ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話 作:アルピ交通事務局
「ハハハ……まさか竜巻を無理矢理起こして乗り切るとは。伊達に最初の金額が5000万ではないですね」
竜巻地獄によりウェザリアを強制的に移動させて数日が経過した。
私が無理矢理竜巻を起こしたのでウェザリアは安定した気流に乗るのに必死で、やっと安定した気流に乗ることが出来た。
「なに、それほどでもない。出来る奴は出来る」
「ウェザリアの科学技術なら竜巻を起こせますが物理的には難しいですよ……それでこれからどうするおつもりで?」
「ハレダス達から聞いた話だと今、
ウェザリアに吹き荒れた急激な竜巻に驚いたもののスンナリとケンは受け入れていた。
これからなにをするのかを聞いてくるので、今向かっている西の海の何処かの島で下ろしてもらう。既にその事は貴虎に伝えている。
「そうですか……ケホッ……」
「1つ聞きたいことと1つ頼みたいことがある」
「自分はこのウェザリアを出ませんよ」
「いや、そうではない。お前が聞いた音色は美しかったか?」
2つの事を話すとなれば先に自分は出るつもりがないことをケンは述べる。
どれだけ言ってもなにがあろうともケンはウェザリアを出るつもりはないのは承知だ……だから聞きたいことがあるとケンが聞こえる音色は美しかったかどうかを聞いた。
「私は圧倒的な戦闘力を手に入れた、そしてその力を用いて自警団に力を授けた。私が悪魔将軍になる前、まだ貧しく弱い自分だった頃に家族と過ごしていた……それ以外はただひたすらに強くなることに没頭していた。過去の栄光に縋り付くつもりはない、幸福な夢を見ているのならば眠ったままでいいと言わない……私もお前が聞いた声とは異なるが類似した声は聞こえる」
「……同じものではありませんがそれはとても美しい音色なのですね。その質問の答えですが、私にとって最も心地良い音色で他の人にも聞いてほしいと思っている、ですね」
「……そうか」
「それで、もう自分への頼み事とは?」
「私達はこれから各地を転々とする。最後のゴール地点はラフテルで賞金首の海賊である以上はそれ相応の騒動を起こす……貴様が聞こえたのは外の世界の声の一部で貴様は独特の感性を持っている。故に1つ、詩を書いてくれ」
「詩、ですか?」
「私が仮にラフテルに行くことがあるのならばする事は2つ、1つ目は海賊王達がなにを見たのかを知るぐらいだがコレは些細な事だ。もう1つの目的を果たしたのであれば私は終わる。私自身に辞世の覚悟はあれども辞世の句を詠むという能力は皆無だ……このウェザリアから聞こえる私達の声から詩を作ってほしい」
「それはまた大層な願い……いいですよ。貴方が貴方の冒険を終わらせる時が来たのであれば、自分が貴方の冒険を詩にしましょう」
自分の冒険の終止符を飾るに相応しい詩がなんなのか分からない。これからどの様な道を歩むのかもだ。
だが、歩んだという事は道があり他の誰かがそれを見てインスピレーションを受ける。私の冒険を終わった証である詩をケンに頼めばケンは迷う素振りなく引き受けた。
「ならば、代金を先に支払っておく」
「貴方達が手に入れた500万ベリーは受け取れません、それは貴方達の最初の一歩の資金です」
「その様な物は渡さん……フェイスフラッシュ!」
ケンが詩を書くことを承諾し詩の代金を払う。
フェイスフラッシュ、悪魔将軍の兜に隠れている純金の頭部から放たれる眩い光を当てればケンは胸を押さえた。
「コレは……肺の淀みが」
「私の旅が何時終わるかは不明だ。未完のまま詩を止めることは許せん」
フェイスフラッシュが巻き起こす奇跡としてケンに宿っていた病を消し去った。
仮にケンが病を完治したとしてもこのウェザリアから離れることは無い。コレを恩義として着せてケンを無理にでも動くことは私の性に合わない。
「センセイ、失礼します」
フェイスフラッシュで病を治した後に孔明がケンの家にやって来た。
ケンは何事もなかったかの様に茶を入れた……孔明は茶を一口飲んだ。なにかを言わず、ゆっくりと一口含み味を噛みしめる。
「美味しいですね……センセイ」
「はい、なんですか?」
「貴方が聞いた美しい音色はきっと貴方にしか聞くことが出来ない物です……私にそれを知って欲しいと思っていてもそれは不可能な事。センセイがセンセイの経験を踏まえた上ではじめて聞こえてきた声が心に響く音色となっていたのでしょう」
「ええ、その通りです……でも、それでも素晴らしいと人に伝えたいのが私が選んだ道ですよ。私が聞いた音色を汚物と見る人はきっと居るでしょうが、それがどうしたです」
孔明はケンがウェザリアの子供達に伝えたかった自分に聞こえる美しい音色について指摘する。
酸いも甘いも噛み分けてきたケンだからこそ感じ取る事が出来たものであることをケンは否定はしない。
「貴女にも、美しい音色に気付いてほしい……」
「ええ。私はセンセイの言っていた音色がなんなのか知る為に、そして感じる為にこのウェザリアから出ていき……悪魔超人軍の門を叩きます。悪魔将軍、鬼出しの釜を」
「ふん!」
美しい音色がなんなのか分からないから知る、感じると孔明は悪魔超人軍の門を叩く事を決めた。
鬼出しの釜を用意してくれと頼まれるので鬼出しの釜を出現させれば孔明は鬼出しの釜に近付く。
「悪魔将軍、私は貴方を船長と認め貴方の冒険を支えましょう……しかし、勘違いをなさってはいけません。私は貴方の人柄に惚れたのではない、貴方いえ、コレから増える悪魔超人軍や躍動する世界から聞こえる音色を聴きたいが為にです」
「安心しろ、貴様を早々に退屈にはさせん」
「そうですか。では」
孔明は鬼出しの釜に手を入れた。
鬼出しの釜の条件を満たしていない人間であれば火傷を負うが孔明の手の色は全くと言って変化はしていない。悪魔超人軍に入る為の資格を満たしている証だった。
「お〜い、新聞にお前さんの手配書付属されとるぞ!」
ウェザリアは風に身を任せて動く。
孔明の加入を貴虎は特に拒むことはなく、数日が経過すればハレダスが新聞を持ってきた。貴虎に向かって叫んでおり、手配書が付属されている事を伝えれば私達は見る。
果物戦士 貴虎
DEAD OR ALIVE
賞金 5,000,000ベリー
「おや、顔を隠していますね」
貴虎の手配書は前まではALIVEONLY、つまりは生け捕りにすることのみが条件だった。だがハッキリと決別をするのだと斬月となってイドゥンを襲撃しマンゴーロックシードを奪った。
今まで海兵だった男がDEAD OR ALIVEに切替われば海軍の体裁も悪いものだろうと手配書の写真に写っているのは貴虎ではなく斬月だった。コレは好都合と言えば好都合である。
「まぁ、海兵が裏切ったは世間体に悪いからな……孔明、お前も何れは私と同じ様になる」
「それはそれは、楽しみですね」
「……お前、はっちゃけていないか?」
改めて懸賞金をつけられた事について貴虎は世間体を考え、何れは孔明も同じ道を歩むと言えば孔明は嬉しそうにしている。
悪魔超人軍に入ることについて散々否定的、と言うよりは興味らしい興味を特に抱いていなかったのだが悪魔超人軍に入った途端に頭のスイッチが切り替わったのか?貴虎は思わずはっちゃけている事を聞けば孔明はフフフと笑みを浮かべた。
「センセイの考えは間違っていませんでしたね……」
ケンが今まで育てた生徒で最も優秀で最も外の世界を見てほしいと願った孔明。
孔明はケンこそがとなっていたが、孔明も孔明で外の世界を非常に楽しみにしており……ケンが言っていた声が微弱だが聞こえている。才覚はあるだろうが、見聞色の覇気に目覚めかけている、それもケンと同じく意思の声を聞くことが出来る何れは高度なレベルとなる見聞色の覇気に。
「もうすぐ西の海の島に辿り着く。いきなり赤い土の大陸の上からやって来た時は天竜人かと思って驚いたが、中々に面白かったぞ」
そこから少し時間が経過すれば西の海の島に辿り着くことをハレダスに聞かされる。
そこで私達は下りる予定で、ハレダス達もそれを知っている。約3ヶ月程だったがウェザリアで得た経験は中々の物でハレダス達も今まで会ったことが無いタイプの人間だったのか私達との交流は楽しかったことを告げる。
「と言うことで悪魔将軍、コレを背負ってください」
孔明は荷物を纏めた。海に出ると決めた際にウソップが持っていたリュックよりは小さいがそれでもかなりの大きさだ。
「多いな」
「貴方達がなにも持っていないだけですよ。これには衣類だけでなくウェザリアで学んだ様々な学問の書物が入っているのです、貴方達の冒険を支える為の力になるでしょう」
「孔明よ」
「はい」
「私は何れは学者も仲間にするつもりだ。お前自身が教養の大切さを知っていて博識なのも分かっているが、お前に求めているのは学者でなく航海士としての力だ」
「ええ、分かっております。ですが、この書物の写しは何時か出会う学者の力となるでしょう」
航海士だけでなく学者としての側面を持っている孔明に念の為だと言っておく。
私が孔明に求めているのは学者として知識を披露して偉大なる航路独自の文明や文化を教えることや伝えることではない。気象を読んで次の島に辿り着く為の航路を取る航海士としての力を求めている。学者については何処か別の形で仲間にしたい。
孔明は何れ仲間になる学者に力となる為に色々な書物の写しがあると言った……自分自身の役割が分かっているのであればそれ以上はなにも言わない。
「孔明……よかった、間に合って」
「センセイ、なにか御用ですか?」
そろそろ青海に下りるかと思っているとケンが慌てながら私達のもとにやって来た。
用事があるのは孔明で、なにをしに来たのかと聞けばケンはおそらくはバイオリンが入っているであろうケースを見せて中を開けばバイオリンが入っていた。
「ウェザリアの卒業生として旅立つ貴女に詩を贈ろうと思いましてね……なんとか間に合ってよかったです」
「センセイ、そんな……」
「私は先生ですよ。生徒を送り出すのはキッチリとしたいのです……では、一曲」
白い光の中に 山並みは萌えて
はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い空に 心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して
懐かしい友の声 ふとよみがえる
意味もないいさかいに 泣いたあの時
心通った嬉しさに 抱き合った日よ
みんな過ぎたけれど 思い出強くだいて
勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して
今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に
今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に
「……」
また随分と……聞くのははじめてなのに何処か懐かしいと思わせるような曲を弾いて歌った。
ケンは孔明がこのウェザリアから卒業して旅立つのに相応しい歌を送れば孔明は涙を流す……苦しいから、悲しいから、そんな苦痛による感情から生まれる涙ではなく、心の底から喜んで自分を送り出してくれるケンにただひたすらに感謝した。
「雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ、下ろし立てのシーツの様に真っ白で皺もなにもない所から貴女の思うがままに思うが様に生き抜いてください。私は先生として新たなる一歩を踏み出す貴女の幸せを願っています」
孔明は涙を流すがケンは一粒の涙も流さない。
孔明はこの時に感じていた。知識でも知恵でも孔明とケンでは孔明の方が上だ……それでも孔明はケンに敵うことがないと。
「……将軍」
「なんだ?」
「俺は今まで強さに憧れ、それに届く様にと鍛錬を続けていた。その甲斐があってか力を手に入れたが……ケンが持っている力とは異なる。俺自身はまだまだ未熟者と言えるが……ケンは本当に強いな。将軍、お前と同じぐらいに」
「ふん……奴の心は私よりも遥かに上だ……だから私は孔明かケンを選ぶ時が来ればケンを選んでいた」
今まで暴力と言う力を鍛えてきた貴虎はケンが持っている力に気付いた。
暴力とはまた違う力であり、その力を持っていて思う存分に振る舞っているケンを見て1つの強さに至っている事を理解し感じ取った。
ざっくりとしたここまでのキャラ紹介
悪魔将軍(ゴール・D・ミュース)
転生なのか憑依なのかは不明だが、ONE PIECEの世界に類似している世界に居ると確信している転生者
ゴール・D・ロジャーの叔父であり、ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食して100年の鍛錬を積んでいる。
ヒトヒトの実の能力は覚醒の領域に入っており、僅かながら悪魔将軍側の人格に引っ張られているがそれでも何とかしている状態。
ラフテルで始祖のダンベルを納める事を冒険の最後と決めた。
貴虎
悪魔将軍が見ている物を見たいと懇願してついてきた海兵。
悪魔将軍が礼儀作法等も学ぼうとしているが時折、素が出ている。一応は覇気の基礎には入りかけている
クロッカス
元ロジャー海賊団船医
ラフテルに置いてあった始祖の祭壇について悪魔将軍に教えるが始祖の祭壇が何なのかは知らない
イーハトーブ・ケン
容姿 月光条例のセンセイ
ウェザリアの創始者の1人の息子
弟と妹が居て幼い頃に妹が死んで妹の為にと学んだ学問が妹の役に立たず絶望に陥ったが、最後まで笑っていた妹の声と妹の死の絶望から意思の声を聞き取る見聞色の覇気に開花しており声を子供たちにも伝えたいとウェザリアで先生をしておりウェザリアの子供達からはセンセイと慕われているがウェザリアの学者達からは天候科学以外を教えようとしているので呆れられている。
妹同様にウェザリアとの間にある気圧差が原因で肺を病んでいたが悪魔将軍のフェイスフラッシュにより完治、しかしそれを理由に悪魔超人軍には入るつもりはなく、悪魔将軍に頼まれた悪魔将軍の終わりの時の詩を依頼されて書き切る事を決める
孔明
容姿 イナズマイレブンGO2クロノ・ストーンの諸葛孔明を少し若くした感じ
ケンから天候科学以外の学問を教わった生徒の1人。
天候科学以外の様々な分野の学問を理解しておりケンが今まで育てた生徒の中で最も優秀な才女で、外の世界に興味を抱いている。
ケンが聞いたという不思議な声を感じ取る為に悪魔超人軍の航海士に、悪魔将軍に忠誠は誓ってはいないが悪魔将軍の旅の力となる覚悟は決めている。戦闘スタイルはウェザリアの天候科学を用いた物であり風や雷、炎を操り見聞色の覇気に目覚めかけている。
カトリーヌ
貴虎より少し後に作られた戦極ドライバーを使いこなした海兵。
貴虎のことを拐われた海兵だと勘違いしており、ナイトールに化けていた悪魔将軍を見抜いて戦極ドライバーを用いて仮面ライダーイドゥン マンゴーアームズに変身したが斬月の不意打ちに気付けず敗北。その後、マンゴーロックシードも奪われる。
今後定期的に登場予定(多分)