ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話 作:アルピ交通事務局
「よっと……私達が使うには色々と多すぎるな」
前の船の持ち主が集めた物資をしかるべき所に置いた。
食料は冷蔵庫、武器や火薬等は武器保管庫……他にも色々とあるが、海賊達に必要なスターターセットの様な物は一応は揃っている。ただ既に自分の武器、戦い方を確立している貴虎には食料以外の物は不要に近く、色々と多すぎて宝の持ち腐れと言うのを実感している。
「悪魔将軍、これからの進路はどうなさいますか……流石に偉大なる航路に入るわけにはいきません」
「それについては……先ずはこの辺りについて知っているであろう者に色々と聞かねばな」
船出をしてこれからの航路について孔明が聞いてくる。
答えようと思ったのだが、先に処理しておかなければならない事を処理しておく。なにを言っているのか?と孔明と貴虎は疑問を抱いていると私は1つの樽に向かって目から光線を発射する
「ショーグン・アイ!」
ショーグン・アイが当たった樽は壊れる事などは無いが中身が見える。
中には1人の女が隠れており、やはりかと思っていれば孔明と貴虎は何時でも戦えるように臨戦態勢に入ろうとするが私は手で制止した後に樽を手刀で割った。
「っ!」
「……何処かで見た顔ですね」
「賞金首か?」
手刀で割れば中に入っている女が警戒心を剥き出しにしながらこちらを睨む。
孔明が何処かで見た顔で思い出そうとする。今まで外の世界に干渉していなかった孔明が知っている事とここが海賊船である事を考慮すれば賞金首なのかと貴虎は推察した。
「貴虎、奪った食料からジュースがあった筈だ、取ってこい。孔明、お前はジュースに合う適当な菓子を用意しろ」
何者なのかを見て理解した私は2人に命令をする。
私が殴り合いでなく話し合いをするのだと分かったので2人はスンナリと言うことを聞いて、貴虎は奪った食料からジュースを。孔明はジュースに合う適当な菓子を用意した。
「お前、ナッツって」
「仕方がありません、急な物ですから急拵えです……私は料理は出来ますがコックではないのですよ。第一、そういう貴方も野菜ジュースではありませんか」
孔明が用意したお菓子はバターと塩で軽く炒められたナッツ類で貴虎が用意したジュースは野菜ジュースだった。
お互いにチョイスがおかしいとツッコミながらも持ってきたので2つのコップにジュースを注ぎ、1つは私に1つは女に、間にナッツ類が載っている皿を置いた。
「……なんの真似?」
「ふん、安心しろ。いきなりの攻撃はしない。話し合いの場を設けただけだ……それともここから三連戦をするか?私はどちらでも構わんぞ」
本来乗っていた海賊達の船長を殺して船を奪い取ったという事もあり女は過敏に警戒する。
そうなって当然の事はしている自覚はあるが、一応は話し合いの場は設ける……私達の強さを理解しているのか、女は、いや、ニコ・ロビンは下手に戦闘になる様な行為をせずに話し合いに応じると言う意味合いを込めて野菜ジュースを飲んだ。それが出来たのならばとこちらも野菜ジュースを飲んだ。
「貴様はニコ・ロビンだな」
「……知っているのね」
「色々とな」
自己紹介をしていないのにあっさりと名前を言い当てられても特に驚かないニコ・ロビン。
自分のことを知っていると述べれば色々と答える。
「そういう貴方は悪魔将軍ね……東の海が拠点の筈なのに何故か正反対のここに居るって」
「別に難しい話ではない、東西南北の海の移動はリヴァースマウンテンを経由すれば幾らでも可能だ……有名な海賊達も偉大なる航路を入ってから東西南北の海に戻ることは多々あることだ」
東の海で賞金首になった男が西の海にいる。なんともまぁ、奇妙な話なのだがよくある話だ。
確かにとニコ・ロビンは納得をした。
「それで、私をどうするの?」
「私もお前も海軍どころか世界に目をつけられている存在だ、早々に売り込む事はしない……賊の言うことなど信頼も信用も出来ないのだろう。だが、こうして話し合いの場を成立しているのもまた事実。ロビンよ、お前が仮に海賊船に乗って冒険をするのであればなんの役職に就く?」
警戒心を解除しろと言う事は言わない。
ロビンの名前を出せば貴虎と孔明は先ほど奪った賞金首の海賊の手配書を確認し、ロビンの手配書があった。私が5000万なのに対してロビンは7800万ベリー、この見た目からはとても考えられないであろう額であった。
「……学者」
「この広い海には未開の地や人間が生存競争に負けた島も幾つもある。海賊として馬鹿騒ぎしロマンや自由と叫ぶ者達と異なり無数の知識と高い推理力や考察力、そして冷静さを保ち仲間達に正しい知識を用いてその島で生き抜く術を教える。それが学者の役割だ」
「!」
「明日食う飯や温かい寝床等に困りたくないのであれば悪魔超人軍の船に乗せてやる。だが、学者として最も当たり前なこと、隠されている謎や気になる疑問に対する答え、知的好奇心を刺激する学問に出会える可能性は低い」
「貴方は……何者なの?」
「さて、私自身も分からん……このまま船に乗るか?それとも何処かで降りるか?……少なくとも、今のお前では悪魔超人の資格は無いだろうが、お前が知恵と覚悟がある者であるのもまた事実だ。駆け出しの私達の冒険のフォローをしてくれるのならばそれ以上はなにも言わん」
世間的にはロビンは軍艦を沈めた悪魔と言われているがその実態は研究してはいけない空白の100年について研究していた者達、オハラの学者の生き残りだ。学者として無数の知識を携えて私達の冒険をサポートしてくれるのであれば私はそれ以上はなにも言わない。
誰を乗せるかどうかを決める権利は私にあり、ほんの少しの会話からロビンが悪人でない事は何となくで貴虎も孔明も読めており特に逆らうと言ったことは無い。
「……変わった人ね」
「ああ……それでどうする?」
「私には行く宛は無いわ……だから、なんでもするわ」
ロビンはこの船に乗りたくない!と言う事はしない。自分が脅されているという認識もしていない。
行く宛が無いのだからこの船で世話になると一時的に悪魔超人軍の門を叩いた。仲間になったわけではないので鬼出しの釜を使わない。
「さて、改めて今後の方針だが仲間を集めるのは変わらないがそれと同時に金を得たい。海賊や海兵から巻き上げる方針だとしても、それでも積極的に金を手に入れなければならない」
「意外ですね。そういうことを言うタイプではないでしょう?」
「珍しいな、金について色々と言うだなんて」
仲間を増やすのも大事だが、金を得るのも特に大事な事だ。
孔明や貴虎は私が金について執着するタイプではないのは分かっており、金について色々と言ってくるのは珍しいと感じている。
「なに、簡単なことだ。最初に言ったようにこの船は何れは乗り捨てる、私の船は何れはしっかりと手に入れる……だが、その為には船の素材、船を作る費用等がどうしても生まれてしまう。特に船の素材に関してはそれだけで3億は必須と捉えている」
私の船は当然、宝樹アダムで作る。
フランキーの発言からして宝樹アダムについては極稀にだが闇のルートで売られる。フランキーはルフィ達から奪うまでアダムを確実に買える金が無いので買い逃がしている。それまでの間は誰も手付かずか、それとも誰かが買っているかは不明だがアダムは定期的に売られている。
宝樹アダムの入手だけで2億ベリーがかかる。
それだけでもとてつもない額だが、そこから更に色々な物を乗せなければならない。冷蔵庫、発電機、浄水器と言った生活必需品は勿論のこと、サウザントサニー号にあったソルジャードックシステムに搭載されている物がある。ああいった物も冒険をする上で必須になるのは確かであり、それらを踏まえて安く見積もっても3億……それは素材の費用でありそこから更に船を作る費用で合計で5億以上は行く可能性は高い。
「船を手に入れるには相当な額が必須とは心得ていましたが、億単位ですか……」
「ここは偉大なる航路じゃないから海賊として駆け出しの者達ばかりだが……狩るのか?」
3億と言う数字を出されれば、どの様に反応していいのかが分からない孔明。
ここは偉大なる航路ではないから海賊として駆け出しの者達ばかりで、それらを狩って数億ベリーの貯金を作るのかと聞かれれば……答えに悩む。
「本当に金に困った時に使う手立てはあるが、それはしない。もう1つ手段はあるにはあるが私がしたくないと言う思いがある。故に第三の手段を考えなければならない」
本当に金に困った時は私の体液をダイヤモンドに変えればいい。それは明日に食う飯に困った時に使う本当に奥の手だ。
もう1つに関しては私の個人的な意思でしたくないと思っている……それをすればおそらくはボロ儲け出来るだろうが、それは他人の褌を自分の物と言い張って堂々と見せつけているだけだ。
「なら、いいところを知ってるわ」
「いいところ……場所ですか?」
金を得る方法についてなにかないのかと聞けばロビンがいいところを知っていると教える。
良い方法があるではなく、いい場所を知っていると言う事に対して孔明は疑問をぶつければロビンは西の海の地図を持ってきて、1つの島を指差した。それなりの大きさの島でありしっかりと地名が書かれており……国だった。
「ここは世界政府加盟国じゃないか」
「そうなんだけど少し違うの……ここは世界政府加盟国になる為に戦争をし続けている国なの」
世界政府に加盟している国なので下手に暴れればなにが起こるか分かったものではない。
あまり立ち寄りたくない場所なので貴虎は色々と言おうとするが、ロビンがこの島ならば問題無い理由について述べる。
「世界政府加盟国になる為に戦争?……見たところ周りに島々はありませんが、内戦中の国ですか?」
「世界政府加盟国になる条件は天竜人へ上納金と食料を納める事……だけど、お金も食料も国から無限に出てくるわけじゃない。食料なら広大な土地を利用して作ればいいけれど、お金だけはどうしても簡単には手に入らない」
戦争をしている国と言われたが、戦争をしようにも周りには国と呼べる島が無い。
内戦で戦争をしているのかを孔明に聞かれればロビンは順を追って説明を、食料が無ければ作るしかないがお金だけはどうしても簡単には手に入れることは出来ない。
「だから賞金首の海賊を利用するの……賞金首の海賊を傭兵として雇って戦わせて負けた海賊を海軍に。海軍から賞金を貰って、そのお金で色々と経済を回しているの」
「……不愉快な島だな」
どんな国なのかを聞けば不愉快と貴虎は嫌悪する。
「でも、代わりに海賊に必要な物があるならなんでも揃えれる。それこそ賞金首の海賊の賞金の何割かは貰えるし、銃や刀なんかも融通してもらえる。それに世界政府加盟国が傭兵として雇っているって事で下手に手出しが出来ないの」
賞金首の海賊で色々と経済を回している……海賊達が金を落とすから、その金で経済を回している街なら偉大なる航路には腐るほどにあるが逆に堂々と賞金首の海賊の賞金を逆手に取って国を回すとは……そう言えば、一応は賞金首なのだが何故か国の軍隊として認められている八宝水軍と言うのがあったな。アレと似たようなものと認識をすればいいのか?
「仲間を揃えるにしてもお金を手に入れるにしても、その島に立ち寄ればいいんじゃないかしら?」
「……他には?」
「今のところは無いわ」
別にその島に立ち寄りたくないという思いがあるから他の手段がないのかを聞いたが、ロビンはそれ以外の方法は無いと断言する。
海賊が居ると言ってもピンキリで、賞金は丸々持っていかれるのでなく何割かはコチラに貰えるという海賊側が得をするシステムもしっかりと作られている。
「……ロビンよ、そこが人が居るだけでなく世界政府加盟国であるのは分かっているな。例え海賊を利用して寛容的になっているとは言え、お前が居れば狙われる。お前は船番だけになるが構わんな?」
「ええ、構わないわ」
世界政府の事だろうが、あっという間にロビンが何処に居るのかの情報を掴むだろうが念には念を入れておかなければならない。
ロビンはこの島には特に興味を抱いていないのか、船番として残らされる事について異議は唱えずにスンナリと受け入れた。
「ならば、出航だな……孔明よ」
「ええ、航路を……面舵いっぱい!」
次に向かうべき場所が決まった……次に向かう島は、ナムコ島のバンダイ王国だ。