ヒトヒトの実 モデル超人種 ゴールドマンを食った男の話   作:アルピ交通事務局

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真面目という悪癖!の巻!

 

 賞金首の海賊については頭に入れることが出来た。ロビンを含め私達は学ぶと言う事に対して否定的な考えは特に持っていない。

 

「ふん!」

 

 私の顔は知られているのは厄介なのでこの国のマグネットパワーを少々拝借する。

 マグネットパワーを自らに纏わせればオーバーボディ……前回は天体戦士サンレッドのナイトールだったが今回は太鼓の達人の亀になった。マグネットパワーは星の生命エネルギーで星によって異なるのならばまだ分かるが、同じ星から抽出されるマグネットパワーとは異なる物なのか?……一応の研究はしているが、サイコマン程に極めていないから分からんな。

 

「また随分とコミカルな見た目になりましたね」

 

「前回と同じナイトールになるかと思ったのだがな……コレに関しては色々と謎が多い故にコレでいい」

 

「そのファンシーな見た目で何時も通り喋られるのも困るんだがな……ロビン、聞いたり見たりはハナハナの実で頼むぞ」

 

「ええ」

 

 太鼓の達人の亀になった事で孔明は何故にその姿と困惑していた。

 私自身も好き好んでこの姿になっているわけではないが、偽装するにはこの姿で充分だ。見た目がファンシーだが声は口調は相変わらずなのでリアクションに貴虎は困っている。ロビンは相変わらず船番、知りたいことや聞きたいことがあるのならばハナハナの実で生やして情報を集めるんだとアドバイスを送って再びバンダイ王国に乗り込む。

 

「日曜日は休戦の日だが……なにが行われているのか」

 

 セレスティア領にやってくれば極僅かだが人を見かけた。

 しかし、なんと言うかゴロツキばかりだ……喧嘩そのものはしないが、一触即発の空気だ。ギスギスしている空気ではあり嫌うものは嫌うだろうが、この程度のゴロツキならば見かけるところは割とある。

 

「そろそろテストの時間だな」

 

「どうせ俺等にゃ無理な話ってもんだ……ふざけんじゃねえよ」

 

 酒瓶を片手に愚痴を零している2人を見かける。

 この国に対する不満を抱いているのだがなにやら重要そうな情報を握っている。

 

「テストの時間とはどういう事だ?」

 

「か、亀の魚人!?……いや、亀って魚人なのか?」

 

「すまないが質問に答えてくれないか?テストとはどういう事だ?」

 

「お前等よそ者か……来いよ」

 

 この島では人間力がテストされるとは聞いてはいるが、テストの内容等については聞いていない。

 私が話しかければ亀の魚人と驚かれて話がややこしくなりそうだが貴虎がもう一度改めて聞けばよそ者だと分かり、教えてやると連れてこられたのは……図書館だった。

 

「この島、いや、バンダイ王国じゃテストが行われる。そのテストで合格すりゃ晴れてバンエルティア王が統治している領地に、でもそうでないのならばセレスティア領かインフェルシア領送りで殺し合いをしないといけない」

 

 図書館では……真面目に本を開いて勉学に勤しむ者達が居た。

 酒を飲んで愚痴を零していた2人と同じく見た目がゴロツキと言える者であり頭から煙を出してはいるがそれでも必死になって勉強に勤しんでいる者達だ……

 

「人間力を試すテストをしている、と聞いたが……ペーパーテストもしているのか」

 

 リグレットは人間力を試すテストをしていると言っていたが、ここでしているのはまさに受験勉強だ。

 ペーパーテストをしている、ではなくペーパーテストもしているのか?人間力を試すテストをすればペーパーテストはあまり不要に思えるのだが

 

「バンエルティア王の領地に居る人間は皆、点数を持っている。その点数が0になれば強制的にセレスティアかインフェルシアのどっちかに送られる……じゃあ、最初のその点数をどうやって手に入れるかってなりゃペーパーテストで手に入れる。そこから減点形式で人間力を試すテストが定期的に行われるんだ」

 

「……貧乏国家で海賊で成り立っては居ますが、割と良い国ですね」

 

「何処がだ!勉強が出来なきゃ人間力が悪けりゃ切り捨てる、この人間こそが正しいって押し付けるんだぞ!」

 

「……はぁ、孔明。この手の話題はどれだけ行っても平行線だ。議論してもなにも得られない、時間を無駄にするだけだ」

 

 国が国民に対してペーパーテストを持ちかけてその後に人間力を試すテストを定期的にしている。

 冷静に考えれば国として立派な事をしていると孔明はこの国が良い国であると褒めれば案内してくれた男にキレられる。孔明はなにかを言い返す前に貴虎は何処まで行っても平行線で分かり合えない事だと話しそのものを強制的に終わらせる。

 

「勉学に勤しむ事はとても大事なこと、教養や品性は真面目に努力しなければ手に入らないと言うのに……それを理解していないのですかね」

 

 教養と品性が無いと色々と大変な事になるのは孔明が一番知っている。

 それが無いとあるのでは色々と異なる……同じ四皇のカイドウと白ひげを比較すれば分かること。カイドウ側には品性等が皆無だ。だが、逆に白ひげ側もある程度の品性等を持ち合わせている。火拳のエースもシャンクスへの挨拶の為にとその辺をしっかりと学んでいた。

 

「それに関しては、自警団だった頃にも一悶着あった……勉学を拒む者達が何名かいて最終的には離脱した」

 

 私の指導についてこれたのはシュウジ、ナンジロウ、アラン、マツシロ、デンゾウ、ブラッドの最初の6人だけだった。

 あの6人に憧れて自分もと名乗り出る者が何名かは居たが勉学にも勤しまなければならないが為に音を上げて脱落した者達が居る。その者達は勉学よりも武芸を教えてくれと懇願してきたのだが、教養の大切さを理解していない者達等要らん。

 

「む……」

 

「大砲の音だな」

 

「今日は休戦日ではなかったのですか?」

 

 何処まで行っても平行線である事には変わりは無い以上は議論を繰り返しても時間の無駄になる。

 この国のシステムが分かったが、革命家でも何でもない私達が余計な口出しをするのはお門違いだと考えていれば大砲の音が聞こえた。今日は日曜日、セレスティア大臣が言っていた様に休戦の日であるならば大砲を使う理由が無い。

 

 いきなりの大砲の音に対して図書館に居る人間は大して驚かない。それどころかまたかと言う空気を醸し出している。

 大砲を誤射したとは考えづらい、何があったのかと図書館を出て行けば音が聞こえる方向に向かえばそこでは大砲を撃っているリグレットが居た。

 

「もう一発だ!確実に破壊しろ!」

 

 ドンと大砲の砲撃音が鳴り響き……小さな小船が撃ち落とされる。

 小さな小船には若い青年が乗っており、リグレットは容赦なく撃ち落とし……船は木っ端微塵に壊れたと思えばリグレットは空を駆ける。

 

「ほぉ、月歩が使えるのか」

 

 それが六式かどうか認識しているかは不明だが、リグレットは紛れもなく月歩を使った。

 月歩で相手の元まで駆け寄れば迷いなく銃を抜いて相手の頭を撃ち抜いて遺体を即座に回収し、戻ってきた。

 

「船出を妨害するとは随分と無粋な真似をしているな」

 

「その声は……いや、待て。なんだその姿は?」

 

「あの姿では色々と目立つ故にこの姿になっている。着ぐるみみたいな物だと思えばいい」

 

 戻ってきたリグレットに声をかければ私だと気付いたが声で気付いた為に見た目が異なっている私に戸惑う。

 着ぐるみみたいなものだと答えればリグレットは自分が何をしているかについて答える。

 

「あの船はこの国から出て行こうとする者だ……この国から出て行きたければ何処かの船に乗せてもらう。それ以外は許されない」

 

「それはまた随分と変わった話だな……お前はこの国を毛嫌いしてはいるが、海賊達を利用している点を除けば大分良い国に見えるんだが」

 

 リグレットはこの国を毛嫌いしているが、貴虎からすればこの国はいい国だと見れる。

 この国は勉強をしなければならない。勉強をする機会を与える。勉強の成果を示す時が来る……

 

「人間、向き不向きがあるとは言え勉学は基礎を継続すればある程度は身に付くもの。それが嫌だ苦手だなんだと適当な理由を作り上げて逃げるのはただの言い訳でしょう」

 

 その手の話をすれば平行線なのは分かっているが孔明も意見を述べる。

 不満を持っているリグレットに対してそれを言えばなにかしらの爆発が起きる……と思っていたのだがリグレットは感情を剥き出しにしない。冷静にどういう風に返すべきかと考えて言葉を返す。

 

「確かにその通りだ……この国の偏差値は他の国よりも遥かに高い。勉学に勤しみ教養を得ることで手に入る品性が大事なのは否定する要素は無い。だから、問おう。正しい人間とはなんだ?」

 

「正しい人間?」

 

「バンエルティア王の領地には至る所に監視電伝虫が置かれている……その映像を基に民は正しい人間かどうか常に採点されている。この人間こそが正しいと言う標を作り、そうでない人間は減点の対象となり最終的にはセレスティアとインフェルシアに落とされ、そこから再びバンエルティア王の領地に戻るべくテストがあり、それを永遠と繰り返している」

 

「…………」

 

「正しい人間、まともな人間、平均値、正常であろう状態、そんなものはこの世の何処にもない筈だ。誰かが勝手に盲信している空想上の存在だ。それは時代ごとに常に現れて人々を惑わせ憧れの存在だと近付こうとする。だが冷静に考えればそれを無視した先にある物を得た人間こそが未来を切り開くのではないのか?天才と呼ばれる存在は異常者の集まりではないのか?」

 

 ふむ……コレは……

 

「この国の民は正しさを強要される。そしてそれに反発した者は今の様に出て行こうとする。正しさの道からはみ出そう者ならば国に被害を及ぼす前に殺す、それがこの国のやり方だ」

 

「リグレットよ……お前は疲れているのか?それとも外の世界に憧れを抱いているのか?」

 

 この国のやり方と言う発言に対して憎悪を感じる。

 私は気になったので聞いてみる……リグレットは疲れているのか、それとも外の世界に対して憧れを抱いているのかを。あまりにも突然の質問にリグレットは一瞬だけだが固まった……そして考える。自分が疲れているのか、それとも外の世界に対して憧れを抱いているのかを。

 

「何故……その様な事を聞いてくる?」

 

「似ているのだ……ゴールドマンが敬意を示していた神の座を降りた慈悲の神と。己の正しいと思える思想での先導していた筈が何時の日かそれに限界を感じていた。先導の筈が何時の間にか秩序を名乗り管理者に成り代わってその結果、破壊と創造(スクラップアンドビルド)を繰り返していた。このバンダイ王国は慈悲の神が魂の老いにより老害と化した姿と類似している」

 

 ミュースと言う人間としてはそんな事は全くと言って思わなかっただろう。

 だが、私の中にあるゴールドマンの力が訴えかけている。このバンダイ王国は己の思想に限界を感じ老害へと変わり果てた慈悲の神(ザ・マン)と類似していると。そしてリグレットがなにを思っているのか、それを聞かねばならないと。

 

「……ゴールドマンは変わり果てた神になにをした?」

 

「新しい可能性を見せた……慈悲の神が夢見た世界を切り開いた」

 

「そうか……質問の答えだが、私は疲れているのだろう。この国のやり方が悪とは言えない、だが弟を殺さなければならない理由が生まれたのもまたこの国のやり方だ……もっと別の新しい何かがあるのではないか、そう考えているが正しさの奴隷に成り下がった為に私には答えを導く為の道標となるものが無い。戦って戦って戦い続けて今の地位にまで登り詰めたがそこまでだ」

 

 リグレットは自分は疲れている人間だと答えた。

 誰かから今のなんとも言えないただただ疲れて苦しむだけの日々から変わる為のなにかしらのキッカケが欲しいとでも思っているのだろう。

 

「部外者であるお前達にこんな話をしても仕方があるまい……明日からは戦だ。そこで精々賞金首を倒して金を稼いで装備でも整えておけ」

 

「……リグレットよ」

 

「まだなにかあるのか?」

 

「私の船の狙撃手に……この島を出る頃までに返事を貰う」

 

「……そうか」

 

 リグレットは殺した男を持ってバンエルティア王が統治している領地に向かった。

 殺した男が何処の誰なのかを、身元を調査する為に。

 

「私の時は全くと言って誘わなかったのに、随分と好待遇ですね」

 

 私自身の口から来いと言われたリグレットを見て孔明は少し皮肉を述べる。

 

「お前の時はお前が自らの意思で来なければ意味が無いと判断したまでで、今回は私の口から言わなければならない……乗せてもらいたいと言う奴もいるが、海賊は賊だ。本来は私が誘うものだ」

 

「それはそうだが……将軍は口下手じゃないのか?」

 

 誘わなければ一生悩んで答えを出せずに終わってしまうから声をかけたまで。

 本来は私から発信で仲間になれと誘うことだと言えば貴虎は私が言葉足らずの人間である。

 

「まぁ、あの者ならば狙撃手に相応しいでしょうね……自由とは解放ではなくその逆、責任を伴う事などの本質を理解しているのですから」

 

「考える事を止めれば人はそこで終わってしまう……将軍なりの慈悲か」

 

 孔明と貴虎はリグレットを狙撃手にする事に対して反対することはしなかった。

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