る事が出来る。大都会パワーは超人だけでなく人間から発するパワーも含まれているので場合によってはレイリーの様な腕自慢の存在を何人か集めて、それこそキン肉マンと戦った悪魔六騎士のいいところのみを手に入れた悪魔将軍形式で復活出来る。

 

 死ぬことを伝えればクロッカスはいい顔をしない。貴虎もいい顔をしない。

 自らが死ぬ方法を知っている。その手段を欲しいから何処に眠っているのかについて聞けば誰だっていい顔はしないだろう。

 

「私はとっくの昔に100歳を過ぎているジジイだ。私より歳上で悪魔の実に頼っていない人間と言えば、ドラム王国のドクターくれはぐらいだろう……私はロジャーよりも更に古い旧時代の遺物だ。仮に世界を見届ける役目を担うにしても最期を迎える方法は手に入れたい」

 

「はぁ……医者の前で死にたいとはとんでもない事を……だが、死なない生物は生物じゃない。本来ならば自殺する道具を教える気になれんが喋らせた以上は教えよう。お前の求めてるものかどうかあっているかは知らないが、それはラフテルにある」

 

「なっ!?」

 

「…………そうか」

 

 天のダンベルを嵌め込む始祖の祭壇、世界の何処かにあるかそもそもで存在しないのどちらかだが存在している場合はそれ相応の場所に、海賊王となる要因である最後の島、ラフテルに置いてある事も予想していなかったわけじゃない。

 私を送り込んだ者が何がなんでも物語に関わらせる為に私へのゴールとしてラフテルに始祖の祭壇がある……

 

「ラフテルに行く理由が出来てしまったか……」

 

ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れ海賊王に!と言う考えを持って来たんじゃないのか……珍しいな」

 

「私が手に入れても意味は無い……ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)がなんなのかは知らないが、手に入れたロジャーですらなにも出来なかった。ならば、ここを通るそこらの海賊が仮に手にしても大して意味が無い代物だと読んでいる。故に余程の事がなければラフテルに行くつもりはなかったが……」

 

 ひとつなぎの大秘宝がなんなのかについては知らないし、当時のロジャーは病に侵されていた。

 だから仮にラフテルで見たなにかから更に新しいなにかを探して冒険を!と言う行動が不可能だった……ロジャーが病で無ければ今もバリバリと活躍をしているだろう。

 

「まぁ、とにかくラフテルにそれがあるのだけは確かだ……ここを通る者達は皆、ラフテルを目指す。お前達にラフテルに向かう理由が無くてラフテルに向かう理由が出来たのならばこのリヴァースマウンテンの双子岬の灯台守をしている身として言えることは1つ。しっかりと備えろだ」

 

「備える、か……確かにそうだな、私達は駆け出しどころの騒ぎではない。将軍が聞きたいことがあるからここに来ただけでなにも揃っていない」

 

 ラフテルに行く理由が出来たのだからラフテルに向かうつもりならば最低限の備えをしてから来いと言われる。

 ここにはクロッカスに出会う為にやって来ただけで自らの船を持って偉大なる航路を入る為にやって来たわけではないので貴虎も納得が出来ている。私には飛行能力があるだろうが、不可思議な波やありえない気候の偉大なる航路の突破はどう足掻いても不可能とは読んでいる。

 

「忠告と情報の提供に感謝をする……聞きたいことは聞けたのでな、これ以上はここに居る理由は無い……貴虎」

 

「ああ」

 

 貴虎を再び背中に乗せれば私は飛んだ。

 リヴァースマウンテンを後にして再びやって来たのはリヴァースマウンテンより数キロ離れた赤い土の大陸の上で、貴虎と一緒に座って今後の方針を決めていく。

 

「私の当面の目的は諸国漫遊だ、ラフテルについては行きたいが今すぐにと言うわけではない……流石のロジャーも偉大なる航路にある全ての島を巡ったわけではない。東西南北の海で備えた後に色々な所に行きたい」

 

「将軍の力があればリヴァースマウンテンを経由して東西南北の海に行き来は軽々と出来るだろうが……東西南北の海は未開の地と言うわけでなく偉大なる航路の非常識な気候ともまた違う。正しい航海術があれば大体はなんとかなる……と言いたいが航海術に関しては本当に難易度が高い」

 

「……ミホークの奴は1人でこなしていたがな」

 

「アレは例外と言うものだ……船を何処かで調達するにしても偉大なる航路を含めた航海術を知っている航海士、限られた食材で最高の料理を作り上げるコック、船を正しく操縦する操舵手、海での戦いとなるので相手を撃ち落とす狙撃手……この4つの役職を任せても問題は無い仲間を集める。私達の一番の利点は現段階で将軍が空を飛べて将軍の力を利用すれば東西南北の海をリヴァースマウンテンを経由すれば自由に行き来出来ることだ」

 

 大抵の海賊は1つの海で仲間を集めるが、私達は東西南北の海に行くことが可能だと言う圧倒的なアドバンテージを持っている。

 それを生かさない手は無いと貴虎は言いたいのだろう……それ自体は間違いではなく納得が出来て飲み込む事自体は出来る。

 

「先ずは航海術を学んだ航海士だが、コレが一番の難問だな」

 

 航海術を学んだ航海士、それを探すのが最も難問である。

 偉大なる航路は東西南北の海の常識が通じない。航海術を学んだとしても意味が無い、と言うよりはより高度な物を求められると言う認識が正しいだろう。分かりやすく言えば車の運転免許を手に入れたが、あくまでも手に入れただけで実戦で乗りこなせるかどうかは話は別、そんなところだ。

 

 新世界には原因は不明だが落雷が落ちまくる島が存在している。

 なにかの形でその島に辿り着いた場合、問答無用でその島に上陸しなければならない……でなければ、次の島に進む事が出来ない。この世界の住人は光の速度で動く事が出来る人間に対して先読み等で回避や攻撃を出来ているので光より遅い雷ならば避けれるか耐えるかのどちらかだろうが……いかんな、論点がズレた。

 

「料理人や操舵手は見つけやすいが、航海士だけはな……将軍、なにかの伝手はないのか?」

 

「生憎だが私はずっとあの島に居た。海賊稼業をしているのならば嫌でも耳にする大物達へのコネは無い……だが、幾つか考えを絞る事は出来る」

 

「絞る?」

 

「先ほどのリヴァースマウンテンは東西南北全ての海から海賊達が入る入口だ……海賊達はそこに辿り着くまでに船は当然のこと航海士やコック等の全ての海賊団に必要なスターターセットの様なものは揃えている」

 

「コックと航海士が居ないならば確実に詰むからな……リヴァースマウンテンに戻り海賊達から色々と奪うのか?」

 

「偉大なる航路は国として成立していないが街としては成立している土地もある。それらは海賊を畏怖すると同時に金を落としてくれる客として認識している」

 

「ならば、東西南北の海にも国としては成立していないが海賊相手に商売をする事で成り立っている街は存在していてそこで揃えるか……悪くない考えだが、それで揃うのは船や銃弾などの装備品であり船員ではない。何処の国でも何時の時代も常に言われ続ける事だがこの世で最も金と手間がかかるものは人間だ。特に確立された筈の教育システムがあったとしても、それで成長しない例外が常にあり続けている」

 

 東西南北の海にある海賊達が居ることで成立する街に航路を向ける事を考えるが、貴虎はそこで物資は揃うが人は揃わないと考えている。目ぼしい人材が見つかる可能性だけで言えば他の海賊を嫌っていたり海賊にとってなんの価値もない普通の村よりは圧倒的に高いが、高いだけだ。

 

「それにだ、そこに居るのは将軍。お前に従わない人間の可能性も高い……お前の目的は2つ、各地を巡り満喫する事とラフテルに存在している自分が死ぬ為に必要な祭壇を手に入れること。海賊達が求めている冒険は出来てもひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を始めとする海賊達の宝や海賊王の称号に固執する者達にとって乗っていても大して得する要素が無い。お前は圧倒的な力を持っていて、それを見せつけても近付いてくるのはカイドウの様な圧倒的な強さを持っている海賊旗の下で威張る、本人は大して強くない向上心も無い虎の威を借る狐の様な者達で、それらと関わり合うのはごめんだ」

 

 そこで見つかる船員達は向上心も無ければ目当ては異なったりする。

 虎の威を借る狐の様な者達は貴虎は関わり合いを持ちたくないとハッキリと述べた後に考える。

 

「人間が法律等でなく魅力や暴力等の能力だけで制御出来るのは精々100人だ。それ以上は力の優劣や思想の違い等からどれだけ優れた頂点が居ても複数の派閥や勢力が生まれてしまう……私達の旅の航路を選ぶ権利は船長である悪魔将軍にある。結果的にプラスに繋がるかもしれないが悪魔将軍の顔を立てられない自由と勝手な行為を勘違いする者達をあまり使いたくはない」

 

「まだまだ青いな……いや、違うか。だからこそお前が相応しいか」

 

 結果的には私にプラスの利益になった行動をしたとはいえ、あまり良くない手を使う事に異議を唱える。

 世の中には正攻法で突破することが出来ない事が幾つも存在していて、特定の方法でなければ突破することが出来ない……自分が知らないだけで説明を聞けば歩むことはしないが納得も理解も出来る道は確かにある。1つの群れを率いている長ならばその道を歩むことや存在は認めなければならない……が、その逆、誰かが頭を固くして自分達が決めた方針を忠実に守る必要もある。組織とはそういうものだ。

 

「あの時、自警団は将軍に着いていきたいと思っていた。ならば、お前に着いていきたいと思える様な者達を仲間にする。力による解決は得意だろうが、力による支配は好みではないだろう?」

 

「愚か者が、私が好みでないのは暴力に依存した完全な支配や教育なだけだ」

 

 力を用いての教育や支配はなにも間違いではない。ただし、使う力を1つでも誤れば全てが終わってしまう。

 特に暴力と言う力は自身が持っている暴力よりも更に強い暴力に負けた時点で価値を失ってしまう。教育に用いる上では最も慎重にならなければならない類の力だろう。

 

「仲間集めに関しては口論していても仕方がない……先ずは西の海(ウエストブルー)南の海(サウスブルー)北の海(ノースブルー)の何処に行くのかを……!」

 

「どうした?」

 

「見聞色の覇気を研ぎ澄ませろ」

 

 東の海以外の海のどの海に行くのかを決めるかを考えていれば私の見聞色の覇気に引っかかった。

 貴虎はまだ開花のレベルであり意識を集中させなければのレベルではあるが一応は使えるので見聞色の覇気を使う様に言えば貴虎は目を閉じて呼吸を整え見聞色の覇気を使う。

 

「近くに人が居るな……それなりの数だ。だが、ここから少し歩けばリヴァースマウンテンに辿り着く」

 

「もっと意識を集中させろ……そいつらは何処にいる?」

 

 見聞色の覇気で人の気配を感じ取ったが、ここから少し歩けばリヴァースマウンテンに辿り着く。

 偶然にも偉大なる航路に入る為にリヴァースマウンテンにやって来た海賊達に遭遇したのではないのかと貴虎は推測するが覇気の練度が甘い。

 

「……っ!?……なんだ……人が浮いている!?」

 

「感じ取ったか……貴虎よ、私の背に乗れ」

 

 見聞色の覇気をもっと研ぎ澄ませる様に言えば、貴虎は意識を深くし人の気配をより強く感じた。

 そこで気付く。私達が居るのはリヴァースマウンテン近くの赤い土の大陸の上で、貴虎が推測した海賊達はどう足掻いても下の方向に居る。しかし私達が人の気配を感じ取ったのだが……その位置がこの赤い土の大陸より少し上空だった。

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